[第1回] 地球の鼓動・野草便り
私たちの身近には野草という強い味方がいる!?



 昔から薬用・食用として使われてきた野草にスポットを当てた連載を開始します。四季折々の恵みを美味しくいただく情報や有効成分を生活に生かす方法なども紹介します。記事を書いてくださるのは、野草研究家のにゃんにゃん母さんです。
 都会の真ん中でも、道路の脇や公園、河川敷にはヨモギやクローバーをはじめ様々な野草が生えているものです。緊急災害時はもちろん、毎日の生活の中でも、身近にある野草のことを知っていると優しい力で私たちを助けてくれることがあるでしょう。
 できる限り 野草の旬の時期と重なるように紹介してまいります。
(スタッフ こじか)
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野草研究のきっかけ

10年以上前になるでしょうか?現シャンティ・フーラ合同会社代表の白井薫氏(長男と同じ歳)と偶然知り合い、自給自足を目指し、自立と助け合いをテーマに『百姓の会』を立ち上げました。まったくの素人だった私たちが、ほとんどただで、人の繋がりだけで師匠を得て、田畑を借りて野菜作り、お米作りを学び始めました。

大根

その頃は、わたしは自然農法なる言葉も知りませんでしたが、20代の頃(約40年も前!?)、有吉佐和子さん著作の『複合汚染 』を読んで、食品添加物、農薬の怖ろしさは知っていました。

当時はまだ独身でしたが、将来子供たちに何を食べさせたらいいのだろうかと悩み、そうだ野草があるではないかと思いつきました。田舎出身の母が時々、おいしいからと野草を食卓にのせていましたし、草なら農薬もかかっていないと思ったのです。(ところが今は除草剤が流行っています。)

野草研究会と称して、広島市内の植え込みの影や郊外の荒れ地を探すと、本にある食べられる野草がたくさんありました。幸い子供の頃から植物が好きで、多少草の見分けがついたのです。(ありがたいことに、書店には食べられる野草の本がありました。)

その後、結婚して2人の子供を出産し、すっかり健康オタクになっていたので、自然食品店でお財布のゆるす範囲ですが買い物をするようになり、しばらく野草研究からは遠ざかっていました。
そうそう、離婚して生活に困った時に、たまに野草を摘んで食べてましたっけ……!!

本格的に野草研究を再開したきっかけは『百姓の会』で知り合った方から、玄米や野草で命を救われたといわれる東城百合子さんの講演会や本を紹介してもらったからです。以前は食べ物として考えていた野草が、実はたいへんな薬効があることを知りました。

中でも一番薬効があると実感している野草の代表格は蓬(ヨモギ)さんです!子供の頃、蓬で擦り傷を治した経験をお持ちではないでしょうか?蓬は天然の抗生物質で、抗酸化力はビタミンCの何十倍とか。身近な植物たちがとても素晴らしいことを、ご紹介できる機会をいただけたことはとても嬉しいです。まだまだ勉強中ですが、少しでもお役に立てればと願っています。

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さて、野草をご紹介する前に自己紹介を兼ねて、私の田舎暮らしをご紹介したいと思います。約7年前、田舎に来て一番最初に感動したのは、雨の音でした。街中では騒音で雨の音に気づくこともなかったのでしょう。田舎の静けさに、雨や風の音、鳥のさえずりが聴こえて来て、遠い昔を思い出すような懐かしさを覚えました。

地域の顔役の方に、家賃1万円以内でとお願いして探してもらった古民家は、築130年以上。実は日本の古民家が優れた健康住宅なのをご存知でしょうか?土壁には切り藁などのスサを入れ、半年位かけて発酵させてあり、藁とい草の畳にも、茅葺、藁葺きの屋根にも納豆菌(枯草菌・・・発酵菌)がいっぱいいて、病原菌などから住人を守っています。知り合いの大工の棟梁が、自然乾燥させた木はノコをあてるとわかると言います。100年も200年も家が長持ちするのは自然乾燥の木のお陰と通気。(余談ですが低温乾燥を開発されている材木屋さんが広島にもあるそうです。)

戦前からのゴエモン風呂は鉄釡が分厚く、体があたってもあまり熱くありません。薪風呂に薪ストーブの遠赤効果の料理やお風呂は無料の燃料(町内の製材所の廃材や山や道路に落ちている枯れ枝や杉の葉)の火を焚く生活。

お風呂2
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  1. ヤツデ:飲むと風邪の症状の薬になるようですが、リューマチ、腰痛などの入浴剤としての薬効もあります。
  2. ハラン:よく料理の飾りに使う葉で、昔から家のやや日陰に植えられていました。根が漢方薬で、滋養強壮にもなる優れものです。
  3. 石菖(ショウブ属):端午の節供の菖蒲湯に入れる本ショウブの代わりにもなる薬効の高い植物です。浴湯料として関節痛、打ち身などに用いられます。
  4. ミント:今の季節のハーブはあまり香りがしませんね。
  5. オレガノ:冬でも葉が残っていて強いハーブで、よくイタリア料理に使われます。オレガノも天然の抗生物質と言われるくらい殺菌作用のある薬効の高いハーブです。

そして野草に自然の水。
最近見つけた近所の湧き水の自然流水の美味しいこと。
当「時事ブログ」で紹介されたヴィクトル・シャウベルガー氏のまさに『生きた水』です。

湧き水
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1年で最初に食べる野草は1月7日の七草粥ですが(植物や季節行事には旧暦が合います)、2月(旧暦の1月)春の野草1番バッターはフキノトウです。
虫刺されの一番の薬はフキだとおもうほど、解毒、排毒作用のあるフキをぜひ食べられると良いと思います。

長けたフキノトウや若いフキの葉や茎も皮付きのまま、天ぷらやフキ味噌、佃煮に手早く料理すればアク抜きなしで美味しくいただけます。

  1. 米粉を最初にふりかけ、油がはじけないように、水分をなじませてから水を入れます。塩少々も。
  2. 米粉だとカラッと揚がります。少し高めの温度で。
  3. 油は古式圧搾法の一番搾り、九州産菜種。

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教えて!ニャンコ先生!
自然豊かな大地を毎日かけまわっているミヨ(ニャンコ・2才)がお答えします!


質問者
質問です!
スーパーで売っているフキノトウしか見たことがありません。
どんな風に生えているの?簡単に見つかるかなぁ?

ニャンコ先生
前の年に葉っぱがある場所を覚えておかないと、蕾のフキノトウは見つけにくいにゃー。

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ニャンコ先生
フキは葉っぱが出たり、花が咲くとわりと見つけやすくにゃるにゃ!
野生のフキを少し庭に植えておくのもオススメにゃ!

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■ 参考文献
イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社

ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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