ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第5幕 点火〜

 電話機リース詐欺の“こと”はそれまでとは逆方向に振り子は振れ、幸いにも最悪の状態は脱しました。2005年3月4日に3件目は書類不備もあり契約が不成立との報告を掲示板で行いました。
 その夜電話がありました。「・・・トラストのK弘治です。」。「?何か?」と私。K「掲示板の記事読んでいますよ。」。私「・・・それで?」。K「いや、まあ特には・・・。」。「監視しているぞ」との脅しの意味もあったのでしょうか。その口調の響きには「何度も騙されるあほなおまえさんにはたとえ弁護士がバックに付いていようとも契約無効など絶対無理、しかしまあ気が済むまで、せいぜい頑張ってみるんだな。」とのニュアンスが明らかに感じられました。
 そしてこのトラストコミュニケーションズのK弘治はこの後いわば契約内容の可否を巡り格闘する相手となるのでしたが、既に記しているとおりいみじくも彼の口調にあったニュアンスのように、この後しばらくして私は弁護士事務所から「匙を投げられ」途方に暮れる事態になったのでした。
(seiryuu)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第5幕 点火〜

pixabay[CC0]


自問自答



 電話機リースの問題はマスコミ等に大きく取り上げられないまま日本全国に秘かに広がっていました。その浸透ぶりから単なる訪問詐欺悪徳販売業者の問題ではないのは明らかでした。私は自身のその契約を取り消しながら、その背後にあるであろう巨大なものその正体を明かしてやろうと考えていたのでした。弁護士事務所を支え頼りとして闘っていくつもりだったのでした。しかし、その目論見は完全に暗礁に打ち上げられ私は支えを失って膨らんでいた思いは萎み、これからの方針の再検討に迫られました。

 2005年の3月中旬のあの日以降、「どうしようか?」幾度か自問自答を繰り返しました。「弁護士のアドバイスに従い、今止めているリース代金の銀行引き落としを再開するか?結局これが無難と言えば無難だが?金を払うのは納得できない。しかしそれであの鬱陶しい連中と関わる事も避けられるけど?」。月々3万円の出費、当時においてはバカバカしい出費ながらそこまで無理のある数字ではありませんでした。・・・しかし「そんなことはできない。できるはずがない!第1おまえはそのような行為を納得できるのか?おかしいと感じているのではないのか?」。自分の内部の声が大きく響きます。

 同時にS秀作に語った自分の言葉が情景として幾度もよみがえります。「悪かったな。私がしっかりしていなくて、君に騙されてしまって。」そうなのです。弁護士が語ったように金を払うとは相手のその行為と契約内容を是として容認することになるのです。私が被害者になるとは加害者を作ることでもあるのです。結果として悪に加担することなのです。騙してもいけないが騙され続けてもいけないのです。傷つけてもならないが傷つけられるべきでもないのです。これははっきりとその意思表示を行わなくてはならないのです。

 頭で思い計れば契約無効取り消しは「非常に困難なことは明白」です。専門の弁護士には匙を投げられ共に闘う仲間もなく問題に立ち向かうのは素人の私一人です。裁判となれば時間もそうですが大変な出費も重なるでしょう。しかしそれでも内部から響く声は一定で揺るがないのです。どうするか?幾度繰り返しても自問自答、その答えは最初から決していたのです。


点火



 私は現在もそうですが当時もお釈迦さんの遺言「自らを灯火として、他を灯火とすることなかれ。法(ダルマ:真理)を灯火として、他を灯火とすることなかれ。これを日々続けよ。」を紹介することが多かったのです。自分以外の誰かを依存してしまい支えにする行為、真理とは外れるところの損得を基準とする行為、これらは選択すべきではない行為だと私自身が日頃折に触れて語っているものなのです。

 それを語る以上自分自身がそれに反することは選択できるはずもないのです。そして、思えば私自身が弁護士事務所に依存しその陰で自分の願望を遂行しようとする姿、それに対しまるで“すねお”のようだと自分に時折違和感を感じたりしてもいたのです。

 また、まるで弱い被害者面をするのもおかしいと感じていたのです。「私にはどうすることも何もできない、仕方なくお金を払う被害者なのだ」これは相手の思うつぼで悪に同調加担することになるのですから。「最初は仕方ないにしても、たとえ弁護士といえども自分ではないのだから、それにずっと依存しようとするのがおかしかったのだ。それがいけなかったのだ。「他人のふんどしで相撲を取る」だった。」。

 「結果はついてくるものであって、先に結果を恐れ計算勘定することではない。自分のやるべき事やれる事に全力を傾ける。優先すべきは自分の感性であり内なる声である。それに従いながら“こと”の真相を明らかにする。それ以外にない。」こう落ち着いたとき、私の胸の奥に“ぽっ”と灯りが点るのを確かに感じたのです。小さな灯りですがそれは強く決して簡単に消えない灯りであることは即座に解りました。

 「とことん付き合ってやろう。彼らに関わるのは鬱陶しく厭だったけど、こうなれば私の方がむしろ彼らにまとわりつき、彼らの方が私に関わるのが鬱陶しく避けたがるほどになるまで・・・。」。このように腹を決めた頃には既に不思議にも恐怖もそして不安さえもがほぼ消滅していたのでした。相手は巨大強力なはずです。しかし私の内部ではなぜか「どうにかなる、どうにかなる、当然だ。」との声が大きく響いていたのです。


相手は?



pixabay[CC0]


私には「なぜ?」と疑問に感じていたことがありました。電話機リースの件を「しらみつぶし」のようにネットで検索していました。まれにクーリングオフが成功した事例もあったのですが、その場合においてもそのユーザー側が(弁護士司法書士らと)争う相手は必ず販売業者でした。そしてネットでのリーストラブルの相談に対する回答でベストになっているのは「リース会社は関係なく販売業者に問い合わせるように。」といった類いのものばかりなのです。

そして確かに私が気にして調べたのは販売業者の日本システムライン、トラスト、Sラムでした。しかし、販売業者のみに目が向きリース会社は不問、これは不思議なのです。なぜか?リース契約の相手、金を受け取るのは誰でしょう?確かに(私を始めユーザーが)接触し書類に押捺させられるのは販売業者です。しかし契約相手も代金の支配先もリース会社なのです。その契約相手で金を受け取るリース会社がまるで善意の第三者の扱いなのです。これは明らかにおかしいのです。不思議に思い何か意図的なものも感じました。私が記す「問題の背後、真相を明らかに」とはこのことだったのです。

私の相手先のリース会社は書類に「エヌ、ティ、ティ、リース」とあります。実は2005年3月末頃までこれがNTTリースだと認識していなかったのです。書類を一瞥しその名称をみて「なんじゃ~?エヌ、ティ、ティ?NTTを騙るバッタモンのインチキ会社か?」と思っていました。それがれっきとしたNTTグループの本社の一角だったのです。一瞬驚きました。「まさか?」と。[争う相手として超巨大だということもありますが、超(?)一流企業(?)だったことに対してです。NTT本体の一角が詐欺契約で現実に法外ともいえる金を徴収しているのですから。

しかしすぐに私は「ハーン、そうか、なるほど、やはりそうなのかもしれない」と思ったのです。それは既に2月下旬には私の中にNTTに対する重大な疑義が生じていたからです。NTTはホームページで「ご注意下さい。NTT販売店をかたった強引な商法」の注意喚起をしていました。

しかしNTT販売店を騙っているのでなく詐欺トークで契約迫るのはれっきとしたNTT販売店(代理店)だったのです。日本システムライン、トラスト、Sラム。契約時これらは全てNTT販売店でした。それでNTTに対しNTT販売店の振る舞い、契約内容について問い合わせを私は2月にしていたのです。

ところがそれに対するNTTの回答
(詳細は次回に移し結論だけいうと)、それは大変ずさんなうえ虚偽をも含むひどい代物でした。非常に問題のある回答であり態度であったのです。これではリース被害を防止するように見せかけてはいるが実際には幇助しているのではないか?と感じていたのです。だからこそ「エヌ、ティ、ティ、リース」が「NTTリース」だと認識したとき一瞬驚いたと同時に妙に納得もできたのです。

 ともあれ彼らは日本屈指の巨大グループ企業です。圧倒的に巨大ですが闘うべき相手の輪郭が見えてきた2005年3月末でした。後は闘っていくための糸口を見つけなくてはなりません。ネットででているクーリングオフに持って行く作戦は私の状態では成功しないでしょうから、違う方法が必要でした。ともあれ結果がどうなっても全容は明らかにする決意は固まっていました。

Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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