かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(26)子育て

かんなままさんの執筆記事第26弾です。 

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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子育て
 子育てを本気でやろうと思ったら、徹底的に全身でぶつかるしか方法がありません。片手間に等できません。子育ては二足のわらじは履けません。全身全霊でないと出来ないのです。そうしてはじめて、潜在意識、無意識のレベルから取り組めるのです。そういうものなのです。

出典:「ぴ・よ・こ・と3」竹下雅敏(著)


娘は小児科医〜待望の赤ちゃんTちゃんに起こった悲劇


ずっと気になっていることがありました。孫のTちゃんの事です。
娘の最初の子で、待望の赤ちゃんでした。離れて暮らしていたのでなかなか会いに行けませんでしたが、娘は4人兄弟の中で育ち、小児科医でもあるので子育ての勘が備わっていました。上手に赤ちゃんを感じとり、大切に育てていました。

pixabay[CC0]


Tちゃんは母乳だけで丸々太り、誰に対しても笑いかけてご機嫌でした。泣くという事はあまりなかったように思います。病気もせず、発達も順調で、安心しきっていました。

ところが、1歳のお誕生日の日に、悲劇がやって来ました。
育休は1年。誕生日の日から職場復帰なのです。私も気になっていたので慣れるまで見届けたいと思って、しばらく娘の所に滞在することにしました。慣らし保育というのがあります。娘は仕事復帰したのですが、私が世話をするという事で、保育園の慣らし期間を長くしてもらいました。

まずは2時間、私と一緒に登園して過ごします。まわりの事に興味津々で、お友だちと一緒に何でもやってみます。お歌も、手遊びもまねて楽しそうです。

勤務している病院の院内保育なので、授乳しに行くこともできます。園舎は木造で古いけど、暖かな感じで、優しい色で統一され、小部屋がたくさんあって、担当の先生が少人数で対応しておりました。おもちゃも吟味され、わらべうたを歌いながらの保育でした。慣れている子は楽しそうに過ごしています。木陰があり、外遊びもできそうです。とても質のいい保育園だと思いました。少し安心しました。

でも、次は3時間1人で過ごすことになりました。朝は、きょとんとしていながらもバイバイができました。私も3時間の辛抱です。はやる気持ちを抑えて迎えに行くと、案の定、先生からおんぶされて泣いていました。

やっぱりです。当たり前です。
切なくて、どうにかできないものか・・・知恵はないか、考えました。でも、子育て万華鏡にも書いたように、職場復帰が条件の勤務体制でしたのでどうにもなりませんでした。私がお世話してあげたいのですが、遠いので叶いません。パートナーは別の遠い病院に勤務です。娘1人で頑張るしかありません。作り置きしたおかずをぎっしり冷蔵庫に入れて、後ろ髪を引かれるような気持ちで帰りました。

それから、孫はどんなに泣いても朝8時から夕方5時まで保育園です。毎日泣いて、先生におんぶされて過ごし、娘が迎えに行っては更に泣き、家に帰ってもおっぱいにしがみついて家事もできないという日々でした。土日はご機嫌ですが、又月曜日が始まると泣く。とうとう病気ばかりするようになり、何度肺炎になって入院したことでしょう!

やっと契約の1年が過ぎ、娘達は意を決して我が家の近くの病院に勤務を変えました。今度は夫婦一緒です。でも、専門医になる試験があるので、Tちゃんは別の保育園に預けられました。無事に合格。その直後に2人目を生み、Tちゃんも保育園を辞めました。それからはずっと専業主婦です。3人目が生まれ、来年は下の子も幼稚園に入りますが、まだ子育てに専念したいとのことで復帰の予定はありません。


3年生になったTちゃんの困った行動とその深い理由


その時の赤ちゃんがTちゃんで、今は3年生です。
娘は専業主婦になって家事、子育ての本領を発揮して、よくやっていると思います。孫も個性豊かに育っていますが、そのTちゃんが時々、弟や従妹をいじめるのです。仲間外れにしたり、わざといじわるしたり・・・。目に余る時は叱ります。でも、そうなると今度は突然大声で泣き出すのです。「ママ!ママ!」と言って。

「どうしたの?」と聞くと「ママは弟ばかり可愛がって、ちっとも、私の話を聞いてくれない!」と言うのです。客観的に見て、そんなことはありません。ちゃんとみています。娘も「もう!いっつも、こうなんだから!こんな時は抱いても、優しく話しても、何をしてもだめ。泣き止むまでほっとくしかない」とあきらめモードで言うようになりました。でも、「それはいかんだろう、理由があるはずよ」と言った時です。ハッとしました。

そう、理由があるのです。
Tちゃんは、どんなにママの傍にいたいと言っても叶えてもらえなかったのです。その時のショックが潜在意識、無意識に強烈に刻まれているのです。だから、今は構ってもらえていても、ちょっとストレスを感じた時などにこの不満が出てくるのです。自分でもどうしてこんな感情になるのか、わからないと思います。「構ってもらっているでしょ」と言われても傷ついてしまっているのです。

pixabay[CC0]



子供たちが人生の大きな損失を負う社会の在り方


ああ、この感情を安心に変えるためにはどのくらい償えばいいのでしょうか?自分より弱い人をいじめて、傷つけ、そんな自分も嫌になり、自己肯定感まで無くしていく。さらにこれからの人生の判断が潜在意識、無意識の判断でなされることを考えると、これは人生の大きな損失です。

何も疑わずに愛を受け取ってニコニコしていた赤ちゃん。娘も一生懸命子育てをしてきました。むしろ、子育てが上手で、子どもを怒ったりしたことはないかもしれません。娘の気持ちも切ないけど、孫の受けた傷は私達大人が想像もできないくらい大きかったのです。

子どもを本気で育てるには、それほど全身全霊で育てなければいけないのです。働くということだけではありません。日頃の関わり方、社会の環境、子どもが通う園や学校・・・。悲しいかな、今の社会は子どもに障害物競争をさせているようなものです。

事の重大さに気づいても、どうすることもできずに無力感を感じることがあります。あの時、娘にもっと強く言えばよかったのか?反省もあります。でも、今は自分で気づいたから、子どもの傍にいることを選択している娘を褒めてあげたいと思います。ただ、Tちゃんには事あるごとに「あなたは大切な存在だ」と感じさせてあげたい!でも、きっと神様がそれを取り戻すチャンスを与えてくださると思います。

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は8人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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