[第46回] 地球の鼓動・野草便り 食用炭


食用炭

妊娠したらやたら炭が食べたくなった、という話を聞いたことがあります。
お腹に回虫がいる時も無性に炭が食べたくなるのだそうです。
植物性の炭・・・それはミネラルだといいます。そして多孔質で有害物質を吸着するのだそうです。


放射能にも炭が有効だという話は以前から耳にしたことがありました。日頃からおこげを食べるようにした方がいいと聞いていました。実は年末、鍋を火にかけたまま、疲れて眠ってしまい、おせちの煮しめを焦がしてしまいました。それも半端なく。レンコンの下半分が炭になっていて・・・そうだ炭を食べなさいってことだよね・・・と炭の効用を思い出した次第です。(もちろん自家製の炭レンコン、ありがたく頂きました。)

チェルノブイリ事故の時に、ヨウ素を嫌って飲まない子供に、お年寄りが炭をすりつぶして飲ませていたそうです。そして便を調べると、多量の放射性物質が排出されていたのです。ロシアの民間療法で、毒物を誤って食べた時や、お腹を壊した時に炭を食べていたとか。

日本でも炭焼き職人さんは体調が良くない時には炭を食べて治していたらしいです。忍者が毒を盛られた時に炭を食べたとも・・・。
また、炭は中性子線やガンマ線を通さないので、原発事故の処理やアメリカ軍がイラクで劣化ウラン弾を使った時のマスクやベストに、日本から大量に買った炭の粉が、使われたのではないかといわれています。炭は放射性核種を吸着排出するようです。
(参考:竹炭でセシウム吸着 中京大グループ実証
(参考:身体から放射能を除去する方法

ただし、注意しないといけないのは、放射能を含んでいる薪や炭が出回っていることです。バーベキューなどで、逆に放射能を取り込んでしまうそうです。
(参考:木炭から放射能「焼き肉」「焼き鳥」「蒲焼き」が危ない!? (日刊ゲンダイ)

菜食主義には関係ないとはいえ・・・。炭で放射能を除去するはずが、逆に放射能入りの炭だったなんていうのはいやですからね。
炭や灰は放射能が濃縮しています。灰といえば、各自治体で処理されている可燃ゴミの灰。全国に流通している放射能を含んだ野菜や肉、魚などの生ゴミも燃えるゴミとして処理されています。
実際に買ってきた食品を簡易の放射能測定器で測っていました。詳しく理解しているわけではないのですが、確かに数値が上がるものがありました。

以前、可燃ゴミの灰の埋め立て処理の住民説明会に参加したことがあり、そこで、放射能が濃縮されて存在しているはずだから、何か対処しているのかと質問したことがあります。なんと灰に含まれる放射能の測定も何もしておらず、国の有害物質検査項目に放射能は入っていないという話でした。灰を埋め、地下水への影響はどうなのか、水道水への影響が一番気になるところです。東京都は活性炭を311以降使っているそうですが、広島県は現在年1回、水道水の放射能検査をしていて、放射能は検出されていないのだそうです・・・(電話して聞いてみました)。よってカビ臭や油流出などの場合に活性炭の粉を撒く以外は、使っていないそうです。

とはいえ、やはり炭を定期的にいただいて自己防衛した方が無難です。
(参考:放射能除去と防御ができる食事まとめ。内部被ばくの対策

竹炭や麻炭(麻炭も効果が高そうですね)を多くの方が利用されているようです。


炭は台所で簡単に作れます。いえいえおこげではありません。鉄鍋に桜の枝を入れ、上に餅網をのせて蓋をして燻製を作ります。すると桜の枝は炭になります。 燻製をしながら炭も作れます。フライパンに茄子のヘタを乾燥させたものを入れ、蓋をして弱火にかけておくと、茄子の炭ができ、塩と混ぜて歯磨き粉にします。柿のタネを黒焼きにしたものも、抗炎症などの薬効があるようです。 マコモや杉、檜や、松葉などいろいろな炭も作れそうです。

また、玄米コーヒーなど玄米の炭や梅干しの炭、タンポポの根の炭コーヒーなど炭を利用した健康食がいろいろありますね。玄米を黒くなるまで気長に炒り、塩水で味付けするといいと教えていただきました。 食用ではないですが、本格的な炭を自分で作るなら、藁と籾殻を使ったこんな作り方を紹介してありました。 (参考:炭の作り方

一斗缶で作る方法、ガスコンロで割り箸をアルミホイルで巻いて餅網の上で作るなど、皆さんいろいろと炭作りをされています。
昔からの日の丸練炭の日の丸産業さんが鉄と炭を混ぜて、水質、底質浄化炭というのを作られています。有明海の浄化に投入されている様子が紹介されています。また、使用済みカイロの鉄と炭の粉を、団子にして海に投げ込む活動をしているボランティアグループもあります。

鉄は地球上のあらゆる生物にとって、栄養吸収に必要な酵素の働きになくてはならないものだそうですね。余談ですが、我が家の鉄鍋にはウレタン塗装などしてないので、微量な鉄分の供給源です。最近の鉄鍋にはウレタン塗装してあるものがほとんどのようです。あるいは、フッ素コートが炊飯器、フライパン、水筒などに使われています。使っているうちに剥げ落ち、もしかしたら食べてしまっていますし、せっかくの鉄分をいただけません。



話は炭からそれましたが、炭は植物が姿を変えて地球や生き物を浄化してくれる、ありがたい存在なのですね。汚染しているのは人間なのですが・・・、そう思うとなんだか泣けてきました・・・。

yasou
自然賛歌

万年青(オモト)の実

カマキリの卵



コノテヒバ(コノテガシワ)の雌花と雄花・・・(ヒバ=アスナロ)


松ぼっくりの赤ちゃ・・・2年かけて松の種を作る


セイタカアワダチソウの種



ヤマウルシ?の実



リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)の実



忍冬(ニンドウ)の実



雪でもタネツケバナの花



雪でもタンポポの花




■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

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