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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝9 ― 黒い貴族の二つの系統
カナン族 ~地中海を支配する悪魔崇拝の一族
「黒い貴族」には「カナン族」と「王家の血流」という2つの系統があるように見えます。この2つの系統について、先に「カナン族」の系統についての大雑把な見解を示します。
「カナンの地」と呼ばれた一帯があります。カナン族の本拠であり現在の中東パレスチナの一帯です。「カナン族」、彼らは紀元前の遙か昔にフェニキア人とも呼ばれ、地中海とその沿岸全域をも勢力圏にしていきます。
フェニキア人の交易路
Author:DooFi [CC BY-SA]
カナン族はたぐいまれな商売の才があり優れた造船技術を持っており、古代に「海の民」と接触した後に、共になって勢力を拡充して海上貿易で繁栄するのです。そしてその主な貿易の中の一つには「奴隷貿易」がありました。
ハムの血統で肌の色が黒く、古代から悪魔崇拝にいそしんでいたカナン族は、これら海上貿易で巨利を得て地中海の支配権を獲得していきます。彼らは植民都市カルタゴを建設したことでも有名であり、海上帝国を築いたのでした。このように繁栄を誇った彼らでした。
3回にわたるポエニ戦争(Punic War)中の■ローマと■カルタゴの領土変遷
※画像中、左下のマイナス表記の数字は年号
※画像中、左下のマイナス表記の数字は年号
編集者註:第1回(BC264〜BC241) 第2回(BC218〜BC201)
第3回(BC149〜BC146※カルタゴ滅亡)
第3回(BC149〜BC146※カルタゴ滅亡)
しかし、やがてローマ軍によって築いた海上帝国が滅ぼされます。最終的にポエニ戦争でカルタゴが滅亡させられたのが紀元前146年です。ただし、海上帝国は滅ぼされましたが、カナン族自体は滅亡したわけではありません。
カナン族は「ユダヤ人」だと自らを騙りながらローマ(後のローマ帝国)の中に入り込み、貴族たちを籠絡しつつ、特権ユダヤ人、宮廷ユダヤ人として力を蓄えていきます。ローマ帝国内部奥深くに入り込み腐敗堕落させるのです。
やがてローマ帝国が滅亡に追いやられたその大きな一因が、彼らカナン族だと見てもいいように思えます。
その彼らは、ローマ帝国が滅ぶ頃には、ヴェネチアを本拠地とするようになっていました。
ヴェネツィア共和国の領土の変遷
Author:Maximilian_Dörrbecker [CC BY-SA]
「紀元466年、ベネチア(フェニキア)の町が建設された。その地形の特異性、さらにはカナン人が躍起となって金と権力を追求したことで、町はほどなく商業世界の中枢となった。」と『カナンの呪い』でユースタス・マリンズが指摘するように、彼らはヴェネチアを本拠地にして、その後再び地中海貿易を独占していき、11世紀には実質的に地中海を支配する「ヴェネチアの黒い貴族」として欧州全域で知られるようになっていたわけです。
「黒い貴族」の源流にあたるであろう「カナン族」については、大体こういうことだっただろうと推測できます。付け加えると悪魔崇拝の「カナン族」はブラック・ロッジ、つまり地獄のそして「表のイルミナティ」側となります。
王家の血流 ~マグダラのマリアと聖杯伝説
「黒い貴族」のもう一方の系統と思える「王家の血流」について。「王家の血流」それは何か? 一口で結べば「ユダヤ王の血流」です。
タルムードでは「ユダヤ王は真の世界の法王となる。ダヴィデ王の子孫のうちの数人にのみ大真理が伝授される。」と表現されるダヴィデ王の血流です。
また「王家の血流」を違う側面から見ると、ダヴィデ王の血流をその身に受け取った「マグダラのマリア」の血流となります。(これが「聖杯伝説」となるのです。聖杯伝説の正確で詳細な情報は、映像配信「ダ・ヴィンチ・コードの真相」等をご視聴下さい。)。
マグダラのマリアとは、イエス・キリストと行動を共にしていた極めて重要な女性なのです。血統ユダヤ人です。イエスが磔刑にあった時マグダラのマリアは身ごもっており、受難を避けてフランスに逃れます。このマグダラのマリアが身ごもっていた子供について「イエスとの間の子ではないか?」等等の憶測がなされ、数々の伝説が生みだされたわけです。
フランスの各地などで秘かに「黒いマリア崇拝」が残っています。黒いマリアはマグダラのマリアの象徴です。「黒いマリア崇拝」が残った理由は、血統ユダヤ人であるマグダラのマリアの肌が黒かったのと、マグダラのマリア本人がある教えを布教していたからなのです。
トゥールーズの黒い聖母
Author:Didier Descouens [CC BY-SA]
イエスキリストの教えを伝えた12使徒は有名ですが、12使徒よりマグダラのマリアの方が遙かに高い位置にいたのです。キリスト(メシア)とは、①祭祀のキリストと②王のキリスト、この2つのキリストがありますが、キリストとは「塗油を受けたもの」を意味し、簡単に表せば「ユダヤ王」です。
そしてキリストの上に位置するのが預言者です。預言者から塗油を施された者がキリストと認められるのです。イエスに塗油を施した預言者こそがマグダラのマリアだったのです。
彼女が伝えた宗教が本来のイエスの教えです。それは秘教グノーシスでありカバラであり錬金術です。「カタリ派」と呼ばれている宗教です。
そして、そのマグダラのマリアを表す象徴が五弁のバラとなります。
ともあれユダヤ王家の血流、すなわちダヴィデ王、またはマグダラのマリアもその血流子孫も、肌があさ黒いのが当然です。本来の血統ユダヤ人は、ノアの息子で黄色人種とされるセムの血統で、人種的にはアラブ人だからです。従って肌の色からは「黒い貴族」とはなります。
ただし肌はあさ黒くても「王家の血流」、こちらの方は波動が黒いわけではなかったのです。悪魔崇拝では元々なかったのです。しかし、ある時期から「王家の血流」で悪魔崇拝に転じていったグループがあります。これが「黒い貴族」へと合流したとは推測できます。
黒い貴族に合流した王家グループ ~ヴェネチアの象徴にマグダラのマリアの影
血統が異なる点から分かるように、「カナン族」と本来は別の系統にあった「王家の血流」。
ジョン・コールマン博士が「黒い貴族のすべてが王家につながっているわけではないが、」と前置きしながらリストアップした欧州王家たち、欧州王家のほぼ全ては、婚姻血縁関係で繋がっているでしょう。
しかし前置きされたように、その中には「黒い貴族」に属さない王家もあるとのこと、そして逆にリストの「黒い貴族」と分類された王家たちは、最終結果として悪魔崇拝に転じたグループと見なせるかと思います。
ただしその中でも「カナン族」と婚姻血縁関係で結びついた「王家の血流」もあればそれ以外もあり、悪魔崇拝の時期も異なりそうです。
ともあれ「王家の血流」が、「いつ?」「どういうかたちで?」黒い貴族に合流したのか? これは現段階ではハッキリとせず私には謎です。ただし、それを推測するヒントになりそうなものもあります。ヴェネチアの象徴となっている「ヴェネチアン・ライオン」です。
(左)聖マルコと(右)ヴェネチアン・ライオン
Wikimedia Commons [Public Domain]
Author:Wolfgang Moroder [CC BY-SA]
5世紀には「カナン族」の本拠地になっていたであろうヴェネチアに、この「ヴェネチアン・ライオン」の銅像が設置されるようになったのが12世紀のようです。このヴェネチアン・ライオンは福音書記者の一人である聖マルコを表現しているとのことです。「823年にベネチィアの商人が、エジプトのアレキサンドリアから聖マルコの遺体を持ち帰った」のがそのきっかけとなっているようで、ヴェネチアと強く繋がっているこの聖マルコの伝えた宗教は、グノーシスでありカバラなのです。
聖マルコはエジプト人聖職者オルムスに洗礼をほどこし、オルムス派ができます。それが別名「(古代)黄金薔薇十字団」です。秘教組織であり、薔薇、つまりマグダラのマリアに直結するカタリ派の一派です。
エジプトのアレキサンドリアから遺体を運び、ヴェネチアの象徴となった聖マルコを表すヴェネチアン・ライオン、この銅像の裏に、確かにマグダラのマリアの陰が見て取れます。
聖マルコの遺体がヴェネチアに運ばれた823年から、その町の象徴としてヴェネチアン・ライオンが設置された1175?年頃、この間にマグダラのマリアの血統子孫、「王家の血流」のあるグループが悪魔崇拝に転じて「黒い貴族」に合流していったよう見えます。
第1回十字軍遠征が行われたのが1096年。この十字軍遠征を通して「黒い貴族」は「彼らの権力と影響力は揺るぎないものとなり、特に財力は強大となった」(ジョン・コールマン博士)のです。
なお「黒い貴族」のうちヴェネチアからアムステルダム、イギリスへといった形で本拠を移したグループが「300人委員会」へと転じたのです。
カナンとはノアに3人の息子があったうちのハムの息子になります。ハムは黒人種と分類されており、その血統のカナン族の肌が黒いのは当然となるでしょう。しかしカナン族は肌の色もありますが波動的にも黒いのです。カナン族は古代から悪魔崇拝を続けてきたファミリー群だからです。そして確かにこのカナン族こそが「黒い貴族」の源流に当たる一つの系統になるでしょう。
しかし「黒い貴族」にはこれに加えてもう一つ別の系統があるように見えるのです。前回見たように、ジョン・コールマン博士は「黒い貴族」として欧州王家の面々をリストアップしています。このリストはいわば結果として「黒い貴族」となった「王家の血流」ですが、この欧州王族の系統の源流は、本来的にカナン族とは別の系統になるはずなのです。
なぜか? まず血統が異なるのです。つまり「黒い貴族」として一括りになってはいますが、「黒い貴族」には「カナン族」と「王家の血流」という本来は別々の二つの系統が流れ込んでいると見えるのです。
具体的にどういうことかといえば、オレンジ家のウィリアム3世が英国に上陸した際に、多くの「アムステルダムの金融ユダヤ人」を引き連れてやってきたことが指摘されています。この指摘を例にすると、オレンジ家のウイリアム3世は言うまでも無く「王家の血流」の系統になります。それに対して「アムステルダムの金融ユダヤ人」は「カナン族」の系統になると思えるのです。