ぴょんぴょんの「「光り輝く島」で起きたこと」

平和の楽園、と思っていたスリランカで起きた、同時多発テロ事件。
今回調べてみて、スリランカのことも! 何にも知らなかったことにあ然。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「「光り輝く島」で起きたこと」


スリランカの同時多発テロ



4月21日のスリランカ・テロ事件。

Author:AntanO[CC BY-SA]
テロの標的となった聖アンソニー教会

キリスト教会と高級ホテルで、連続8件の同時多発テロだったな。

Author:AKS.9955[CC BY-SA]
テロの標的となったザ・キングスバリー・ホテル

500名の人が負傷して、250名あまりの人が亡くなったんだよ。

かなり大規模なテロだと思ったら、23日、過激派組織 IS が声明を発表したな。
「同胞がキリスト教徒や有志連合の国民を狙った」
「一連の爆発は、ISの戦士による犯行だ」。
(NHK NEWS WEB)

でもスリランカ当局は、事前に、「キリスト教会などを狙った、大がかりなテロが計画されてる」って知らされてたんでしょ?(Wedge Infinity)

だが、本気にとらなかったのか、わざとスルーしたのか。

3月あった、ニュージランド銃乱射事件に対する、報復テロかもって言われてるけど?(アゴラ)

Wikimedia_Commons[Public Domain]
ニュージランド銃乱射事件のあったアルノールモスク


な、わけねえだろ。
たった1ヶ月あまりで、こんな手の込んだテロ、準備できるか?
って、ツイッターでつぶやいてるヤツもいたぞ。

だよね、今回のは、周到に準備されてたはず。
だけど、なんでスリランカなの? 意味わかんな〜い!


スリランカってどんな国?どんな歴史?


おめえ、スリランカについて何、知ってる?

うんとね〜 スリランカの前は「セイロン」だったよね。
「セイロン」と言えば、セイロン紅茶!

おれは、アーユルベーダだな。
スリランカはアーユルベーダが盛んで、インドよりも安く、施術が受けられると聞いた。


それから、仏教の国で、象さんがたくさんいそう。

・・・・・おれたち、スリランカについて知ってること、そんだけ? 
情けねえなぁ〜 ちと、調べてみるか。
おお!
「スリランカ」とはシンハラ語で、「光輝く島」という意味だそうだ。

へえ、きれいな国名なんだ。

なになに? 
スリランカは多民族国家で、人口約2,000万人。
シンハラ人(74%) : ほとんど仏教徒
タミル人(18%) : ほとんどヒンドゥー教徒

スリランカ・ムーア人(9.3%) : イスラム教徒
(孤帆の遠影碧空に尽き)
シンハラ人は、北インド経由のアーリア系(インド・ヨーロッパ語族)。
タミル人は、イギリス植民地時代に、南インドから連れてこられた人々だ。

ねえねえ! セイロン島の歴史がすごいよ!
1505年から、ポルトガル、
1658年から、オランダの植民地となり、
1796年から、イギリスの植民地になったって。
(惣郷木霊の四方山話)

おおう〜!!
日本が関が原の合戦やる、100年前から、ず〜っと植民地だったのか?!

ゆうに、400年以上の植民地時代。

全島がイギリスの植民地になったのは、1815年、キャンディ王朝が滅亡してから。(外務省)
それまで仲良くしてた、シンハラ族とタミル族に、イギリスは何をしたか?
スリランカよ、お前もイギリスに、してやられたのか!!

もしかして、スーダンでやったような「分割統治」?

その通り!

地球上、イギリスの息のかかった所は、どこもやられてるね。

イギリス貴族のお楽しみ、優雅なアフタヌーンティー。
そのためにイギリスは、スリランカで紅茶プランテーションを進めた
んだが。

Author:Wolfgangbeyer[CC BY-SA]
紅茶プランテーション

労働力として、南インドからタミル人を入れたんでしょ。

しかも、彼らを、多数派のシンハラ人よりも優遇したのさ。

えっ?! そうか、それが「分割統治」だったね。

結果、シンハラ人は貧しい農村でコメつくり、タミル人は高等教育を受け、官吏・商人・資本家など社会的に高い地位を占めるようになった。
(外務省)

いつも思うけど、することがイジワルだね、イギリスは。

1948年、スリランカは英連邦自治領「セイロン」として独立したのを、待ってましたとばかり、迫害されてたシンハラ人が実権を握った。
当然、これまでのうっ憤が吹き出して、タミル人から、公民権も選挙権も奪って、ヤリタイ放題。
(極東ブログ)

あ〜あ、人間ておろかだ〜 イギリスの目論んだ通りになっちゃった。

タミル人はこれに猛反発。
高等教育を受けたタミル青年を中心に、次々と武装組織が結成された。
(外務省)
そのひとつが、〈タミル・タイガー〉だ。
第2の都市 ジャフナで、シンハラ人兵士が、タミル人に殺される事件が起こった。
これを機に、政府軍と 〈タミル・タイガー〉 の全面的な戦闘状態へと突入した。

タミル・タイガーの女性

〈タミル・タイガー〉は、強いねえ。

もともとタミル人は、インド出身。
だからインドに親類はいるし、世界中のタミル人成功者から、資金が流れてくるし。
(極東ブログ)

タミル人ネットワーク、恐るべし。

1983年から続いた、〈タミル・タイガー〉と政府軍の戦いも、2009年5月に終結した。
26年間に及んだ内戦による死者は、7万人以上。
(IDE−JETRO)

イギリスが介入したばっかりに、民族は敵対して、多くの人が亡くなって。
ところでこの、悲惨な民族争いは、今回のテロに関係ある?

直接はないと思うが、武器の扱いや戦争のノウハウに詳しいヤツはいるだろうな。

というところで、お次は、スリランカの宗教を見てみよう。
スリランカの民族、シンハラ人(74%) : タミル人(18%) : スリランカ・ムーア人(9.3%)
に、ほぼ比例するかたちで、
仏教 (70.2%) : ヒンズー教 (12.6%) : イスラム教 (9.7%) : キリスト教 (7.4%)。
(Yahoo!ニュース)

イスラム教徒とキリスト教徒が、いがみ合ってテロになった可能性は低いね。


シリアに居場所がなくなって、アジアに転移したIS


4月29日、IS指導者のアブバクル・バグダーディらしき人物が、犯行表明した(読売新聞)が、彼はとっくに死んでるはずなのに・・・ま、真偽のほどは置いといて・・・今回のテロに関わった、スリランカのイスラム過激派〈NTJ〉は、ISの影響下にあった。

スリランカにも、イスラム過激派の組織があったんだ。

〈NTJ〉 のリーダー、ハシム氏は人気ユーチューバーで、
「世界は、イスラム教徒のためにある。」
「神は、この世をイスラム教徒のために創造した。」
「イスラム教徒に反対する者は、誰であれ殺されるべきである。」
など、過激な発言をしていたらしい。
(FNNPRIME)

今や、洗脳もインターネットの時代だね。

スリランカから約100万人が、サウジアラビアなど中東に出稼ぎに出てるから、ワッハーブ化したイスラム教徒もいるだろうし、
(Yahoo!ニュース)
ISに入会して、こっそりとスリランカに帰国してるヤツもいるだろうし。

ワッハーブ・・・ワサビに似てたのは覚えるけど、なんのことだっけ?

ワッハーブ派とは、
ひとつ、勧善懲悪の実践。

「悪人は成敗してくれるわ!」って、世界かあ。
てことは、水戸黄門が理想の世界なんだね?


いやいや、おれたちの言う善悪とは、定義がちがうし、宗教がらみだから、コワいぞ。
ふたつめ、〈シャリーア〉の厳格な施行。

〈シャリーア〉 覚えてるよ。 
ドロボウは手足を切断、不倫は石打ちの刑に処す!ってコワい法律ね。

そうそう、その通り。
ついでに、こんなんもあるぞ。
〈人間が意思の自由を持ち得るとの主張は、異端である〉。

!!

日本も、こうなったらおしめえだな。

ところで、テロリストと言えば〈アル・カイダ〉が関係してるのかな?

〈アル・カイダ〉というのは、ジハード(聖戦)で使い物になる戦士のリスト。
とくにCIAの訓練を受けた、戦士のリストであって、組織じゃないそうだ。
(櫻井ジャーナル)

へえ、組織じゃないんだ!

つまり「ジハード」を仕掛けたいが、どいつに行かせるか。
「ジハード」のために命捧げるヤツらを、〈アル・カイダ〉というカタログから選ぶわけだ。

カタログって・・・お中元じゃあるまいし。

このところ、ISはアジアに浸透してきた感がある。
インドネシアでも、普通のイスラム教徒を、ワッハーブ化させる工作が続いてきた。
2016年1月、首都ジャカルタでの爆破と銃撃戦のときも、実行犯はISを名乗ってる。

スリランカでも、普通のイスラム教徒が、ワッハーブ化したっていうし、似てるねえ。

それだけじゃねえ。
貴族階級出身のインドネシア人を、アメリカ留学させて訓練(洗脳)するという(櫻井ジャーナル) 。
今回のスリランカ・テロの実行犯も、教育水準が高く、上位中流階級で富裕なイスラム教家庭で育っており、政財界の有力者との間に人脈を持っていたという。(CNN)

似てるう〜!
インドネシアや、スリランカを見ると、東南アジアがISの拠点になってるっぽくない?

ISは、シリアに居場所がなくなって、アジアに転移してきてるな。

転移って、がん細胞みたい。
となると、今回のスリランカ・テロも、〈アル・カイダ〉やISを訓練したCIAの仕業?
こんなに多くの人を殺害して、スリランカで何を言いたかったの?


中国の「一帯一路」において、重要ポイントであるスリランカ


中国の「一帯一路」の阻止かいな?

いきなり、中国が出てきた?!

テロ (4月21日) の9日前、首都コロンボに建設中の〈コロンボ・ロータス・タワー〉で、新年(シンハラ・タミル正月)に合わせ、ライトアップが行われた。(AFP)
写真はこちら 、動画はこちら


こ・・これは! スカイツリーよりも、スリムできれいだ。

このタワーをデザインし、建設してるのは中国だ。

ほお?

これは、中国とスリランカの「一帯一路」における、重要な協力プロジェクトとされている。
さらにその4日前、中国の支援によって、スリランカ南部鉄道が開通した。
(ニコニコニュース)

ということは、スリランカは中国に、かなり世話になってるんだね。

ユーラシア大陸をつなぐ巨大経済圏「一帯一路」において、スリランカは重要ポイントだ。
中国は、インド洋周辺の国に、次々と港を建設しているが、インド沿岸をぐるりと囲むため「真珠の首飾り」といわれる。
(孤帆の遠影碧空に尽き)

「真珠の首飾り」の、ひと粒の真珠が、スリランカってことだね。

「一帯一路」は、2013年、中国の習近平・国家主席が提唱した、中国とヨーロッパを結ぶ、巨大な広域・経済圏構想だ。
下図の赤い線が「一帯一路」の「一帯」、つまり「陸の経済圏」、
青い線が「一路」、つまり「海の経済圏」を意味する。


スリランカは「一帯一路」の、重要なポイントに位置しているんだね。

ロータスタワーや鉄道だけじゃない。
スリランカの内戦がやっと終わったのも、中国が武器や資金を提供してくれたおかげだし。

そうかあ、それでスリランカは、中国に頭が上がらないんだね。

1500億円の予算で、コロンボの海岸を埋め立てて、ショッピングセンターや、F1サーキットを作るという〈ポート・シティ計画〉。
これも、習近平主席の肝いりで、2014年に始まった。

Author:Mayakaru[CC BY]
コロンボのベイラ湖

F1サーキット? 作る必要あるの?

そして、問題多き〈ハンバントタ港〉。

Author:Deneth17[CC BY-SA]
ハンバントタ港

・・・ドッタンバタ? ハンドンパタ?

ハンバントタ!

言いにく〜い!

中国の融資で、1450億円かけて作ったのに、年間たったの251隻しか寄港しなくて、借金が返済できなくなった。(IDE−JETRO)

そりゃ、たいへん!?

結局政府は、港湾会社の株式80%を、99年間、中国に貸与する形で、ハンバントタ港を引き渡した。

99年て? 借金のカタで取られたに等しいよ。

それであわてたのが、インドや日本。
ヤヴァイ! 中国は、この港を軍事利用するんじゃねえか?

それは、警戒するわ。

スリランカは、表むきは「中国側には、港を軍事目的では使わせない」と言ってる。
しかし、
「スリランカ側の役人らは、中国が港の戦略的な重要性を求めていることを十分認識していた。」(IDE−JETRO)
「それは中国海軍が燃料供給と修繕に利用できるようにするためのものだ。」
(極東ブログ)

中国の航空母艦

おおう!
だけどなんで、ハンバントタ・・・言えた・・・そんなに重要なの?

「marinetraffic.com 」 を、見てみろ。
スリランカの南を通過する船やタンカー、その数は年間6万隻といわれる。
(IDE−JETRO)

すごい渋滞スポット。 なのに、たったの251隻しか寄ってくれなかった?

しかもスリランカ国内じゃ、中国の融資で作られたインフラが、ぜんぜん利益を生んでない。
992億円かけた発電所は、故障してばかり。
200億円かけたマッタラ空港は、世界一ガラガラの空港
と言われているし、
さっきのハンバントタ港もしかり。

Wikipedia[Public Domain]
マッタラ空港

大変だね、それだけの借金、返せるの?
スリランカごと、中国になっちゃいそう。

それを警戒して、どっかのアメリカが、スリランカにドカンとやったとか?

なるほどねえ。
でも実際、ISに命令したのは誰なんだろう?

とにかく、CIAとつながる、ディープステートと呼ばれる連中だろう。
「一帯一路」で前進している中国と、密につながるスリランカを脅すためか、キリスト教徒をいじめて、イスラム教 対 キリスト教の宗教戦争を引きおこすためか、
「フランスやスリランカで生贄儀式も終えたし」(時事ブログ)と言うように、悪魔教のヤツらの仕業なのか。

竹下先生は、こうコメントされてたよ。
「要するに、イスラム教徒を装ったISISのようなテロリストたちが、イスラム教vsキリスト教の宗教戦争を創り出そうとしているのです。ヨーロッパ中を火の海にして、その混乱によって国境を取り除くという連中の計画を以前から指摘していますが、今回彼らは、自分たちが生き残るために、この計画を実行に移し始めたということだと思います。」(時事ブログ)
日本も、外国人労働者受け入れが増えるし、オリンピックもあるし、気をつけないとね。

あ・・・・言うの忘れてた。
「世界は、イスラム教徒のためにある」のテロリスト・ハシム氏、日本で1ヶ月間、イスラム教徒の指導をしてたって。
(BUSINESS INSIDER)

・・・・・・。



Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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