美容整形手術件数、世界3位の日本

くろちゃんは、整形したいと思ったことある?

この、スッキリとした目鼻立ちのおれに、そういう質問するか?

え? どこが、スッキリしてるって?

おめえも、感心するだろう、どこのハーフかって?

う〜ん、そ・・そうかなあ?

小さい頃はよく、女の子に間違われたしなあ・・は、は、は。

ぼくはね、学生時代、自分の顔がいやだった。
こういう顔だから、友達ができないんだって思ったりして。

おめえなんか、一つ一つのパーツを取ると悪くはねえが、
惜しいかな、配置が・・・。

ひどい!!

ま、その福笑いみてえな顔が、おめえのいいとこじゃねえか、はっはっはっ!

わあ〜ん、それ、ホメてないよ〜。

で、おめえは整形して、ホストにでもなるつもりか?

ホスト! ムリムリ、社交性ないし。
でも、
くろちゃんはいいよね。
自分の顔に自信があって。

自慢じゃねえが、ここに至るまで、苦節ウン十年!
「おれはおれでいい」ってわかったとき、ホントに楽になったぜ。

はあ、ぼくも早くそうなりたいよ。

つうか、そんなつまんねえこと考えてるヒマがあったら、自分を磨け。
それに、おれたち、こんな大事な時代を選んで生まれてきたんだぜ。
顔なんか、気にしてるヒマはねえ。

そ、そうだね・・なんか、ちょっと、吹っ切れた気がする。
でも
最近、はやってるみたい、美容整形。
このごろテレビ見てても、整形してる人、多いしね。
美容整形手術の件数、1位アメリカ、2位ブラジルで、日本は堂々の世界3位(2016年)だって。(
Nikkei Style)

おおう!銅メダルかあ。

て、そんな名誉な話じゃないよ。
こないだ
テレビで、目、鼻、皮膚のシワ、脂肪吸引、豊胸、それぞれ専門の美容整形外科医が出ててさ。
そのお医者さんたち自身も整形してて、ビックリした。

そりゃ、新製品を客に試す前に、まず自分にってのはスジだな。

それに、あの有名な高須院長もやってるんだよ。
高須院長

ほお、整形してあれ?

プッ、その言い方、失礼だよ!
日本はコンプレックス持ってる人が多いのか、おカネ持ちが多いのか。

または、
周りに流されやすいのか?

あら、お隣りの奥さん、目がパッチリしてきれいになってるわ。
悔しいから、私もやろうかしらってか?
これだから、日本人は・・・。
右へならえ、が好きだよね。

もっとこう、ねじれて根性あるヤツはいねえのか?

別にねじれてなくてもいいけど、美容整形というのは、「生まれつき不平等な容姿の差を埋めるために行うもの」なんだって。
(
Gigazine)

生まれつき不平等なのが、当たり前じゃねえの?
一人ひとり、背負ってきたものも違うわけだし。
とは言っても、先天的な問題とか、ケガで形が崩れたのとかは手術してもいいと思うけど、そこそこきれいなのに、もっときれいになるために顔をいじるのはどうかな。
顔に針刺したり、薬入れたり、切ったり貼ったりするんだろ?
当然リスクもあるし。
美容整形だって手術は手術。死ぬことだってあるよ。
鼻を高くするために打ったヒアルロン酸注射で、視野が狭くなったり、鼻の皮膚がひきつったり、顔面麻痺になって目や口が開きにくくなったり、何でもないのに涙がポロポロ出てきたり。
だって、豊胸手術とか、隆鼻術とか、骨を切ったりする手術は、全身麻酔だからね。
豊胸手術で、亡くなった人もいるんだよ。

おっぱい大きくするために、命をかけるかあ?

それだけの意志と勇気があれば、もっと他にできることあるように思う。

そこに見えるのは「もっと!」だな。
十分きれいなのに、「もっとよくなりたい」「もっとこうしたらよくなれる」と・・・プラスからプラス、もっとプラスを強くしたいというニュアンスでやってる。(
SYNODOS)

そうゆうのを、「欲」と言う。

でも、美人になれば仕事が増えるし、自信もつくよね。

そうかあ〜? エロエロの金持ちパトロンが寄ってくるのが、せいぜいだろ?
しかも、何が美しいかなんて、主観の問題だろ?
それに流行もあるし。

たしかに、
時代によって美的感覚は変わるからね。
昔は、エクボを作る人や、八重歯にする人が多かったんだって。

そいつは、松○聖子の影響だな。
しかし、美容整形は、美的センスがいるから難しそうだな。

高須先生も、こう言ってるよ。
「元からの美人が、もうちょっと美人になるのはすごくラクなの。例えば秋田犬を柴犬にするっていうのはわりとラク。土佐犬をブルドッグもまだいける。でも、ブルドッグをチワワにしてくれって言われたって、もうどうしたらいいかわかんないわけだから。少しくらいは似てないとダメなの。」
(
文春オンライン)
ブルドッグ

ブッ!!・・・客で、チワワになりたいブルドッグが来たんだな。
チワワ
施術後は日々劣化していくだけで維持も出来ない

ところで、
手術は長持ちするのか?

やっぱ、劣化するんだよ。

だろ?
メスを入れりゃ、体は炎症を起こす。
切ったあとは、傷跡になって硬くなる。
しかも、異物を入れりゃ、体は一生懸命、そいつを押し出そうとする。
だから、鼻に入れたイカの骨が飛び出たりするわけだ。

ブフッ! イカの骨?
プロテーゼって言うんだよ、シリコン製のプロテーゼ。
たしかに、「メンテナンスもまめにやらなきゃダメ。
一回やって一生綺麗にはなれない。金が付きまとうんだって」。
(
Girls Channel 188.)
「
整形は施術直後が1番綺麗な状態で、あとは日々劣化してくだけ。それ以上は綺麗にもならないし、維持も出来ない。だから、みんな何回もいじるんだよ。って。
1回始めたら無限地獄の始まり」だね。
(
Girls Channel 203.)

一生、美容外科の金づるってわけだ。

男性から女性になった人が、
YouTubeで言ってたけど、
おっぱいのシリコン、半年に1回入れ替えなくちゃいけないけど、1回100万円だって。
負担が大きいから、結局取っちゃったそうだよ。

入れだり出したり、ご苦労さんなこって。
でも、美容整形でパワーをもらう人がいることも事実だよ。
ここに、整形オネエの名言がある。
「自分を愛するための、きっかけとしての美容整形は『あり』だと思うの。」
「私は、自分が笑顔でいるために整形をしてきた。」
(
YouTube)

てことは、整形前は自分を愛せなかったってことになる。
整形する理由でもっとも多いのは「自己満足のため」だそうだよ。
(
SYNODOS)

へえ・・・自分への不満が動機になってるわけだ。
じゃ、その「自己満足」の「自己」ってなんだ?
「本当の自分」が満足できるんだったら、世話ねえが。

はあん、そりゃ「自我」じゃん。
「世間体に合わせて被っている仮面が『自我』なのです。」
(
時事ブログ)

「自我」に振り回されるのはいやだね。

こうして見ると、美容整形は精神科と背中合わせだな。

そうだね、
「自分は醜い」という妄想に取りつかれて、病んでる人も多いし。
そういう人は、
どんなに手術がうまく行っても満足しなくて、医者も手を焼くらしい。
(
Gigazine)
そして、一度整形しただけじゃ満足できず、何度も整形を繰り返して、どんどん顔を変えていくのを〈整形依存症〉と言うんだって。

一種の中毒だな。
特に、整形依存症の人は、「自分を醜い」と思い込んでいるから。
「
『人形みたいになりたい』とか、『漫画の主人公みたいになりたい』
というのは、心が壊れてる人たちだから、美容外科で相手にしちゃいけないんですよ。食い物にしたら犯罪です。」高須先生もこう言ってる。
(
文春オンライン)
実際、
「フランス人形になりたい」ために、整形に2億円超かけてきたのが、タレントのヴァニラさん。

うわあああ、夜いきなり現れたら、腰抜かしそうだな。

この方は、
幼い頃いじめられてたらしい。
なんでも、
父親にも「お前はブスだ」と言われ、両親は整形に賛成だったとか。

女の子にそれ、言うか?
だいたい
「人形になりたい」イコール「人間やめたい」ってことだぜ。
ヴァニラさん、相当回数、手術を受けてるらしい。
「
繰り返すのは、ひとつうまくいったら、次もう1回やれば
もっと良くなるんじゃないかという心理が働くからです。」
(
Business Journal)
「例えば目を直しますよね 。通常の人間はここで満足しますが 、病んでいる人間は次に鼻や口が気になりだす 。そして鼻や口を直せば、今度は最初に直した目がまた・・・の繰り返し 。気づけば本人は満足でも周りから見たらウゲって感じになるんです。」 (
Girls Channel 74.)

整形そのものが、人生になっちまってる。

「
崩れてくるたびに弄りなおし、サイボーグになるのは、マイケルが証明してくれた 。」(
Girls Channel 57.)
整形オネエも言ってる。
「美容整形依存になってはだめ。人間でいてくださ〜い!
サイボーグのようになってしまうと、周りの人が引いていくよ。」
(
YouTube)
マイケル・ジャクソン
だが、彼女は人間やめて人形になりたいんだよな。
哀れだ・・・
どんだけ、傷つけられたのか。
人間に生まれたからには、人間として生きるしか他に道はないのに。

ところで、顔って、大事なとこだよね。
そんなにいじくり回してもいいもの?
顔には、たくさんの神経や血管だけじゃなくて、
気の通り道、経絡もたくさん走っている。
それを利用して、東洋医学は顔の望診を重視する。
口の周りが荒れてたら胃かな、目の周りが黒ずんでたら婦人科かな、目の下が腫れてたら腎臓かな、というように診断に使うんだ。

整形してたら、わかんなくなるね。
顔の話で思い出したが、小学校の教科書にあった「いわおのかお」。

ああ、同じクラスだった岩尾くんの顔?

ちげえよ!
ホーソーンの小説「巌の顔」だよ!

知らないなあ。

おれの記憶によれば、だいたいこんな話だった。
〈あるところの
ある山に、人の顔が浮き出して見える岩があって、いつか、その顔を持つ偉人が、いつか現れるという伝説があった。
子供だった主人公は、その偉人の登場を楽しみに待ったが、いつしか
歳を重ねて、いつしか自分がその「伝説の巌の顔」になってたとさ。〉
(
コトノハコトバ)

その人の生き方が、顔を作るってことだね。

「巌の顔」と言えば、
この中国整形美人が・・・。
整形の劣化で「巌の顔」もとい「岩の顔」になっちまうとは。
ヒアルロン酸の打ちすぎで「岩の顔」!
ここにもいるよ。写真出せないから、
ガルチャンのコメント31見て! ついでにコメント76の「青坊主」も!

おのおの方、必見ぞよ!!

「巌の顔」にはなりたいが、「岩の顔」にはなりたくないね。
あるがままを愛すること

しかし、
整形して幸せになった女性なんているのかな?

「昔マンガで、読んだ気がするんだけど、整形して美女になり、男が近寄って来るようになるが、思わず何処が好きか尋ねると、すかさず『顔』って答えられて、落ち込む…目がぐ~んと大きくなって、『目が好きです!』と誉められて嬉しいかどうか…微妙…。」(
Girls Channel 563.)
ヴァニラさんは、どうなんだろう?

わりいけど、うちのくろまるの方がよっぽど美人だ。

ネコと言えば、竹下先生のこの言葉、すごくスキ!
「
もっと良い猫になろうと努力している猫を見たことがあるでしょうか。
自分の努力が足りない、だから俺はダメなんだ、と嘆いている猫を見たことがあるでしょうか。」
「
悟りを得た人は“あるがまま”の自分に安らっているのです。
簡単に言うと、
猫のように生きているわけです。」
(
時事ブログ)

カネもかけてねえのに、
ありのままでかわいい。
ヴァニラさんの場合は、あるがままを愛されたことがないんじゃない?
「
親の何気ない一言が、本人には呪いの言葉になっているというケースが多々あります。
子供を不幸にする呪いをかけないようにするにはどうすれば良いでしょう。
それは、
『あるがままを愛すること』です。」
(
時事ブログ)

愛されなかっただけでなく、呪いの言葉まで浴びせられてきた。
整形依存症は、まちがった子育てから来てたんだな。

ぜひ、深い心の傷を癒やしてほしい。
ありのままの彼女を、愛してくれる人に出会えるといいな。
Writer
ぴょんぴょん
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
当直もなく、収入もいい。
一見おいしそうに見える美容外科ですが、心に問題を抱える人たちを相手にする仕事は、精神科と同じくらいに重たいのではないかと思います。
さらに、訴訟を抱えていない美容外科はほとんどないと思います。
人を幸せにする医療、と言えば確かにそうかもしれない。
しかし、いくら肉体を美しく改造しても、心の闇は手術で取り除けないはず。