まみむのメモ(24)〈自然農と種〉


 自然農、自給自足を目指して十数年・・・?未だ自給自足は難しいです。
 肥料を効かせて早く大きく育った野菜に比べて、自然農の野菜はゆっくりじっくり根を張って、まず地下での成長に時間がかかり、育った野菜も引き締まった小ぶりの野菜が多く、量的に時間的にかなり差があります。しかし根をしっかりと張って、土からミネラル分をしっかりと吸収しているので、窒素肥料が良く効いた大きな野菜とは違い、腐らない風味豊かな野菜本来の個性的な味がする野菜です。とにかく、失敗の経験も大切で、自分で観察して野菜とコミュニケーションしながら百姓ができるようになれるといいなぁと思っています。自家製の野菜100%の日というのがたまにあって、安心で美味しくて満ち足りた気分になります。これが毎日になるのはあとどのくらいかな〜?
(まみむ)
————————————————————————
まみむのメモ(24)〈自然農と種〉
no-img2
まぁ

人参を抜かずに放っておくと、花が咲いてたくさんの種がついて、そのうち種が落ちて、勝手に次の人参が育つんだ。大根やカブ菜、からし菜、高菜、ケールなどのアブラナ科の野菜も種が良く出来て、勝手に落ちて次の年にまた育つんだけど、アブラナ科は交配しやすくて、違った種類の野菜が出てきたりして、同じには育たないね。


人参の種

人参の芽


no-img2
むぅ

自家用ですからそれで十分ですし、色々な変化が出ていいなあと思いますよ。


no-img2
まぁ

種を収穫しやすいのはカボチャだね。道の駅で買ってきたカボチャの種でも野菜クズと一緒に投げておいたのが芽を出していることがあるよ。最初は自家採種専門の種屋さんで買うことが多いんだけど、カボチャはわざわざ種を買うことはないな。美味しいと思ったカボチャの種を乾燥させておくだけだ。

玉ねぎは2年目に種がつくんだ。だから植えっぱなしにしたり、昨年の小さな玉ねぎを植えたりして花を咲かせるよ。


かぼちゃ


no-img2
むぅ

ニラも勝手に種が落ちて増えて道路などの端に良く生えていますね。それに小豆も野生化して道端で毎年実をつけているのを見かけます。


ニラの花



no-img2
まぁ

芋類は芋が種だから、サツマイモ以外は、植えっぱなしにしておけば、勝手に増えて生えてくるよ。菊芋なんて必ず掘り残しがあって毎年増えてる。

菊芋


馬鈴薯は台所でいつの間にか芽が出始めてるのを、ちょっと深めに植えておけば、小ぶりだけど新しい芋が出来てる。特に小さいものはまた別の場所に植えるんだ。馬鈴薯、メークイン、ナス、ピーマン、トマトは同じ場所に植えないほうがいいみたいだ。油粕に水を入れて発酵させた発酵肥料で土を回復させて毎年同じ場所に作ってる人がいたけど、やり方によっては大丈夫みたいだよ。
これらは同じ茄子科で、ミニトマトなど落ちたトマトからたくさん芽が出てて、温室に入れておけば冬越しできそうだよ。

ミニトマト


寒さに弱いサツマイモは大きめな芋を選んで、通気性を保ちながら暖かくして保存しておいて、春に植えれば、たくさんの芽が出てツルが伸びて苗ができるから、親芋からとって挿し木のように植えればわりと痩せた土地でも良く育ってる。

一度苗を取った親芋からまた芽が出てくるから、そのまま倒して土をかけておくと、親芋の周りに芋が付いているね。ただし自分で苗取りしていると、収穫時期が遅くなるのと、芋はネズミに食べられやすい。だから、まだ葉っぱが青くて元気な時に、手で探り掘りして、大きめな芋を先に収穫するよ。

芋のあるところに穴が掘られていることが多い。においで芋の場所がわかるんだろうなぁ。多分すでに芋をいくらか食べられてるんだろう。よく風車のついた棒を地面に立てて、地中にカタカタと音を響かせてモグラやネズミ除けをされているね。まだ試したことがないけど、あれは良さそうだなぁ。ミミズを食べようとモグラが掘った穴にネズミが入って芋を食べると聞くけど、ピンポイントで芋の近くに穴が掘られてるんだよ。ネズミも穴を掘ってる感じがする。それともモグラも芋を食べているのかなぁ。

サツマイモ、馬鈴薯、人参、カボチャの葉っぱ


no-img2
むぅ

サツマイモの茎と葉っぱが美味しいのに驚きました。葉っぱと茎はネズミが食べないから全部いただけますね。


no-img2
みぃ

サツマイモは畝を高めにつくって植えると、よくできるよ。昔、父親が平地に植えるとほとんど芋がつかなかったのに、私が畝を作って植えたら、よくできた。

サツマイモは家の中の土間に大きな穴を掘って、藁と交互に入れて土をかけて保存していたよ。冬中ふかし芋にしていただいたり、おばあさんが秋に干し芋をたくさん作ってくれていたね。蒸して切った芋をもろぶたに並べて、屋根にあげて天日干しして作ってた。


no-img2
まぁ

里芋も少し寒さに弱いから種芋は深めに植えて、ワラなどでマルチしておくんだ。この時に親芋から離さないでくっついたままで埋めておくのが大事なんだ。春になって掘り出して1個づつに離して植えて、親芋はいただく。植えた芋の上側に新しい芋がつくから、少し深めに植えて土を全部はかけないで、少し穴ぼこにしておいて、伸びてきたら土を寄せてるよ。


里芋の葉


no-img2
むぅ

果物も実って木から落ちて、種から芽が出て、新しい木が育って、世代が交代していくためにちゃんと準備しています。栗とか豆類とか種そのものをいただいているものが多いですから、そのまま埋めておけば芽が出て、1粒から何倍にもなって実ってくれますね。


キゥイフルーツ

枝豆は大豆


栗の実


no-img2
まぁ

こうしてみると、自家採種禁止などというのが如何に不自然かよくわかるね。植物は種を育て、子孫を残して命をつないでいくことが自然な姿。植物だけでなく、人間だって動物だって魚だって鳥だって虫だって、循環する自然の中で子孫を残して生きている。


no-img2
むぅ

この秋はたくさんの果物をいただきましたが、食べて残った種がとても大切に思えました。それで鉢に植えたり、畑の端に植えたりしています。春から夏に植えたアボガドが何本も芽を出して育っていますよ。


アボガド


no-img2
みぃ

アボガドは夏の暑い時に枯れてしまうことが多いね。


no-img2
まぁ

冬の厳しい寒さや雪にも弱いね。やはり日本の気候では温室か部屋の中で育てるしかなさそうだよ。観葉植物のように鉢植えにして飾ってあるのを見たことがあるよ。


no-img2
みぃ

アボガドはメキシコ産が多いけど、アボガドの育つ気候って日本と比べてどのくらい違うんだろうね。たまにペルー産もあるし、1度アメリカ産というのがあった。
産地をよく見ないで買って帰って切ってみると、種の皮だけで中身が消えているのがあった。それに外見は普通なのに中の食べる部分の果肉に黒い筋や斑点が入ったりして、とても気持ち悪くて食べられなかったよ。


アメリカ産アボガド



no-img2
まぁ

アメリカって例のトウモロコシ問題のように、遺伝子組み換えやゲノム編集が盛んみたいだから、もしかしたら発芽できないように操作してあったのかもしれないね。


no-img2
むぅ

果物でも種のないものが喜ばれる昨今ですが、種のない果物は本来の子孫を残す自然な姿をなくしているということで、むしろりっぱな種がある果物をいただくとホッとします。


柿の実


no-img2
まぁ

そういえば、大好きなバナナの種ってないような・・・一番はしっこの硬い部分が残るけど、もしかしてあれが種なのかな?
野菜もそうだけど人間が改良を加えるほど、種から育てるのが難しくなる気がする。


no-img2
むぅ

好物のミカンもほとんど種がありませんね。随分改良されているのでしょうか?


no-img2
まぁ

ミカンではないけど、柑橘系の種を植えると濃い緑の葉っぱがきれいだよ。バラ科でかなり強い棘がある。


no-img2
むぅ

カラタチの長い棘だらけの木に実がたくさんついていて、入浴剤にいただきました。輪切りにして乾燥させていい香りの血行促進剤になるようです。


カラタチの実


no-img2
まぁ

桑の木の倒木に春にも生えたウスヒラタケが秋にもたくさん出来て嬉しいけど、キノコ菌も種といっしょだね。


秋のウスヒラタケ


no-img2
みぃ

昔、父がどんぐりの木を伐ったその場でまだ水々しい伐り株に椎茸を水につけて絞ったら、たっくさん椎茸が生えたことがあったよ。
それからね、ウスヒラタケなんだけど・・・神様が生で味噌和えにするといいって教えてくださった。


no-img2
むぅ

はい、美味しくて食べやすかったです。


no-img2
まぁ

キノコは意外と生がいけるね。原木椎茸の生とアボガドの醤油和えも美味っ!!


生椎茸とアボガド



挿絵:あい∞ん、出典表記のない写真:まみむ

Writer

まみむ

以前「地球の鼓動・野草便り」を書かせていただき、現在「食べられる野草図鑑」連載中です。
まぁは、普通のことを普通に話しているだけなのですが、普通かどうかは基準が人それぞれですね。この頃、特に関心があるのは、これからの地球の自然と人間の関わり方。
みぃは、時々神様のお話や植物たちのお話をしてくれます。とにかくこれから良くなっていくことを信じて、ガヤトリー・マントラを日々唱えています。
むぅは、以前から知っていたのですが、最近やっと会いました。あまりおしゃべりではないけど、とってもピュアな感じ。神の存在に対する認識がこの頃できてきて、自分の良心にしたがって生きることの大切さを感じています。



Comments are closed.