元CIA、米国務省テロ対策局のベテランアナリストによるロシアの師団作戦の分析 〜 ロシアの圧倒的な軍事力と攻撃のメッセージ、プーチン大統領の主な目的など冷静な見解

読者の方からの情報です。
 時事ブログ4/2記事では、反トランプ、反プーチンの左翼メディアで働くイギリスの戦場ジャーナリストですら「アゾフ大隊は文字通りのナチ組織だ」と証言していました。今回読者の方から届いた動画は、元CIA、元米国務省テロ対策局のベテランアナリスト Larry Johnson氏による3/21時点の分析です。
西側のメディアからは大規模な師団作戦に関する情報は出てこない中、この「ウクライナ軍は敗北、残っているのはモップアップ(実物大の模型)」と題されたインタビューは、西側主流メディアの見解とは全く異なっていて興味深いものでした。
 ロシア軍の侵攻3週間で見られた軍事行動から読み解かれた圧倒的なロシアの軍事的優位、ポーランドに近いNATOの基地への攻撃が意味するメッセージ、また西側メディアが全く真実を伝えていないこと、NATOとEUは定期的にウクライナ軍を訓練していて、CIAがドンバスにいるウクライナ軍隊に準軍事訓練をしているという事実、プーチン大統領のバイデン政権に要求する安全保障の合理性など、感情を煽る捏造報道ばかりの日本からは得られない冷静な分析は的を射ており、最後のプーチン大統領の主な目的である「ロシアを外国の脅威から守る」こととの整合性が理解できます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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第330回字幕あり】元CIA役員の発言「ウクライナ軍は敗北しました。残っているのはモップアップです。」
配信元)



質問1 ロシアがウクライナでの戦争に勝っていると思う理由

 ロシアは、ウクライナでの軍事作戦の最初の24時間以内に「地面のレーダー迎撃機能」を一掃し、ウクライナは空対空迎撃を行う能力を失った。ロシアはウクライナ上空に事実上の飛行禁止区域を設定した。ロシア空軍は、米国とNATOがウクライナ空軍に提供した地対空ミサイルに対しては脆弱だが、しかしロシア空軍が空中作戦を削減する理由はない。
 侵攻から3日以内にロシア軍がキエフに到着したことも注意を引いた。ナチスがバルバロッサ作戦でキエフに侵攻し征服した際は、民間人の死傷に配慮しなくても構わない状況だったにも関わらず14週間要した。当時ナチスは重要なインフラを破壊することに専念していた。
 ロシアの24マイルの装甲車隊列がキエフの北に1週間以上配置されたことは、ウクライナがそれを攻撃する能力がないことを証明した
 ロシア軍の攻撃の規模と範囲は驚異的だ。3週間でイギリス国土よりも広い領土を占領し、主要都市、軍事施設への攻撃を実施した。ロシア軍はウクライナ軍隊を分割し、彼らの通信ルートを完全に切断していた。現在ウクライナ軍は北部と南部に切断されている

 ポーランドとの国境からわずか25キロ地点のNATOのヤボリウ基地は、ロシアからのミサイル攻撃を受けた。2019年9月NATOがジトーミルでウクライナへネットワークセキュリティーのトレーニングを行なっていた。そのジトーミルが超音速ミサイルの攻撃を受け、その翌日にヤボリウも同じ攻撃を受けた。ジトーミルとヤボリウの2ヶ所はNATOとEUがウクライナに戦闘機と武器の支援を提供する基地だった。この基地にいる多くの軍事職員と事務職員が死亡したが、ウクライナからのいかなる警報も出ていなかったし、ロシアのミサイルを撃ち落とすこともなかった。

質問2 なぜマスコミはロシアとの戦争に勝つことができるとウクライナ人をミスリードの説得しようとするのか、なぜ勝ち目のない戦場に全ての市民が派遣されたのか

 大多数のマスコミとビッグテックは真実の報道をしていない。ブッシュもトランプもヒトラーと言われた時があった。現在われわれには新しいヒトラーがある。それがプーチン氏だ。現在は合理的な質問を提出した人はすぐさま「プーチンの傀儡だ、手先だ」と言われる。現在のマスコミは事実をもって民衆を納得させることができない。唯一できることが、ののしることだ

質問3 先週ダグラス・マグレガー大佐が述べた見解が、あなたの観点とよく似ている。「ウクライナ人にとって戦争は本当に終わった。主流メディアから聞いていることにも関わらず、それについて疑念の余地はない。我々は、ロシア国民とロシア政府と共存するつもりか。それとも引き続きウクライナ戦争に扮したこの種のレジームチェンジを追求し続けるつもりか。ウクライナをモスクワに対する破城槌(城門突破の兵器)として使うのをやめるつもりがあるかどうか、これは事実上我々がやっていることだが。」という発言だ。この発言に、レジームチェンジにウクライナを利用するという観点に同意するか?

 マグレガー大佐は素晴らしいアナリストだ。しかし私は彼の観点には同意しない。なぜならばバイデン政権にはそれほど頭の良い人がいないからだ。私の見解では、アメリカとNATOは反発なくロシアの国境の東に忍び寄り続けることができると信じていた。NATOとEUは定期的にウクライナ軍を訓練していて、CIAがドンバスにいるウクライナ軍隊に準軍事訓練をしているという報道は事実だ。現在バイデン政権はロシアの全てのものを禁止しようとしているだけでなく、中国、インド、サウジアラビアをいじめようとしていた。ところがこれらの国のいずれも窮地に陥っていない。これは致命的な誤りだ。この結果、ロシア人はプーチンの背後に団結するようになる。彼らには長期的な戦いの準備もできている。ロシアへの経済制裁は米ドルの国際地位をさらに引き下げていく可能性がある。


質問4 昨年12月にプーチン氏はロシアの安全保障に関連する多くの要求をした。バイデン政権は相手にしなかったが、プーチン氏は書面の保証を求めている。つまりNATOの東部拡張はウクライナを含まないこと、同時に核ミサイルをルーマニアとポーランドに配置しないことだが、これらの要求は合理的か。

 非常に合理的だ。問題は99%のアメリカ人が過去7年間のNATOとアメリカがどのような軍事挑発をしたのかを知らなかったことだ。我々はいつもNATOの軍事演習を防御的なものだと聞かされているが、これは真実ではない

質問5 ロシアのマスコミによると、ロシアのミサイルがウクライナ西部の施設を攻撃した。100名以上の地元の軍事職員と傭兵を死亡させたというものだ。この施設はポーランド国境までわずか15マイル。このことでロシアはNATOにどのようなメッセージを伝えたいのか。

 この軍事攻撃はNATOに衝撃を与え、警戒させた。報道によると、アメリカとイギリスの軍と諜報員を含む200人以上が死亡、さらに数百人が負傷した。しかしNATOと西側マスコミは、この災難を報道しない。プーチン氏の明確なメッセージは「ウクライナにいるいかなるNATO軍もみんな戦闘員と見なされている」ということだ

質問6 ゼレンスキーは西側のマスコミに英雄と戦時のリーダー、現代のチャーチルと称えられている。しかしマスコミが読者に教えていないことは、ゼレンスキー氏は彼の権力を強化するために、ウクライナの脆弱な民主制度を破壊しながら一連の措置を講じたことだ。例えば、ゼレンスキーは野党が所有する11の報道機関を取り締まった、テロ資金供与の偽の容疑でウクライナ最大の野党党首であるヴィクトル氏の立候補を禁じようとした。これは民主主義に真剣に取り組むリーダーの行動ではない。ゼレンスキーについてどう思うか?真に愛国的なリーダか?

 ゼレンスキー氏はコメディアンだ。俳優だ。私の見解では彼はあまり良い人ではない。西側は彼がユダヤ人だという事実を利用してネオナチの大隊への注目をそらそうとしている。事実は明らかで、彼は野党を禁止し、野党の報道機関を取り締まっている。これが彼の定義した民主主義だ

質問7 この戦争はどのように終わるか?一説には、ウクライナがドニエプル川に沿って分割される、ロシア人口の過半数を占める海岸に沿って南に分割されるというものがある。ウクライナは完全に内陸国家となり主要産業は農業となる。これは短期的にロシアの脅威にならない案だ。

この観点に同意する。プーチン氏の主な目的はロシアを外国からの脅威から守ることだ。西側と分離しようとしている。ロシアは独立した主権者となるための物理的な資源を持っている。しかもそのビジョンを実現する過程にある

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