[時事通信他]ヤツェニュク首相が辞意=連立崩壊、軍事予算議決できず―ウクライナ

竹下雅敏氏からの情報です。
 これらの記事を見ると、ウクライナはグチャグチャになっているように思えます。また文末の赤字部分でもわかるように、やはりマレーシア航空機の撃墜事件は、NATOの軍事介入を求めるためのものという側面がかなりあるようです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

――――――――――――――――――――――――
ヤツェニュク首相が辞意=連立崩壊、軍事予算議決できず―ウクライナ
記事配信元)
本記事文章は現在公開を停止しております。 (2016/4/23)
記事の提供元にてご覧ください。

――――――――――――――――――――――――
共産党解散、首相辞任、米国防総省はウクライナ軍立て直しのために専門家チームを派遣という惨状
転載元)
 キエフ政権は空中分解し、本格的なナチス体制へ移行するかもしれない。議会でネオ・ナチとコミュニストが連日の乱闘劇(22日23日)を演じ、アレクサンドル・トゥルチノフ議長は「コミュニスト党」を解散させ、その一方でアルセニー・ヤツェニュク首相が辞任を表明したのだ。コミュニズム思想を禁止する動きも見せている。ちなみに、乱闘の切っ掛けはネオ・ナチの「スボボダ」が「コミュニスト党」のリーダを排除するように求めたことから始まったという。ナチスと同じことを始めている。

 辞任を表明したヤツェニュクは2月にクーデターが山場を迎える前、ビクトリア・ヌランド国務次官補から高く評価されていた。ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ大使と「次期政権」の閣僚人事を電話で話し合っている中でそうした発言をしている。実際、クーデター政権で首相代行になり、ペトロ・ポロシェンコが大統領になってからも首相を務めてきた。

 ヤツェニュクはトゥルチノフと同じように「祖国」のメンバー。この政党はオリガルヒ(一種の政商)のひとりで2007年から10年まで首相だったユリア・ティモシェンコが創設した。ティモシェンコが首相だった当時の大統領は「オレンジ革命」で実権を握ったビクトル・ユシチェンコ。

 この革命では学生が前面に出たが、その学生を背後から支援していたのがアメリカ国務省、CIAと関係が深いUSAID、欧米支配層の利害調整機関と言われているビルダーバーグ・グループ、投機家として有名なジョージ・ソロスのオープン・ソサエティなど。ユシチェンコのスポンサーとして、ボリス・エリツィン時代のロシアで不公正な手段を使って巨万の富を築いた「オリガルヒ」のボリス・ベレゾフスキーの名前も挙がっている。つまり、ヤツェニュク、トゥルチノフ、ティモシェンコは「西側」の巨大資本につながる人脈だ。

 それに対し、マレーシア航空17便の撃墜は内務省が実行したとも言われている。アルセン・アバコフ内相とドニエプロペトロフスクのイゴール・コロモイスキー知事の人脈、
つまり5月2日にオデッサで反ネオ・ナチ派の住民120名から130名を労働会館で虐殺した黒幕と考えられているグループだ。


 虐殺の10日前、つまりジョー・バイデン米副大統領がキエフ入りした日にオデッサでの作戦を話し合ったとされている会議の出席者の中にアバコフは含まれ、オブザーバーとしてコロモイスキーも参加していたという。そのほかの出席者はアレクサンドル・トゥルチノフ大統領代行、バレンティン・ナリバイチェンコSBU長官代行、そしてアンドレイ・パルビー国家安全保障国防会議議長代行。パルビーは2月のクーデターを広場で指揮、狙撃の責任者でもある。

 パルビーが率いるネオ・ナチの勢力は2004年からバルト3国に設置されたNATOの訓練施設で軍事訓練を受け、13年9月にはポーランド外務省がクーデター派の86人を大学の交換学生を装って招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたり、暴動の訓練をしたという。パルビーはクーデターの際、アメリカの特殊部隊と接触していたとする情報もある。

 クーデターからウクライナの東部や南部での「民族浄化」作戦を実行させている黒幕はコロモイスキーだと言われている。イスラエル系のオリガルヒ(一種の政商)で、私兵集団4部隊を組織している。

 アゾフという約200名の武装集団は早い段階から名前が出ていたが、それ以外にアイダル、ドンバス、そして2000名規模だというドニエプルという部隊が存在しているようで、しかもこうした私兵集団は問題のブーク防空システムを保有しているとする情報も流れている。この集団がオデッサの虐殺で主力だったともいう。

 コロモイスキーが知事として赴任する際、アメリカの傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員を連れて行ったと報道されている。護衛だけでなく、その会社の戦闘員約400名がウクライナ東部の制圧作戦に参加しているともいう。傭兵会社には「元特殊部隊員」が戦闘員として雇われている。形式上は民間企業が派遣したことになるが、実際はアメリカが特殊部隊を送り込んだに等しい。

 それ以外に、アメリカ政府はCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んだと報道されているが、ここにきてアメリカの国防総省は戦略と政策の専門家チームをキエフへ数週間以内に派遣すると発表した。それだけキエフ軍が苦戦しているということ。最初から正規軍の内部にはネオ・ナチを拒否する動きがあり、治安機関も崩壊状態だ。それを補うため、ネオ・ナチを中心に6万人規模の「親衛隊」を創設、傭兵を雇っているが、それでは追いつかないということだろう。アメリカ/NATOの直接的な軍事介入も視野に入れている可能性は高く、そのためにはMH-17の撃墜は「西側」の好戦派にとって「願ってもないこと」だ。オランダ最大の新聞、テレグラーフ紙は公然とNATOの軍事介入を求めている。

 そのオランダへMH-17の「ブラックボックス」が渡されたという。内容を分析するというのだが、EUの中でもロシアとの戦争に最も前向きな国のひとつが選ばれたわけだ。中身の改竄が問題になるのはこれからである。反ネオ・ナチ軍が改竄すると疑う人がいたとするならば、相当の「アメリカ信奉者」。アメリカの「お告げ」は全て信じるタイプだ。

Comments are closed.