注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
3日、安倍首相は日韓議連幹事長の河村建夫衆院議員と官邸で面会。河村議員は2日に韓国を訪問し李洛淵首相と会談した際、「対韓輸出規制と日韓GSOMIA破棄の問題をセットで解決」と提案されたと首相に報告した。ところが、河村議員が官邸での面会後に記者団に語ったところによると、安倍首相はこの提案を拒否。「根幹にある元徴用工問題の解決が最優先だ」と言って、まったく取り合わなかったという。
せっかく韓国側が歩み寄りを見せてきているのに、交渉のテーブルに乗ることすら拒否するこの態度。
(中略)
実際、対韓輸出規制を発表した7月頭には、政権幹部も御用マスコミにオフレコで「徴用工への対抗措置」だと盛んにリークしていた。(中略)安倍首相の頭のなかには、参院選を前に韓国を批判することで内政から国民の目を背けようという狙いがあったはずだ。
だが、元徴用工への補償を封じ込めるための輸出規制だと大っぴらに認めれば、「自由公平な貿易を推し進める」「貿易措置を政治利用しない」という国際社会のコンセンサスに反し、批判は必死。韓国がWTOに訴えれば負けることは目に見えていた。(中略)
(中略)
そして今では、マスコミが「事実上の徴用工問題への報復」と報じようものなら、経産省がすぐさま記者会を通じて「何かの報復というものではなく、通常の措置だ」「韓国の輸出管理に信頼が置けないから、管理を厳格化したにすぎない」などとしつこく「説明」し、圧力をかけている。(中略)まるで「輸出規制は徴用工問題への報復」という事実がメディアタブーになったかのような、異常な状況だ。
ところが、そんななかで、今回、安倍首相が「輸出規制の撤回とGSOMIA破棄の再考のバーター案」を蹴って、「根幹にある元徴用工問題の解決が最優先だ」と、「徴用工問題への報復」ありきであったことを自ら明かしてしまったのだ。
いったいこれまで、日本政府が国際社会で主張していた「安全保障上の問題」「貿易管理体制に不備があった」という主張はどう説明するのか。言っておくが、経産省は、韓国政府が輸出管理上の優遇対象国から日本を除外する動きに、「根拠のない恣意的な報復措置である」と表明する書面を送付。悪ノリして、韓国政府のパブリックコメントにまで同様の「根拠なき報復」などという反論とともに、質問状を送付していた。
(以下略)
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昨年の韓国大法院の徴用工判決が気に入らず、怒り心頭の安倍首相は、一国のリーダーとしてあるまじきことに、各省庁に対して韓国への具体的な報復措置を検討するよう指示していました。特に、外務省には韓国人のビザ制限をさせることを要請したそうです。本気のネトウヨ。さすがに外務省はこれを拒否する理性があったらしく、代わりにイエスマンの経産省が「半導体の輸出規制」と「ホワイト国除外」を繰り出したというのが経緯でした。決して「安全保障上の問題」「貿易管理体制に不備があった」から突然輸出規制に走ったわけではなかったのでした。
あべぴょんの意に背いた外務省は、その後、官邸から露骨な嫌がらせがあったようです。
報道された6月の首相執務室でのやり取りや、7月のマスコミリークでは「韓国側に思い知らせる、徴用工への対抗措置」とはっきり意思表示し、そのことは参院選でのアピールにも使っていました。
しかし反面、国際的には「徴用工判決への報復」を理由とした輸出規制など通用しないため、「安全保障上の問題」「貿易管理体制に不備があった」という建前の主張を通してきました。
ところがこの二枚舌の下、今度は韓国側が輸出管理上の優遇対象国から日本を除外するという対抗措置を出すと、あわてた日本側は「根拠のない恣意的な報復措置である」と表明する書面を送り付け、その上、韓国のパブリックコメントに「日本政府が」意見を出し、しかも7つも質問を書き連ねて回答まで求めたという前代未聞の所業をしでかしています。ネット上では呆れて「パブリックコメントとは、国の行政機関が政令や省令などの案をあらかじめ公表し、広く国民の皆様から意見や情報を募集する手続です 。いつから日本は韓国の”国民の皆様”になったの? 」など、日本の壊れっぷりに驚きの声が上がっていました。
そしてこの度、訪韓した河村建夫衆議院議員が韓国側から「対韓輸出規制と日韓GSOMIA破棄の問題をセットで解決」という建設的な提案をされたというのに、またまた一国のリーダーとしてあるまじきことに一蹴し「根幹にある元徴用工問題の解決が最優先だ」と本音をバラしてしまいました。
大手マスコミにご都合主義の輸出規制の理由を喧伝させ、テレビ番組に嫌韓キャンペーンを続けさせるあべぴょん、韓国を敵に回したつもりが、世界にケンカを売っている側面があることを誰か教えてやってくれぬか。最後に懸念のツイートを載せました。