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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝25 ― 「聖婚儀礼」「性錬金術」の視点から(2)

 古代メーソン「秘密の力」の流れとテンプル騎士団の流れが合流し、近代フリーメーソンが誕生しました。そのため、必然的に命令指揮系統の異なる、基本的にはそれぞれ敵対する3つの地上組織が、フリーメーソンに同居することになったのです。
 「秘密の力」が支配するのは、ブラック・ロッジの地上組織「表のイルミナティ」です。テンプル騎士団の流れは2つのグループに分かれます。1つは悪魔崇拝グループで、こちらは地上組織として「裏のイルミナティ」に所属するグループです。もう1つは悪魔崇拝で無いグループで、こちらはホワイト・ロッジのハイアラーキーに所属するグループです。
 即ち①「表のイルミナティ」所属グループ、②「裏のイルミナティ」所属グループ、③「ハイアラーキー組織」所属グループ、以上3グループがフリーメーソンに「呉越同舟」していたのです。
 この3つのグループが、それぞれハルマゲドン計画に携わっていたのです。彼らの所属する組織は、それぞれ自分たちが絶対支配者として君臨する、新エルサレムの建設を目論んでいたのです。
 その彼らを一括りにできる網がありました。その網が「聖婚儀礼」「性錬金術」でした。彼らはそれぞれが「聖婚儀礼」「性錬金術」を奉じて、性を野心の方向で利用していたのです。
 また、彼らは「聖婚儀礼」「性錬金術」奉ずるが故に、その「聖婚儀礼」「性錬金術」の原型となった存在が、フリーメーソン組織において神になっていたのです。この「聖婚儀礼」「性錬金術」を象徴するエンブレムが薔薇十字、○十字、赤十字、六芒星などです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝25 ― 「聖婚儀礼」「性錬金術」の視点から(2)

神輿として担がれるバフォメット ~胸の十字紋章の意味


幾度か登場したこのフリーメーソンの儀式での画像、神輿として担がれているこのバフォメット、これは言うまでもなく洗礼者ヨハネを表しているでしょう。そのバフォメットの胴体部の十字、これは注意して見てみると中央に薔薇が施してある薔薇十字なのです。

編集者註:薔薇十字がわかりやすい着色してあるものを選びましたが、
オリジナルはこちらです

この画像から、フリーメーソンのその上層部が洗礼者ヨハネを崇拝し、「聖婚儀礼」「性錬金術」を奉じている組織であろうことが認められます。

バフォメットを担いでいる男たちの衣服にはやはり赤十字があしらわれています。バフォメットを担ぐこのフリーメーソン会員たちは、テンプル騎士団からの流れの者たちだろう、と思えます。

彼らの胸にある十字は、無論キリスト教の印ではありません。テンプル騎士団には悪魔崇拝グループ(裏のイルミナティ所属)と、悪魔崇拝ではないグループ(ハイアラーキー所属)の2つがありますが、いずれにしても、テンプル騎士団は洗礼者ヨハネを崇拝し、性錬金術を奉じていたのです。

彼らの衣服の赤十字は「聖婚儀礼」「性錬金術」を象徴している筈です。ただし、このバフォメットを担いでいる男たちは、「秘密の力」からの流れの者たちである可能性もあるにはあります。赤十字をエンブレムに採用している組織は種々ありますが、テンプル騎士団のライバルだった聖ヨハネ騎士団(聖ヨハネは洗礼者ヨハネを表します)も赤十字を紋章としていたのです。

そしてこの聖ヨハネ騎士団は、2014年5月5日記事で竹下さんが、「「秘密の力」が支配する騎士修道会として、11世紀頃に聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)が創設されます。」と解説されている通りです。

聖ヨハネ騎士団は、「秘密の力」の子孫たちが創設した表のイルミナティに所属する組織であり、キリスト教を内部から破壊のため作られた組織です。テンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団、どちらでも彼らの赤十字は「聖婚儀礼」「性錬金術」を象徴していたでしょう。


いずれにしても「聖婚儀礼」「性錬金術」がキーです。ハイアラーキーに所属するであろう悪魔主義で無いテンプル騎士団、具体的にはダビデ神殿の写しであるロスリン礼拝堂を建設したシンクレア家を中心とするグループ、また裏のイルミナティに取り込まれた悪魔崇拝のテンプル騎士団のグループ、そしてブラック・ロッジの地上組織である表のイルミナティに所属するグループこの3つのグループのいずれもが「聖婚儀礼」「性錬金術」を奉じていたのです。

このことは、彼らが所属するフリーメーソン(実態は3つのグループそれぞれが、フリーメーソン組織を自分たちの勢力側に取り込もうとしていたのでしょうが)の神を確認すれば明瞭です。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝24 ― 「聖婚儀礼」「性錬金術」の視点から(1)

 薔薇十字とは薔薇(女性器)と十字(男性器)の結合です。これで「聖婚儀礼」、そして「性錬金術」を意味していました。この薔薇十字は円(○)と十字(+)の組み合わせでも代用出来て同じ意味となります。
 同様に△と▽の組み合わせの六芒星も男女の結合「賢者の石」を意味します。そして同様のものがもう一つあります。赤十字です。
 「赤十字か薔薇十字がオルムス(光の原理)を象徴する」(『レンヌ=ル=シャトーの謎』、「オルムス派は・・・赤色で装飾された黄金の十字を象徴として用いていた」(「薔薇十字会日本支部」)、そして「赤いバラは満開の母親の性を表す」(「Barbaroi!」)。
 これらの記述から、赤色と十字の組み合わせでも薔薇十字と同じ意味となるようです。赤色が薔薇(女性器)の代用となるわけで、つまり、赤十字も「聖婚儀礼」「性錬金術」を象徴しているわけです。
 赤十字をエンブレムとしている組織や団体は種々あります。「聖婚儀礼」「性錬金術」を象徴するエンブレム、この視点から見ると、これまでとは違った風景が見えてきます。赤十字等をそのエンブレムとするその組織が、本当はどういった組織に所属し、どのような目的をもつのかが見えてくるわけです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝24 ― 「聖婚儀礼」「性錬金術」の視点から(1)

地球史を左右してきた計画 ~ハルマゲドン計画に関与した3つの組織の認証旗


ユダヤ問題のポイント(近・現代編)の本編で記した内容の要点は次のようになります。ナチス・ファシズム共産・革命運動シオニズム第1次世界大戦第2次世界大戦これら現代の歴史をかたどってきた大きな事柄の全て、それらが広義の真のシオニズムから出てきたものであるということでした。


Wikimedia Commons [Public Domain]
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そして、この広義の真のシオニズムは、その背景に、古代から連綿と動いていたハルマゲドン(最終戦争)計画があり、それの具現化したものであるということです。ハルマゲドン(最終戦争)計画は救世主降臨計画であり、最終的には新エルサレム建設計画でありました。

この連載を始めた当初は、私自身も気づいていなかったのですが、2千年以上前から地球史の背後で発動し、歴史を左右させていたハルマゲドン計画、それは新エルサレム建設計画でもあったがゆえに、ユダヤ問題として歴史の表層に浮かんできていたのでした。

このハルマゲドン計画は、元々がエノクによる『ヨハネの黙示録』にあります。ただし、ハルマゲドン計画は時代によって、また組織によって内容が変化しています。

ハルマゲドン計画に立案実行等で関与していたのは、ハイアラーキーのホワイト・ロッジ、ホワイト・ロッジに対抗するブラック・ロッジ(地上組織は表のイルミナティ)、そしてホワイト・ロッジに巣くう闇組織の裏のイルミナティ、以上の3つの組織です。


ハルマゲドン計画は時代によって変化もするし、この三つの組織それぞれが、自分たちが完全な支配者として君臨する新エルサレム建設を思い描いて、ハルマゲドン計画に携わっていたわけです。ホワイト・ロッジ、ブラック・ロッジ(表のイルミナティ)そして裏のイルミナティ、これら三つの組織の関係は複雑です。

三つの組織はそれぞれ基本的に敵対関係で、当然離れて別々の行動を取りそうです。しかし、ことはそう単純でなく、別々に整理できない複雑な絡み合いがあります。それぞれが互いに利用できることは利用するし、目的が同じ部分では協働もするし、密約もあったりした様子です。

おまけに、同じ組織内では足の引っ張り合い、裏切り、下克上等々が繰り広げられていたので、外部から実態を把握するのは非常に困難であります。

しかし、ハルマゲドン計画に携わる地上での組織やメンバー、彼らを単純に一括りできるものもあったのです。薔薇十字、赤十字といおうか、「聖婚儀礼」「性錬金術」の網にかけると悉く引っかかるのです。一網打尽といって良いでしょう。

三つの組織メンバーは基本的に敵対関係ながらも、互いが支配層メンバーであることを秘かに認識できるようにしていたと思われます。それが「聖婚儀礼」「性錬金術」の象徴の薔薇十字や赤十字、○十字、六芒星のエンブレムでしょう。これらのエンブレムで認識し合っていたようです。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝23 ― 薔薇十字の意味

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 さて、先日ですが、知人数人と久しく訪れていなかったスナック店に向かいました。そのスナックのママに私が問いかけてみました。

「今、薔薇十字というものを調べていて、これは薔薇と十字のそれぞれの意味を把握するのが大事になる。さてママ、まず薔薇だけど、これはあるものを象徴しているがそれが何か分かる?」
「うーん、薔薇か、それってもしかして女性のアソコ?」
「ほう!なるほど、分かるか、・・・では十字は?」
「うーん、いやー、十字っていったらキリストの十字架しか・・・」
「・・・そうか、やはりそうなるか・・・」

 近代フリーメーソン発足に当たって、薔薇十字が所属組織の異なる種々の「オカルティスト、錬金術師、学者、文人、貴族、新思想に傾倒する宗教者」などを集結させたのです。そして、その異なる組織メンバーが、それぞれ種々の「薔薇十字」の名を冠した団体を立ち上げています。この意味で薔薇十字は複雑怪奇です。
 しかし、薔薇と十字それぞれの意味を把握してしまうと、薔薇十字はある意味、大変単純でもあります。そして、その薔薇十字を通して見えてくることも種々あるのです。
 さて、薔薇と十字ですが、薔薇はスナックのママの答えが正解で、女性器を意味します。では十字は? これもママの対応を見れば分かるように、世間ではキリスト教への洗脳のため、イエスの十字架しか連想できません。しかし、十字の意味も本当は全く簡単で、元来それの意味するものは男性器なのです。
 つまり、薔薇十字が示すものは非常に簡単であって、それは女性器と男性器の結合、即ち「聖婚儀礼」「性錬金術」を意味するのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝23 ― 薔薇十字の意味

薔薇の象徴するもの ~大聖堂で女神として崇拝されたマリア


薔薇が象徴的に描かれた薔薇十字文書『至高善』の扉絵
Wikimedia Commons [Public Domain]

前回見たこの挿絵と「薔薇は蜜を蜂に与える」とのフレーズを読めば、この薔薇十字の薔薇が何を意味しているのか?は、大概の想像は付きそうです。

『マグダラとヨハネのミステリー』の101頁には、『神話と秘儀の女性百科』によれば、として以下の文が記されています。

古代ローマ人がヴィーナスの花と見なした薔薇は、神聖な売春婦の印であった。「薔薇の下で」〔内密に〕とは、非伝授者には明かされていないヴィーナスの性的な秘儀であった・・・。大聖堂が華やかなりしころ、マリアはみずからの「天の女王の宮殿」において女神、つまり「ノートル=ダム」として崇拝され、薔薇、薔薇の茂み、薔薇の花輪・・・神秘的な薔薇と呼ばれ・・・」

この記述では、薔薇とは神殿娼婦を、また非伝授者には明かされない性的秘儀だと示しています。そして、マリアが薔薇と呼ばれ、女神「ノートル=ダム」として崇拝されたとあります。大聖堂に祀られるこのマリアは、表向き「聖母マリア」ですが、実際は「黒いマリア」マグダラのマリアであるとこの著作ではしています。

Author:Wivoelke [CC BY]

文中の「天の女王の宮殿」とは、本来は古代メソポタミアのイシュタル(イナンナ)の神殿のことです。ここで神殿娼婦が王と「聖婚儀礼」を行っていたのです。マグダラのマリアはイシュタル(イナンナ)に模せられて女神として崇拝されたわけです。そして聖母マリアであれ、マグダラのマリアであれ、いずれにしても神殿娼婦であり、「永遠の処女」だったのでした。

「Barbaroi!」の「バラ(Rose)」の記事には、『マグダラとヨハネのミステリー』の記述同様、より詳細に、薔薇が神殿娼婦、性の秘儀、聖母マリア」、そして女神、女性、女性器を意味していたことが明かされています。そして次の記述もあります。

「5はマリアの数であった。バラの花弁の数であり、またもう1つの処女性の象徴であるリンゴの花の花弁も5枚だからである。リンゴの花は、処女性と対応する母性、結実、再生、そして永遠なる生の象徴であるリンゴの実を結び、その実の中に5枚の肺葉(芯)を作り出す。「バラ - マリア」は「リンゴ - イヴ」の再生とされたため、 5は「聖母マリア崇拝にふさわしい」数と考えられた。」

5弁のバラ(左)とリンゴの花(右)
Author:Stan Shebs [CC BY-SA]

神殿娼婦は永遠の処女で、処女母であるので、マリアは「五弁の薔薇」で象徴されるのです。薔薇とは端的には女性器の象徴です。そして、その薔薇はマリアであり神殿娼婦であって、そのまま「死と再生の儀礼」に直結する「聖婚儀礼」、そして「性錬金術」に繋がっていくのです。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝22 ― 薔薇十字の果たした役割

 左の挿絵は『ヘブライの館』「薔薇十字団の謎」とウィキペディアの「薔薇十字団」の記事にでているものです。これは薔薇十字文書『至高善』の表紙扉絵のようで、この薔薇十字文書自体は、薔薇十字団が17世紀初頭に出した文書の一部でしょう。
 薔薇十字団は伝説の(そのモデルになる人物はいたでしょうが、実在していたとは到底思えない)クリスチャン・ローゼン・クロイツを創始者だとする謎の団体です。挿絵の薔薇の説明文字は「薔薇は蜜を蜂に与える」となっています。これは非常に象徴的です。
 薔薇の蜜、薔薇十字の蜜を求めて吸い寄せられたのは一匹の蜂だけではなく、様々な蜂もそれを求めて集まったと見受けられるのです。薔薇十字が近代フリーメーソンを構成する雑多なメンバーを集合させた、という意味です。近代フリーメーソンは薔薇十字団を経由し、雑多なメンバーを集合させて発足しているのです。
 その雑多なメンバー、前回見たオルムス派を源流とするテンプル騎士団の流れ、それと今回取り上げる古代メーソン「秘密の力」の流れ、そしてプロテスタントなどその他、これらを合流して結合させる役割を薔薇十字が果たしたと思えるのです。
 薔薇十字の名の下に「オカルティスト、錬金術師、学者、文人、貴族、新思想に傾倒する宗教者が加入した」わけです。そのことによって、結社近代フリーメーソン発足になっているのです。改めてですが言い方は不適切かも知れませんが、薔薇十字によって有象無象が集結したのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝22 ― 薔薇十字の果たした役割

キリスト教抹殺が目的の古代メーソン ~「秘密の力」の儀礼が現在のフリーメーソン儀礼


『ヘロデの呪い』によると、イエス磔刑後も勢力を伸ばすキリスト教を抹殺する目的で、ヘロデ・アグリッパ王と宰相ヒラム・アビウデを中心に、9名のメンバーで古代メーソン「秘密の力」が結成されます。紀元43年創設の「ユダヤ教とユダヤ民族を守るため」との建前による秘密組織です。

総合的に見て、彼らが一体というか気脈を通じていたのは、イエスが「蝮のすえよ」と呼び捨てたパリサイ派です。彼らには、イエスに対して「ペテン師」と呼び捨て非常に強い憎悪と敵愾心があったこと、そしてイエスの磔刑の殺害に関わっていたであろうことも『ヘロデの呪い』から窺えます。

さて、彼らはキリスト教を抹殺する目的で創設した「秘密の力」の実態を秘匿するため、様々な隠蔽工作を施します。紀元43年に創設した「秘密の力」の創設をソロモン神殿の完成時に見せかけようと、ソロモン神殿建設の偉大な建築家棟梁「ヒラム・アビフ」なる人物をでっちあげます。そしてそれに関わる(定規やコンパスなどを用いた、下らないイミテーションの)様々な儀礼を設けます。

セント・ジョンズ教会のヒラム・アビフ

ところが、それらの隠蔽工作の多くが、現在のフリーメーソンにそのまま繋がる儀礼となっているのです。そしてそれらの儀礼の中心は、「死と再生」の儀式だといってもいいでしょう。つまり、この当時ではミトラ教で盛んに行われていたであろう「死と再生」の儀礼を彼らは良く解っていたということです。

ただ、これはある意味当然かも知れません。当時の「紀元1世紀ごろのアレクサンドリアは秘儀活動のまさに温床で、そこではユダヤ教やミトラ教、ゾロアスター教、ピュタゴラス派、ヘルメス思想、新プラトン学派の教えが蔓延し、そのほかの無数の思想と結びついていた。」(『レンヌ=ル=シャトーの謎』146頁 )状況だったのです。

「ユダヤ教を守る」を建前とした「秘密の力」のメンバーも、アレクサンドリアとは繋がりが深かったでしょうし、そこでミトラ教などとは接触していた筈だからです。

ともあれ、ここに近代フリーメーソンに繋がる主源流の組織「秘密の力」が、9名の創設メンバーで紀元43年に結成され活動を始めたのです。
そしてもう一つの主源流が、テンプル騎士団の流れとなる、紀元46年に7名の創設メンバーで結成された「オルムス派」です。

近代フリーメーソン結成は紀元1717年です。「秘密の力」が紀元43年、「オルムス派」が紀元46年、奇しくも異なった2つの源流がほぼ同時に起き上がり、それが約1700年後に合流し近代フリーメーソンとなったわけです。

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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝21 ― 薔薇十字の由来

 外伝19で記した通り、近代フリーメーソン結成には大きくは2つの流れがありました。即ち、約2000年前にヘロデ・アグリッパ王と宰相ヒラム・アビウデを中心に、9名のメンバーで結成された古代メーソン「秘密の力」、それとテンプル騎士団です。
 ただし、テンプル騎士団の流れには、実働部隊としてテンプル騎士団を作ったシオン修道会の存在、そしてテンプル騎士団自体も、悪魔主義グループとそうではないグループもあります。更には、近代フリーメーソンにはその中心にプロテスタントのメンバーが入っていて、また「黒い貴族」も関わっています。
 近代フリーメーソンには異なる色々な組織のメンバーが入り込んでいて、まさに複雑なごった煮状態の組織だったのです。共通項といえば「反カソリック」の「秘伝者・秘密主義者たち」、これだけでしょう。
 この近代フリーメーソンというごった煮の組織結成に大きな役割を果たしたのが、『ヘロデの呪い』で訳者林陽氏の解説通り薔薇十字団、薔薇十字運動だったようです。
 しかし、この薔薇十字が全くもって厄介なのです。確かにバラ十字会日本支部が解説する大元と見られる薔薇十字団があります。しかし、一口に薔薇十字といっても、その後に地域や時代を異なったそれぞれが「薔薇十字」を名乗る幾つもの団体が出てきていているのです。おまけにそれらの内容は要領を得ず、実像は分からないのです。
 薔薇十字を検索して調べると「多くのオカルティスト、錬金術師、学者、文人、貴族等」が参入している様子は見えますが、彼らは秘密主義者で、彼らの発表する薔薇十字の文献等はわざと「煙に巻き」実態を見せないようにしていたのです。
 このように複雑怪奇な薔薇十字ですが、それらが発生する源流となるだろう組織がありました。実はこの組織はどうもシオン修道会のルーツ、つまりテンプル騎士団の流れの原点であり、同時に古代メーソン「秘密の力」も関わっている様子なのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝21 ― 薔薇十字の由来

シオン修道会の最古のルーツ ~オルムスによる秘教宗団



近代フリーメーソン発足には大まかには2つの流れがあり、その一つが古代メーソン「秘密の力」で、もう一つの流れがテンプル騎士団です。テンプル騎士団からの流れには、1099年にゴドフロワ・ド・ブイヨンがテンプル騎士団に先立ち創設したシオン修道会も含められます。

このシオン修道会の発祥について、ブログ「レンヌ・ル・シャトーの謎」では以下のように見ています。

シオン修道会の最も早いルーツはオルムスと名のる人物のある種のヘルメス、グノーシス組織です。この人物は異教とキリスト教をひとつにしたと言われています。」

オルムスという人物の秘教組織が、シオン修道会の最初のルーツだと指摘しているのです。次いで以下のように記述しています。

「シオンが姿を見せるのは中世になってからです。1070年にウルサス王子率いるイタリアのカラブリアからやってきた僧侶の集団がフランスのストネイ近くにオルヴァル修道院を設立しました。これらの僧侶たちがシオン教会の基礎を造り、1099年にゴドフロワ・ド・ブイヨンがそれを取り込んだと言われています。」

どうも、オルムス派の僧侶たちが、1070年にウルサス王子という人物に率いられて、シオン修道会の前身となるオルヴァル修道院を設立した、とのことです。

さて、オルヴァル修道院を検索すると、この修道院はシトー修道院に属しているようです。シトー修道院といえば外伝17で記述しているベルナールです。

聖ベルナルドゥス(聖ベルナール)と聖母
Wikimedia Commons [Public Domain]

ベルナールはシャンパーニュ地方の貴族出身で、シトー修道会に入会し、シトー修道会を発展させた人物です。そしてベルナールは、ゴドフロワ・ド・ブイヨンやシャンパーニュ伯、ユーグ・ド・パイヤンたちとの仲間で、彼がカソリック教会との仲介など、テンプル騎士団のプロデューサー役を勤めました。それによってテンプル騎士団が絶大といえる強大な権力を得たのです。

このような関係から、オルヴァル修道院がオルムス秘教組織から来ていて、それを1099年にゴドフロワ・ド・ブイヨンが取り込み、シオン修道会を設立したとすると、その後のオルヴァル修道院自体はシトー修道院に属すようになった。このこと自体は全く自然なことになります。

ただし、オルヴァル修道院がシトー修道会に属するようになったのは頷けても、オルムスの秘教宗団からオルヴァル修道院への流れがジャンプしてしまっていて、確認できないので何ともいえません。
しかし、オルムスについては著書『レンヌ=ル=シャトーの謎』とバラ十字会日本支部も言及していますので、そこからも探ります。

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