注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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シーモア・ハーシュ氏は、“天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」に対して破壊工作を実行するという米国側の意向をドイツのショルツ首相は知っていた”と指摘
スプートニクの記事をご覧ください。シーモア・ハーシュ氏は8月11日のSubstackの記事で、“天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」に対して破壊工作を実行するという米国側の意向をドイツのショルツ首相は知っていた”と指摘している、ということです。
ノルドストリームの破壊でドイツは、「ロシア産ガスの不足がエネルギー価格の上昇を引き起こし、経済成長そのものが減速した」わけですが、“EU諸国が大きな期待を寄せ、すでに建設に投資していたアフリカ大陸横断ガスパイプライン”があったのです。
ところが、このアフリカ大陸横断ガスパイプライン(TSGP)は、7月26日にクーデターが発生したニジェールを経由するということです。
ShortShort Newsさんの動画で、“誰も話題にしていないのが、稼働間近の巨大パイプラインだ。このパイプラインはナイジェリアからスタートする。ニジェールを経由してヨーロッパに至る。アメリカのシェブロンはすでに130億ドルをこのパイプラインに投資している。そしてどうなったと思う? ノルドストリーム・パイプラインが破壊された後、シェブロンはこのパイプラインを稼働させるための活動を加速させた。…そしてニジェールの人々はこう言っている。…申し訳ないが、パイプラインはなしだ。…ここから出て行け。ロシアからのノルドストリーム・パイプラインが途絶え、ヨーロッパは大惨事に直面している”と言っています。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
© Павел Бедняков/ メディアバンクへ移行
ピューリッツァー賞受賞歴のある米調査報道記者のシーモア・ハーシュ氏は、プラットフォームSubstackに投稿した自身の記事の中で、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」に対して破壊工作を実行するという米国側の意向をドイツのショルツ首相は知っていたと指摘した。また、「ノルドストリーム」の破壊はドイツ経済にマイナスの影響を与えたが、ショルツ氏はこの決定に反対しなかったという。
ハーシュ氏によると、昨年2月にショルツ氏は「ノルドストリーム2」の承認手続きを停止したが、それまでにパイプラインにはドイツに送るためのガスが注入されていた。承認手続きの停止は、米国のバイデン大統領の強い要求によって受け入れられたという。
ハーシュ氏は、「ノルドストリーム」の破壊はドイツ経済にマイナスの影響を及ぼしたと強調し、ロシア産ガスの不足がエネルギー価格の上昇を引き起こし、経済成長そのものが減速したと指摘した。ドイツ国民は国内の経済危機に強い不満を抱いており、世論調査結果もそれを裏付けているという。
またハーシュ氏は、地元メディアは「家庭や企業の暖房代の補助金に関する国策をめぐる国内の政治闘争」について盛んに議論しているが、危機の主な原因である米国側による「ノルドストリーム」爆破は無視していると指摘している。
ハーシュ氏は先に、クリミア大橋への2度のテロ攻撃でバイデン米政権は致命的に重要な役割を演じたと発表していた。
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ウクライナ戦争でのロシアの勝利の余波は、アフリカ植民地支配の瓦解へと向かっている
2021年4月3日から2023年7月26日までニジェール首相を務めたウフームドゥ・マハマドゥ氏は、“国際社会が協調してニジェールに民主主義を取り戻し、テロの脅しに屈しないよう要求”したとのことです。
“わずかの褒賞と引き換えに資源利権を宗主国に渡す政治家”にとって、民意とかけ離れた政策で民衆から搾取することを「民主主義」と呼びます。
世界銀行は8月2日に「民間部門との提携以外の全ての融資の実施を当面停止する」との声明を出しました。アーロン大塚氏は「外貨を使用できなくして、気に入らない政権を潰そうとする行動に出た」とツイートしています。
世界銀行(WB)は「低・中所得国の政府に対して資本プロジェクトを進めるために融資や助成金を提供する国際金融機関」であり、国際通貨基金(IMF)は「経常収支が悪化した加盟国への融資、為替相場と各国の為替政策の監視などを行っている」ということになっていますが、実際は、“新植民地体制を維持する機関”です。
ウィキペディアの「新植民地主義」には、“貸付金や経済援助を受けるためには、小国は国際通貨基金(IMF)なり世界銀行(WB)を利するのみで自国経済に有害なプログラムを実行せねばならず、「構造調整プラン」が国内の貧困をむしろ増幅してしまうとの批判が根強い。…実際第三世界の政府が賄賂の見返りに、外国企業へ特権や独占権を認めるケースが多々見られる。その上、最貧国に対する貸付金の多くはほとんどの場合、外国企業へ返済することになるため…WBやIMF、WTO、更にG8や世界経済フォーラムといった組織は新帝国主義を体現する存在として非難を浴びている”と書かれています。
最後のTomoko Shimoyama氏のツイートに、“ニジェールの新政権を支持する北アフリカ諸国が拡大中。NATO/ECOWASによる鎮圧を支持する諸国はごく少数”とあり、地図でオレンジ色になっている国が西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の加盟国の中で、NATO/ECOWASによる鎮圧を支持するごく少数の国のようです。
ウクライナ戦争でのロシアの勝利の余波は、アフリカ植民地支配の瓦解へと向かっているようです。RTの記事によると、“ナイジェリア政権は8月3日、フランスとの軍事条約をすべて破棄し、アメリカ、フランス、トーゴ、ナイジェリアの大使を解任した”ということですが、“パリとワシントンは、ニジェールから軍隊を撤収させるつもりはなく、失脚したモハメド・バズーム大統領を正当な指導者として承認する”と述べていることから、状況を注視しておく必要があります。
8/3 独立記念日のNiger首都
— すらいと.Slight. (@slightsight) August 3, 2023
Bidenは"民主的に選ばれた"Bazoumを復職させるよう”反乱者”に要求。制裁、介入をちらつかせるが、長く搾取されていた民衆が腐敗した政治家を追い出したわけで。
民意とかけ離れた政策で、他国も支配しようとする米政権が今何を言おうが笑い物になるだけ。 pic.twitter.com/gJRTPMCBMa
クーデター中にParisにいて帰国できなくなったNigerの元首相、AP通信の取材に応じ、国際社会が協調してNigerに民主主義を取り戻し、テロの脅しに屈しないよう要求。
— すらいと.Slight. (@slightsight) August 3, 2023
西側はこのような、わずかの褒賞と引き換えに資源利権を宗主国に渡す政治家に事欠かない。
("民主主義を守る戦い" 腐敗体制キーワード) https://t.co/OznO8zDDJr
※全文はツイッターをクリックしてご覧ください二ジュールの新植民地体制からの独立運動に対して世銀が支払を止めた。
— アーロン大塚 (@AaronOtsuka) August 3, 2023
外貨を使用できなくして、気に入らない政権を潰そうとする行動に出た。世銀は新植民地体制維持する機関で、国際通貨発行権を利用して国を借金づけにしてコントロールする機関である。DSが信用供与を武器として使用する。… https://t.co/U1FYYWwT9N
※全文はツイッターをクリックしてご覧ください"アフリカにおける植民地化の仕組み
— J Sato (@j_sato) August 3, 2023
EU、フランス、ECOWAS、フランスが管理する地域中央銀行など。アメリカもいくらかの "援助 "をしている。
また、ニジェールの電力の70%は隣国ナイジェリアから供給されているが、ナイジェリアは現在電力供給を停止している。… https://t.co/ZdYa5cgjxW
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アフリカ西部のニジェールでのクーデターは今も続く植民地支配からの解放につながる重要なもの ~リビア、アルジェリア、マリ、ブルキナファソ、ギニアはニジェールの新政権支持を表明 / ブルキナファソのイブラヒム・トラオレ大統領の強烈なスピーチ
ANNニュースは、「8月1日、ニジェールの首都ニアメーに滞在していた在留邦人2名とその外国籍の家族1名が、フランスの協力を得て、フランスが手配した航空機によりニジェールからパリに退避しました」との松野官房長官の会見の様子を伝えています。
こうした西側諸国の伝え方から分かるように、クーデターは今も続く植民地支配からの解放につながる重要なものです。
J Sato氏の最後のツイートにアフリカ西部の地図があります。アルジェリアとナイジェリアに挟まれた国がニジェールで、アルジェリアの右はリビアです。ツイートによると、リビア、アルジェリア、マリ、ブルキナファソ、ギニアはニジェールの新政権支持を表明したとのことです。
ブルキナファソと言えば、アフリカのチェ・ゲバラとも呼ばれた偉大なトーマス・サンカラを思い出します。
ブルキナファソのイブラヒム・トラオレ大統領が、ロシア・アフリカ首脳会議で行った強烈なスピーチをご覧ください。
イブラヒム・トラオレ大統領はロシアをアフリカの家族と呼び、“ブルキナファソに関する限り、今日、8年以上にわたって、私たちは最も野蛮で、最も暴力的な新植民地主義、帝国主義に直面している。奴隷制度は私たちに課され続けている。…ブルキナファソの人々は、自分たちの発展を再スタートさせるために、戦うこと、テロと闘うことを決意した。この闘いの中で、20の民族からなる勇敢な人々は、テロリズムに立ち向かうために武器を取ることを誓った”と言っています。
アメリカ(バイデン)
— タマホイ🎶🍃🗻🧷 (@Tamama0306) July 30, 2023
「ニジェールのクーデター許さん!援助打ち切るぞ!」
🇳🇪ニジェール軍
「自国の何百万人ものホームレスの人々に援助を与えるべきだと思うよ、慈善事業は自国の人々に対して始めてもろて」 https://t.co/ih44UhADmA
🇳🇪ニジェール
— タマホイ🎶🍃🗻🧷 (@Tamama0306) July 31, 2023
フランスへのウランと金の輸出を一時停止https://t.co/92fGYBdOrd
ニジェールのデモ参加者はフランス国旗を燃やし、フランスを打ち負かせ!と叫んだ
私たちはウラン、ダイヤモンド、金、石油を持っているのに、なぜ奴隷のように暮らしているのですか?フランス人は必要ない
🇧🇫ブルキナファソと🇲🇱マリ
— タマホイ🎶🍃🗻🧷 (@Tamama0306) August 1, 2023
「🇳🇪ニジェール侵攻は自分たちに対する宣戦布告と同じ」https://t.co/oQYkJJdxtj
ニジェールへのいかなる軍事侵攻も、ブルキナファソとマリに対する宣戦布告に等しい、と両国の暫定政府は共同声明で述べた pic.twitter.com/Eb2Fp8JKSI
西アフリカ・ブルキナファソのイブラヒム・トラオレ大統領(35歳)がロシア・アフリカ首脳会議で強烈なスピーチ
— ShortShort News (@ShortShort_News) August 1, 2023
「自ら反乱を起こせない奴隷は、同情に値しない」
1980年代にフランス傀儡政権を追放した国民的英雄トーマス・サンカラ(37歳で暗殺死)のトレードマークである赤いベレー帽を着用 pic.twitter.com/8bXcjotQ9O
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アフリカの単一通貨を求める声は高まっており、東アフリカ共同体(EAC)の…7つのパートナー国が2027年までに単一通貨で取引することに ~構成国の通貨を統合したユーロのような単一通貨にすると、金融政策の独立性を放棄することになり、構成国の格差が広がる
私はこの動画を見た時に、“ようやくアフリカでも、こうした発言ができるようになったんだな”と思い、喜んだのですが、RTの記事に「アフリカの単一通貨を求める声は高まっており、東アフリカ共同体(EAC)の…7つのパートナー国が2027年までに単一通貨で取引することになる」と書かれているのを見て、これはマズイと思いました。
共通通貨とは、(自国通貨は維持したまま)ある域内における取引に共通して使用できる通貨です。しかし、構成国の通貨を統合したユーロのような単一通貨にすると、金融政策の独立性を放棄することになり、構成国の格差が広がることになります。
“続きはこちらから”をご覧ください。キンバリー・ゴーグエンさんの情報を見れば、東アフリカ共同体(EAC)の単一通貨の構想は、キンバリーさんの前任者マルドゥクの古い計画に沿ったもので、最終的には「世界に7つの決済機関と7つの通貨を作るというもの」だということが分かります。
こうしたことの背景にあるものは、国連を支配している連中が、“完全かつ全
面的な軍事支配と、世界中のすべての情報機関を支配していると思い込んでい
る”からだとキンバリーさんは言っています。
しかしそれは幻想であり、「キンバリー・ゴーグエンさんの情報」を見ていれば、キンバリーさんのチームとサイレント・サークルが古い支配構造を解体している最中であることが分かります。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
※うまく表示されない場合は配信元で動画をご覧くださいルト大統領
— ShortShort News (@ShortShort_News) June 14, 2023
「米ドルを使うのは米国から物を買うときだけにしよう。アフリカでは現地通貨を使おう」 https://t.co/wAUJkLHeNc pic.twitter.com/Dm1Uxry2rj
ケニアのウィリアム・ルト大統領は、アフリカ諸国が大陸間貿易で米ドルに依存するのをやめるよう繰り返し呼びかけ、大陸が「緊急に取り組むべきこと」であると述べた。
ジブチ議会での演説でルトは、「私たちの国民は、どの通貨を使うか心配することなく貿易することはできない」と述べ、ジブチとケニアの間の貿易取引で米ドルに頼ることをやめる必要性を強調した。
アフリカの単一通貨を求める声は高まっており、東アフリカ共同体(EAC)のピーター・マトゥキ事務局長は1月、同共同体の7つのパートナー国が2027年までに単一通貨で取引することになると予測している。
ケニアの企業経営者で起業家のアリス・オリュデ氏は、金曜日のRTの取材に対し、アフリカ単一通貨は「野心的」な目標であり、経済、政治、制度の要素を「慎重に考慮」する必要があると述べた。
脱ドル化は、国際貿易における欧米の世界的地位を弱めることにもなりかねないと彼女は付け加えた。
「アフリカが自国通貨を使い始めたら、ドルよりもアフリカの通貨に需要が集まるでしょう」と、彼女は言った。
その間に、「参加国の準備状況を評価し、経済的収束を促進し、制度を強化し、潜在的な課題を軽減するために地域協力を促進する」ことが重要であると彼女は述べた。
(中略)
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CFAフランとは「西アフリカと中央アフリカの国々で使われている共通通貨(1:20〜)」で、厳密には「西アフリカ諸国中央銀行が発行するCFAフランと、中部アフリカ諸国銀行が発行するCFAフランの2種類」あります。2:50あたりの地図に、それぞれが数カ国ずつ使われているエリアが示されています。
CFAフランの特徴は、旧宗主国であるフランスの通貨と固定されたレートを持っていることで、過去、交換レートが変更されたのはわずか2回のみでした。1994年に交換レートが1フランス・フラン=100CFAフランとされ、その後、1999年にはフランスがEU共通通貨ユーロを導入したことから、1ユーロ=約656CFAフランとなりました。原貫太氏いわく「CFAフランの問題点を考える上で、この交換レートが非常に重要です。」その理由として、3つの問題点を説明されます。
1点目は、ユーロとの交換レートが、アフリカの経済力よりも高い水準で設定されていること。アフリカの経済力に相応したレートであれば、国際的な価格は相対的に安くなるので、アフリカの国々の輸出には有利に働くはずでした。しかしCFAフランが高く設定されているため、アフリカ諸国にとっては輸出が不利になり自国の産業が発展しにくい構造になっています。逆に、フランスからはあらゆる商品が安い価格で入ってくるため、アフリカの産業は価格競争に勝てません。
2点目は、CFAフランを発行するのはアフリカ諸国の中央銀行ですが、その政策決定には常にフランスから選出された役員がコントロールをしてきました。実質的にアフリカの加盟国は通貨発行権を持っていません。アフリカ諸国は、自国の道路や橋など望まれるインフラ整備の公共事業を介した景気対策が取れません。
3点目の最大の問題点は、CFAフランの加盟国が保有している外貨の50%をフランスの国庫に預けなければならないという決まりです。これはつまり「本来は、アフリカの経済発展に使うべき資産のうち、半分をフランスに取り上げられてしまっている」ことになります。アフリカの国々にしてみれば、輸出すればするほど、そこで得た外貨がフランスの国庫に自動的に入っていくシステムで、フランスにとっては重要な収入源になります。
「これでは植民地支配と変わらない」
CFAフランのメリットとしては、「経済大国のフランスによって、通貨の安定性が保証されていること」が挙げられています。アフリカの独立後の政情不安によって経済破綻が起きても、ユーロとの交換レートが固定されているため、通貨の価値を失うことなく換金可能な状態が維持できるというものです。アフリカに投資する外資にはありがたいことです。
アフリカから見たCFAフランは「西アフリカ諸国の大統領はCFAを廃止したくても、それを言えばフランスに暗殺されてしまう。政治家はフランスの言いなりになるしかない。西アフリカは"経済的な奴隷状態だ"。ベナンを含む西アフリカはまだ独立を果たしていない。」というものです。
次回、後編は「中国やロシアが近年のアフリカで影響力を高めてきたことがCFAフランの廃止に向けた動きにも関係している」という解説です。