注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
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日刊IWJガイド・非会員版「『韓国の戒厳令事件は米政府とソウル大使・米軍ができる限りの支援を行っていた証拠が数多くある!』とダグラス・マクレガー大佐が暴露!」2024.12.12号~No.4402
(前略)
マクレガー大佐は、「米国では、韓国を、本質的には米国の帝国的利益と影響力の軍事的植民地」として扱われている、と述べ、「韓国の戒厳令事件を米政府とソウル大使・米軍が待ち、できる限りの支援を行っていた証拠が数多くある」と重大な「暴露」を行いました。
その上で、「そもそも、米国が韓国を支配下に置き続けるための努力として、2022年の大統領選挙でCIAが(従米派の)ユン大統領を選んだのだ」とまで断言しました。
(中略)
マクレガー大佐の告発には、今回、韓国で起きた戒厳令事件の、これまで指摘されてこなかった本質が露わになっているように思われます。
11日、非常戒厳令を起草した、韓国の金容鉉(キム・ヨンヒョン)元国防長官が、拘留中に自殺を図った、というニュースが飛び込んできました。11日付『ロイター』などが報じています。
キム元国防長官は、10日遅くに逮捕され、11日に自殺を図ったと、韓国当局は発表しています。
キム元国防長官は、ユン大統領とは高校時代から交流があり、ユン大統領の首席補佐官は、「最高司令官の意図を誰よりも理解している」人物だと評しています。
キム元国防長官は、北朝鮮に対しては強硬派であり、「国防長官としての初の演説では、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の政権が挑発行為を行えば「恐ろしい代償」を払い、「最終的には終焉を迎えることになるだろう」と警告しました。
(中略)
ユン大統領とキム元国防長官が押し進めた、北朝鮮に対する強硬政策「分断政治」は、韓国の国民に受け入れられず、韓国ギャラップによると、先月11月には、支持が17%、不支持が74%と追い詰められてもいました。
「分断政治」の背景に、何があったのか。
そこに北朝鮮と韓国の対立を強め、韓国の支配を強化しようとする米国の意図が働いていたのではないか。マクレガー大佐は、戒厳令を阻止した韓国国民について、「韓国は、ウクライナの二の舞になるつもりはない。韓国国民はこれに立ち向かい、阻止した」と称賛を送っています。
(以下略)
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「アラビアおよび国際的な報道機関を通じてこの声明を発表しようとする試みが何度か失敗した後、唯一の実行可能な選択肢は、前大統領職のソーシャルメディアアカウントで声明を発表することでした。」ということです。
“続きはこちらから”の記事に声明の全文が出ていたので、機械翻訳にかけたものを貼り付けました。毎日新聞の『「最後まで国守る信念あった」 シリア・アサド前大統領の声明全文』に見事な翻訳があるので、機械翻訳と比べてみてください。
西側のジャーナリズムの劣化が激しいのは言うまでもないことですが、翻訳は機械よりも優れているみたいです。褒められるところがあってよかったです。
アサド前大統領は声明の中で、“12月8日の朝にフメイミム空軍基地に到着すると、シリア政府軍がすべての前線から完全に撤退し、最後の部隊の陣地も陥落したことが分かった。戦況が悪化する中、ロシア軍の基地そのものも無人機(ドローン)による激しい攻撃を受けていた。基地を離れる現実的な手段がない中、ロシア政府は基地の司令部にロシアへの即時避難を手配するように要請した。これは、政府軍の最後の部隊が崩壊し、その結果、残りすべての国家機関がまひし、ダマスカスが陥落した後のことだった。”と言っています。
12月8日の早朝までダマスカスにとどまり任務を遂行していたアサド大統領が、同日の朝にラタキアのフメイミム空軍基地に移動したということは、地下にトンネルでもあるのでしょうか?
また、ロシア政府がアサド大統領の即時避難を手配していることから、シリア政府軍の撤退命令はロシアの要請によるものかも知れません。シリア政府軍の兵士は「我々はホムスから撤退するよう命令された。我々は裏切られたのだ」と言っていました。
アサド大統領は「戦争の暗黒の日々が続いても逃げ出さず、自身の家族とともに国民に寄り添い、砲撃やテロリストによる首都への侵攻の脅威にもかかわらず、14年間、テロに立ち向かってきた。」と言っていますが、これはまさにこの通りです。そのアサド大統領が、「どうして国民を見捨てたり、自分の軍や国家を裏切ったりするというのか。」と問うています。
12月14日の記事で及川幸久氏は、“HTS(ハヤット・タハリール・アル・シャーム)が11月27日から反撃を始めたわけですよね。普通だったらシリア軍と戦い、そのバックにはロシア軍がいると。強大な勢力と戦わなきゃいけなかったわけですけど、実際にはそうじゃなかった。もうその前からロシア軍とは話し合っているんですね。”と解説していることを紹介しました。
こうしたことを考慮すると、シリア政府軍の兵士を裏切ったのは、アサド大統領ではなくロシアだということになるでしょう。もちろん高度な政治判断の上で、ということになるでしょうが、残念ながらロシアの意図は今のところ良く分かりません。