
大家族の中で
父は7年前に亡くなりましたが、私の両親はとても仲のいい夫婦でした。
私が生まれた時から大家族で、両親と私たち兄弟4人、祖母と父の弟夫婦とその子ども2人、その上、小さな病院を開業していたので住み込みの看護師さんが4人、入院患者さんが8人の大所帯でした。だから母は病院の手伝い、家族や入院患者さんの食事の世話で、とても忙しくしていました。その上、本家でしたので、お正月とお盆は親戚中が集まって40人くらいのお客さんが来ていました。今のように外食するところもなく、母が1人で食事の世話をしていました。いつも親戚の誰かが泊まっていたり、なぜか家出してきて居候する人もいました。とにかく人の多い家でした。
だから母に構ってもらった記憶はありません。でも、いつも近くにいて忙しく働いていた母の姿をずっと見ていました。当時は日曜休診もありませんでしたし、夜になると保険請求の仕事もあります。夜遅くまで仕事しているのに少し時間ができると子ども達にセーターを編んでくれていました。私のセーターの番になると嬉しくて毎日どこまで進んだのかを確かめながら出来上がるのを楽しみにしていたものです。

pixabay[CC0]
そんなある日、2歳の私はトイレに行きたくなったのですが、母はお客様の世話で母が忙しくしているので、1人でトイレに行き、昔の便所に落ちそうになって必死にしがみついているのを兄が見つけて、間一髪で助けられたこともありました。母は構ってあげられなかった事をとても悔やんだそうです。
私が小学生になった時、「私のお母さんは朝から晩まで毎日忙しく働いて構ってくれません。でも、私はお母さんが大好きです」という作文を書き、それが廊下に貼りだされました。母は参観の時にそれを見つけ、事もあろうに、思わずその作文を胸にしまって持って帰ったそうです。一晩その作文を抱いて寝て、翌日先生に謝り、返しに行ったそうです。構ってあげられない申し訳なさと、それでも好きだという言葉を胸に抱いて、どんな気持ちで夜を過ごしたのでしょう。この事を私が知っていることを母は知りません。
優しい内緒
もう一つ、母は今でも私に内緒にしていることがあります。実は兄2人は先妻の子どもで、母は兄たちが2歳と3歳の時に嫁いできたのです。とにかく祖母が厳しい人で兄たちのお母さんは務まらなくて追い出されたとか。そして母も嫁ぐなり2人の子どもがいて家業も忙しく、相当苦労したようです。でも、母自身もお母さんを亡くし、義母に育てられたので兄たちの気持ちがわかったのでしょう。私が大人になるまで気がつかなかったほど、兄たちにも分け隔てなく優しくしていました。兄が大学に行くとき、泣いて見送りもできない母です。結局、今でも母と兄たちはそのことを私に内緒にしています。私は知らないふりをしていますが、その当時の母の苦労や兄の寂しさを思うと胸が詰まります。

pixabay[CC0]
そして祖母も厳しいけど私にとっては優しい祖母でした。いつもおんぶしてくれていた事や、一緒に寝て毎日昔話をしてくれたことを思い出します。祖母もまた、若くして夫を亡くし、7人の子どものうち3人を亡くしながら、苦労して父たちを育てあげた気丈な人だったのです。でも、晩年は母を頼り、母の胸に抱かれて旅立ちました。
» 続きはこちらから
私は、夢を叶えてその後不幸になった人をたくさん見ています。というよりも、そちらの方が多いのではないでしょうか。オリンピックの金メダリストが、その後の人生で麻薬に溺れた生活を余儀なくされるというのはよくある話です。
シンデレラ物語は、シンデレラが素敵な王子様と結婚できて、“めでたし、めでたし”で終わるのかもしれませんが、私は、八種体癖なので、そこで終わらないのです。“王家に嫁ぐと、姑との関係は大変だよな”とか、“確かダイアナ妃は、「ウィンザー家の人たちは人間じゃないのよ」と言ってたよな”とか思うのです。名家に嫁ぐと幸せになれるという思い込みは、幻想に過ぎません。精神年齢が小学校低学年で止まっている様に思います。
真実はスプートニクの記事の通りであり、“今日という日を喜びをもって過ごし、ささやかな素晴らしさに気づき、架空の幸福を追いかけないこと”なのです。私は一言で、“夢を追わないこと”だと言っています。
地球上のほとんどの人は、自分の心の中にすでに問題を抱えています。“今現在に、今実際に起こっていることに焦点を当て”、今ある心の問題を解決するのが先です。ところが、ほとんどの人は、今ここにある夫婦関係の問題、親子関係の問題、過去のトラウマ等々から逃避し、問題に直面するのを避けようとします。その逃避先は、大概の場合、仕事です。
皆さんが、外でどれほど偉大な業績を成し遂げても、心の問題は何一つ片付きません。問題はそこにあるままです。要するに、人々は幸せになれないのです。
お金、職場の人間関係、親子関係、夫婦関係等々、問題は山積していますが、自分自身を見つめれば、それらの原因は、すべて自分の心の中にある事がわかるでしょう。自己を見つめて、心を解放すれば、これらの問題はまるで魔法のように解決するでしょう。
私は、先に挙げたすべての事柄について、何も問題がありません。内側に問題のない人だけが、ありのままに外にある問題に、混乱なしに取り組めるのです。
最後のイーロン・マスク氏の記事は、この世界の“混乱を極めた状況”を映し出している様に思います。内側に混乱のある人が、未来の地球の為に活動すると、一層の混乱をもたらすだけではなく、本人も苦しむだけです。氏は“本当の問題は、私が署名したことによるのかもしれない”と言っています。氏が秘密の宇宙プログラム(SSP)に属しているのは明らかで、この組織はカバールともイルミナティとも言われています。なので、氏が署名したのは“魂の契約”なのかも知れません。
名声、財産と引き換えに、秘密組織の未来の計画に、自らの才能を使うことで、闇に深く引きずり込まれます。夢を追う生き方は、マーヤー(幻影)に自らを巻き込み、不幸を選択することを意味します。
幸福は冒頭の記事に書かれているように、“今、ここ”にしかありません。それは、“あるがままの自己に安らう”ことです。