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[Pars Today]ワシントンポスト、「広島だけではない。アメリカは多くの犯罪について謝罪していない」

竹下雅敏氏からの情報です。
 ワシントンポストが、アメリカの犯罪のほんの一部を例として揚げ、“アメリカが謝罪していない多くの出来事”があることを示しました。
 ここに揚げられた例は、アメリカによる国家犯罪のほんの一部に過ぎません。ウイリアム・ブルム著「アメリカの国家犯罪全書」には、“アメリカによる他国への介入のリスト”があります。
 この本は、第二次大戦後の世界がどのようなものであったのかを知る上で、必読の書だと言えます。著者は元外交官であったため、裏側で実際に行われていたことを熟知しています。この本を読むと、アメリカが“悪の帝国”であることが、疑いの余地なく理解出来ます。
 ところが、メディアではまったく逆のプロパガンダがなされており、西側諸国のほとんどの人々が、未だにその呪縛から逃れていません。いずれ近い将来、この本に書かれている内容が全て真実だとわかる日が来ると思います。未だにアメリカが正義だと信じ込んでいる人々には、ショックが大き過ぎるかも知れません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ワシントンポスト、「広島だけではない。アメリカは多くの犯罪について謝罪していない」
引用元)


アメリカの新聞、ワシントンポストが、「アメリカは、多くの犯罪について謝罪していない」と報じました。

ワシントンポストは、世界史の中でアメリカが引き起こした悲劇について触れ、「広島と長崎の原爆投下だけではない。アメリカが謝罪していない多くの出来事が他にもある」と強調しました。

この記事はまず、アメリカのオバマ大統領の日本訪問に触れ、「アメリカは、これらの都市を原爆によってほぼ壊滅させた。オバマ大統領に広島訪問で謝罪することは期待できない。70年経った今、なぜ、広島について謝罪しないのかと尋ねるのが賢明だろう。それを正当化する理由のひとつは、それこそが、第二次世界大戦を終わらせる最速の方法だったというものだ」としました。

こうした中、アメリカや多くのほかの国が行うべきなのは、謝罪ではないという議論が広がっています。ダートマス大学のジェニファー・リンド氏は、「謝罪国家、国際政治での謝罪」という著書の中で、「アメリカが謝罪することはない。基本的に各国は、他国に対して行った暴力について謝罪することはない」としています。

ワシントンポストの記事は、この後、アメリカが謝罪していない出来事の例を挙げています。

★ベトナム戦争での枯葉剤の使用

ベトナム戦争で、アメリカは、ベトナム、カンボジア、ラオスで1200万ガロンの枯葉剤を使用しました。ベトナム赤十字によれば、およそ100万人が被害を受け、後遺症に苦しんでいるということです。こうした中、これまで、この戦争でのこの問題、あるいはこの他の問題に関して謝罪が行われたことはありません。

★イランでの1953年のクーデター

1953年、イランで民主的に選出されたモサッデグ首相が、クーデターによって退陣しました。アメリカCIAの機密文書では、モサッデグ政権の崩壊は、CIAによって、アメリカの外交政策の一環として仕組まれたもので、政府高官により計画され、承認を受けていたとされています。イギリスの諜報機関も、CIAに協力していました。しかし、アメリカとイギリスは、このクーデターへの関与に関して謝罪したことはなく、オバマ大統領は、その計画もないと表明しています。

★1973年のチリのクーデター

アメリカは、1973年にチリのアジェンデ社会主義政権をピノチェト将軍が武力によって倒したクーデターにも関与しました。ピノチェト将軍は、17年間、この国を支配しました。CIAは、このクーデターへの直接関与を否定しましたが、アジェンデ政権への反対を認めました。1977年、アメリカの関係者が、国連ジュネーブ人権委員会でアメリカの謝罪を提案しましたが、その後まもなくして解任されました。オバマ大統領が2011年にチリを訪問した際にも、チリの報道官関係者から謝罪の要請がありましたが、拒否されました。

★西アフリカとの奴隷貿易

アメリカ議会は、2009年、奴隷制度について謝罪するよう提案しましたが、現代史の奴隷貿易を形作ったアフリカ諸国に対して、どのような謝罪がなされたでしょうか? ビル・クリントン氏は、1998年のウガンダ訪問の際、「我々は国家にもなっていなかったとき、ヨーロッパからやって来たアメリカ人は奴隷制度の恩恵に授かった。我々は過ちを犯したと言うべきだろう」と語りました。評論家は、「この発言は、正式な謝罪というよりも、むしろ後悔の念を表していると言った方がよい」としました。

★コンゴの独裁者への支援

民主的に選出されたコンゴのルムンバ初代首相は、就任後たった12週間で退陣し、その4ヵ月後に暗殺されました。コンゴがベルギーの支配からの独立を宣言してから3ヵ月後、冷戦のさなかに起こったこの事件は、この国にとって悲劇でした。ベルギー政府は、2002年、この暗殺への関与を認め、謝罪しました。しかし、アメリカCIAは、直接の関与を認めず、この国で大規模な秘密作戦を行いました。この後、モブツ腐敗政権が誕生し、何の謝罪もない中で、数十年もの間、アメリカの支援を受け続けました。

★2003年のイラク侵攻

2003年のアメリカ主導のイラク侵攻は、現代史上、最も物議をかもした出来事のひとつです。この戦争は、イラクの独裁者サッダームフセインの政権を崩壊させたものの、地域に情勢不安と混乱をもたらし、それは今日まで続いています。イラク人の受けた被害は甚大です。この攻撃を命じたブッシュ元大統領は、この戦争、あるいは、大量破壊兵器の存在に関する誤った情報について謝罪しませんでした。

★イラン航空655便撃墜事件

1988年7月3日、アメリカ海軍のミサイル巡洋艦ヴィンセンスが、ペルシャ湾上空を飛行していたイラン航空機に向かって地対空ミサイル2発を発射し、これにより、乗員乗客290人全員が死亡しました。アメリカは、F16戦闘機と勘違いしたと主張しています。アメリカ政府は、この出来事に対して何の謝罪の念も示していません。ブッシュ前大統領は、選挙活動の際、「アメリカを代表して謝罪することはない。事実が何であろうと重要ではない」と語りました。

ワシントンポストは、締めくくりに、“アメリカはこれまで、何度謝罪しただろうか”と疑問を呈し、「アメリカが謝罪した例は非常に限られている。1940年代のグアテマラ人体実験、1893年のハワイ王朝の転覆。2012年にも、オバマ大統領が、アフガニスタンでのコーラン焼却へのアメリカ軍の関与について謝罪した」としています。

ジェニファー・リンド氏は、著書の中で、次のように記しています。

アメリカのやり方は、謝罪は例外であり、それをしないのが法だというものだ。ここで重要なのは、道徳ではなく政治である。それを行った者からの謝罪はありえない。各国の人々も、謝罪を聞いただけでは満足せず、政治的な問題を抱えることになる。アメリカをはじめとする多くの国は、謝罪を回避する。なぜなら、過去は葬った方がよいと考えるからだ

黒猫さんが人々の目線を釘づけ!オバマ大統領の平和記念公園訪問中に

竹下雅敏氏からの情報です。
 さすがだ。人々の目線を釘づけにしてしまう。
(竹下雅敏)
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引用元)

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引用元)

オバマの広島訪問は安倍政権の支持率を上げるための選挙目的

竹下雅敏氏からの情報です。
 オバマの広島訪問ですが、大統領には花道を作ってやり、それを利用して支持率を上げるという選挙目的のものであるように思えます。
 ツイート冒頭の核兵器禁止条約の件ですが、リテラによると、今月10日に“ジュネーブで開かれていた核軍縮の進展を目指す国連作業部会の第2回会合で、日本代表の佐野利男軍縮大使は「核兵器禁止条約」を締結することに反対。「北東アジアの厳しい安全保障環境を踏まえ現実的、実践的な措置を取るべきだ」”と述べたとのこと。
 要するに、安倍政権は核の保有と使用を認める立場なのです。事実、記事の後半では、安倍首相が官房副長官時代の2002年に、“憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね”という言葉を引用しています。こうしたことを知った上で、昨日のオバマ・安倍のしらじらしい演説を評価すべきだと思います。
 多くの人は、政治家の言葉にだまされ、彼らの実際の行動を見ていません。オバマの被爆者を抱擁するシーンは名演技でした。普段からテレビドラマで大根役者の下手な演技を見慣れていると、政治家のこうしたパフォーマンスですら見破れなくなってしまうのかも知れません。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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<米大統領広島訪問>平岡・元広島市長「何をしに来たのか」
引用元)
 ◇元広島市長の平岡敬氏(88)に聞く

(中略) 

 原爆を使った過ちを認めないのなら、何をしに広島に来たのかと言いたい。

(中略)

 オバマ大統領は2009年にプラハで演説した後、核関連予算を増額した。核兵器の近代化、つまり新しい兵器の開発に予算をつぎ込んでいる。

(中略) 

 広島は大統領の花道を飾る「貸座敷」ではない。核兵器廃絶を誓う場所だ。大統領のレガシー(遺産)作りや中国を意識した日米同盟強化を誇示するパフォーマンスの場に利用されたらかなわない。【聞き手・寺岡俊】

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引用元)



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引用元)


[カレイドスコープ]伊勢志摩サミットが、一足早く安倍政権に晩秋をもたらす

 安倍首相のリーマンショック発言ですが、ネット上の大半の意見は、"夏の参院選をにらんでの消費税・再増税延期の正当性をアピールすることが狙い"だとする見方が多く、確かにその通りだと思いますが、『今まで散々嘘をついていた悪賢い詐欺師が、唐突に「真実を語る」時が一番恐ろしい』という見出しが含まれるこちらの記事には、"安倍晋三の今回の怖ろしい警告が、実は誰も言わない『真実』である可能性は限りなく高い。…これから起きる金融破綻は以前のリーマンショックが『子供の遊び』程度に思えるほどのトンデモナイ規模の大崩壊が起きて仕舞うのは確実である"とあります。このような見方もできるのではないかと思いました。
 グローバル・エリートらが切望している"新世界秩序を打ち立てること"が目的の経済崩壊ではなく、世界中の誰もが豊かに生きていけるため、そしてこれ以上地球を破壊しないための経済を築くための経済崩壊を望みます。大きな混乱が伴うことには違いないので、これまで時事ブログで指摘されてきたように、食料の備蓄や心の準備は怠らないようにしたいものです。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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伊勢志摩サミットが、一足早く安倍政権に晩秋をもたらす
引用元)
(画像のソース:官邸ホームページ)

(画像のソース:官邸ホームページ)


このサミットを境に、日本のメディアの論調が大きく変わるはず。日本の頭の破滅的に悪いマスコミ坊やたちも、欧米メディアの意思がよく分かったのではないだろうか。

「リーマンショック直前と同じ」で経済馬鹿をさらす安倍晋三と閣僚たち 

2日間のG7伊勢志摩サミットが終わりました。参加したG7首脳のうち、ファーストレディー同伴で参加したのは半分。もちろん、今回もオバマはミシェル夫人を本国に置いたままです。

(中略) 

26日夕方、現地で行われた記者会見で、安倍首相は円卓を囲んでの世界経済を討議するセッションで、コモディティーの値動きを示したグラフを持ち出して、「2014年以降55%下落しており、リーマン・ショック直前と同じ様相を呈している」と、現在の世界経済が危機的状況にあるとの認識を示して各国首脳に同意を求めました。

その場にいた記者のうち、何人が、この微妙な空気感を感じ取ったでしょう。

安倍首相としては、日米の持つ危機感を欧州勢にも共有してほしかったと同時に、何より夏の参院選をにらんでの消費税・再増税延期の正当性をアピールすることが狙いだったわけですが、欧州勢は、いっせいに興ざめ。

さらに、この記者会見後、安倍首相は二度目の大失態をやらかして恥の上塗りをやってしまったのです。

記者団に向けて、「アベノミクス『三本の矢』を世界に展開する」と息巻いたのはいいが、外国人記者は、まさに“どっちらけ”。
さすがの安倍内閣のプロパガンダ新聞・産経も、それ以上、何も書けないとばかり、サラッと流して終わり。

この会見の後、「アベノミクスが失敗したことは、世界共通の認識になっている。いまさら、何を言いたいのでしょう」と、アメリカの主流メディアの外国人記者が放った辛口のコメントをそのまま放送する日本のテレビ局は、世界的に潮目が反転したことを悟ったのでしょう、少しはお利口さんになったようです。

さて、この状況を、どう分析しますか?

テレビ、新聞の報道からは何も分かりません。心の目で見ることです。

つまり、安倍首相は、IOCの総会で「アンダー・コントロール」と大嘘を言っただけでなく、今度もG7という晴れの舞台で世界中に大嘘をついてしまったのです。

もっとも、今度は「嘘をつかされてしまった」というのが正しい。

これには、若干の説明が必要です。

始まりは、今年3月に行われた国際金融経済分析会合にジョセフ・スティグリッツとポール・クルーグマンの二人のノーベル経済学賞を受賞した経済学者を呼んだことです。

安倍プロパガンダ新聞は、この二人が「来年4月の消費税増税を延期すべきであると提言した」と報じていますが、これは真っ赤な嘘です。

少なくとも、スティグリッツ教授は消費税問題には触れず、「(アベノミクスの間違いを認めて)アベノミクスを停止し、経済政策を180度転換することによって、次のG7サミットで主導権を取るべきである」と安倍首相と官邸の側近たちに強く進言したのです。

安倍官邸は、この時点ですでに、10%の消費税引き上げを延期する算段であったわけですが、それをすんなり表明してしまえば、2014年11月に「アベノミクス解散」と銘打って、消費増税先送りを延期した根拠が根底から崩れ去ってしまいます。

そうすれば、有権者をまたまた騙したことになってしまうので、安倍内閣の存在理由を喪失するどころか、存在そのものが「悪」とされてしまうからです。そのために、有権者の目をそらすために、二人の経済学者を利用しようとしたのです。

しかし、二人は、消費税より、むしろ「アベノミクスの失敗」について言及したのです。

マスコミの手のひら返しは、いつも見事です。
「幻の三本の矢」、続いて「新・三本の矢」については、今後、報道に力が入らないでしょう。アメリカの主流メディアの外国人記者が言ったように、最初から「存在しない」のですから。

つまり、安倍首相は、スティグリッツ教授の進言である「アベノミクスを撤回する」ことをしない代わりに、消費増税の再延期を選択したのです。アベノミクスを撤回してしまえば、安倍政権の、それこそアイデンティティーを喪失してしまいかねないからです。

といって、先の衆院解散総選挙で国民に嘘を吐いたことが確定してしまうので、野党連合からは内閣不信任案を出されてしまいます。

自民党の国対は、野党が内閣不信任案を提出すれば、衆参同日選挙に打って出ると、準備不足の野党連合を脅していますが、それこそ、自民・公明の公党としての矜持を自ら捨て去る行為であって、今度こそ、自公は単なる「ならず者集団」に成り下がって国民から見捨てられるでしょう。

第一、この状況で衆院も解散するとなれば、自公は大幅に議席を減らすことが明らかですから、あえて破滅的なリスクを冒す理由がないのです。これは、自公のタチの悪い恫喝です。

いよいよ、大嘘連発によって自らを窮地に追い込んでしまった安倍内閣が取った最後の手段が、「リーマン前に似ている」です。

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[創造デザイン学会]シオニズムの崩壊が始まった

 イスラエル政府のパレスチナへの酷い仕打ちや大イスラエル計画への執拗な追及に嫌気がさした多くの米ユダヤ人が、シオニストから離反し始め、「選民思想」から抜け出しているようです。
 これに対するシオニストの反応は、"疑問をもつユダヤ人を追放すること"、"背教者として抹消し、彼らがユダヤ人であること自体を、否定さえしている"ようです。イスラエルの情報長官などは、対イスラエルの「不買・権利はく奪・制裁」政策のリーダーを、“殺しの標的”にせよと要求しているようです。まさにカルト集団そのものの考え方だと思います。記事の冒頭でも"イデオロギー運動は、…自由意志をほとんど許さない運動である"としています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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シオニズムの崩壊が始まった
引用元)
Lawrence Davidson
May 20, 2016. Information Clearing House
 

イデオロギー的世界観の欠陥 

イデオロギー運動は、宗教的であろうと世俗的であろうと、拘束力の強い、自由意志をほとんど許さない運動である。イデオロギー運動と私が言っているのは、その信奉者に、何らかの「深い真理のセット」を、絶対的に信ずることを要求する運動のことで、この真理は、ある神によって、また、ある不変と考えられた歴史法則によって、あるいは他の何らかの、同じように不可侵の根源によって、定立されたものである。その信奉者は、ひとたび入信すると、あるいは単に、そういうグループに生まれてきただけで、そこに留まり、「信仰を貫く」ことを期待される。

しかし、文化的、政治的、宗教的観点からは、永遠の深い真理などというものはない。歴史には、我々の“この神”“あの法”への信仰を蝕む、腐食的な作用が付き物である。(中略) そしてどの時点かで信仰者は離れていく。

イデオロギーに駆動されてきた指導者たちが、彼らの帰依者たちを失い始めると、どうなるだろうか?もちろん彼らは動揺する。それは、この運動が擁護するすべての証人と考えられていた人々が、いま疑いをもつようになったからである。このような懐疑者は、真の信仰と考えられているものにとって危険であり、したがって通常、2つの方法のどちらかによる処遇を受ける――(1)イデオロギーの責任者は、離反者を否認して退けようとするか、(2) もし全体主義的な性格の信仰集団であれば、彼らは異端者を強制収容所送りか、もっと悪い刑罰に処する。

崩壊していくシオニズム 

この種の――あるイデオロギー運動の伝統的信奉者の数が減ることによる――崩壊は、シオニスト共同体、特にアメリカのユダヤ人の間で、現在進行中のように見える。

シオニズムとは、歴史的なパレスチナの地すべてを支配し、そこに住み着くという、神に与えられたユダヤ人の権利を説き教えるイデオロギー運動である。

1948年のイスラエル建国以来、シオニストたちはまた、“ユダヤ国”は世界のユダヤ民族すべてを代表するもので、したがって、ユダヤ人の自覚をもつ者は、イスラエルにも、その支配的なシオニスト哲学にも、忠誠を尽くさなければならないと主張している。

しかし、過去10年かそこらの間に、その忠誠心は崩れてきている。アメリカでは、主要な米ユダヤ人組織のイデオロギー的に厳しい指導者 (イスラエルを無批判に支持する人たち)の見解や行動と、他方、ごく最近までその指導者たちを代表としていた、ますます疎遠になっていくユダヤ系米人大衆との間に、顕著な分裂が見られるようになった。

この分裂は、Pew研究所調査から、ジューイッシュ・フォーワード紙や、改革ユダヤ主義組織まで、いくつかの情報ソースによって繰り返し記録報告されている。

ジューイッシュ・フォーワード紙が言っているように、この状況の特徴は、普通の米ユダヤ人が「イスラエルに対し、ユダヤ体制派よりも、遥かに批判的」だということである。2013年のピュー研究所の調査では、米ユダヤ人のほとんど半数が、イスラエル政府は、パレスチナ人との平和に達する「誠実な努力」をしていないと考えていた。ほとんど同数が、イスラエルによる「西岸」の植民地化拡大を、非生産的と考えていた。

だからこの分裂は、突然でも新しく起こったことでもない。疑問をもつ米ユダヤ人の数は、ずっと増え続け、シオニストのリーダーシップにとって、事態は悪くなるばかりである。実際、彼らの集会で、AIPAC (米‐イスラエル公共問題委員会)に喝采する人々とほぼ同数の、若い米ユダヤ人が、平和支持の活動家グループに参加している可能性がある。

アメリカにおけるリーダーシップの反応 

上に述べた2つの選択に従って、米ユダヤ人諸組織のリーダーシップの主たる反応は、これら疑問をもつユダヤ人を追放すること、彼らを“知識も、政治意識もない、または間違った考えをもつ者”として、退けることである。

その目的のために、米ユダヤ人の公職者たちは、これを好都合として、こう問いかける――自分たちは「組織的でない、仲間意識のない、ユダヤ人共同体」を本当に代表する必要があるのか?「ユダヤ人の50%は、年に一度もユダヤ教会に足を踏み入れず、ユダヤ共同体センターにも属さず、名前だけのユダヤ人ではないか?」

真の信者を除く全員を追放するこうしたやり方は、「反中傷連盟」(Anti-Defamation League) の国家会長であるAbraham Foxmanの言葉に明瞭に表れている。彼はジューイッシュ・フォーワード紙にこう話した、「ユダヤ体制を代表するのは誰であるかは、おわかりでしょう。関心をもつ者たちですよ。」ここでフォックスマンは、ちょっとした循環思考に陥っている ――重要な構成員は、体制を代表する者たちである。

それはどうしてわかるのか? それは、今もイスラエルに“関心をもつ”者たちである。関心をもつとはどういうことを言うのか? 関心をもつとは、ユダヤ体制とイスラエル政府が彼らに言うことを、どこまでも信ずることである。最後にフォックスマンは更に一歩進んで、ユダヤ人リーダーは、ユダヤ民衆のどんな一部の意見にも耳を傾ける必要はない、と言った。「私は坐って、私の構成員の世論調査をするのでありません。ユダヤ人リーダーシップの一つは、導くことです。我々は導くのです。」時間の経過とともに、彼は、ますます減っていく会員を導くことになりそうである。

イスラエルにおけるリーダーシップの反応 

(中略) 

アメリカでも他の場所でも、ますます増えるユダヤ人から批判されるということは、現在のイスラエルの支配諸機関の責任者には、全く耐えがたいことである。

世俗的・宗教的を問わず、こうした指導者たちは、批判的で懐疑的なユダヤ人を、背教者として抹消し、彼らがユダヤ人であること自体を、否定さえしている。

(中略) 

イスラエルの情報長官 Israel Katz が、(対イスラエル)「不買・権利はく奪・制裁」政策(BDF)のリーダーを、“殺しの標的”にせよと要求しているのを聞くと、事態はさらに恐ろしいものに思えてくる。アメリカでは、そういうリーダーの多くはユダヤ人なのだ。

(中略) 

結論 

(中略) 

シオニズムのリーダーは、Ben Gurion から Netanyahu まで、“より大きなイスラエル”原理に基づいた領土的拡張と、不平等原理に献身してきた。彼らの誰一人として、非ユダヤ人に対する、政治的平等はもちろん、社会的・経済的平等を真剣に考えた者はいなかった。

(中略) 

シオニストのこの追求が、あまりにも執拗だったので、アメリカのユダヤ人の間で、懐疑派がますます増えていき、彼らの大多数は、民主主義の理想を真剣に受け止めている。

(中略) 

我々がこの現状に至るまでに数世代かかった。しかし我々がこうなるのは、ずっと予言できたことだった。これは、シオニズムのイデオロギーが、いかなる妥協をも受け付けず、イスラエルの振舞いが、かつてないほど野蛮になっても、いかなる罪も認めなかったからである。そのために、離反者と批判者がますます増え、イデオロギーの守護者たちは、不安になり、それは復讐心に変わり、更に多くのユダヤ人を遠ざけるだけの、攻撃姿勢を取り始めた。

(ローレンス・デイヴィドソンは、ウエスト・チェスターPA、ウエスト・チェスター大学 の歴史学退任教授。彼の学術研究は、アメリカの中東との外交関係史が中心である。)