かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(3) 〜進化〜

かんなままさんの執筆記事第3弾です。
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進化
現代の人達はペットを家族として、とても愛情深く接しています。
人間に大切に育てられた犬と、自然に犬同志で群れて成長した犬では、前者の方が意識のレベルが高くなります。近い将来、人間に生まれ変われるようになるのです。
また、心を込めて育てられた花と野生の花では、美しさが全く変わってきます。園芸家の人達はそのことをよく知っています。
人間が関わって、丁寧に大切に育てたものは、早く進化するという事なのです。

出典:「ぴ・よ・こ・と2」竹下雅敏(著)P123



ペットのお話の第2弾です。

まだ子ども達が小学生の頃、家族でバリに旅行に行きました。毎朝鳥のさえずりで目が覚めます。日本ではあまり聞いたことのないさえずりだったのでビデオ片手にその鳥を探しに行きました。でも声は聞こえても見つけることができませんでした。




突然の来訪者 〜ようこそ、我が家へ!〜 


帰国してしばらくした神無月の頃です。
朝方、玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けるといきなり、小鳥が飛び込んできて私の肩に乗ったのです。我が家に働きに来てくれていた人が玄関でじっとしている鳥を見つけてチャイムを鳴らしたという事だったのです。

突然の来訪者に驚き、嬉しくて肩に乗せたまま夫の所に行きました。すると今度は夫の手に乗り、ご挨拶をしたのです。「クルクル・クルクル・ケンケンケーン」と頭を上下に振り、羽を広げてダンスをしながら啼いてくれました。

あっけにとられた私達は「!!!」
二人同時に「あの時の鳴き声!」と気がつきました。そう、バリで探しに行った鳥の鳴き声そのものだったのです。
「あなたはだあれ?どこから来たの?」と聞きました。そして、わざわざ我が家に来てくれたお客様に「ようこそ、我が家へ!」と大歓迎しました。




学校から帰ってきた子ども達は珍しいお客様に大喜びです。調べてみると、さくら文鳥でした。原産地はインドネシア。やっぱり!
早速、名前を付けました。神無月に来てくれたから「かんな」です。これがのちに私のハンドルネームになりました。私はかんなのママなのです。


自由な鳥・かんなとの生活、そして突然の別れ…


かんなは自由な鳥でした。放し飼いです。ただ寝る時だけはゲージに入れました。すっかり家族の一員となり、みんなの肩にとまり、撫でてくれと催促したり、安心して眠ってしまったり、食事中も一緒で私達が食べているものを欲しがりました。ご飯や野菜など喜んで食べました。洗い物をするときは一目散に飛んできて手で水を受けてあげると水浴びをするのです。水道水は塩素などの影響でバタンと倒れます。だから浄水器の水を使いました。

私達家族にとっても夢のような、かんなとの生活でした。
でも何年か経ったお盆の日、悲しい別れが突然にやって来ました。
いつものように家族がリビングで団欒をしていたら、急にバタバタ!バタバタ!っと苦しみ始めたのです。びっくりして手の中に抱き、何が起こっているのわからないまま、みんなで「かんな!かんな!」と呼びかけました。

でも、目を白黒させて・・・亡くなってしまいました。その時間は1~2分だったかもしれません。私達家族にとってはすごく長く感じ、また鮮明に覚えています。ただ茫然と手の中のかんなが逝ってしまうのを受け入れる他ありませんでした。

信じられない光景を受けとめるのに何もしないでいることができませんでした。1人ひとり確認するかのように手の中で抱きました。そして、誰からともなく子ども達はこのかんなの絵を描き始めました。ぽろぽろ泣きながら・・・。この状態を描くことによってこの事実を受け入れようとしているのだなあと思いました。

不思議なご縁があった小鳥、かんな。
私達にとっては大事な家族でした。全員が見守る中、私の手の中で亡くなり、我が家で一番大きな木の下に埋葬しました。翌年の春、木の周りに白い花が咲くのですが、その埋葬した部分だけピンクの花が咲きました。

「人間が関わって大切に育てたものは早く進化する、近い将来人間に生まれ変わる」というこの文章に出会って、かんなの事を想い、涙しました。あれから20年。どこかで出会っていないかしら?と思うことがあります。

(挿絵:あい∞ん)

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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