ぴょんぴょんの「おそロシアは、ホントに恐ろしいか?」

 先日、NHK・BS2の「世界ふれあい街歩き」で、ウラジオストックの街を見ました。
 日本から目と鼻の先に、ヨーロッパ風の建物が立ち並ぶ、美しい港町があるとは。
 おいしそうなロシア料理、スタイル抜群の若いロシア女性たち、そしてダーチャ。
 ダーチャは、ソ連時代に国から与えられた土地だそうです。
 共産主義さえなければ、ソ連も国民にいいことをしてたんですね。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「おそロシアは、ホントに恐ろしいか?」


シベリア鉄道の旅


くろちゃんはお正月は、何してたの?

おれなんか、いつでも正月だしなあ、とりたてて何ってことはねえなあ。

そっかあ、ぼくはずっとシベリア鉄道に乗ってたよ。

pixabay[CC0]


?! この寒い季節にか?
今ごろ、雪で大変だろ? つうか、鉄道は走ってんのか?

あっはははは!! シベリア鉄道の動画を見て、頭の中でロシア旅行してたんだよ。

おめえはつくづく、安上がりなヤツだなあ。
で、シベリア鉄道ってのは、どんなんだ?

ロシアを東西に横断する鉄道で、始発のウラジオストックから終点のモスクワまで、全長9,297kmの世界で一番長い鉄道だよ。(Wiki)

ウラジオストック駅 Author:Vfp15[CC BY-SA]



モスクワまで、どんくらいかかるんだ?

寝台列車で7泊。

7泊?! まるまる一週間、列車の中? おれはムリ・・・。

でも、一等車の二人用個室、1週間で 7〜8万円って、リーズナブルだと思わない?

7〜8万円でロシア横断できるなら、安いかもな。

だけど、個室は狭いし、お風呂は毎日入れないし、運動不足になりそう。

拘置所と、あまり変わらねえ生活だな。
で、途中駅では降りられるのか?

30分くらい停車する駅なら降りられるけど、スリル満点だよ。
放送はロシア語だし、時刻表も当てにならないから、いつ出発するかわかんない。

じゃ、景色を楽しむしかねえな。

それがね、ずうっと同じような原野で、単調な景色ばっかり。

・・・・・何が悲しくて、そんな修行みてえな旅をするんだ?

鉄道ファンなら一度は乗りたい、シベリア鉄道。
それにモスクワに行けば、そこからヨーロッパは目と鼻の先だからね。
ユーレイルパスで、ヨーロッパ中のグリーン車に乗り放題。

飛行機でヨーロッパに飛んだほうが、疲れねえんじゃねえか?

昔なら考えられないけど、今のロシアは、駅も鉄道も撮影させてくれるんだよ。
だけど一番おどろいたのは、ロシアがずいぶん豊かになってること。
ウラジオストックなんか、まるでヨーロッパだよ。

ウラジオストック pixabay[CC0]


ロシアに対する不信と偏見


日本から一番近い大都市であるウラジオストックは、成田から飛行機でたった2時間のところにある。だが、日本人旅行客はなぜか行きたがらない。
(東洋経済オンライン)
なぜ、行きたがらないか? 

それは、ロシアを怖い国だと思ってるからだね。

近くて遠い、おそロシア。
そういやあ、こないだ人と話してて、「ロシアの科学は、意外と進んでいる。」って言ったら、「でも、ロシアは怖いし。」って返されたよ。

それ、ふつうの反応だね。

ロシアを悪役に仕立てあげるアメリカの情報、それを垂れ流すマスコミ。
そいつらを鵜呑みにしてたら、ロシアを誤解するのは当然だな。

今の日本人はロシアに対して、不信と偏見しかもってないよね。
たしかに、過去のシベリア抑留とか、現在の北方領土問題とかいろいろあるけど。

ヤルタ会談の陰で、アメリカとソ連がコッソリ密約を結んだ結果、ソ連は日ソ不可侵条約を破って満州に侵攻し、そこで暮らしていた多くの日本人たちが命を落とした。


争いの種、北方領土がロシアに与えられたのもその時だね。

これらすべては、1%の支配層が仕組んだシナリオさ。

戦争で理不尽は当たり前なんだから、国民が悲惨な目に合ったのは、戦争をした国の責任だけどね。

忘れっぽい日本人でも、このロシアの裏切りだけは忘れられないでいる。

でも日本だって、ロシアから見たら、相当おかしいんじゃない?

ロシア人に言わせると、憲法9条を掲げているくせに、ケンカ売って戦争したがる、ならず者(アメリカ)を国内に居座らせる日本は、頭がおかしいと。(Quora)

日米地位協定のせいで、今でも日本はアメリカの植民地だからね。

ロシア人から見る日本は、ジャイアン(アメリカ)のご機嫌を取りながら、後からコソコソついて行くスネ夫。
(Quora)

正にその通りでございます! 反論の余地なし!

「日本をどう思うか?」と聞かれたロシア人。
温かい気候だし 生活の質は高いし 教養もあるが、異常なくらいに献身的というか 仕事中毒というか 学者ぶると言うか。まあ、ロシア人の持たないものを持ってるな。
知り合いの女は『日本人はいつも働きすぎ。途中まで怠けて 最後に頑張ろうとか思ってない。あの国にすむのはごめんよ』と言ってた。
私はロシア人の怠けぐせが嫌いだから そこには好感を持つが、お辞儀や丁寧なところじゃなく、あの複雑すぎる社会的伝統が好かん。評判や行儀や 社会的立場に対する強迫観念というか。」(生粋のロシア人だがロシアについて質問あるか?)

ドンピシャ! 図星! ロシア人て、ズバズバほんとのこと言うんだねえ。

ポクロフスキー聖堂 pixabay[CC0]


ロシア人ビジネスマンの間で日本人は、「NATO」で通っているそうだ。
(東洋経済オンライン)

NATO? あの「北大西洋条約機構」のNATO?

いんや、「No Action Talk Only」の略で、NATO。

なにそれ、恥ずかしい。しゃべるだけで実行しないってこと?

ロシア人はこのように、ありのままの日本人を見てるが、日本人はありのままのロシア人を見ずに、偏見のメガネで見ている。
2012年の国際調査によれば、72%の日本人がロシアをよく思っていない。
しかし、「日本人の 過度なロシア嫌いは 空振りのもので全く根拠がありません。
なぜならロシア人は 日本人に対して ほとんど悪い印象を持っていないからです。」
(Quora)

へえ、そうなのか。

「モスクワに転勤になりました」と言うと、ほとんどの人が「えらく大変なところに行かれるのですね・・・」って答える。
つまり、日本人がロシアに対して持っているイメージは、「怖い」「寒い」「物がなさそう」。
ところが、モスクワを初めて訪れた人はたいてい、「モスクワって普通に都会だね」、「モスクワって何でもあるんだね」って言う。
(一平のロシア便り)

モスクワ市 Author:Deensel[CC BY]


ソ連崩壊後の、物が何もない光景が、ずっと続いてるとでも思ってるのかな。

スーパーで買い物をしていても カートいっぱいに物を詰めてレジで行列をする様子を見るのは 当たり前の景色ですし、地下鉄(なんと無料でWi-Fiが利用可能)に乗っていても 車内でスマホやタブレットを見る様子は 東京と何ら変わりありません。
(一平のロシア便り)

マヤコフスカヤ駅 Author:Andrey Kryuchenko[CC BY-SA]


ずいぶん生活水準が上がったんだね。

ロシアは「近くて遠い存在」なんかじゃない。
ロシア人は「決して外国人に笑顔を見せない」なんてことはない。
ロシアに行くと、ロシア人が非常に親日的で驚くそうだ。
こちらが日本人だとわかると、「ようこそ日本の方々」と握手を求められたり、
(旅.com)
モスクワの街を歩いていると、若いロシア人女性たちから、「一緒に記念写真を撮りたい」と言われたり。

(一平のロシア便り)

ひええ〜! 日本人はアイドルか。

地方へ出張に行くと、初対面なのにウオッカや料理でもてなしてくれたり。
「そして大いに飲み・語らいながら関係を作っていくのです。そして帰る際には『また来いよ』と言ってくれる。・・・このロシア人のウエットな人間関係は 我々日本人にも きっとしっくりくるものと思います。」
(一平のロシア便り)

あったかい人たちなんだ。

日常にも、日本製のものがあふれてる。
日本車もいっぱい走ってるし、ショッピングセンターには、日本の洗剤や歯磨き粉などが日本語表示のままで売られている。
ガイドさんいわく、日本のものはすばらしい。日本のものは安全と思われているとの事。」
(旅.com)

へえ、そうなんだあ・・でも、日本のものも、安全じゃないけどね。

一方、ロシアの空港に降り立つや、ロシア人の第一印象はブスッとしていて怖い。
空港に到着後に出入国管理で、、、うーんやっぱ怖い。。。皆ぜんぜん笑わない。
少しは笑ってほしい。おまけに皆軍服っぽい制服。。。。
なんか無言で尋問でもうけているような。。。」
(旅.com)

pixabay[CC0]


第一印象がこれじゃねえ。

「Russophobia(ロシア嫌悪症)」という言葉さえある。
ある日本人留学生は、こう言う。
「こちらに来て間もない頃は ロシア人の お世辞にも愛想がいいとは言えない応対に
しばしば不快な思いをした
ものです。
特に ロシア語ができないとなると手も足も出ず,買い物から 住居確保からビザ申請にいたるまで ひどく非効率的で 怠慢・横柄な応対をされて,途方にくれたことも少なくありません。
(医学書院)

うんうん、そうだろう。

しかしだ。
「ちょっと話をすれば実は人間臭い面を見せてくれる人たち」(一平のロシア便り)。
ロシア人ほど おおらかで 親日的な国民はそうはいない。
表面的には とっつきが悪いから、日本人が誤解しているだけ
なのである。」
(東洋経済オンライン)

ぼくたち、ロシア人に片思いされてたのか〜知らなかったね。

なのにだ、おれたちに刷り込まれたロシアのイメージは、
「常に謎に包まれた野蛮な国」
「野蛮で ずる賢く 頭が良くなく 予測ができないヒグマ」。

(Quora)

pixabay[CC0]


ヒグマ!

日露は・・・地政学的に協力関係にあってもおかしくない立ち位置にいます。
それなのに こうした関係になっていることは 双方の国益に即していません。
これは 解決しなければならない問題なのです。」
(Quora)

たぶんぼくたちは、冷戦時代のアメリカ映画の見過ぎだね。

ちょい待ち・・・もしかしておれたち、韓国や中国に対しても、同じようなネガティブ・イメージを刷りこまれちゃいねえか?

日本がロシア・韓国・中国と、仲良くなったら困る人・・・。

はーい! それはアメリカです。

アジアで日本を孤立させ、「頼りになるのはアメリカだけ」と言わせたいんだ。

それにいつも、お互いにイザコザが絶えないように仕組んでる。

あなたはアタシの家来。だから、誰とも仲良くしちゃダメ・・・みたいな。

幼稚園児じゃねんだぞ!

結局、ロシアってどんな国?

ある人は、ロシアを犬に例える。
彼はロシアの友人から、「ボス」という、カフカス牧羊犬の子犬をプレゼントされた。
「当初は3キログラムしかない、縫いぐるみのような可愛いワンちゃんだったが、わずか半年で体重は20キロになって、最終的には何と80キロ!にまで成長してしまった。」
(東洋経済オンライン)

pixabay[CC0]


うわあお!!

ところが、この従順な「巨大犬」は、「メッチャカワイイ」。
私にとってのロシアの印象とは、このカフカス牧羊犬のようなものだ。
ロシア人との付き合いは、『ボス』と私の関係に少し似ていると常々思う。
つまり、どう猛だが、メッチャカワイイ。
(東洋経済オンライン)

へえ、ロシアは巨大なモフモフなのか〜。

アイザック・モフモフとかな。


アイザック・アシモフ
 Author: Phillip Leonian[Public Domain]


図体だけでっかくて、人見知りで、愛想がないけど正直で。
意外とかわいいヤツ
かもな。

ぼくが見た【シベリア鉄道経由】東京~ロンドン鉄道の旅でも、ヨーロッパを全て回った後に「ロシアの人たちが一番親切だった」って言ってたよ。

時代は確実に変わっている。


ロシアをリードするプーチン大統領


そんなロシアをいい方向に引っ張ってるのは、プーチンだよね。


日本では、プーチンについても、ネガティブなレッテルが貼られてるが、
偏見でロシアを見てるはずの日本人にしちゃ、なかなかおもしろい対談
「プーチン大統領を怖いと感じる訳」(NEWSポストセブン)を引用する。

佐藤優氏(元外務省・主任分析官)と、さいとう・たかを氏(「ゴルゴ13」の作者)の対談か。

さいとう:(プーチンについて) 私は怖いね。
いま世界を見渡してみて、あれほどかつてのような独裁者はいません
よ。・・・
いまの独裁者というのは自分のことばかり考えているから、最終的に国民からそっぽを向かれるでしょう。でもプーチンは違う。彼は自分の国のことを考えている。
しかも自国の利益と個人の利益とが重なっている。
佐藤:おっしゃる通り、プーチンとロシアは、同心円を描いています。
彼は『ソ連』は好きだけど、『共産主義』は嫌い、という政治家で、非共産主義的なソ連をつくろうとしています。
自信を失いかけていたロシア国民に、再び誇りを持たせることに成功し、いまの人気を得た。
さいとうそれがとてつもなく怖い。あんな怖い男、ヒトラー以後、初めて登場したと思う。
プーチンには“狂気”を感じる。
佐藤:その見立ては間違っていません。・・・
でも私からすると、プーチンよりも安倍晋三首相のほうが怖いですけどね。
何を考えているのかよくわからないところがありますから(笑)。」(NEWSポストセブン)

ピンポンピンポン!
「プーチンが怖い」は畏怖で、「安倍首相が怖い」は、なんとかに刃物の怖さだね。

宇宙を味方につけた、世界皇帝プーチンがリードするロシア、この目で見に行きたい。

シベリア鉄道に乗って?

pixabay[CC0]


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

Comments are closed.