ハンガリー・カフェ
最近うちの近くに、ハンガリーのお菓子を出すカフェができたんだよ。

へえ、
ハンガリー菓子ってどんなの?
揚げドーナツ、クレープ、パウンドケーキ、そして、「とりプリン」!

は? 「とりプリン」?
プリンに鶏・・・茶碗蒸しみてえなものか?

まさか!
ハンガリーでよく飲まれてる、あま〜いドリンクのことだよ。
名前の由来を聞いたら、
ミルクに卵が入ってるから「とりプリン」だって。

??? ミルクに卵は入ってるが、鶏は入ってねえよな。

だから、トリの卵が入ってるから「とりプリン」。

あああ・・・わっかんねえけど、
どんな味?

ま、
日本で言う「ミルクシェイク」だね。
温かくてあま〜い「ミルクシェイク」の上に、メレンゲが乗ってるんだ。

メレンゲ乗せるのは、保温のためか?

見て、
左の飲み物が「とりプリン」で、右のお皿が「グンデル・クレープ」。
甘くてトローリ「とりプリン」に、チョコレート・ソースたっぷりの「グンデル・クレープ」。

甘そうだな。

甘いのがおいしいんだよ。
ところで、ハンガリーって言えば、何を思い出す?

おお!
リストもハンガリー人だったね。
ハンガリーと日本の似てるところ、違うところ
ハンガリーには、日本と似てるところがある。
苗字が先で名前が後だったり、お辞儀をする習慣があったり、みんな温泉が大好きだったり。(
ハンガリーが親日の理由)

知らんかった〜。

ただ、
国の置かれた環境はまったく違う。
海によって、外敵の侵入から守られている、島国日本。
かたや
スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、クロアチア、スロベニア、オーストリアと合計6カ国に取り囲まれているハンガリー。

うわ、窮屈そう!
国土面積は日本の4分の1、北海道よりもすこし広いくらいの所に、東京都の人口と同じくらいの1000万人しか住んでいない。(
ハンガリーの紹介)
侵略の歴史だったんだよね。
古くはオスマン・トルコに何度も占領されたし、
ナチスにも攻め込まれたし、
ソ連がナチスを追い出した後は共産党支配下におかれ、ようやく民主化へ立ち上がろうとした時、
ソ連軍の暴力で抑えこまれ、多くの市民が命を落とした「ハンガリー動乱」。
悲劇続きの国だったが、「激動の冷戦期を経て、民主化を進め、
2004年に悲願の欧州連合(EU)加盟を果たした東欧のハンガリー。」(
孤帆の遠影碧空に尽き)

そう言えば、
EUがシリアからの難民を受け入れた時、唯一反対してフェンスを築いたのはハンガリーだったね。

難民の中にテロリストが紛れこんでる可能性があったから、賢明な措置だったのだが、
他のEU諸国からはかなり非難された。(
REUTERS)
この英断を下した人は?
「ハンガリー・ファースト」のオルバン首相。
トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」に習って、「ハンガリー・ファースト」と言った、
ハンガリーのオルバン首相。

へええ、
ヨーロッパにもトランプの影響受けた人がいるんだ。
2018年4月に、ハンガリーの総選挙があった。
オルバン首相は、「ハンガリー・ファースト」を掲げて圧勝した。
憲法改正可能な3分の2議席を守り、オルバン首相は3期目の長期政権になった。

オルバン首相、最強だね。
選挙の焦点は「移民阻止」だったが、
国民は「移民阻止」を選択した。
「移民はハンガリーをゆっくりと、しかし確実にむしばむ、さびのようなものだ」と彼は言う。(
BBC)

オルバン首相は、EUではどう思われてるのかな。
国境線に鉄条網を設置するようなヤツ、EUから見れば完全に異端児さ。
しかし、難民の数が増えるにつれて、EUもオルバン首相を見習うようになり、
「
難民政策では、欧州は程度の差こそあれ“オルバン化”してきたといわれるほどだ。」(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)
オルバン首相は、どうしてそんなに難民を嫌うの?

イスラム教徒は入れたくないのか。
ハンガリーは過去に何度もオスマントルコに攻められ、150年もの間、支配下に置かれていたから、
イスラム教はうんざりなんだ。
彼は「欧州の自由を守る」と言うが、それはヨーロッパのキリスト教社会を、イスラム教徒から守ることを意味する。(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)

テロリストから、国民を守るための鉄条網じゃなかったんだね。
キリスト教社会の現状は離婚が多く、家庭は崩壊し、少子化でボロボロ。
教会に人は集まらないし、聖職者の未成年者への性的虐待事件は跡を絶たないし。(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)

キリスト教は、腐敗して瀕死状態。
イスラム教徒が押し寄せてきたら、壊滅状態。
だから、フェンスを作ったんだよ。
ただ、オルバン首相について、おもしろい点がいくつかある。
一つは
ジョージ・ソロスとの関係だ。

世界をカネで動かす、泣く子も黙る、あのジョージ・ソロスだね。
ジョージ・ソロスは、ハンガリー・ブタペスト出身のユダヤ人だって知ってたか?

え、ハンガリー人? アメリカ人だと思ってたよ。

冷戦終了後の1991年、
ソロスが故郷ブダペストに作った中央ヨーロッパ大学(CEU)を閉鎖に追いやったのは、オルバン首相だ。(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)

まるで
ユダヤ金融資本や、グローバリズムに抵抗しているように見えるね。

また、「
オルバン首相は欧州に殺到する難民・移民の背後にそれを支援するソロス氏の関与があると指摘し、全土に反ソロス・キャンペーンを展開している。」(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)

だって、
難民をヨーロッパに向かわせるためにお金出してたのは、ソロスだもんね。

ソロスにお世話になってたのに? 何があったの?

さらに、
オルバン首相という人は、
「EUから距離を置いていて・・・ウラジーミル・
プーチン露大統領を称賛している。」(
BBC)
「
欧州ではトランプ新米大統領の政治信条に最も近い指導者と受け取られている。」(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)
「
フランス国民戦線のマリーヌ・ル・ペン党首もオルバン氏の(選挙の)勝利を祝福した・・。」(
BBC)
「
ハンガリーは中国の習近平国家主席が推進している『一帯一路』に加盟した最初のEU国だ。」(
アゴラ)
あとは、
BRICSにも賛同しているとか。
反グローバリズムに見えるけど。
なのに、オルバン首相を「独裁者」と非難するハンガリー人も多いそうだ。
「オルバン首相は・・・
言論の自由も制限するなどさまざまな画策をしてきた」。(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)

ありゃ?
2018年12月、ハンガリーでは15000人の市民が参加する大規模なデモがあった。(
ハンガリー、「奴隷法」が可決で大規模デモ)
年間250時間までだった残業時間が、400時間まで延長され、残業手当の支払いは3年間先延ばしできる、という改正労働法が採決されたのが理由だ。(
AFP)
日本と同じ「奴隷法」。

「
人手不足が深刻化しているため、
ハンガリー経済の要であるドイツの自動車大手が、残業規制の緩和をハンガリー政府に働きかけたとの観測も、批判を招く要因になっている。」(
AFP)
企業がバックにいる、同じ構図だ!

オルバン首相は、この大規模なデモは「ソロスによる傭兵」だとか言ってるらしいが。

たぶん・・・これは本物のデモ。

ああ、
日本と似てるね。
「3分の2以上」という「数」を手に入れたオルバン首相は、10回以上も改憲をしてきた。
ハンガリーでは、日本のように国民投票がなくても、
議席の「3分の2以上」の賛成さえあれば憲法改正できる。

「日本もそうだったらいいのに」って、
あべぴょんがよだれ垂らしてるよ。
ハンガリーの新憲法が目指すのは、個人の人権を中心に置くよりも、社会の中の個人を尊重する世界観、価値観だという。

つまり、
昔の日本みたいな? 個人の自由よりも、お国のためを優先するという?
オルバン首相は、「非リベラル国家」を目指すとも言っている。

「非リベラル国家」って「不自由国家」?
「非リベラル国家」とは、自由の度合いが制限されている国。
たとえば、ロシア、中国、トルコみたいに。(
孤帆の遠影碧空に尽き)
つまりハンガリーは、個人の権利より、民族や共同体に重きをおく国を目指してるんだ。

やっぱ、不自由じゃん。
2018年4月の総選挙で圧勝してから、さらに
権力の集中が進み、司法においても、行政・立法・司法の三権分立を脅かし徐々に統合する動きも進めてきた。
日本みたい。

しかも、
憲法裁判所は、自分たちが決めた憲法改正に反対するからジャマだ、
権限を弱めて人事権を握っちゃえ、政権のコントロール下に置いちゃえと。
日本も、官邸の内閣人事局が人事を決めてるし、検察も最高裁も官邸の言うなりだし。
憲法とは、権力の横暴から国民を守るためのものだ。
そして
「立憲主義」とは、「憲法で権力を縛る」ことを言う。
しかし、オルバン政権は、憲法に国民の「権利」よりも「義務」を入れてくる。
「仕事をする義務を果たし、個人が責任をとる」べしとかね。(
孤帆の遠影碧空に尽き)

似てる!
オルバン君はあべぴょんの親戚か?

家族についても
「親に子供を育てる義務があるのと同様に、子供も大人になれば、年老いた親の世話をする道徳的義務がある。」
(
孤帆の遠影碧空に尽き)

ハンガリーでも、道徳って言葉が出てくるとは?!

「
ハンガリーで起きている立憲主義に対する民主主義からの挑戦。
『非立憲』的政治は、日本でも進んでいる。傍観者でいられるだろうか。」(
孤帆の遠影碧空に尽き)
ぼくたちも、それを肌で感じながらビクビクしてるよ。
オルバン政権下の
ハンガリー国民たちは、どう思ってるんだろ?

ちょうど
去年のハンガリー総選挙前、ブダペストのリベラル系ウェブメディア「Index」の人々を取材した記事がある。

日本のIWJみたいなものかな。

「ハンガリーの同世代から学んだ、『コンフォート・ゾーン』から飛び出すことの大切さ」(
HUFFPOST)から引用する。
「政治」が話題になった時、
「日本はまだマシな方だよ」と彼らは言った。
「ここは、communist dictatorship(共産主義による独裁政治体制)そのものだ。」
(中略)
「
メディアで反政権寄りな発信をすると、ハンガリーで働けなくなる。実際、オルバン政権を批判し続け、お取り潰しになったメディアもある。」
そのため、
テレビをはじめとする多くのメディアは、政府のプロパガンダ機関と化してしまったという。
それでも、
Indexで働く彼らは、自分たちの信念を曲げずに、オルバン政権と対峙している。
Facebook, Instagram,
あらゆるソーシャルメディアを駆使して。

うわ、
ぼくたちと同じような状況で、あきらめずにがんばってる人たちがいる。
「ハンガリーの報道の自由は失われた」と抗議した、リベラル系の全国紙「ネープサバチャーグ」は、発行取りやめになった。(
孤帆の遠影碧空に尽き)
「ネープサバチャーグ紙は、オルバン政権を激しく批判してきたメディアで、オルバン政権の側近の汚職報道を掲載したばかりだ。・・・
ハンガリーは中道右派オルバン政権が権力を掌握して以来、厳格なメディア規制が敷かれている。」(
ウィーン発 『コンフィデンシャル』)
日本みたいに陰からこっそり潰したり、消したりするんじゃなくてわかりやすい。
引用を続ける。
「自分たちの会社も政府に潰されるかもしれないね」と笑いながら言う彼らからは、
最後まで諦めないと言う確固たる意思と覚悟が感じられた。
「大きな変化をすぐ起こせるとは思っていない。」
彼らは、「この国で何が起こっているのかを正しく伝えていきたい」と話す。
(中略)
ハンガリーの若者の間には、言葉にできないような複雑な感情が渦巻いている。
それでも、
現状を打破したい一心で、自分たちの未来について真剣に考えている。
結婚したいけど、将来が不安だから、家族をもつことは現実的ではない、という言葉を聞いたときは、日本社会を想起せざるを得なかった。
国は違うけれど、抱えている問題は同じなのかもしれない。
(引用終わり)
ブダペストの観光名所に、エルジェーベト橋という大きな橋があるんだけど、これは
ハンガリーがハプスブルグ家の支配下にあったときに、ハンガリーを愛した皇妃エリーザベトの名を冠した橋なんだよ。
エリーザベト様と言えば、太陽系で最も重要な国津神第5レベルの最高神だ。(
時事ブログ)

皇妃エリーザベト 様
エリーザベト様が、ハンガリーの行く末を見守っておられるはず。
地球の向こう側にも、宇宙の彼方にも同志がいる。
おれたちは心の中でつながって、共に新しい未来に向かっている!
Writer
ぴょんぴょん
1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
(クリニックは2014年11月末に閉院)
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)
未知の国、ハンガリーに興味を抱いて調べてみたら、あら!日本とよく似てる。