ぴょんぴょんの「花粉、指名手配中」

花粉をまき散らしたあとの、赤茶色になった杉をながめながら、
花粉症の人たちは大変だなあ、と思います。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「花粉、指名手配中」


本当に花粉が原因?


ブエックショーン!!


おい、急にビックリするじゃねえか!

ゴメンゴメン、今ごろになるとねえ、ブエックショーン!! チ〜ン!

にぎやかなヤッちゃ。

くろちゃんは、涼しい顔でうらやましいよ。
ぼくなんか、かんでもかんでも、蛇口のこわれた水道みたいに鼻水が止まらなくて。
おまけに夜なんか、鼻が詰まって寝られないし。


ははは・・・ティッシュ、箱ごと持ち歩いてら。

笑ってる場合じゃないよ。
体中の水が、ぜーんぶ鼻から出ちゃう感じでさ。
一箱なんて、あっという間になくなっちゃう。

水はなあ、しっこから出せよ、汗かけよ。

たしかに、トイレはあまり行かないし、汗もかかない。

だろ?出すもの出してねえから、鼻が代役してるんだよ。
しかし、出すことはいいことだ。デトックスだな。

人ごとだと思って、ハ・・ハ・・ブエックショーン!! チ〜ン!
くろちゃんは、なんともないの?



そういや、昔、都会のまん中に住んでたときはあったな。

へえ、じゃ、田舎に越してよくなったの?

そりゃ、確実によくなったぜ。
大気汚染と花粉症の相関は、おれの体で実証済みだ。

へえ。
ぼくはずっと田舎に住んでるのに、花粉症だよ。

黄砂やPM2.5じゃねえのか? 
最近は、車が真っ白になっちまうほど飛んでるし。

それに、田舎は花粉も多い。

だが、昔の人たちは花粉症なんてなかったんだぜ。
今よりもっと、大量の花粉を吸い込んでたのに、大丈夫だったんだぜ。

そこなんだよ。
ぼくも、花粉だけが原因かなぁって、少し疑問なんだ。

じゃ、何が問題だと思う?

やっぱ、免疫かなあ?

免疫の、どこが問題なんだ?

免疫のどこって?

じゃ聞くが、体はどこで花粉を感知するんだ?

鼻。

pixabay[CC0]


鼻のどこだ?

鼻の穴。

あな・・・・?
あなのどこだ?

どこ・・って、粘膜

そこだよ! 粘膜は、非常に重要なポイントだ。

鼻の粘膜が、おかしいのかなあ。


体の国境警備隊


免疫とは、相手が自分にとって、有害か無害かをチェックする機能だ。
外界にさらされる皮膚や粘膜は、つねにチェック・センサーONだ!

チョット待って、皮膚は外界にさらされてるけど、粘膜は内側にあるんじゃ。

いいか? 粘膜も外にさらされてるんだよ。
体を長〜いバウムクーヘンだと思ってみろ。
かたっぽの入り口が「口」で、出口が「肛門」だ。


あの・・ふつう、そこ、ちくわで説明するんじゃ?

ちくわでも何でもいいよ。
とにかく、外側の焼き色がついてるとこが皮膚、内側のトンネルの壁が粘膜。

やっぱ、粘膜は内じゃないの?

いいか、外とは空気にさらされる部位だ。トンネル内だって空気にさらされてる。

あ、わかった。内と外はつながってて、同じ外になるわけね。

そうだ。体の内部というのは、食えるケーキ部分のことだ。

ところで、体を国にたとえると、免疫は警備部門と言える。
国の警備には、2段階ある。
まず、空港や港、海岸線などの水ぎわの警備。これが第一段階。
そして国内に侵入、潜伏している敵をつかまえるのが第二段階。

皮膚や粘膜は、水ぎわ作戦かあ。

国境警備隊だな。
じゃ、どっからお客が中に入るか知ってるか?

鼻と口が入り口で、出口が肛門、尿道とか?

いやいや、それじゃ、国に入れずにスルーだろ。
じゃなくて、ケーキの中に入る入り口はどこだって聞いてんだ。

えええ? どこから入るの? どこも壁で入れない。

実は、体の中に入るのに、特別な玄関はない。
皮膚や粘膜、つまり、すべての外壁が入り口であり出口なんだ。

どこでもドア?
危なくない? どっからでもドロボーが入ってくるよ。


そこが体のすごいとこ。
どこから敵が侵入しても、センサーのアラームが鳴るしかけだ。

すごい、警備体制だねえ。

敵が侵入すると、かゆみや痛み、血液が集まり、赤く腫れ、発熱する。
つまり「炎症」で、異常を知らせると同時に、敵を排除する。

「炎症」は、アラームであると同時に、敵をやっつけるの?
てことは、炎症を止める薬を使っちゃうと?

アラームのスイッチを切ることになる。
つまり、「ドロボーさん、いらっしゃい!」状態になる。

皮膚とか粘膜が、そんなに免疫に貢献してるとは思わなかったよ。


粘膜の過剰反応


ところで粘膜について、もちっと掘り下げてみよう。
「粘膜組織は生体と体外環境を境界し、生体に必要な物質の選択的な取り込みと体外からの様々な抗原物質の侵襲に対抗するための防御機能を備えた機能的構造的単位を構成しています。」
消化管粘膜における生体防御の仕組みとその破綻による粘膜障害

ひ? むつかしくて、何言ってんのか、ちいともわかんない!

科学論文てのは、簡単なことをむつかしく言わないといけないんだ。
まあ、翻訳すると、粘膜は体の内と外を分けるもの。

うんうん、わかる。さっきのバウムクーヘンの話だ。

次に粘膜は、体に必要な物質を選択して取り込む。

たとえば肺の粘膜。酸素は取り込むが、ホコリやウイルスは取り込まない。
腸の粘膜。食物のカスは捨てて、栄養だけ取り込む。

pixabay[CC0]


お利口だなあ。

ただし、粘膜は皮膚よりも吸収しやすいから、要注意だ。
皮膚は肌色だが、粘膜はピンク色だろ?
つまり、そのすぐ下は血が流れてるってことだ。
時事ブログにもあったよな、生理用品から、除草剤を吸収する話。

すぐに血液に入っちゃうよ。
でも粘膜は、選んで入れるんじゃなかったの?

たぶん、まともな免疫を備えてるヤツは、除草剤や化学薬品が粘膜に接触すると、かぶれたり炎症を起こすはずだ。

でも、それらの毒をスルーしちゃう人は、すでにセンサーがおかしくて、毒を吸収してしまう。

敏感肌、とか言ってるヤツの方が、まともだったりしてな。
とにかく、粘膜の吸収の早さを活かしたのが座薬。
座薬は、手に持ってても効かないが、尻から入れたら即効だ。

そう言えば、舌下錠ってのもあるよ。

狭心症のニトログリセリンのように、緊急を要するときは舌下の方が早い。

ホメオパシーも、舌下に入れるよね。

粘膜は、気にも作用しやすいらしい。

点鼻薬は?
花粉症には、抗アレルギー剤や副腎皮質ホルモン剤の点鼻薬があるよ。


そいつは勧められねえな。
とくに、ホルモン剤を鼻に入れるのはよした方がいい。

なんで? だって、すぐに鼻詰まりが取れて便利なのに。

死にそうなヤツは使ったらいいが、そうでもないのに使うと、害の方が大きい。
なんたって、鼻のすぐ奥には脳下垂体がある。

脳下垂体?

すべてのホルモンの司令塔だ。
脳下垂体がホルモン剤を感知すると、「あら、ホルモンは十分あるのね。だったら作るのお休みするわ」ってことになる。
月経困難に使われる点鼻薬は、そういうメカニズムで生理を止めるんだ。

そうなんだ。

とくに副腎皮質(ステロイド)ホルモンは困る。
鼻から入ると、「あら、副腎皮質ホルモンは十分だわ。副腎に作らせなくていいのね、ラッキー!」ってなことになる。

副腎皮質ホルモンって、ストレスとかに必要なんでしょ?

しかも、免疫と深くかかわるホルモンだ。
そいつが不足すると、花粉症より、はるかにめんどくさい病気に移行する可能性が高くなる。

自己免疫疾患、つまり膠原病とかの難病

ま、そこらへんだな。
こんなふうに、正常な粘膜は味方は入れて、敵はアラーム鳴らして撃退する。

その反応が過剰なのがアレルギーで、鈍感なのが免疫不全てこと

そうだ。大気汚染物質は敵だから、くしゃみ・鼻水で追い出せばいい。
毒物は敵だから、吐いたり下したりすればいい。
これらは、体を守るための生理的な反応なので、止めてはイケナイ。

しかし、アレルギーは毒でもないものに、過剰に反応してしまう。

じんましん、アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、過敏性腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病。
これらは明らかに、粘膜のセンサーが過敏になってるんだ。
つまり、つねに敵におびえてる状態だな。

なんで、おびえてるの?

いつも、体の中に敵の存在を感じているからさ。
たとえば、血液の通り道を高速道路としよう。
高速のあちこちには、センサーカメラが備えられている。
顔認証システムで、不法侵入者や敵をチェックしている。

pixabay[CC0]


なるほど。

こいつらの仲間を、これ以上入れるなってことで、情報は国境警備隊にも伝わる。

じゃ、花粉も高速を走ってて、チェックされたってこと?

花粉かもしれねえし、他人の空似なのかもしれねえが。


不法侵入したエイリアン


しかし、なんで花粉が、高速走ってるの?
国境警備隊は、何で花粉を体の中に入れたの?

たぶん、彼らの想像を超えたルートで侵入したんだな。

・・・センサーの電源を切って、監視カメラをくぐりぬけた?

それ、スパイ映画の見すぎ。
実は、国境の壁にトンネル掘って侵入する手口でヤラれたんだ。

見張りもいるのに、なんとまあ大胆な!

だろ? これには、国境警備隊もお手あげだ!

どこのマフィアが、そんな大胆な手口を使ったの?

「予防接種」というマフィアだ。

pixabay[CC0]


ええ?! 注射針で国境の壁にトンネル掘った??
でも予防接種は、弱毒化したウイルスを体に入れて、免疫つくらせるんでしょ?

いんや、免疫はできない。

できないの?

免疫つくるには、国境警備隊のパスがいる。

つまり、正規に国境を通過しなければ、免疫は作れないってこと?

そうだ。国境警備隊のパス無しで不法侵入したヤツに、免疫は作れねえ。
しかも、予防接種の中身を見てみろ。
「汚物混入は日常茶飯事」(時事ブログ)アルミニウム・水銀・ホルムアルデヒドなどの添加物以外にも、実験動物やヒト胎児の組織片、遺伝子組み換えウイルスなどなど・・・。

オエエ〜。
もしかして、そのどれかに花粉がついてたら・・・。

大ケガでもしねえ限り、花粉が血管に入ることはねえが、予防接種なら。

体のセンサーもビックリだね。

これまで、見たこともねえようなやり方で、見たこともねえようなエイリアンが不法侵入し、全身を巡っている。

高速道路のセンサーが、暴走するスギ花粉の顔を激写。
それが、指名手配写真となって国境警備隊へ転送。

Author:Shift[CC BY-SA]


国境警備隊は、鼻粘膜についてるスギ花粉を犯人と思って攻撃する。
下手すると犯人はコメに似てる、小麦に似てる、大豆に似てるとなって・・・。

食べられるものが、なくなっちゃう。

とにかく、血液の中を流れているエイリアンをなんとかせんと始まらん。
いったん入れちまったとしても、体は必ずなんらかの形で反応する。
それを止めねえことだな。

鼻水が、滝のように止まらなくても?
体中に、カイカイの湿疹が出ても? 
40度以上の高熱が続いても?
お腹が痛くて、下痢が止まらなくても?

熱が出るのは、熱に弱いウイルスを叩くため。
下痢は、敵を体外に早く排出するためで、これらも免疫反応の一種。」
免疫とは
過酷だが、敵を入れちまった、おれたちにも責任はあるんだからな。
体は、すべきことをしてるだけ、許してやってくれい。

排出を止めないこと。

そして一番大事なのは・・・・
わざわざトンネル掘らせて、敵に不法侵入させるなよ! アホ!!


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

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