ままぴよ日記 46 「海外から届くロックダウン生活」

 今、新型コロナウイルスから目が離せません。海外に住んでいる子ども達からの危機感溢れる情報が次々に送られてきて日本とのギャップに戸惑う日々です。
(かんなまま)
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3月20日 ボストン在住の娘からのメッセージ


世界中がCOVID-19で非常事態となっていますが、私たちの住むアメリカボストン近郊でも非日常的な日々が続いています。

Author:Riptor3000[CC BY-SA]

3月12日の午後に急に明日から休校と通告があり、その後4月6日まで休校延長となりました。遊具のある公園は閉鎖され、図書館や美術館や動物園なども次々に閉鎖、レストランもテイクアウトやデリバリー以外は営業中止、10人以上が集まること自体が禁止となりました。

Playdate(お友達と遊ぶこと)も禁止です。スーパーと薬局だけは営業を認められていますが、パスタや缶詰、冷凍食品、そしてトイレットペーパーやハンドウォッシュなどは陳列棚から見事に無くなっています。

アメリカでは昨日24時間で患者数が40%増えたと報告がありましたが、もともと医療アクセスが悪い国なので、実際の患者延べ数ははるかに多いはずです。私たちのように勉強や研究を目的に渡米している人の医療保険は心許ないので、病院を受診しても門前払いされることもあります。

Wikipedia[Public Domain]

アメリカには低所得者向けの保険もありますが、私たちは経済的な条件をクリアしているので(クリアしていないと留学が許可されません)そのサービスも利用できません。先日の医療費が無料になった話に関しても、ある人が感染した友人と同じ症状が出たからあらゆる病院を受診したけれどその都度検査を断られて100万くらいの請求が来た挙句、検査してもらえないまま自宅安静になったという話を聞きました。

そういうわけで、私たちも含め、多くの人たちが発熱しても医療機関を極力受診しません(できません)。私たちにとって、予防対策を講じることは、我が身、我が家族を守るためにとても大切なことなのです。

手洗い、顔を触らない、咳エチケット、他人と2m以上離れるなどの標準予防策に加え、情報の収集も必要です。昨日までの情報が今日には古くなるので、毎日何度もCNNニュースやCDCやローカルホームページをチェックしています。


子供たちはというと、この非日常を比較的楽しんでいます。生活リズムを整え、ホームスクーリングを行っています。


   8時  起床、朝食、身支度
  9時  勉強
11時  スポーツ、散歩
12時  昼食
13時  quiet time (映画、読書、室内遊び)
15時  勉強
17時  スポーツ、散歩
18時  シャワー
18時半 夕食
19時  quiet time
21時  就寝

多少のズレはあってもだいたいこのリズムで過ごしています。子供たちが何かに熱中し始めるとそれを優先することもあります。“Make something out of nothing” 子供たちは何にも無いところから色んな遊びを見つけ出してきます。空想のキャラクターを設定して地図を作って冒険したり、子供部屋を改造して探検したり、レゴでパズルを作ったり。時間があるからこそできる遊びもあります。

この際、家事も教えていきたいと母は思います。遊具で遊べなくなった今、外ではFieldでサッカー、野球、フリスビーをしたり、歩いたことのない道を歩いてみたり、散歩道で見つける鳥や植物をアプリで調べたり・・。時間があるからこそできる楽しみもあります。学校のお友達とはテレビ電話で会っています。


勉強は、日本の学校の学年に準じた勉強とアメリカの学校の勉強を両方しています。オンラインツールもたくさん利用しています。学校の先生からもメールで教育ツールの紹介があるので、それを使うこともあります。

アウェイな環境下での異常事態を子供達と心身共に健康に切り抜けていけるよう模索を続けていきます。医療現場で頑張っているたくさんの友人、家族にも敬意とエールをおくりたいと思います。世界中にいる大切な家族も友人も、みなさんもどうぞお元気で!!

3月27日
「日本の皆さん、STAY AT HOME!!!!

ちょうど2週間前にアメリカではnational emergencyが宣言されました。私たちの地域で一斉休校になったのもこの日からです。まだこの頃の大半のアメリカ人は、コロナウイルスは外国のニュースだという甘い認識があったと思います。この日の全米の陽性患者数は1051人。ニューヨークは421人。

アメリカでは学校も仕事も含めあらゆる行動制限もかけられてきましたが、それでも現在全米で85,996人、ニューヨークで39,140人までに陽性者数が激増し指数関数的に増え続けています。

ニューヨークでは助けられる命も助からない状況です。
普段は手に入る医療物資も底を尽きています。
医療先進国の医療先進地域で、です。

現在日本は全国で1,387人、東京で259人くらいでしょうか。

今急いで全国で行動制限をかけても間に合うかどうか・・。
2週間後の日本が本当に怖いです。

みなさん、その認識はありますか?
お出かけの予定とかしてません?
人混みに行ったりしていません?
今すぐにでも、STAY AT HOME!!!!

世界中に前例があります。
守れる命は守ってほしい!
世界情勢に目を向けて!」

孫が書いてくれた絵



3月28日 このメッセージを見たオーストラリア在住の娘からのメッセージ


「これ、オーストラリアにいる私からも声を大にして言いたい。他人事じゃないよこれ。日本は人口密度多い上に高リスク人口が半端なく多い国。なのにこの危機感のなさは外から見ていると本当に戦慄ものです。医療機関崩壊したらコロナかかってない人でも、普通は完治できる怪我や病気の人が治療を受けることができず死んでしまうってことだよ。

馬鹿みたいに花見なんか行ってる場合じゃない。桜は来年も咲く。このままだと来年桜の季節に大事な人と桜が見れなくなるかもしれない。周りも外出しているからって変な集団意識発揮しないで、自分の頭で考えて!


3月28日 これを見たフィンランドの息子から


「日本在住の方々、引きこもりになりましょう!
花見の時期かもしれませんがなるべく人混みは避けるようにしてください。仕事もリモートワークが可能なら極力利用してください。現在住んでいるフィンランドでもヘルシンキを含む地域が先日よりロックダウンされました。

感染者数も現在1,038名と日本より数百名少ない状況でも政府が早めに対応したようです。それだけ警戒するべきとも言えると思います。新しい情報もすぐに古い情報になるような状況で、ここ数週間で日々の生活が一転しました。

日本だけのニュースでなく海外のニュースも見て情報収集をこまめに行動してください。政府の発表を待つより自発的に行動するくらいが丁度いいと思います。
御身体に気をつけて!みんなで乗り越えていきましょう!」

刻々と届く海外に住んでいる子どもからのメッセージです。


今日は4月1日


ニューヨークの感染者は76,000人。死者は1,500人を越えました!
ボストンも感染が70%増。医療従事者もリタイアしたドクターが招集されたり、レジデントも格上げされて前線に出ているとのことです。まだ続く休校の措置として子ども達もオンラインで宿題が出されるようになったそうです。

お姉ちゃんは「コロナを経験した私」というテーマで本を1冊仕上げるのが宿題。毎日1章ずつ書いているとのこと。外国語担当の先生からは動画や電子書籍と電子辞書が送られてきて、先生からの質問に答えるのだそうです。2年生の弟は先生が読み聞かせをしてくれて先生の質問にオンラインで答えるそうです。アートや音楽はバーチャルクラスがあるとのこと。

家に籠って3週間になりますが兄弟が4人いるので退屈することはなく楽しんでいるようです。特に絵を描くのが好きな弟は「家にいるのは嫌じゃない」と満足そうです。とにかく「STAY AT HOME!」を守って、買い出しは朝の5時から7時までが70歳以上の時間帯。娘は7時に行って買い物を済ませるそうです。もともとマスクが全くないとの事で先週の土曜日に3か国に送りました。でも4月1日から国際郵便の制限まで始まりました。


先日は6年生のお姉ちゃんの親友が誕生日だったので、他のお友達とドライブスルーでお祝いをしたそうです。友人の家をみんなで時間を合わせてゆっくり走りながら車の窓から歌を歌ったりメッセージカードを見せていました。お友達は親子で玄関に出て手を振っていたとのこと。寂しいけど愛は伝わったようです。動画が送られてきましたが涙が出てきました。

その他に子ども達がビタミンCを飲むときのすっぱい顔を送りあったり、マスクの代わりにパンツを被った動画を送ったり、STAY AT HOMEの絵を描いたり、独創的なレゴの作品を送ってくれます。子どもの笑顔が救いです。笑わなければやってられません。

孫が自分で考えて作ったレゴトイレ

こんな動画も見つけました。



オーストラリアの娘は家で2歳の子どもをみながらオンラインの授業をしているそうです。パートナーは学生なので、これまたオンラインの授業があるので二人で話し合って子どもの世話や家事をしているとのこと。パートナーはシェフのバイトがなくなったので収入が閉ざされたけれど二人で乗り切っているようです。

今年度からコウモリの研究を始めた娘。今回のコロナ騒動でコウモリを駆除しようという流れになったら怖いと言っていました。コウモリは害虫を食べてくれるし、森の花粉や種を運ぶ重要な役割を担っているから駆除したら森と農業が死ぬと心配していました。


フィンランドの息子は早くからリモートワークを取り入れて、生活も保障されているし、国中で乗り切っているから大丈夫だよと言っていました。

さて、日本はどうでしょう・・・。
日本の感染者数は増えているのに新学期から学校再開のニュースが流れています。かといってこのまま学童や保育園にぎゅうぎゅう詰めで過ごしたり、子ども達だけで留守番をさせるのはも危険です。お嫁ちゃんは早くロックダウンになって子どものそばに居たい!と叫んでいます。ストレスが溜まって産後鬱や虐待も増えているようです。

孤立した親や子ども達の事を考えると私の胸が騒ぎます。

これだけ世界の前例があるのに生活感のある対策が取られない。給食マスク(笑)を一家に2枚も配られると聞いてノックダウンでした。フィンランドの息子は「世界に類を見ない画期的な政策、アベノマスク!」と叫んでいました。納得できる説明がない。その上社会の危機感のなさ。市役所では通常通り、新年度の準備で密室での会議があったり、担当者が変わったのであいさつ回りをしています。


私も市と契約をする必要があったので出かけたのですが「こんな会議や書類のやり取りはオンラインでしませんか?」と提案したら「市のメールはセキュリティの問題で制限が厳しいので手間がかかります。書類に署名と印鑑も必要ですし、私達では何も決められません」と消極的です。社会機能が止まるロックダウンになった時の対策は取られているのでしょうか?

このことを聞いたフィンランドの息子は「会議はリモートで!会議を開く時点で参加する人、移動中にすれ違った人、またその家族を危険にさらしているんだよ!面倒だからという理由で却下したり環境を整えない神経がわからん。面倒と言いながら死んだらどうする?ボケ!」と語気が荒くなっています(笑)。


そんな日本。情報に敏感で危機感を持って行動している人はいつもは変わり者あつかい。たくさんの人の中で暮らしているとそんな変人扱いの目が至る所にあります。社会の事を考えて頑張っている人がストレスを感じて孤立してしまうなんて苦しいなあ!流されていた方が楽な日本社会です。

そんな状況でも私が生きていく指針として「自分の意思と行動を一致させる。嘘をつかない。良心に沿って生きる」というヤマ・ニヤマがあります。「ぶれない!」と自分に言い聞かせます。だって自分を誇りに思えなければ強くなれません。

色々な行事がなくなり久しぶりに見かけたママに道を隔てて手を振りました。ママも気が付いて大きく手を振ってくれました。すると車の中から子ども達のたくさんの手が出てみんなで手を振りあいました。何だかうれしくなって元気が出ました。

余談ですが、今の私の超個人的な願いは年老いた母(97歳)をこの腕に抱いて看取る事。新型コロナウイルスに罹ったら叶いません。だから今は会いに行けないので電話をします。でも母は耳が遠い!電話の主が私だとわかると1人でおしゃべりして昔の歌を歌ってくれます。

大事な人が遠くに居ても近くに居ても会えない今、みんなの無事を祈ります。


Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は8人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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