ぴょんぴょんの「『民主化』『非暴力』の甘いワナ」 〜セルビアからベラルーシまで

わかっている人には、わかっている。
断片だけ見ているとだまされるが、流れを見ればよくわかる。
使われるのはいつも同じ、ボロボロの使い古しのシナリオだってことが。
(ぴょんぴょん)
————————————————————————
ぴょんぴょんの「『民主化』『非暴力』の甘いワナ」 〜セルビアからベラルーシまで


ベラルーシへの西側の介入



10万人! 甲子園球場満員のお客さんの2倍だよ!
政府に反対する国民がこんなに集まるなんて、すごい!
日本じゃ、とても考えられないよ。

たしかに、日本でこんだけ集めるのは、大変だな。

一度でもいいからこんな景色、日本でも見たいなあ。そう思わない?

思わな〜い!!

なんで? そんなにねじれてるんだよお。
ここは、同意するとこだよ。

こいつらのうち、どんだけのヤツらが、カネもらってるんだか?

へ?

ベラルーシでの事件では西側の介入した痕跡がはっきりと辿れる。抗議行動は当初から見事に組織された性格のもので、外国からコーディネートされていた。・・米国は2019年から2020年初頭の期間だけでもNGOを通じて反政府的行動を組織するために2000万ドル近くを投入していた。」(Sputnik

2000万ドル、21億円?!

米国という名目だが、トランプの米国じゃねえ。
実際カネ出したNGOの名も、誰が命令したのかもワレているんだ。

もしかして、あの?

ピンポン!

いや、まだ、何も言ってないよ。

・・正解をバラす前に、ベラルーシ・・と思ったが、その前に、グルジアをおさらいしよう。


グルジアで過激な反政府運動を支援したジョージ・ソロス


グルジアって、どこ?


Author:外務省[CC BY]

色がついてるとこ。
2004年4月29日の「田中 宇の国際ニュース解説」が、大変わかりやすいので参考にするぜ。
2003年、今は「ジョージア」と呼ばれるグルジアで、「バラ革命」という名の無血クーデターがあった。

Author:Zaraza[CC BY-SA]

「バラ革命」、きれいなネーミングだね。

いやいや、そんな、きれいな話じゃねえ。
当時、グルジア大統領だった〈シュワルナゼ〉は、旧ソ連の外相で、ロシア寄り。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
エドゥアルド・シェワルナゼ

わかった! 〈シュワルナゼ〉が独裁者だったので、「バラ革命」が起きた。

単純だなあ。
いいか? 〈シュワルナゼ〉はけっこう民主的で、反政府テレビ局も潰さなかった。
ま、そのせいで、辞任に追い込まれちまったがな。

言論の自由を、守っていたんだね。

それが2003年 、不正選挙の疑いで国民が騒ぎ出し、デモ隊が国会議事堂を占拠。
軍や警察も反旗を翻し、辞任せざるをえなくなった。

不正選挙だったら、しかたないよ。

いやいや、その年の選挙は、野党のたっての願いで、アメリカに選挙監視を頼んでいた。
だから、不正をしたくても、できなかったはず。

なのにまた、どうして?

選挙結果は、政権与党が野党をわずかに上回った。
が、アメリカの会社の出口調査と食い違って
いたので、学生らが騒ぎ始めた。
出口調査を報道したのは、ジョージ・ソロス大株主の反政府系テレビ局。

Author:Harald Dettenborn [CC BY]
ジョージ・ソロス

とうとう出たね、その名前。
そして、出口調査したアメリカの会社も、ソロスの息がかかってた、とかでしょ?

かもな。
〈シュワルナゼ〉も、辞任前に言ってたな。
「ジョージ・ソロスが、過激な反政府運動を支援している。」
田中 宇の国際ニュース解説

なんで、ソロスがからんできたんだろう?

2000年、ソロスはグルジアに招かれて、ソロスの組織「オープンソサエティ財団」グルジア支部が設立された。
どうも、こっから、雲行きがあやしくなっている。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
オープンソサエティ財団のロゴ

なんで、そんなの招いたの?

カネ、欲しかったんだろな。
ところが、ソロスの財団は、反〈シュワルナゼ〉・市民団体を支援しだした。
そして、当時、法務大臣だった〈シュワルナゼ〉の弟子、サーカシビリも抱き込んだ。
サーカシビリは、〈シュワルナゼ〉の辞任後、大統領になっているってことは?

アチャー、飼い犬に手をかまれた。
で、ソロスの「オープンソサエティ財団」って何なの?

さしづめ、「政権転覆・準備室」ってとこかな。
「旧ソ連の皆さま、ヨーロッパのように民主化してリッチになりませんか」と誘いながら、結果、その国の資源や国営企業を売り飛ばし、旧ソ連並みの独裁国に仕立て上げるという。
ちなみに、本部は、アメリカにある。

やっぱ、アメリカ。

グルジアの「オープンソサエティ財団」は「バラ革命」前に、グルジアの反政府指導者をセルビアに招待していた。

なんで、セルビア?

セルビアは、ミロシェビッチ大統領の追放に成功した、偉大な先輩だからな。
「民主的」かつ「非暴力」、民衆の力で、武力を使わずに政権を倒すノウハウを伝授してくれたワケさ。

Wikimedia_Commons[Public Domain]
ミロシェビッチ大統領

「民主的」かつ「非暴力」かあ、いいなあ、日本にも教えてくれないかなあ。

そこが、ヤツらのつけこむスキってもんだ。
ソロスの財団、日本でもけっこう、カネばらまいてっから、ヤラれんじゃねえよ。
反政府運動に参加した人は、「民主化運動は良いことなのだから、過去の成功例に学び、外国の人々から知恵をつけてもらうのは悪いことではない」と思ってる。(田中 宇の国際ニュース解説

そっかー、ヤバかった!
「非暴力」「民主化」という、心地いい誘惑に負けるとこだった。

〈シュワルナゼ〉もそこんとこに、気づいていた。
「私を追放したクーデターのやり方は、2000年にミロシェビッチ大統領が追放されたクーデターのやり方にとても似ている。誰かがこれを仕掛けたのだ。」(田中 宇の国際ニュース解説

はあ〜〜〜  ソロス。

驚いたことに、2004年の時点で、田中宇氏はすでにこう言っているんだ。
ソロスは、すでにセルビアとグルジアで成功した不正選挙を逆手に取った政権交代を、ウクライナでも実施しようとしている。」
田中 宇の国際ニュース解説
不幸にも2013年にウクライナで実現される、9年も前の話だ。

そして、今まさに、ベラルーシが崖っぷちってこと!!


ベラルーシに迫る危機


さあ、最近のベラルーシを見て行こう。
8月9日、ベラルーシ大統領選挙。
結果、80.1%得票の現職ルカシェンコが当選。
しかし、出口調査を行っていた反対派は結果を受け入れず、大規模な抗議活動を起こした。
21世紀の日本と国際社会

ソックリ!! グルジアそのまんま!!

Author:外務省[CC BY]

色がついているとこが、ベラルーシ。
人口は約950万人。NATO同盟諸国とロシアにはさまれている。
ルカシェンコは、1994年からずっと大統領をやってきた。
今だに、経済のほとんどが国有で、ソ連時代のままだが、格差はあまりなく、社会保障とサービスも充実している。ベラルーシの一人当たりGDPは、ロシアより約30%低いが、お隣りウクライナの2倍。1995年以来、ロシアとは連合国家の形成で合意している。(マスコミに載らない海外記事

ルカシェンコ、不正もしたと思うけど、今までわりとうまくやってきた方じゃない?
でも、もしも、今の体制が壊れたら?

国有企業は二束三文で民有化され、大部分の国民にとって、まだ良く機能しているソ連のような社会制度の多くが解体されるだろう。ロシアとの経済関係は悪化するだろう。結局、ベラルーシは、おそらくウクライナより酷いことにさえなるだろう。」(マスコミに載らない海外記事

はあ〜〜〜 年金もパーにされた、ウクライナよりひどいことに?!

ルカシェンコ「これが終わりの始まりだ。ウクライナや他の国のように、ひざまずいて祈ることになるだろう。」(BBC NEWS

ああ、どうかそうはなりませんように!

「ベラルーシの長期的な未来は、資源を持ち、それをうまく管理することに関心があるロシアと共にある。」(マスコミに載らない海外記事

この写真は、プーチンとルカシェンコだね。


上のツイッターを、オレ訳するとこうだ。
9月14日、彼らはソチで会談を開いた。
ソチでの、プーチンとルカシェンコの会談は4時間20分に及んだ。その結果は公表されないが、応急措置として、ロシア側は15億ドル(1560億円)の援助をすることが報じられた。ルカシェンコは、プーチンを『おれのビッグブラザー』と呼んだ」。

ビッグブラザーって、「1984」の独裁者のこと?

さあ? だけど、プーチンがビッグブラザーなら、おれ、許せるわ。
さらにプーチンは、ロシア発の新型コロナ・ワクチンを、ベラルーシに提供するよう指示した。(服部倫卓ブログ

それも、ありがたいことだね。
そう言えば最近、ロシア人が、毒を盛られて騒ぎになったね。
あれも、ベラルーシと関係あるの?

反プーチンのアレクセイ・ナワリヌイ(ナヴァルニー)。
「8月20日、国内線の機内で突然うめき声を上げ、意識不明となった。」
JIJI.COM
出発前にホテルの部屋で飲んだ水の中に、旧ソ連の軍用神経剤「ノビチョク」系の薬物が入っていたらしい。JIJI.COM


前にもそんなこと、たくさんあったような。

2006年、リトビネンコ、プーチン批判の元将校、ロンドンで放射性物質ポロニウムをお茶に盛られて死亡。
2018年、スクリパリ、イギリス、ソールズベリーで「ノビチョク」で襲撃されたが、一命を取り留めた。(JIJI.COM

またかよ、ロシアらしいなって思ったなあ。

だが、「ノビチョク」に触れたら生き残るどころか、周囲のヤツらも死んじまう。
ホントに「ノビチョク」なのか、多くが疑問視するところだな。
「マスコミに載らない記事」に、おもしろいことが書いてある。
ドイツ政府は、ナワリヌイの体液中に神経毒「ノビチョク」を発見したと発表した。(BBC NEWS
しかし、ナワリヌイが最初に入院したロシアの病院の医療関係者は、あらゆる毒の検査をしたのに、1ミリも毒は検出されなかったと断言した。
Sputnik

それは、由々しきことだね。

「ノビチョク」どころか、低血糖の昏睡だったんじゃねえのかって。

じゃ、インシュリンでも注射されたんかな?

たぶん、それなら、注射痕でバレるだろ。
だが、ロシアの病院には、ナワリヌイの検体が保管されているからな。
何度でも検査できるワケよ。
「MI6二重スパイのセルゲイ・スクリパリ暗殺未遂とされていることと同様、ロシアの反対派アレクセイ・ナワリヌイに関する最近の事件は、モスクワに対する欧米制裁と敵意を煽動するための偽旗挑発なのは疑いようはない。」(マスコミに載らない記事

昔だったら隠しおおせたことが、今は、じゃぶじゃぶ表に出てくるね。

コイツが、一命を取りとめたナワリヌイ君。



そして、ブログ「つながっているこころ2」にまとめられた、ベラルーシのメディア公表の、ドイツとポーランドの会話もおもしれえぞ。

「やあ、ニック。うまく行っているか?」
「すべて計画どおりだ。 ナヴァルニーに関する資料の準備ができ、ドイツ首相府に転送される。彼女の声明を待っている」(中略)
「服毒は、明確に断言されているか?」
「マイク! もうそれは重要ではない。これは戦争だ。戦争では、あらゆる手段が正当化される」
「その通り。プーチンがベラルーシ情勢に手を突っ込むことを思いとどまらせることが必要だ。最も効果的な方法は、ロシア内の問題で彼を溺死させることだ。(中略)
「残りは電話ではなく、会議で」
「はい、分かった。ではまた。バイ」

以上、ドイツとポーランドの間でやり取りされた電話内容。プーチンに、ベラルーシに介入させないように、ナヴァルニー事件を起こした! 当人たちが言っている!


これが本物だとしたら、連中、かなりあわてるよ。

これで、あのナワルヌイ事件が、プーチンの気をそらすためだったことは明らかだ。
しかも、関与しているのはポーランドとドイツ。

ナワルヌイの毒は「ノビチョク」系だと言ったのは、ドイツの病院だった。

たしか、ウクライナの内戦時も、プーチンに手を出させない作戦があったな。

あったあった、マレーシア航空機事件。

事故機の9M-MRD

あれも、犯人がロシアだと見せかけて、実はウクライナ政府がやったことだった。
時事ブログ

プーチンが、ウクライナに手を出せないようにしたんだね。
でも、プーチンはそんな挑発も、ひょうひょうと交わしながら、クリミアも占領しちゃったけど。



ノーベル文学賞受賞者、スヴェトラナ・アレクシェヴィッチは言った。
「私の理想は、片手に緑と赤の旗(注:現在のベラルーシの国旗)、片手に赤と白の旗(注:以前のベラルーシの国旗)を持つことだ。」
21世紀の日本と国際社会

Wikipedia[Public Domain]
現在のベラルーシの国旗

Wikipedia[Public Domain]
以前のベラルーシの国旗

とにかく、ルカシェンコはふんばって欲しい。

プーチンとトランプも、がんばって欲しい。

そして、ベラルーシが、悪人の思うがままになりませんように。


Writer

ぴょんぴょんDr.

白木 るい子(ぴょんぴょん先生)

1955年、大阪生まれ。うお座。
幼少期から学生時代を東京で過ごす。1979年東京女子医大卒業。
1985年、大分県別府市に移住。
1988年、別府市で、はくちょう会クリニックを開業。
以後26年半、主に漢方診療に携わった。
2014年11月末、クリニック閉院。
現在、豊後高田市で、田舎暮らしをエンジョイしている。
体癖7-3。エニアグラム4番(芸術家)

東洋医学セミナー受講者の声

Comments are closed.