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参議院外交防衛員会・高良鉄美議員の日米密約についての質疑 〜 外務省が密約の廃棄、改竄した可能性がある / 矢部宏治氏「外務省は米には密約の効力を認めながら、国内には一切公表できない」

読者の方からの情報です。
 2024年5月21日参議院の外交防衛委員会で高良鉄美議員が日米安保条約に関わる密約について取り上げました。日本政府が密約を交わしていただけでなく、国民を欺くために文書の廃棄、改ざんまで行っていたことを示す重要かつ驚きの内容でした。
 はじめに4月28日の沖縄タイムスが報道した「米軍第4海兵連隊とオランダ軍海兵隊の隊員が3月10日から2週間に沖縄県内の米軍北部訓練場で共同訓練を行っていた」ことを取り上げました。第三国による在沖米軍施設の使用は、1971年の福田外相の「安保条約下では認められない」という見解があることを高良議員が確認しましたが、外務省は「日米安保条約、日米地位協定に基づいて行われている」はずだと答弁し、防衛省は「米軍からの事前の連絡は受けていない」と答弁しました。高良議員は「沖縄のみならず、全国の米軍にどこの国の兵士が入ってきているか防衛省すら分からないのは、主権の大問題だ」と指摘しました。なぜこのような事態になるのか。
 日本国民に知らされている日米安保条約のほかに密約があることは今や明らかになっています。2010年(平成22年)密約問題に関する集中審議が行われ、元外務省条約局長の東郷和彦氏が参考人として"外務省条約局長時代に日米密約に関する全資料58点のリストを作成し、そのうち最重要資料16点に二重丸を付記した"と発言しています。そして民主党時代に有識者による密約の調査が行われた際、外務省からの報告では二重丸をつけた文書のうち8点が発表されたものの「当然あるべき文書が欠落し、一部の文書は廃棄された可能性がある」ことが指摘されました(外務委員会議事録)。
東郷氏は「当時、外務省の内情をよく知っていると思われる人から、情報公開法の施行の前に、本件に関する文書も破棄されたと言う話を聞いたことがありました。」「私の個人的な感触を申し上げれば、私が残した文書の全部は残っていない」と述べています。この東郷氏の発言を受けて「外交文書の欠落問題に関する調査委員会」が設置され2014年に報告書が出ましたが、「組織的・意図的な廃棄確認されなかったとしつつ、文書のいくつかが廃棄された可能性は小さくない」と、疑念を残す結論となっています。
 高良議員は、矢部宏治氏の「知ってはいけない2」を参考に、核密約をめぐる日本政府の最も重要な報告書が改竄されていたことがわかったとして、外務省の資料「いわゆる『密約』に関する調査 報告対象文書」を提示しました(中程にある手書きの「核兵器の持ち込みに関する事前協議の件」4枚の文書)。その文書の前半と後半では筆跡が全く変わっており、前半部分の内容は、岸信介が結んで池田内閣に引き継がなかった密約について、池田内閣の大平外務大臣がライシャワーから説明を受けたことを伝えています。ところが後半部分は、米側が公開した文書では「アメリカの解釈に従ってライシャワーと大平は完全な合意に達した」とありますが、日本側の文書では、ライシャワーから説明は受けたが、それを認めた事実はないことになっています。この「1963年4月4日の、ライシャワー大使からラスク国務長官にあてた電報」部分の日本語訳が2000年3月23日「しんぶん赤旗」にあることを読者の方から教えていただきました。
 このことについて矢部宏治氏は「日本の外務省は、アメリカとの関係ではその密約の効力を認めながら、日本の国内では一切それを公表できないという股さき状態にある。その状況が明らかになったのは2009年民主党政権になった時で、村田亮平さんという元外務事務次官が『密約というものはある。(それを一旦)認めて国民に謝って、それから改めて議論すればいい。』と述べた」ことを紹介しています(2本目の動画41:30〜)。
 読者の方からは「日本政府は、分かって嘘をついているのですらなく、政府自身が何が真実か分からなくなっている。」という絶望的なコメントをいただきました。
(まのじ)
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2024年5月21日 参議院 外交防衛委員会
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著者と語る『知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた』矢部宏治・ノンフィクション作家 2018.12.19
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辺野古「代執行訴訟」第一回口頭弁論が行われ、またしても裁判所は審理を尽くさず「即日結審」/ 布施祐仁氏「日本政府の暴力に正面から向き合わなければならないのは、むしろ本土に暮らす我々」

 10月30日、国土交通大臣が玉城デニー沖縄県知事を訴えた辺野古「代執行訴訟」の第一回口頭弁論が行われました。国側は、玉城知事の「不承認」によって普天間への公益が達成されないとし、沖縄県側は、新基地建設反対の民意が公益として考慮されるべきだと主張しています。この日、またしても日本の司法が全く機能していないことを改めて思い知った期日となりました。
辺野古の新基地建設問題で、国交大臣は玉城知事に設計変更を承認することを求める指示をし、玉城知事はその指示が違法だとして取消訴訟を提起しました。最高裁は9月、国交相の求める設計変更が法律の要件に適合しているかどうか「審理を一切行わずに」、国交相の指示を適法だと判断しました。布施祐仁氏のnoteには、これまでの沖縄防衛局の行政不服審査の濫用や、国交省の裁決のずるい「脱法戦術」を解説されていますが、さらに国は玉城デニー県知事に対して代執行訴訟を起こしました。「裁判所が国の主張を認めた場合、県に承認命令を出すが、県が従わなければ国が承認を代執行し、大浦湾側の工事が着手される」ことになります。
 この最後の砦のような代執行訴訟の第一回口頭弁論で、またしても裁判所は工事に関わる審理を行わず、即日結審の報が流れました。布施氏は「福岡高裁那覇支部は一番やってはならないことをしてしまった。」「政府と裁判所が一体になって沖縄の自治を踏みにじった。」と述べています。玉城デニー知事は、裁判所に対して「国が代執行という国家権力で民意を踏みにじることを容認せず、県民の多くの民意に即した判断を示していただけると期待する」と述べました。
 故・翁長雄志前知事の時代にも、国は代執行訴訟を仕掛けましたが「当時は裁判長から異例の和解提案があり、工事を中止して協議することを条件に和解」しました。
 司法が国の言いなりになっている以上、それを正すのは国民の強い声だけです。布施氏のnoteの最後には「沖縄県と知事そして県民は、これまでもこの問題に十分過ぎるほど向き合ってきた。辺野古への米軍新基地建設のために民主主義や法治主義、地方自治を踏みにじって沖縄県知事を追い詰める日本政府の暴力に正面から向き合わなければならないのは、むしろ本土に暮らす我々の方ではないだろうか。」とあります。沖縄にも意識を向けよう。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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玉城デニー沖縄県知事が辺野古・軟弱地盤改良工事の設計変更申請を「承認しない」と明言 / せやろがいおじさんの気迫の解説動画

 玉城デニー沖縄県知事が、名護市辺野古の新基地建設問題で、軟弱地盤改良工事の設計変更申請を「承認しない」と明言しました。これまで「指示期限とされた4日までに承認を行うことは困難」として判断を見送っていましたが、「平和で静かで安心に暮らしたいという、選挙という手段で思いを寄せていただいた県民の願いをかみしめることも必要だと考えた」と述べ、改めて民意を重視することを表明しました。
国はすでに5日に承認に関する代執行訴訟を提訴しており、デニー知事はこれに応訴することを発表しました。受けて立つ、ということですね。
 ここまでの辺野古新基地建設問題を振り返る、格好の動画がありました。何が起こっているのか知って欲しいという、せやろがいおじさんの熱意を感じました。
 "辺野古の軟弱地盤が発覚したことで工事費3600億円が9300億円に跳ね上がってしまった。現在埋め立ては14%程度だが、すでに工費の半分を使ってしまっている。このペースで行くと2兆5500億円という試算まで出た。滑走路として使用するには難点が多く、仮に完成したとしても補修費用が膨大になる。この工事によって沖縄に入るお金は20%程度、あとは県外の大手ゼネコンが受け取る。工期も不明で、最初は5年で完成の予定だったのが10年に延び、2030年以降になり、、となると、もはや「普天間の早期の返還」とは言えない。そもそも辺野古に基地が完成したとして、軍事的、地政学的に合理性はあるのか?日本の防衛大臣は「軍事的には沖縄に基地がなくても良いが、政治的には沖縄が最適だ」「基地移設先の本土の理解が得られない」と言う。日本政府の沖縄への構造的な差別には加担したくない"
 あらためて、日本政府が沖縄を差別的に虐待し、沖縄を利用して利権を漁っていることが分かります。そして沖縄県民の姿は、日本国民の縮図です。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【動画】玉城知事、辺野古の設計変更申請「承認せず」を明言 代執行訴訟に応訴 30日に第1回の口頭弁論
引用元)
(前略)
 名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請の承認に関する代執行訴訟を国から提起されたことを巡り、玉城デニー知事は11日、県庁で会見し「県に承認せよとの国土交通相の請求の趣旨には承服できない」と述べ、承認しない立場を明確にした



 訴訟に応訴することを正式に発表し、口頭弁論に自ら立つ考えを改めて示した。第1回口頭弁論は30日午後2時、福岡高裁那覇支部で開かれる日程も決まった。
(中略)
 国側が訴状で、県が承認しない状態を放置すれば着工時期が遅れることになり「著しく公益を害することは明らか」と主張していることに対し、玉城知事は「国のいう公益と県民の考える公益にはかなりかい離がある」と指摘した。「現状でも過重な基地負担を負っているにもかかわらず、なおかつ固定される基地が建設されることに対する県民の反対の民意は、県民投票や県知事選挙でも明確だ」と述べ、民意を重視した
(以下略)
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辺野古に反対してる理由について語ってみた
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玉城デニー沖縄県知事に防衛省の設計変更申請書を承認するように迫る日本政府、もし承認しなければ損害賠償請求の恫喝 / 4日、玉城知事は「承認せず」を表明

 かつて沖縄県の翁長知事は、前任の仲井真知事が行った埋め立て承認を撤回する意思を示しました。それに対して当時の菅官房長官は、沖縄県知事が埋め立て承認の撤回など権限を乱用すれば損害賠償請求も辞さないとの考えを示しました。翁長前知事は承認撤回の2週間後に亡くなっています。
 そして今、翁長知事の後を受けた玉城デニー知事に同じ恫喝が行われています。
そもそもどこから見ても理屈の通らない辺野古移設工事を強行しようとする防衛省の設計変更申請に対して、民意を受けて「認めない」県と、無理やり「認めさせよう」とする国の訴訟は、9月4日、県の敗訴となりました。判決を受けて国は27日までに承認するよう勧告をしました。県は期限内の承認は困難と回答しました。国はさらに勧告を指示に切り替えて、斉藤鉄夫国土交通相が、防衛省による設計変更申請を10月4日までに承認するよう玉城デニー知事に迫りました。TOGO INOMATA氏は「デニー知事がこれを拒否すると代執行が始まるが、その場合、国はデニー知事や県職員個人に数億から数十億円の損害賠償を請求すると圧をかけている。」布施祐仁氏は「知事が承認を拒否したら数百億の損害賠償請求?そんな話が出てくること自体が異常。植民地主義的暴力でしかない。そんな仕打ちは許しちゃいけない。」と、メディアが表立って伝えないことを知らせておられました。
 そして迎えた4日、玉城デニー知事は、辺野古埋め立て工事に関して承認しない意向を固めました。知事の「承認せず」の一報を受け、座り込んでいた抗議の人々は歓声を上げたそうです。屈しない沖縄。
 これを受けて、岸田首相は「国交相が今後適切に対応していく」と述べ、国交相は「県に代わり国が承認する『代執行』に向けた訴訟を5日にも福岡高裁那覇支部に提起」する方針です。正義は沖縄にあります。日本政府はどこまで堕ちるのか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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台湾問題に対する牽制として、「中国は沖縄を駆け引きの材料」としている ~深田萌絵さん「(日本が)そろそろ東海省ですね。東海省になっちゃう日が近づいてきてるんだろうなという風に見えて仕方がないです。ものすごい心配しているんですよ」

竹下雅敏氏からの情報です。
 “続きはこちらから”の動画と記事を先にご覧ください。7月3日に沖縄県の玉城デニー知事が中国の北京を訪れました。「河野洋平元衆議院議長を団長とする日本国際貿易促進協会の訪中団がおよそ4年ぶりに北京に到着した。訪中団には河野氏や財界人77人のほか、今回2回目の参加となる沖縄県の玉城知事の姿もあった」とのことです。
 中国共産党機関紙の「人民日報」の6月4日の記事には、“習近平総書記は6月1日から2日にかけて、調査研究のため中国国家公文書館と中国歴史研究院を特別訪問し、文化継承と発展に関するシンポジウムに出席し、重要演説を行った”とあります。
 習近平氏は、「私が福州で働いていたとき、福州には琉球館と琉球墓があり、福州と琉球の関係が深いことを知った。当時、琉球に入ってきた福建人の姓は36人ありました。」と述べ、「典籍や書籍の収集と整理の強化は、中国文明の継承と発展に重要」と強調したとあります。
 習近平氏の発言に対し「沖縄タイムス」は、“玉城デニー知事は6月8日、「今後の交流発展に意欲を示されたものと受け止めている」述べた。…中国政治外交史や米中関係が専門の東洋学園大の朱建栄教授は…習氏の沖縄に関する発言も「玉城知事の訪問を念頭に親しみを伝えたいということではないか」と分析している”として「訪中歓迎のサイン」と受け止めています。
 しかし、台湾問題に対する牽制として、「中国は沖縄を駆け引きの材料」としていると見た方が現実的ではないかという気がします。
 深田萌絵さんの『玉城デニーと習近平が会見する日』では、「駆け引きの材料」どころか、“(日本が)そろそろ東海省ですね。東海省になっちゃう日が近づいてきてるんだろうなという風に見えて仕方がないです。ものすごい心配しているんですよ(8分23秒)”という見方をしています。
 動画の冒頭では、琉球新報の記事『沖縄の指定暴力団、海外に拠点 台湾「任侠団体」代表に就任 県警「動向を注視」』を取り上げています。
 琉球新報は、“沖縄県内の指定暴力団「旭琉会」の幹部が、台湾に本拠地を置く任侠団体「華松山(かしょうざん)」の代表に就任した。…華松山の上部組織は…実態が表面化することがない結社「洪門(ほんめん)」”だと報じています。
 深田萌絵さんは、“この洪門という言葉が出てくると同時に青幇(ちんぱん)という名前が、私がいつもお話しをしている浙江財閥、半導体の企業群のバックにいるのは浙江財閥だよ、浙江財閥と青幇と呼ばれる中国の秘密結社は表裏一体の存在ですよ~という話をしてきたんですが、この青幇、いろんなヤクザ、いろんな暴力団、いろんな秘密結社と連係してるんですけれども、この洪門もですね、青幇と非常に密接な関係を持って連携しているんです(1分)…この洪門と青幇、どういう関係にあるのかな~と、青幇の方がかなり巨大でグローバルに広がっている組織なんですけれども、その洪門はそれと連係するその中の小さな一部の組織という風に認識しています(2分10秒)”と言っています。
 さらに、“沖縄の暴力団「旭琉会」の幹部がですね、洪門のフロント団体である「華松山」のトップですかね、代表となったということなんですけれども、以前からですね、この旭琉会と青幇、もう一つ連携している暴力団「竹聯幇(ちくれんぱん)」ですね、竹聯幇との関係を以前からお話をして来ました(2分27秒)…張安楽ですね…この人は竹聯幇と呼ばれる暴力団の幹部で、旭琉会に彼の息子ですとか、竹聯幇の幹部を何度も送り込んでいます。おそらくここで琉球独立運動の資金なんかを流しているのではないか、資金だけではなくて、まあドラッグであるとかね、そういう旭琉会に対して、琉球独立運動の支援をしてるんだろうと。(3分)”と言っています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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玉城デニーと習近平が会見する日
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