2014年12月25日 木曜日
ドミトリー・カリニチェンコ(ロシア)
現在アメリカ合州国が率いる欧米経済は、欧米の誰一人として脱出方法が分からない、プーチンのわなにはまっている。欧米がこのワナから脱出しようとすればする程、益々深くはまりこんでしまうのだ。
欧米とアメリカ合州国が陥った本当の悲劇的な苦境の実情とは何だろう?
原油価格の展開
ウクライナでの失敗を自覚した後、アメリカが率いる
欧米は、ロシア経済を破壊する為、石油価格、更には、主要輸出収入源で、ロシア金準備の主要補充源である
ガス価格をも押し下げ始めた。
前回、レーガン大統領の下で、同様な欧米による石油価格下落活動が、‘成功し’ソ連は崩壊した。今回、欧米にとって、状況は違っている。
プーチンが現在行っていることは、ごくわずかの人々しか理解していない。
現在、プーチンは、ロシア石油とガスを金の現物でしか売っていないのだ。
もちろん、彼は
中間的支払い手段として、アメリカ・ドルを、依然受け取る。だが彼は、石油とガスの販売で得たこうした
ドルの全てを、すぐさま金の現物に変えるのだ!
これを理解するには、ロシアが石油とガスの販売で、同時期に得ている外貨収入と比較するだけで十分だ。
第三四半期にロシアが購入した金の現物は、史上最高記録水準だ。
今年の第三四半期、ロシアは、55トンという信じがたい量の金を購入した。これは全世界の全中央銀行を合計したよりも多い(公式データによれば)!
この期間に、世界中の中央銀行が購入した金93トンのうち、驚くべき購入量の
55トンを、ロシアが保有している。
イギリス人科学者が、数年前、公表されたアメリカ地質調査の結果と同じ結論を出した。
ロシアからのエネルギー供給無しでは、ヨーロッパは存続できないというものだ。
そこで、
オイルダラー覇権の上で成り立っている欧米世界は、破局的な状況にある。彼らはロシアからの石油とガスの供給無しでは生きられないのだ。
しかもロシアは今、欧米に、石油とガスを、金現物と引き換えでしか売らないようにする用意ができている!
ロシアは、石油とガス輸出により、ドルを定期的に得るので、いずれにせよ、欧米により、あらゆる手段で押し下げられた現在の金価格で、金に転換することができるのだ。つまり、市場操作によって、人為的に押し上げられているドルの購買力で、連邦準備制度とESFによって、人為的かつ、細心の注意を払って、何倍も押し下げられている金価格で。
金融業界では、金が反ドルなのは、当然のこととして受け入れられている。
・1971年、1944年、ブレトンウッズで、アメリカが保証した、ドルと金の自由交換をやめ、アメリカのリチャード・ニクソン大統領が‘金の窓’を閉じた。
・2014年、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ワシントンの許可を得ずに‘金の窓’再度開けたのだ。
現在欧米は、金と石油の価格を押し下げるのに、努力と資源の大半を費やしている。
現在、金や石油等の資産は、比例的に弱体化されたように見え、アメリカ・ドルに対して、極端に過小評価されている。これは欧米による膨大な経済的努力による結果なのだ。
今やプーチンは、欧米の努力で人為的に押し上げられている
アメリカ・ドルと引き換えにロシアのエネルギー資源を売っている。彼はそれで、欧米自身の努力によって、
アメリカ・ドルに対し、人為的に低めにされている金を即座に購入するのだ!
プーチンによるこの実に見事な経済政策の組み合わせは、アメリカ合州国が率いる欧米を、自分のしっぽを積極的かつ熱心にむさぼり食う蛇の様な立場に追い込んだのだ。
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記事を見ると、やはり経済学者や官僚というのは経済の根本の部分がわかっていないように見受けられます。この人たちの頭の中には、通貨発行益という最も大事な概念がすっぽりと抜け落ちてしまっています。また戦後の経済を牽引して来た日銀の政策は、窓口指導こそ重要な手段だったということすら、理解していないように見えます。
文末で、エコノミストの藻谷氏の見解である“若者など現役世代の給料アップ施策が必要”ということに関しては同意しているのが、せめてもの救いです。
海外に膨大な金額を勝手に国民の同意なくばら撒くことが出来、もんじゅを維持管理するだけで毎日5500万円を浪費するのであれば、このお金を介護などの賃金アップに回せば、その財源は容易に確保出来るはずです。国民の可処分所得(自由に使えるお金)の増加こそ、経済回復のポイントです。
経済が好景気になりインフレになる可能性が出て来た時には、税収を引き上げれば良いのです。その時には、例えば消費税の増税も良い施策となり得ます。今やっていることは全て真逆です。