今日から、
自民党改憲草案の恐ろしさを改めてみていきたいと思います。
まずは、大災害の時に必要だという国民の耳に入りやすさからも、
今最も自民党が本命として狙っている緊急事態条項から。
自民党改憲案の緊急事態条項は98条でどういう場合が緊急事態宣言を出す場合かという要件(条件のこと)、99条が宣言が出た場合になにができるかという効果(なんと国民の人権をも制限できる)を規定していますので、それぞれ見てみたいと思います。
自民党草案 第98条
第1項 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
さて、「法律の定めるところにより」とあるように、
自民党憲法の「緊急事態」の中身は明治憲法と同じく法律に委任しており、
いくらでも拡大可能なことをまず押さえなければなりません。
この点、
この改憲案を解説する「日本国憲法改正草案解説」(以下「解説」と表記)
によれば、「内乱等」にはテロも含むとしています。
内乱は一国の体制がひっくり返るような規模を言いますが、
テロは死者の出ない爆弾テロでもテロですから、これでは緊急事態の範囲が広すぎてめちゃくちゃです。
新型インフルエンザ流行まで、国民の権利を制限する緊急事態宣言の対象にする気でいる。
また、
緊急事態宣言を出す「特に必要があると認めるとき」は、閣議で決するとされていますが、これは1分1秒の緊急性を想定しているものではない(自民党の「
日本国憲法改正草案Q&A 以下Q&A」。以下「Q&A」と表記)ということなので、
閣議にかけずに総理がいきなり緊急事態を宣言できる場合が多数ありえます。
自民党は「地震等による大規模な自然災害」と規定し、大規模自然災害でも緊急事態宣言が可能(Q&AP30・解説)としており、津波や地震で緊急事態を宣言するのを基本としています。
しかし、東日本大震災は福島原発事故が同時に起こり、2万人近くが亡くなった大災害ではありましたが、かの大震災でさえ、国民の自由と人権を制限できる緊急事態宣言は必要ではありませんでした。
(中略)
なのに、なぜ、そのうえまだ国民の人権を停止するような
緊急事態条項が必要なのは、「戒厳令」と言う非常手段を使って国家権力にとって邪魔な国民の基本的人権を排除するためだけなのです。
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