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福島第一原発事故によって被災した上に「白地地区」として故郷の地名も記憶も奪われる被災者 〜 烏賀陽弘道氏の解説から

 9/12福島民報社の記事に、福島第一原発事故によって故郷が帰還困難区域になってしまった方の、望郷の思いが掲載されました。その記事にはサラリと「白地(しろじ)地区」という言葉がありました。この「白地地区」とは。放射能や津波の災害が激しい帰還困難区域の中で、国が「復興拠点」と定めた区域がほんの10%あります。そこには国が予算を注ぎ込んで役場や住宅を造成し、人工の町を急ごしらえしています。しかしそれ以外の90%のエリアで、線量が高く、防波堤にもならない、太陽光パネルフィールドにもならない、何の用途も決まらない地域は地図上「白地」ということにされてしまったのでした。もちろんそこには固有の地名があり、そこで長く暮らしてきた人々があったのに、ある日突然、行政によって地名を消され、住んでいた人たちの豊かな故郷の記憶をも消去してしまう暴挙でした。
原発建屋にほど近い大熊町は事実上無人の町ですが、復興拠点とされたわずかなエリアは除染をされ、コンサートホールのように美しい町役場が21億円で建設されました。何のためか?
 2011年7月、復興対策本部は「復興」の基本的な考え方として「10年で復興をしたことにする」として注ぎ込む予算の概枠まで決めました。最初の5年が集中復興期間で19兆円、10年目までの復興期間で23兆円。安部首相が常磐線再開を宣言したのは2016年のまさに5年目で、そこから10年目までに荒廃した被災地の現実を無視して人工的な「復興した」オープンセットを作り、無人の常磐線を再開させ、復興のイメージを押し付けるために高線量の中、聖火ランナーを走らせることとしたわけです。
 ジャーナリスト烏賀陽弘道氏のこれまでの取材によって、原発被災地の現実が復興などは程遠い、荒廃しきった様子が伝えられています。この現実を無視して政府の復興プロパガンダに五輪を利用していることにマスコミが無視し続けていること、被災し今なお避難生活の人々をさらに消し去るような「民族浄化」とも言える仕打ちを、この動画で伝えておられます。
いつもはユーモアを交えてのお話ですが、さすがに今回は憤りを抑えることができない解説で、「白地地区」の意味する残酷さを知ることができました。これは福島の被災地の問題ではなく、原発がある全ての地域の、国民の明日の姿だということを鋭く説かれていました。33:25以降は必聴です。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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必ず小良ケ浜に帰る 区域内での分断進んだ 白地地区【復興を問う 帰還困難の地】(21)
引用元)
東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域内で、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域は帰還の見通しが立たない「白地(しろじ)地区」と呼ばれる。原発事故発生から十年目となった現在も、国は除染や避難指示解除の方針を示していない。白地地区の住民らの今を追う。
(以下略)
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【現地写真公開】安倍総理と菅次期首相が進めたフクシマ民族浄化。これは政府による故郷抹殺。原発事故に巻き込まれた土地の地名も消し去る国家の横暴。元朝日新聞記者ジャーナリスト烏賀陽弘道
配信元)

福島第一原発3号機の廃棄物地下貯蔵建屋内配管から汚染水が漏洩中 〜 東電の発表から

 1日、東京電力が福島第一原発3号機の異常を発表しました。3号機廃棄物地下貯蔵建屋に設置されているタンクの配管から廃液が漏れていたというものです。建屋の外には漏れていないとの報告でしたが、重要な点を確認すべくおしどりマコさんのコメントをチェックしました。さすが、東電の発表した廃水の汚染の数値を分かりやすく表記しておられました。セシウム137は99,000Bq/L、核種の特定をしない全ベータの数値は180,000Bq/L、、など頭がクラクラします。いくら汚染水が建屋内に収まっていると言われても安心できないのが日本です。震災後9年を経てますます設備は劣化し、気づかないまま地下水を通じた内部被曝が進んではいないでしょうか。
(まのじ)
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配信元)

「黒い雨」訴訟、厚労省が広島市・広島県に控訴を強要 〜 福島原発事故後の基準が全て見直しになることを嫌って国民を犠牲にする安倍政権

 まさか、やっぱり、でも。どこかでまだ国にまともな判断を期待していたようです。「黒い雨」訴訟で84人の原告に被爆者健康手帳を交付するよう命じた広島地裁判決に対し、被告の広島市と広島県が控訴する方針を決めました。市も県も控訴しないよう国に「政治判断」を申し入れ、被爆者の救済を強く求めていたと言います。厚生労働省はそれを退けて控訴を要請しました。原告の被爆者の方々、その背後の多くの被爆者の方々、そして援護対象を拡大するよう求めてきた市や県の思いを全て踏み潰す控訴に言葉を失います。原告の内の12人はすでに亡くなり、80歳代、90歳代の方々にさらに訴訟を強いるなど日本はどこまで残忍になるのでしょう。
 伊方原発広島裁判の原告の方の声明が拡散されていました。厚労省が今回の地裁判決を絶対に受け入れない背景には黒い雨による「低線量内部被曝」の影響を認めたくない事情があります。この判決を受け入れるということは、福島原発事故による様々な安全基準を全て見直すことになり、補償の範囲も大幅な拡大を受け入れることにつながります。どこまで行っても安倍政権は国民よりも金、利権が大事。安倍晋三、辞める前にひとつくらい良いことをして見せよ。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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【速報】「黒い雨」訴訟 広島市・県が控訴方針
引用元)
 原爆投下後の「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康被害を訴える広島県内の原告全84人に被爆者健康手帳を交付するよう広島市と県へ命じた7月29日の広島地裁判決で、被告の市と県が控訴する方針を決めたことが11日、分かった
(中略)
 複数の関係者によると、厚生労働省は広島地裁の判決について、市と県に控訴するよう要請。市と県は、援護対象区域の拡大を長年国に求めてきた立場から、控訴しない「政治判断」と被害者救済を強く求めていた。厚労省などとの協議を踏まえて、市と県が控訴方針を受け入れたという。
(以下略)
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「黒い雨」裁判 控訴するなの声を、国・広島市・広島県に届けてください(11日のうちに)
引用元)
(前略)
国(厚労省)は、「黒い雨」判決を受け入れたくないでしょう。
なぜなら、「黒い雨」被害を認めるということは、いわゆる「低線量被曝(=100ミリシーベルト以下の被曝)」とりわけ「低線量内部被曝」の影響を認めるということになるからです。
「低線量被曝」・「低線量内部被曝」の影響を認めれば、原発事故による被害とその補償の範囲も、大幅に拡大しなければなりません

福島原発事故による「帰還困難区域」も「居住制限区域」も、「食品中の放射性物質に関する基準値」も厳しく見直さなければなりません。
さらには、福島原発からのトリチウム汚染水放出の方針も、膨大な放射性物質放出を伴う六ケ所村再処理工場稼働計画も見直さなければならなくなります。
つまり、軍事用・商業用を問わず核開発が必要としてきた「放射線安全神話」が崩壊してしまいます

国(厚労省)は、原発や核(→そこから利益を得る国際核利益共同体)を守るために、目の前にある「低線量被曝」・「低線量内部被曝」の影響を否認するのか。
75年間放射線被曝被害に苦しみながら救済を受けられなかった人たちをこの期に及んでまだ切り捨て、同様に、これからもあらゆる放射線被曝の被害者を切り捨てようとようとするのか
(以下略)
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配信元)

狂気の省令改正・環境省が住民の反対を押し切り、汚染土でキャベツなど農作物を栽培させる方針へ

 そもそも「福島の除染で出た土を農地で再利用できるか」という問い自体が論外なものを、政府は当初、食べ物は栽培しないと言い、次には汚染土の上に汚染されていない土を50cm被せて野菜や花を栽培するとし、ついにこの度、環境省が省令を変えて従来の方針を転換し、汚染土の上で直接キャベツやインゲンなどを育てるという狂気の方針を決めました。
 今回の環境省の方針転換は、幾重にも国民を欺くように勧められていることを青木美希氏が指摘されています。すでに行われていた汚染土での花などの栽培状況から判断し「十分安全側の結果が得られた」として今年4月には汚染土を全国で再利用する省令改正をする予定でした。ところが地元からの「食用作物も育てたい」という声に応えて検証するため改正を先送りした、という報道がなされていました。しかし事実は異なり、環境省は汚染土で農作物を育てる計画を勝手に決定し秘密裏に進めていました。また地元からの「育てたい」との要望もウソでした。さらに悪質なのは「除染土の再利用」という言葉です。「除染された土」という印象を与えますが、青木氏が環境省に確認したところ「除染した後の土」の意味ではなく、除染で取り除いた汚染土との回答だったそうです。
 セシウム100bq以上は原子力施設から持ち出せない規制があるにもかかわらず、環境省は8000bq以下であれば農作物に再利用可能とするダブルスタンダードを平気で推し進めています。しかも目安にしているセシウムだけが放射性物質でもありません。日本政府が国民を殺しにきていることは確かです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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除染の土 覆土せず野菜栽培をする実証事業へ 福島 飯舘
引用元)
原発事故のあと福島県飯舘村で行われている、除染で出た土を農地で再利用できるかどうかを確かめる実証事業で、環境省は新たに汚染されていない土をかぶせずに野菜を育て、安全性に問題がないかを確かめる方針を決めました
(中略)
これまでは汚染されていない土を50センチほどかぶせた農地で野菜や花を栽培してきましたが、新たに、汚染されていない土はかぶせず、除染で出た土だけでキャベツやインゲンを育てる方針を決めました

収穫したあと、含まれる放射性物質の濃度を調べ専門家による会議で食べても安全だと評価されれば、除染で出た土をそのまま野菜の栽培に使うことも検討するということです。
(以下略)
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原発除染土、覆わずに栽培試験 飯舘村で環境省が方針転換
引用元)
 東京電力福島第1原発事故後に福島県飯舘村の除染で出た土を農地造成に再生利用する実証試験で、環境省が従来の方針を転換し、除染土に覆土しないまま作物を植えたり、品種を野菜などに拡大したりする計画をまとめたことが7日、同省の未公表文書などから分かった。従来は食用以外の園芸作物などに限り、覆土した上で栽培するとしていた

 除染土利用に「災害時の流出などで汚染拡大につながる」との懸念が根強く、方針転換を知らされていない住民もいる

 文書は大島堅一・龍谷大教授(環境経済学)が行政文書開示請求で入手。環境省は「地元の要望に基づき、科学的な知見を得るためだ」と説明した
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「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴 〜 被爆者救護法の「被爆者」を根拠にし、行政の裁量を批判した画期的な判断

 広島の原爆直後の「黒い雨」によって被爆したにもかかわらず、国の決めた「大雨地域」以外の人々は援護の対象となっていませんでした。対象地域以外の人々の健康被害には、一定の条件をつけて国が暫定的に手帳を交付するという裁量で応じていました。しかし国が指定した地域以外の「黒い雨」に打たれて被曝した人々にも被爆者健康手帳を交付するよう求めた訴訟に、29日広島地裁は、同様に被爆者と認める初めての判断をしました。75年という時間をかけてやっと被爆した方々の当然の願いが届きました。当時の国の判断に固執せず、被爆者援護法の趣旨に立ち返って「被爆者」を判断したことと、法律を超える行政の裁量を厳しく批判したことは、期せずして今後の被曝問題への提言となりました。司法が国の立場に立つか、国民の立場に立つか、それによって判断は真逆になりますが、広島地裁は将来への希望も示してくれたように感じました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴 全員に手帳の交付命じる
引用元)
(前略)
 国は激しく降ったとされる大雨地域に限り、援護の対象としてきた。それ以外の地域の人に手帳の交付を認めた今回の司法判断は、戦後75年の節目に、国の援護行政のあり方を厳しく問うものといえる。
(中略)
 国は大雨地域の人を「被爆者」とは直接には認めず、通達によって、その後の健康診断でがんなどの特定疾病がみつかれば、手帳を交付するという「切り替え」と呼ばれる政策で救済してきた
 判決は、こうした通達を根拠とする国の援護行政の枠組みに対し「法律による行政の原理の下では、許されるはずはない」と厳しく指摘。国側が、暫定的な措置として「裁量の範囲」とした反論を退けた
(以下略)
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「黒い雨」国の指定地域外も被爆者と認める判決 広島地裁
引用元)

(前略)
判決で広島地裁は「国が援護区域を指定する際に根拠とした当時の気象台による調査は、被爆直後の混乱の中、限られた人手で行われたもので限界がある」と指摘しました。

さらに、複数の専門家による調査を踏まえ、「国が根拠とした範囲より広い範囲で黒い雨が降ったことは確実だ」として、援護区域の外であっても同じ程度に雨の影響を受け、本人が病気を発症している場合は被爆者と認められるという判断を示しました

そのうえで、今回の原告は、過去に専門家が行った雨の範囲に関する調査や、本人たちの説明を基にすれば、全員が「黒い雨」を浴びたか、その場で生活を続けたことで内部被ばくしたと認められ、援護区域と同じ程度に影響を受けたと指摘しました

そして、国が指定した11の病気のいずれかを発症していることから、全員を被爆者と認めました。
(以下略)
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