注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
中国は、欧米列強がロシアに課しているのと同じ制裁を受ける準備を進めている。Financial Timesによると、北京政府は差し迫った経済制裁(*)の影響を評価しているとのことです。(中略)… 中国は、台湾で戦争が起ころうが起こるまいが、次は自分たちの番であることを知っている。
(中略)
中国政府は、ロシアに課されたような米国の制裁から国の対外資産を保護することを計画している。これは、戦略的準備金の多くを略奪することを意味し、3兆2千億ドルは国際金融資本を救済することができる…もしドルの価値が全く残っていないなら、それは議論の余地がある。
(中略)
欧米の経済学者は、数字に踊らされ、自分たちの会計処理に頼っている。彼らは、紙や株や不換紙幣にまだ価値があると信じているのです。ロシアや中国など他の国では、数百万立方メートルのガス、1トンの小麦、機械などの単位でカウントされます。
「専門家」が気づいていないかもしれないが、「ゼロ・コビット」政策によって中国に課された経済封鎖は、海上封鎖や外国資産の禁輸によってもたらされるかもしれないことの前触れなのである。
(*) https://www.ft.com/content/45d5fcac-3e6d-420a-ac78-4b439e24b5de
» 続きはこちらから
2分48秒で、“4月28日時点で、北京当局はすでに194人の感染者を報告しています。感染は全市に広がる中、北京当局は口では「ロックダウンした」とは認めていませんが、「必要なとき以外は北京を出ないように」と宣言しています。”と言っています。
上海では封鎖が続いているということですが、北京もロックダウンの一歩手前のような状況です。どう見ても中国の「ゼロコロナ政策」は異常だとしか言いようのないものですが、“当局はそのゼロコロナ政策への反対を決して容認しません。例えあなたが誰であろうとそれは関係ないのです。現在中共当局は何か一種の「封鎖管理強迫症」でも患ったようで、やめようと思ってもやめられないようです。(10分)”と言っています。
動画「上海ロックダウンの裏に隠された真相」の11分35秒で、「ゼロコロナ政策」を堅持する目的を述べているのですが、“今年の秋に党大会が行われ、そこで習近平総書記は異例の3期続投を目指しています。コロナと共存できることを認めれば、自分の「ゼロコロナ政策」は間違っていると認めることになり、3回目の就任は水の泡になる可能性があると言われています。”と解説しています。
習近平総書記の3期続投のために、「ゼロコロナ政策」を堅持する必要があるのは分かりますが、そもそもPCR検査をしなければ感染者も居なくなるのですから、「ゼロコロナ政策」の成功をアピールするのに上海をロックダウンする必要などありません。感染してもほとんどが無症状なのですから、感染者の数字など何とでもなります。
それなら、なぜ狂気とも言える上海ロックダウンを行ったのか? 動画「ありえない? 都市封鎖下の経済成長の謎」の2分20秒では、“実際、上海がああなったのは、「中共内部の内輪もめ」が原因であることは、誰も口に出して言わないものの皆知っていることです。…上海の政界というのは、昔から独自のシステムを持っているのです。そこへ習氏はその強権で無理やりその地方のボスらを抑え込んで、ロックダウンに踏み切ったことで上海政界の集団的な反感を買ったのは客観的事実です。”と言っています。
ロックダウンを口実に、反乱分子をあらかじめ排除している可能性があるのですが、その事に加えて「中国はロシアに課されたのと同じ制裁に耐える準備」をしているという説が現れました。“中国は、台湾で戦争が起ころうが起こるまいが、次は自分たちの番であることを知っている。海上封鎖や外国資産の凍結によってもたらされる「経済封鎖」のシミュレーションが上海ロックダウンなのではないか”というのです。
これは非常に面白い説です。欧米列強がロシアに課しているのと同じ制裁を中国に課した場合、通常なら「経済封鎖」による不満を外に向ける必要があるわけですが、仮に戦争を避けようとすれば、疫病を理由に都市を封鎖することで暴動や反乱を抑え込むことが可能かどうかです。上海ロックダウンはその実験だと考えると説明がつきます。