(前略)
安倍首相は、杉山晋輔という現・外務審議官を外務省トップの
外務事務次官に昇格させる人事を発表した。
杉山晋輔は、「2億円着服(公金横領)疑惑」で、週刊誌・タブロイド紙のターゲットにされている“伝説の不良官僚”である。
今、永田町と霞が関には、この男に関する怪文書が飛び交っている。
(中略)
安倍晋三が、6月3日、外務省の斎木昭隆・事務次官を退任させて、
後釜に杉山晋輔外務審議官を事務次官に昇格させることを決めた。
(中略)
いよいよ、安倍晋三は本物の爆弾を抱え込んだ、と評するのは、元外務官僚の天木直人氏だ。
「
大どんでん返しが起きる夏の外務省幹部人事」の中で、このように書いている。
安倍首相が杉山晋輔・外務審議官を外務事務次官に昇格させるなら大した度胸だ、やれるものならやってみろ、と。
なぜなら、杉山氏が外交機密費を私的に流用していたという醜聞は周知の事実だからだ。
・・・すなわち、「本当に事務次官があの人で大丈夫なのか」と外務省内で不安が渦巻いていると。
・・・ある外務省職員は「野党やマスコミから叩かれるのは必至だ。騒動になれば外交どころではなくなる」と動揺を隠せないと。
(中略)
今日発売の週刊現代(6月25日号)のコラム「霞が関24時」では、外務省内部、職員のこのような証言が紹介されている。
「斉藤邦彦事務次官の秘書官を務めた93年~95年の約1年半に機密費約2億円を横領した疑いがある。・・・連日、高級クラブや料亭で豪遊。他の幹部の領収書も肩代わりし、省内では重宝がられていた」。(外務省関係者の証言)
「・・・同じ課の若手職員10人ほどが全員、杉山さんに連れていかれ、飲み食いした。金は、いったどこから出ているのか不思議だった」。(中堅職員の証言)
(中略)
霞が関界隈では20年近く前から「伝説の不良官僚」として、つとに知られていた、というのだから、一人ぐらいは内部告発者が出てもいいだろうに。少なくとも、外務省がいかに腐敗しきった省庁であるか如実に物語っているのだ。
(中略)
6月中に、晋三が正式に杉山晋輔を外務事務次官に任命するタイミングを待って、大スクープが出てくるだろう。
(中略)
元外務官僚の佐藤優氏が、杉山晋輔の昇格人事について、このように書いている。
「・・・それから杉山晋輔さんという外務審議官も私とはいろいろ因縁のある人ではありますが、
北方領土を一生懸命やっていますよ。
そこで突破口を開くしか、もう出世の途はないということで。
出世が動機でやっていますから、あの人は信用できます。
・・・
どんな裏切りでも平気でする人ですけど、もう外務省のナンバー2にまで行っていますから、
北方領土さえ動けば、この人はナンバー1になれるかもしれない。
出世のことしか考えてないですから、信用できますね。戦略的には、かつて私たちが考えたものに近い戦略を最近、彼は立てているわけです」。
佐藤氏の杉山晋輔の人物評は、褒めているのか、くさしているのか判然としない。
境地に追い込まれた安倍晋三にとっては、佐藤氏の皮肉さえ褒め言葉に聞こえるのだろう。
(中略)
つまり、北朝鮮の拉致被害者問題を点数稼ぎしようとしたが失敗したので、
今度は、北方領土問題で、何か仕掛け花火を打ち上げようとしているということである。
(中略)
何より、「安倍晋三が、年金を株式市場にぶっこんだおかげで既に3分の1が損失している。これを国民が知ったらパニックになるかもしれない」と日銀関係者がリークしているように、
それ相当の花火でなければならない。
果たして、杉山晋輔にそれができるのだろうか。
(以下略、続きは引用元でご覧下さい)
田中龍作ジャーナルでは、サミットでの“世界経済におけるリーマン級のリスク”という怪文書を誰が作成したのかについて、“今井(尚哉)秘書官と菅原(郁郎)事務次官の経産省ライン”とあります。このようなサミット文書を官邸が勝手にデッチ上げたことに対して、文末ではある議員の言葉として、「クーデターだ」としています。
今や安倍政権は、独裁政権になっていると考えられます。次の選挙で自民党が勝利して、緊急事態条項を手に入れると、完全に独裁政権になってしまいます。現在の日本は、危機的な状況だと言えます。
TOCANAの記事によると、今井氏は武器装備移転三原則の制定を始め、政治献金の復活、籾井勝人NHK会長による理事4人の粛清事件、伊勢志摩サミットでの怪文書作成、外務省・斎木事務次官と財務相・田中事務次官の退任人事に関わっているとのこと。
官僚トップの首を簡単に切れるほどの権力を有しているわけです。これ以外に、今井氏は“日本の原発の海外輸出を推進する政策を進めた中心人物”のようで、“福井県の大飯原発を再稼働させるために、滋賀県の嘉田由紀子知事や京都府の山田啓二知事に「再稼働しないと電力不足になる」などと散々脅しをかけて回った人物”とのことです。原発再稼働を始め、アベノミクス・三本の矢、一億総活躍社会なども、彼が先頭に立って決めたと言われています。こうしたことを考えると、彼こそ現在の安倍政権を動かしている中心人物であるとわかります。
「安倍官邸の正体 (講談社現代新書) 」のレビューには、“安倍政権の権力基盤が「正副官房菅長官会議」にある…安倍晋三、菅義偉、世耕弘成、加藤勝信、杉田和博、そして首相秘書官の今井尚哉による会議で、政治案件のすべてが意思決定されている”とあります。これらの人物の中心に居るのが、今井尚哉氏だと考えられます。
その今井氏が誰のために働いているのかですが、“続きはこちらから”以降のアーミテージの言葉を見れば、明らかではないでしょうか。安倍政権は、“究極の売国奴政権”だと考えて間違いないようです。
現在、プーチン大統領と会談したキッシンジャー博士は、アーミテージやマイケル・グリーンを排除する意向のようです。キッシンジャー博士が相手では、彼らは太刀打ち出来ないでしょう。こうした記事が出て来ることも含め、安倍政権は崖っぷちに追い詰められたと言えそうです。