こんにちは!
尊敬する連邦議会の上下院の議員の皆さん!
尊敬するロシア国民の皆さん!
今日、私は、我が国にとってこの困難な(我々はこのことをよく知っている)時代に、世界において抜本的かつ不可逆的な変化が起き、我が国と我が国民の未来を決定づける重要な歴史的に最も重要な出来事が起き、その巨大な責任を我々一人ひとりが負っている時期に演説を行う。
1年前、我々の歴史的な土地に住む人々を守るため、我が国の安全を保障するため、そして2014年のクーデター後にウクライナで生まれたネオナチ体制による脅威を取り除くため、特殊軍事作戦実施の決定が下された。
そして我々は一歩ずつ、慎重に、そして一貫して、我々の前にある課題を解決していく。
ドンバスは2014年から戦い、自分たちの土地に住み、母国語で話す権利を主張し、封鎖と止まない砲撃、ウクライナ政府からの露骨な憎しみという条件の下でも
降伏せず、ロシアが助けに来てくれるのを信じて待った。
一方、あなた方もよくご存じのように、
我々はこの問題を平和的手段で解決するために、本当にできる限りのことを行い、このきわめて困難な紛争を平和的に解決するため、
忍耐強く協議を行った。
しかし、我々の背後ではまったく別のシナリオが用意されていた。
今、我々は、西側の指導者たちがドンバスの平和を目指すとした約束が口実であり、
残酷な嘘であったことを理解した。
彼らは時間を引き延ばし、形式主義を取り、政治的な殺害や気に入らない者に対するウクライナ政権の迫害、信者たちに対する侮辱的行為に目をつぶり、ドンバスにおけるウクライナのネオナチのテロ行為をますます強く奨励した。
民族主義者の大隊の将校らは西側の軍事アカデミーや学校で訓練を受け、武器も供給された。
特に強調したいことは、特殊軍事作戦の開始前から、キエフと西側諸国との間では防空システム、戦闘機、その他の重装備のウクライナへの供給交渉が行われていたことだ。キエフ政権が核兵器を獲得しようと奮闘していたではないか。これを彼らは公言していたではないか。
米国とNATOは、我が国の国境付近に自国の軍事基地と秘密の生物学研究所を急速に展開していた。彼らは、将来の軍事行為の演出をマスターし、自分たちに従属させ、自分たちの手で奴隷化したウクライナの政権に大戦争に向けた準備をさせていたのである。
そして今、彼らはそれを公然と、あからさまに、恥じることなく認めているではないか。ミンスク合意も「ノルマンディー形式」も外交的なショーではったりだと言って、
まるで自分たちの背信行為を誇り、楽しんでいるかのようだ。ドンバスが燃え、血が流され、ロシアが誠実に(私はこれを強調したい)平和的解決に邁進していた時に、彼らは人々の命を弄んでいたことが明らかになった。
この気色の悪い、ごまかしの方法は、これまでにも幾度も試されてきた。ユーゴスラビア、
イラク、リビア、シリアを破壊した時も同じく、彼らは恥知らずで二重人格的に振舞った。
この恥辱を彼らが洗い落とすことは決してないだろう。名誉、信頼、良識という概念は彼らにはない。
何世紀にもわたって植民地支配、独裁、覇権主義を続ける間に、彼らは何でも許されることに慣れ、世界中を無視するようになった。しかも彼らは自国民までも同じように堂々と軽蔑して扱うことがわかった。自国民もシニカルに騙し、平和を模索し、国連安保のドンバスについての決議を順守しているなどと作り話をして、だまし続けた。実際、西側のエリートは原則を完全に欠いた嘘の象徴と化してしまった。
我々は自分たちの利益だけでなく、今日の世界においてはいわゆる文明国とそれ以外の人々という区分は存在すべきではなく、
いかなる排他性も、攻撃的排他性であればなおさら、
断固として拒否する誠実なパートナーシップが必要であるという立場を堅持する。
我々はオープンかつ誠実に西側諸国との建設的な対話を行う構えだった。欧州も世界全体も、すべての国家にとって不可分の平等な安全保障システムを必要としていると主張しつづけ、この構想をともに話し合い、その実現に向けて作業するよう、長年にわたってパートナーらに提案してきた。だが、我々が受け取ってきた反応は、不明瞭か、または偽善的なものだった。これは言葉として受け取ってきた反応だが、具体的な行動もあった。それがロシアとの国境へのNATOの拡大、欧州とアジアでのミサイル防衛の新たな拠点の創設、つまり「傘」を使ってロシアから遮断すること、そして軍部隊の展開。しかもこれはロシアの国境付近だけにとどまらない。
ここで強調したいことがある。実際、誰もがよく知っていることだが、米国ほど多くの軍事基地を自国の外に持っている国はない。その数は数百に及ぶ。何百もの米軍基地が世界中に、地球のあらゆる場所に点在していることは、地図を見ればすぐわかる。
米国が中距離・短距離ミサイル条約をはじめとする、世界の平和を支える基本的な軍事協定を一方的に破棄したのを全世界が目撃した。米国がそうしたからには必ず理由がある。何の理由もない行動を米国がとることはない。
そして
2021年12月、我々はついに米国とNATOに対し、安全保障条約の草案を正式に送った。だが、我々にとって最も重要な原則的な立場はすべて、事実上、真っ向から拒否された。このとき、彼らが攻撃的な計画を実行に移すゴーサインを出し、それを止めるつもりはないことが最終的に明らかになった。
脅威は日に日に増していた。
入ってくる情報から、2022年2月までにドンバスで再び流血の懲罰的な行動を起こす準備が万端に整えられていることは疑いようがなかった。ドンバスにキエフ政権は2014年の時点ですでに大砲、戦車、飛行機を投入していたではないか。
ドネツクに、またドネツクだけでなく他の都市にも空爆が行われた時の様子を我々は皆よく覚えている。2015年にも彼らは再びドンバスへの直接攻撃を試み、しかも、封鎖、砲撃、民間人に対するテロを続けた。こうしたすべては、国連安全保障理事会が採択した関連文書や決議に完全に反している。にもかかわらず、皆が何も起きていないふりをしていた。
繰り返したい。戦争を始めたのは彼らだ。我々はそれを止めるために武力を行使し、今後もこれを行使する。
動画の4分のところで、“戦略兵器削減条約とは何か。戦略兵器とは核兵器のことですよね。それも長距離の核兵器です。戦術兵器っていうのは短距離の核兵器になりますけど…これは米露両国の核弾頭の数を制限する、それから核弾頭を運ぶ手段の数も制限するというものなわけですね。この新STARTの特徴は、互いの核施設を年間18回まで査察を容認するということが入ってる”と解説しています。
11分42秒で、「強調したいのは、米国とNATOは、ロシアに敗北を与えることが目標だと明言している。そんなことを言った後で、何事もなかったかのように、我々の施設を走り回るつもりなのか?」というプーチン大統領の演説を紹介しています。
新STARTへの参加停止に関連するプーチン大統領の演説の真意を解説した優れた記事がありました。記事には「プーチン氏の発言は、国際法というレンズを通して読むと、西側諸国を震撼させるはずである。」とあります。
プーチン大統領は年次教書演説で、“西側諸国はウクライナをロシアを攻撃するための破城槌として、射撃場として利用している。…次の状況は万人に理解できるはずだ。西側の長距離戦闘システムがウクライナに供与されればされるほど、我々はその脅威をロシアの国境から遠ざけざるをえなくなる。それは当然だ。西側のエリートは自分たちの目標を隠そうともしていない。彼らははっきりと「ロシアに戦略的敗北」を与えるのが目標だと言っている。…つまり、彼らは局所的な紛争を世界的な対立の局面に転化させるつもりなのだ。我々はすべてをまさにこのように理解しており、相応の方法で対処していく。なぜならば、この場合、話はすでに我々の国の存続に関わるからだ”と発言しています。
記事をご覧になれば、“今後数週間のうちに、ロシアの同盟国である中国が…ウクライナが失った領土をロシアに譲り渡す和平協定を提案する可能性が高い…もし西側諸国がこの和平提案を拒否すれば…核戦争の条件はすべて整う…NATO が新たな挑発をすれば、ロシアは先制攻撃を行うだろう”と言っています。
実際に、中国は「ウクライナ紛争終結へのロードマップを発表」しています。
ただ、私の見方は少し異なります。西側のエリートの「ロシアに戦略的敗北」を与えるという言葉の意味は、“ロシアに先制核攻撃をさせること”だと見ています。もちろんウクライナ、ポーランド、ルーマニア、モルドバといった限定的な範囲内での核攻撃です。
バイデン大統領は2月21日にウクライナの首都キエフを電撃訪問しました。その後、ポーランドの首都ワルシャワで演説し、“米国主導の対ウクライナ「支援国連合」の意義を強調し、引き続き連帯するよう訴えた”のです。
プーチン大統領が「彼らは局所的な紛争を世界的な対立の局面に転化させるつもりなのだ。」と言っている通りの流れになっています。
米国主導の対ウクライナ「支援国連合」が、モスクワに届くミサイルを準備すれば、ロシアはその場所を攻撃せざるを得ません。「国家の存在そのものが脅かされているときに通常兵器を使用してロシアに対して攻撃を行う場合」に、ロシアは核兵器を使用すると明言しています。
ウクライナ周辺の「支援国連合国」、あるいはEUへのロシアの先制核攻撃は、アメリカにすれば「ロシアに戦略的敗北」を与えることになるのです。核兵器を使用したロシアを、世界は拒否するだろうからです。