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大反対で廃案となった「検察庁法改正案」がゾンビのように復活 〜 上川法相が再提出を宣言

 森雅子法相が去り、上川陽子法相が再登用されたと思ったら就任記者会見の場で、いきなり検察庁法改正案の再提出を検討すると発言しました。就任するなり死んだと思った法案を復活させ、ゾンビ法案のための法相登用かと疑います。「(当時)さまざまな意見があったと承知している」なんてものではなく、国民世論がかつてなく反対の声をあげ「#検察庁法改正案に抗議します」が1日で470万件を超えるツイートとなったことは前代未聞の意思表示でした。BUZZAP!で当時の流れをうまく「おさらい」されていましたが、この検察庁法改正案の問題点は「検察官の定年延長を可能にする」ことではなく、「内閣に都合のいい検察トップをいつまでも在任させることを可能とする勤務延長が盛り込まれていた」ことでした。そしてその目的は「官邸の用心棒」黒川検事長を再任させることが明らかでした。国会の場で多くの議員が噛んで含めるように、この法案の危険性や過去の議事録との齟齬を指摘していたことを国民はしっかり覚えていますぞ。
 わざわざ菅政権でのスタートで啖呵を切ってこられたわけですから、菅首相の強い意志を感じます。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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上川法相「再提出検討」
定年延長の検察庁法改正案
引用元)
 上川陽子法相は16日夜の就任記者会見で、通常国会でいったん廃案となった、検察官の定年延長を可能とする検察庁法改正案について「改正部分にさまざまな意見があったと承知している。それを踏まえ、関係省庁と協議し、再提出に向けて検討したい」と語った。通常国会に提出した改正案は、国民から大きな批判を浴びた経緯があり、修正を図った上で再提出を目指すとみられる。
(以下略)
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「検察庁法改正案」再提出を上川法相が言及、内容は修正の可能性も
引用元)
(前略)
事の発端は2020年1月31日、安倍政権が2月8日に63歳となる黒川検事長の定年を8月まで半年間延長することを閣議決定したことに始まります

検察庁法では検事総長の定年が65歳、高検検事長を含む検事の定年を63歳と定めていたものの、安倍政権は法解釈を突然、前代未聞の「口頭決裁」で変更した上で閣議決定してしまったのです。

これにはさすがに野党や法曹界から大きな批判を受けたため、内閣の判断で検察幹部の役職定年を延長できるようにし、黒川氏の定年延長の「後付け合法化」させるために提出されたのが検察庁法改正案だったという流れです。

この改正案には多くの著名人を筆頭に国民から反対の声が吹き荒れ、ツイッターではハッシュタグ「 #検察庁法改正案に抗議します 」が1日で470万件を超えるツイートを叩き出すなどし、結果的に成立断念に追い込まれることとなりました
(以下略)

実録映画「トゥーサン作戦」人身売買幼児救出作戦 ~200万人の子どもが性の奴隷として囚われている実態

竹下雅敏氏からの情報です。
 冒頭「これは実際に起こった作戦を映像に収めたもので、再現映像ではありません」と言うことです。80分もある動画ですが、2倍速で見るとあっという間でした。
 政府の規制に縛られて救えなかった子どもたちを救うために、アメリカ国土安全保障省の特別捜査官を辞めたティム・バラードは、「オペレーション・アンダーグラウンド・レイルロード」を立ち上げます。動画の17分36秒~19分で、“「なぜ子どもを欲するのか?」と聞くと皆同じ答えが返って来ます。…飽きて来て…「未成年」を検索するようになり、それでも興奮しなくなって…10歳、9歳、8歳、7歳とかになっていく。…だから、男性がハイチやコロンビアやタイに飛ぶのです。…だから、200万人の子どもが性の奴隷として囚われているのです”と言っています。
 ハイチで、セックスツアーに来ている金持ちのふりをした作戦(47分30秒あたり)では、3つの人身売買組織の9人の男性を逮捕し、29人の被害者を救出。しかし、数日後に斡旋業者たちは自由になり、家族が現れなかった半分の少女たちは斡旋業者に連れて行かれたということです。裁判官への賄賂により、「子どもたちをレイプする話をして笑っていた者たちは、笑いながら家に帰れたのです(49分10秒)」。ツイートの動画はその時の作戦の様子です。
 50分以降は、ハイチの司法長官と協力して、斡旋業者たちを一人残らず再逮捕する作戦です。6月20日の記事で、“ハイチでの「児童誘拐組織運営」が、地球規模の犯罪シンジケートの一部であり、これにヒラリー・クリントンが深くかかわっていた”ことをお伝えしましたが、この時の記事も参考にしてください。
(竹下雅敏)
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映画「トゥーサン作戦」人身売買幼児救出作戦
配信元)

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1. 動画を再生
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「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴 〜 被爆者救護法の「被爆者」を根拠にし、行政の裁量を批判した画期的な判断

 広島の原爆直後の「黒い雨」によって被爆したにもかかわらず、国の決めた「大雨地域」以外の人々は援護の対象となっていませんでした。対象地域以外の人々の健康被害には、一定の条件をつけて国が暫定的に手帳を交付するという裁量で応じていました。しかし国が指定した地域以外の「黒い雨」に打たれて被曝した人々にも被爆者健康手帳を交付するよう求めた訴訟に、29日広島地裁は、同様に被爆者と認める初めての判断をしました。75年という時間をかけてやっと被爆した方々の当然の願いが届きました。当時の国の判断に固執せず、被爆者援護法の趣旨に立ち返って「被爆者」を判断したことと、法律を超える行政の裁量を厳しく批判したことは、期せずして今後の被曝問題への提言となりました。司法が国の立場に立つか、国民の立場に立つか、それによって判断は真逆になりますが、広島地裁は将来への希望も示してくれたように感じました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴 全員に手帳の交付命じる
引用元)
(前略)
 国は激しく降ったとされる大雨地域に限り、援護の対象としてきた。それ以外の地域の人に手帳の交付を認めた今回の司法判断は、戦後75年の節目に、国の援護行政のあり方を厳しく問うものといえる。
(中略)
 国は大雨地域の人を「被爆者」とは直接には認めず、通達によって、その後の健康診断でがんなどの特定疾病がみつかれば、手帳を交付するという「切り替え」と呼ばれる政策で救済してきた
 判決は、こうした通達を根拠とする国の援護行政の枠組みに対し「法律による行政の原理の下では、許されるはずはない」と厳しく指摘。国側が、暫定的な措置として「裁量の範囲」とした反論を退けた
(以下略)
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「黒い雨」国の指定地域外も被爆者と認める判決 広島地裁
引用元)

(前略)
判決で広島地裁は「国が援護区域を指定する際に根拠とした当時の気象台による調査は、被爆直後の混乱の中、限られた人手で行われたもので限界がある」と指摘しました。

さらに、複数の専門家による調査を踏まえ、「国が根拠とした範囲より広い範囲で黒い雨が降ったことは確実だ」として、援護区域の外であっても同じ程度に雨の影響を受け、本人が病気を発症している場合は被爆者と認められるという判断を示しました

そのうえで、今回の原告は、過去に専門家が行った雨の範囲に関する調査や、本人たちの説明を基にすれば、全員が「黒い雨」を浴びたか、その場で生活を続けたことで内部被ばくしたと認められ、援護区域と同じ程度に影響を受けたと指摘しました

そして、国が指定した11の病気のいずれかを発症していることから、全員を被爆者と認めました。
(以下略)
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配信元)

[森友問題訴訟] 赤木雅子さんの訴え「安倍首相、麻生大臣、私は真実が知りたいです」「裁判官の皆様、公正な判決を」

 「森友学園問題」訴訟の第一回口頭弁論を長周新聞がまとめておられました。前半は事件の概要を、後半は雅子夫人の陳述です。雅子さんの陳述はとても平易なやさしい言葉で語られています。決して感情的な訴えではないにも関わらず心にまっすぐ響いてきます。
今年3月に公開された衝撃的な赤木俊夫さんの改ざんに関する手記により、近畿財務局の動きは全て本省に報告され、国有地売却手続きは財務省本省の主導で行われたことが暴露されています。とりわけ最終的に佐川氏から修正するよう指示が出て決裁文書の改ざんが行われ、本省杉田補佐の指示に抵抗しきれなくなった赤木俊夫さんが差し替え作業を行ったことは重要です。しかもそれを大阪地検特捜部が知っていることも記してありました。すべて財務省本省の指示に従ったことが近畿財務局の責任に転化されたことは明らかなのに、地方(現場)が本省に楯突くことなど不可能な組織体制も指摘されていました。そして現場への矛盾をすべて押し付けられた赤木俊夫さんは、最期の声を振り絞って、刑事罰、懲戒処分を受けるべきは「佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部、担当窓口の杉田補佐」と告発をしています。
 続く雅子さんの陳述は、俊夫さんを失った後の経緯を淡々と、しかし肝心なところは明確に強調され、「事実を公的な場所で説明したかった」俊夫さんの遺志を継ぐ、と静かに語っていました。聡明な方なのだなと思います。
「決裁文書を書き換えることは犯罪です。」こんなことを裁判所で国に向かって言わなければならない日本って一体なんなのか。逃げ切ろうとする安倍首相、安倍昭恵夫人、職場の上司、本省理財局の幹部に対し、全てをありのままに話してほしい、真実が知りたいと訴えました。
 そして、最後に裁判所に対して「公正な判決を下してください。」とお願いされました。
日本の司法は、この言葉を受け止めるか。8割以上の国民は再調査を望んでいるぞ。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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森友学園問題訴訟第1回口頭弁論 真相究明求め赤木氏の遺族が訴え
転載元)
 財務省が大阪府豊中市の国有地を実質無償で譲渡していた「森友学園問題」をめぐり、一昨年に自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫氏の妻・雅子氏が、国と佐川宣寿・元財務省理財局長に損害賠償を求めて起こした訴訟の第1回口頭弁論が15日、大阪地裁(中尾彰裁判長)でおこなわれた。真相究明を求める遺族の訴えに対し、国と佐川氏側は請求棄却を求めて争う姿勢を示している
(中略)

 今年3月、遺族によって公開された赤木氏の手記(2018年3月作成)には、「本件事案(森友学園への国有地売却問題)に関する真実」として、「財務局が現場として対応中の個別の事案は、動きがあった都度、本省と情報共有するために報告するのが通常のルール」であり、売却にかかわる応接記録などすべての資料は近畿財務局から本省に提出されており、手続きは財務省本省の主導でおこなわれたことを暴露している
(中略)

 そして、虚偽答弁の矛盾が明らかになるにつれて、局内で違和感が強まったものの「近畿財務局の幹部をはじめ、誰一人として本省に対して、事実に反するなどと反論(異論)を示すこともしないし、それができないのが本省と地方(現場)である財務局との関係であり、キャリア制度を中心とした組織体制そのもの(実態)」であるとし、「財務省理財局(国有財産担当部門)には、組織としてのコンプライアンスが機能する責任ある体制」はなかったことを指摘している。

 最終的に佐川氏から「野党に資料を示した際、学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正」するよう指示が出て決裁文書の調書の差し替え(改ざん)がおこなわれた。抵抗した赤木氏もこれに従わざるを得ず、「本省杉田補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えをおこなった」「大阪地検特捜部もこの事実関係をすべて知っています」とのべている。

 すべて本省の指示でありながら「最後は逃げて、近畿財務局の責任とする」という筋書きで処理しようとする財務省本省への憤りとともに、「刑事罰、懲戒処分を受けるべき」は「佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長ほか幹部、担当窓口の杉田補佐であることを告発したうえで、「この事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか」というみずからの苦悶とともに、家族への別れの言葉を記している。
(中略)

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森友改ざんで夫を殺された赤木雅子さんの裁判が始まった 〜 赤木俊夫さんの誠実な仕事が見える「すり切れた国家公務員倫理カード」

 15日、大阪地裁で公文書「改ざん」を強要された近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻、赤木雅子さんの裁判が始まりました。国と佐川理財局長を相手に改ざんの真相解明を求めます。長い戦いになりますが、俊夫さんの写真を抱いて法廷に入られたそうです。このことを伝える2つの記事の印象的だったところを取り上げました。
 一つは、夫を失った後、雅子さんに対して高圧的だった近畿財務局の男たち、近畿財務局に紹介された男性弁護士、そしてマスコミの男たちから「嫉妬深い男の社会」が見えたと話されていることです。人間らしさを失い、保身と野心で弱い立場の人を踏みつけて「異例の出世」を果たしていく社会の男たちを、雅子さんはそのように感じ取られていました。
 もう一つは、裁判の証拠に提出されたと言う俊夫さんの持っていた「国家公務員倫理カード」です。そこに書かれた言葉を誠実に守り行動していた俊夫さんであるがゆえに、改ざんを押し付けられた苦しみも堪え難いものだったことが想像されます。

・国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正に職務を執行していますか?
・職務や地位を私的利益のために用いていませんか?
・国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?

俊夫さんはそのカードを肌身離さず持ち、すり切れてしまうほどだったそうです。元記事でここを読んだ時、胸が詰まるようでした。カードの言葉など意に介さぬ者が無謀な権力で人を殺す。
赤木俊夫さんを守れなかった私達ですが、赤木雅子さんの勇敢な戦いは応援したい。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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「嫉妬深い男の社会は息苦しい」赤木雅子さんが、産休中の「ニュース23」小川彩佳キャスターの取材を受けたワケ
(前略)
夫が亡くなって最初に来たのが、近畿財務局の人たちですよ。全員男性です。彼らがよってたかって、私が夫の遺した手記を公表しないように、マスコミを近づけないようにしました。それはなぜかというと、自分たちの保身、上司に言われているからですよね。

そして弁護士さんも、前は近畿財務局の人に紹介された方で男性でした。この人も今になってみると、財務省・財務局の意向に沿うようにしていたんじゃないかなあと感じます。

 それにマスコミの人たちもほとんど男の人ですよね。夫が亡くなった時、私がいた実家の周りをマスコミの人たちが取り囲んで、カメラを向けたり話を聞こうとしたりするのが、本当に怖かったんです」
(中略)
 赤木俊夫さんが「いちばんの親友」と信じていた同期の男性職員も、雅子さんの意に反して麻生財務大臣の墓参の話をつぶし、その後出世した。出世したいばかりに古い友人も裏切る。そういうことを指して赤木雅子さんは「嫉妬深い男の社会」と書いたのだ。
(以下略)
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「堂々と裁判に臨みたいと思います」赤木雅子さんの法廷闘争が始まった 安倍首相、麻生大臣 私は真実が知りたいです
引用元)
(前略)
「今の心境

 夫が改ざんをしてから3年余りの間。夫を亡くす地獄のように苦しい日々を経験しました。でも今はたくさんの人に出会い応援していただき、そして助けていただき私はとても強くなりました。今日がスタートです。堂々と裁判に臨みたいと思います
(中略)
このカード、裁判で証拠に出しましょう」

 それは国家公務員倫理カード
。亡き俊夫さんが常にスケジュール帳に挟んでいた。内容を見て雅子さんはドンと胸を突かれる思いだった。

・国民全体の奉仕者であることを自覚し、公正に職務を執行していますか?
・職務や地位を私的利益のために用いていませんか?
・国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?

「だって、みんながこの通りにしていたら、夫は改ざんなんかしていないし、死ぬこともなかったはずじゃないですか」
 カードがすり切れるほど肌身離さず、その言葉通り行動していた俊夫さんが改ざんを押しつけられ命を絶った。その不条理に胸が詰まった
(以下略)
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