(前略)
2019年9月にプレサービスが始まり、
2020年春からは商用サービスが開始される5G。(中略)… 5Gとは「第5世代移動通信システム」のことで、現在、スマートフォン(以下、スマホ)などに使われている4G(第四世代)よりも周波数の高い電磁放射線(3・7GHz〈ギガヘルツ〉帯、4・5GHz帯、28GHz帯)を使い、「超高速・大容量」「超低遅延」「多数同時接続」を実現させようとするものです。
その特徴は、次のように宣伝されています。
通信速度は4Gの100倍。データ容量は4Gの1000倍で、2時間の動画が3秒でダウンロードできる。通信のタイムラグが1㍉秒(1000分の1秒)以下という超低遅延のため、自動車の自動運転、ロボットの遠隔制御、遠隔診断・手術にも応用できる。
また、1平方㌔㍍あたり100万台の機器を「多数同時接続」できるため、
身の回りのあらゆる家電・機器・商品がアンテナとマイクロチップを含んでインターネットにつながるIoT (Internet of Things =モノのインターネット)化が進むとされています。
(中略)
5Gの導入で問題とされているのが、「ミリ波」です。「ミリ波」とは、波長が1㍉㍍~10㍉㍍の電磁放射線をさします。
(中略)… 強い直進性があり、非常に大きな情報量を送ることができる反面、大気中の酸素や水蒸気による吸収を受けるため、
近距離通信にしか利用できないというものです。
そのため、ミリ波を使うには
約100㍍おきに基地局が必要となります。
また、5Gでは超高速の通信を複数のユーザーに向けて「多数同時接続」を行うため、ビームフォーミング(指向性のある電磁放射線を作り出すこと)という新たな通信技術が使われます。ビームフォーミングを行うためには超多素子アンテナのmassive MIMO (マッシブ・マイモ)を使います。 MIMOとは二つ以上の送信機と受信機を使用して一度に多くのデータを送受信する無線システムのこと。 massive MIMOでは、100本以上のアンテナを組み込んで通信を行う見込みです。私たちは至近距離から指向性のある強い電磁放射線を浴びる危険性があるということです。
(中略)
政府は、先の「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」の中で、
全国で設置されている約20万8000基の信号機を5Gの基地局として活用できるようにすることを盛り込んでいます。
(中略)… 全ての信号機に5G基地局を設置し、
2025年度に全国展開の完了を目指すとしています。
東京都でも、この5Gを早期に普及させようと、2019年8月29日、小池百合子都知事が「TOKYO Data Highway 基本戦略(Version.1)~UPDATE TOKYO~」を発表しました。これは、
都有施設を携帯電話事業者に開放し、手続きを簡素化して、
5G基地局の整備を後押ししようというものです。
開放される施設は、
建物(東京ビッグサイト・国際フォーラム)、
都道(約2200㌔㍍)、
橋梁(約1200橋)、
公園(約2000㌶)、
バス停(都営バス停のうち、上屋付きで電気設備を有する分 約400カ所)、
地下鉄出入口(都営地下鉄 106駅)、
信号(都全域 約1万6000基)、
地下道や地下街(新宿駅周辺、東京駅周辺、汐留等)、
街灯(都道 約17万本)、
電柱(都道・区市町村道約69万本)。
これらに約100㍍おきに5G基地局が取り付けられるのです。
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第54楽章は、ドイツで活躍する若い人たち・・です。