アメリカの好戦派は東アジアから東南アジアにかけての地域で中国を軍事的に包囲する態勢を作りつつある。「東アジア版NATO」のようなもので、安倍晋三政権が強引に成立させた「安全保障関連法案」、いわゆる戦争法案も深く関係しているだろう。その枢軸として想定されているのが日本、フィリピン、ベトナムの3カ国で、そこに韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。
ブレジンスキーはロシアを支配するためにはウクライナを支配しなければならないと主張していたが、ネオコン/シオニストはその戦略を引き継いだようで、昨年2月にキエフでクーデターを成功させ、民主的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追放した。その手先として使われたのがネオ・ナチ。
ネオコンの中核グループに属しているポール・ウォルフォウィッツは1991年にイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。アメリカが世界を制覇することを目的としたウォルフォウィッツ・ドクトリンが作成されたのは、その翌年。2001年の終わりにアメリカの国防長官周辺で作成された攻撃予定国のリストに載っていたのはイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダン。
これまでアメリカは予定通りに体制を破壊してきた。この軍事侵略も日本のマスコミや「護憲政党」は支持してきた。
そうした流れが9月28日に変わったとする指摘がある。この日、バラク・オバマ米大統領は強者が弱者を支配する
世界秩序を宣言したのに対し、
ウラジミル・プーチン露大統領はそうしたアメリカの姿勢を辛辣に批判、その後、ふたりは会談している。この会談は9月19日にアメリカ側から持ちかけられたものだという。捨て駒にすぎない安倍と会う時間を作る余裕はオバマになかったのだろう。
会談後、ウクライナとシリアの情勢が劇的に変化、ウクライナではネオコンの
ビクトリア・ヌランド国務次官補がクーデターの前に行っていた次期政権の閣僚人事に関する会話で高く評価され、実際に首相を務めることになった
アルセニー・ヤツェニュクが解任される可能性が出て来た。またウクライナ東部のドンバス(ドネツクやルガンスク/ナバロシエ)
で戦争犯罪を犯したとキエフ側が認めたとも伝えられている。また、シリアで
ロシア軍がIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISISやダーイシュとも表記)
を空爆したのはプーチンとオバマが会談した1日半後のことだ。
この空爆をアメリカの好戦派やその影響下にあるメディアが激しく批判しているが、
アメリカの支配層内で大きな変化が起こっている可能性は高い。
また、アメリカ空軍参謀次長のロバート・オットー中将はロシア軍がアメリカに支援された部隊を攻撃した事実はないと発言、
マイケル・フリン元DIA局長はシリアにおける反乱の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとする報告を確認、ISの勢力範囲を広げたのはアメリカ政府の判断に基づくと説明している。軍の情報部門からこうした西側のプロパガンダに反する証言が出てくることも興味深い。
中東やウクライナでネオコンのプランが崩壊する可能性が出て来たわけだが、
彼らがこのまま引き下がるとは思えない。ロシアで「報復テロ」を実行するという見方もあるが、東アジアで火をつけることも考えられる。すでに新疆ウイグル自治区にアル・カイダ系の武装勢力は入り込んでいるようで、
最近、中国国内で爆発が続いていることも無視はできない。そうした中、安倍晋三政権が戦争法案を強行成立させた意味は日本人にとって重い。
“続きはこちらから”以降では、これは合意ではなく、各国が署名する前に“フルテキストのWEB公開が義務付けられた”ので、果たして合意に持ち込めるのかという書き方になっています。
安倍政権の強引な安保法案の強行採決を見ると、テキストが公開された後に、猛烈な反対運動が起きても、無理やり締結しそうな気がします。アメリカとしては、日本がターゲットなので、最悪のケース、数か国で合意出来れば良いと考えているかも知れません。
TPPが何らかの形で締結されると、日本経済は完全に崩壊します。このことは天瀬妃美花さんの予言でも語られているので、結果的には日本の資産は、1%のエリートに寄生虫のように吸い尽くされるということでしょう。
仮にTPPが不完全な形にせよ締結されても、いずれ破綻するはずです。アメリカ、日本の崩壊と共に破綻するのでしょうか。これほどひどい目にあって初めて、日本でも南アメリカやギリシャのように、ようやく左派政権が誕生するのかも知れません。国民が愚かなので、まあ、仕方がないですね。