ユダヤ問題のポイント ― 特殊稿11 ― カバラ(3)

 エッセネ派がカバラの源流となっていたのですが、エッセネ派は古代メソポタミアの「神殿娼婦」の制度を取り入れていました。エッセネ派に所属していたマグダラのマリアが「神殿娼婦」であったのを示す表現は、関係文書に散見されます。
 エッセネ派はユダヤ密教に分類されますが、密教世界では「神殿娼婦」は「処女」と呼称されていました。イエスはエッセネ派に所属していたのですが、彼の「聖母マリアの処女懐胎」による誕生の意味がここにあります。
 また、「神殿娼婦」制度を取っていたエッセネ派の組織形態が共産主義、そしてフリーメイソン組織の原型でもありました。エッセネ派は「自身の共同体を新しい神殿とみなしていた」(ウィキペディア)ようで、メシア、つまりユダヤ王を輩出することを目的にしていたと見られます。
 そしてそのための技法が錬金術であり、基本的にはこれがカバラとなっているのです。カバラ研究者の間では明らかにユダヤ王=世界王でしょう。実践的な意味のカバラの研究とは錬金術の研究であり、それは具体的にはこの物質世界での世界王を輩出する研究でもありましょう。
 カバラが雑多な「ごった煮」となっている背景には、世界王を輩出する目的があるでしょう。つまり、人民を支配統制するための様々な技法を取り入れ、研究しているということです。この意味のカバラ研究は現在まで組織的・大掛かりに行われており、それが現代社会を形成させているとも言えそうなのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント ― 特殊稿11 ― カバラ(3)


女性を共有物とする制度 〜共産主義の原型でもあったエッセネ派


カバラの源流はイエスなどが所属していた原始エルサレム教会(クムラン宗団)でした。原始エルサレム教会の中心教義は口伝で伝えられていて、それがカバラの重要聖典(「形成の書」「清明の書」「光輝の書(ゾハル)」)の一つ「形成の書」として3〜6世紀に書物としてまとめられているのです。

原始エルサレム教会はエッセネ派に所属していたのですが、ウィキペディアの「エッセネ派」記事にはその特徴の概要として以下のものも示されていました。

「▪彼らの間では結婚は軽視すべき事柄
 ▪他人の子をまだ素直で教えやすい内に引き取り、親族の者と見なして自分たちの習慣で彼らを型にはめる
 ▪結婚やそれによる後継者作りを非難しないが、女たちの奔放な性から我が身を護ろうとする。
 ▪女というものは決して一人の男に操を捧げるものではないと信じている。
 ▪富を軽蔑し、財産は共有制
 ▪自分たちの所有物を宗団のために全員のものにする規定があり、彼らの間のどこにも貧困ゆえの屈辱も、傑出した富者もなく、各人の所有物は一緒にされ、全てが兄弟たちの共有財産となる。」

上記を見ると、エッセネ派は共産社会を形成していたことが分かります。普通私達一般は、「共産主義」とはマルクスによって19世紀に創出されたと植え込まれていますが、その共産主義の原型は少なくともエッセネ派まで遡ることが分かります。

そして注目するのは財産の共有もありますが、エッセネ派の女性観とその扱い方です。どうやらエッセネ派では、財産と同様に女性も所属会員の“共有物”として取り扱っていたであろうことが窺えます。

このエッセネ派、そしてそこに所属する原始エルサレム教会の組織の型は、共産主義だけでなくフリーメイソンの組織の原型ともなっています。エルサレム教会の「秘密文書」を発掘したテンプル騎士団はエッセネ派と同様の組織形態となっていて、そのテンプル騎士団がフリーメイソンに繋がっているからです。


違う言い方では、“女性を共有物”とする型は特殊稿3で見たように「神殿娼婦」の制度となっていたのです。それによって行われるのは「聖婚」の儀礼で、古代メソポタミアのイシュタル神殿を源流とするものでした。そして、イシュタル神殿でのそれは黒魔術の悪魔儀式でもありました。

それに対してエッセネ派では悪魔崇拝の部分は削ぎ落としていたでしょう。しかし“女性を共有物”とした「神殿娼婦」の制度、「聖婚儀礼」は古代メソポタミアから受け継いでいたのです。「聖婚儀礼」が「性錬金術」ともなっていたのです。

錬金術の根本 〜野心を土台にした術は黒魔術に


「聖婚儀礼」はメシア=キリスト(油塗られたもの)を生み出す儀式でしたが、神殿娼婦と交わることでグノーシス(霊知)を受けることができるとされていたのです。「聖婚儀礼」は心身そして意識の変容を生みだす「性錬金術」でもあったのです。

太陽と月の結婚(1578年)
Wikimedia Commons [Public Domain]

これがエッセネ派に、つまりカバラとして受け継がれていたのです。エッセネ派のエルサレム教会の教えがカバラになっているのです。

当時エッセネ派の本部があったエジプトのアレクサンドリアは「錬金術の街」と呼称されていた模様です。カバラは「ユダヤ・カバラ、クリスチャン・カバラ、ヘルメス・カバラに分かれる」とありました。しかしヘルメス・カバラは、分流となったカバラというよりはカバラ共通の基底部にあるものと見るのが正確でしょう。カバラの本質は錬金術であり、ヘルメスが錬金術の元祖とされるからです。

映像配信「教育プログラム(15)」では、ヘルメスとその錬金術の実態が示されています。ヘルメスを祖とする錬金術、性錬金術の根本にあるのは「性エネルギー・生命エネルギーを奪う」ということです。それで幼女に対する強姦や殺人、食肉という悪魔崇拝の黒魔術の方向に錬金術は向かう場合が多いのです。もともと性錬金術と結びつく「聖婚儀礼」の本質がそうだったからです。この黒魔術の性錬金術の実際の歴史事実の凄まじさは「教育プログラム(16)」で示されています。

カバラの源流となっているエッセネ派の性錬金術では、黒魔術の部分は取り除かれており白魔術に分類されるでしょう。そしてその性錬金術の男性マスターが洗礼者ヨハネで、パートナーの女性マスターがマグダラのマリアだったわけです。

さてところが、この性錬金術の目的は自身の進化段階を上げて超人に、いわば神のような存在になることであり、これは物質世界と霊的世界の両方における支配権を獲得するということでしょう。つまりエルサレム教会の性錬金術は白魔術に分類されますが、愛ではなく野心を成就するのに性錬金術を利用し、女性をそのための道具にするということでしょう。

“野心”を成就するための「性錬金術」は“愛”の方向とは真逆

この性向、エッセネ派のエルサレム教会の性錬金術が黒魔術を取り除いていたとしても、この性錬金術の方向性は非常に容易に悪魔崇拝の黒魔術と結びつくということです。カバラ自体は白魔術でも黒魔術とも固定はできないと指摘していました。これは裏返していうとカバラは白魔術にも黒魔術にもなるということです。

事実としてはカバラはほとんどが野望成就のため、つまり黒魔術として組織的に研究されてきたのです。


マインドコントロールは錬金術になる 〜現代的カバラ研究


ユダヤ密教のカバラの思想には、ユダヤ顕教のモーセの十戒等は「万人に」開かれているが、カバラは「選ばれし者のみ」に開かれるというものがあったはずです。カバラは「神の啓示を受けた者」とか「霊的に熟達した者」に開かれるというもので、この選民意識は仏教的表現によくあるのですが、「自分たちは善悪を超越していていて、世間的な倫理の枠にない」とのものです。

カバリスト=悪魔崇拝ではないですが、カバリストの中で幼女姦や殺人をする彼らの裏の心理は、「これが実行できるのは自分たちは選ばれし者である証明」であり、大意としては、その行為は善であるとの感覚が強くありそうです。この意味でも錬金術は悪魔崇拝と容易に結びつきます。カバラの根底は錬金術であり錬金術の本質は性錬金術です。

ただし、錬金術は性錬金術だけにはとどまらないでしょう。エッセネ派のエルサレム教会などで実践された性錬金術の目的は、メシア(ユダヤ王)を生みだすことであり、それは超人に、いわば神のような存在になることです。具体的にはこの物質世界では世界王となるのがその目的になるでしょう。


私見ですが、ユダヤ王・世界王の面を注視すると発掘されたエルサレム教会の秘密文書の中には「人心掌握、人心コントロール」術の文書もあったように思えます。人民を支配する王には必要な術だからです。人心コントロール術によって、王にとっては鉛のような役に立たない民衆を、自身に富と権力等を無尽に捧げる黄金の存在に変化させられるからです。

金属の鉛は黄金に変化させられないですが、民衆は鉛から金に変えられるので、これもれっきとした錬金術になるでしょう。そしてカバラ研究としては、この分野の研究が現在にまで盛んに続けられてきたと見えます。

特に麻薬などドラッグは、自身の心身と意識の変容も含めて民衆のマインドコントロールのためにも徹底的に研究されたでしょう。これが現代の巨大製薬会社になっており、またこういったマインドコントロールを中心にしたカバラ研究の総本山となっているのがタビストック人間関係研究所などです。


ジョン・コールマン博士の告発によって同研究所が、マインドコントロールの一つの手段として、黒ミサからビートルズのロックを生み出して世界中にばらいたことなどが明かされています。

また「カバラ教は2005年初頭までにシャーリー・マクレーン、マドンナ、デミ・ムーアなどが先導役となって全米に広まっている」(『新版300人委員会 上巻』)とします。

時事ブログ10月4日記事指向性エネルギー兵器の恐ろしさを指摘し、「5Gが人類の奴隷支配の決定打となり得る」とする記事を竹下さんが出されていました。これなどはカバラ研究の最前線の産物であり黒魔術の最たるものだと私には感じます。


Writer

seiryuu様プロフィール

seiryuu

・兵庫県出身在住
・いちおう浄土真宗の住職
・体癖はたぶん7-2。(自分の体癖判定が最も難しかった。)
・基本、暇人。(したくないことはしない。)
・特徴、酒飲み。アルコールには強い。
・歯が32本全て生えそろっている(親不知全て)原始人並み。

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