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イランを中核とする「抵抗の枢軸」がイスラエルの挑発に乗らず、冷静な対応をすればイスラエルは自滅する / “親イスラエル国に対する石油禁輸措置”となる可能性

竹下雅敏氏からの情報です。
 4月1日にイスラエル空軍がシリアの首都ダマスカスにあるイラン総領事館を攻撃した事件で、第三次世界大戦になるのではないかとする見方に対し、動画の中でマックス・フォン・シュラー氏は「イラン人そんなにバカじゃない(1分48秒)」と言い、石田和靖氏も8分18秒のところで、“僕がね、考える1つのシナリオは、イランは数年前と違って、今国際社会の仲間入り果たしたじゃないですか。昨年の3月のサウジアラビアとの国交正常化から、イランがアラブ諸国と繋がって、アラブ諸国21カ国アラブ連盟と全部こうやって中東から北アフリカまで横で繋がったわけですよ。それを支援しているのは中国とロシアでしょう。そのあたりの対アメリカ包囲網っていう形の国際社会の仲間入りをしたので、やっぱり報復するとは言ってもね、イランが単独でイスラエルを攻撃するっていう事は、今の国際社会の足並み考えるとね、イランはそこまで馬鹿じゃないなと思うんですよね”と言っています。
 私は昨日の記事で、“アメリカもイスラエルもイランからの報復攻撃を待ち望んでいるのです。第三次世界大戦を引き起こすには、イランに最初の一撃を行わせる必要があります”とコメントしたのですが、中央情報局(CIA) に28年間勤務した退役軍人で、ジョージタウン大学安全保障研究センターの非常勤上級研究員でもあるポール・R・ピラー氏の記事『イスラエルは米国をイランとの戦争に引きずり込もうとしているのか?』が4月5日に出ていたことに気付きました。
 この記事の中でポール・R・ピラー氏は、“この攻撃は、イスラエルが宣言した「ハマス殲滅」という目標に手が届かず、ガザでの行動によってイスラエルが世界的に孤立していることは否定できず、習慣的に自動的に行われてきた米国の後ろ盾さえも明らかに軟化している状況から、イスラエルを脱出させる努力の一環だった。ネタニヤフ首相個人にとって、戦争をエスカレートさせ拡大することは、それが無期限に継続することを意味する限り、政治的、法的困難を回避するための唯一の明白な希望でもある”と記しています。
 “続きはこちらから”の記事とツイートをご覧ください。ヒズボラのハッサン・ナスラッラー事務総長は、「ネタニヤフ首相とその連立政権は戦争を止める以外に選択肢はない」と述べ、「これは抵抗の枢軸が勝利を治める戦いである」と断言しています。
 要するに、イランを中核とする「抵抗の枢軸」がイスラエルの挑発に乗らず、冷静な対応をすればイスラエルは自滅するのです。
 また、ナスラッラー氏は「イラン領事館爆破事件に対するイランの対応は間違いなく行われる。」「ネタニヤフ首相が総領事館で犯した失態は、パレスチナ抵抗勢力を救済するための扉を開くことになるだろう。」と言っています。
 5日にスイスで開かれた国連の人権理事会では、パレスチナ自治区、ガザ地区で続く戦闘をめぐり、即時停戦することや、イスラエルに対する武器の売却を停止するよう求める決議案について採決が行われ、“採決では28か国が賛成し決議は採択されましたが、イスラエルに武器を輸出しているアメリカを含む6か国は反対、日本は棄権”しました。
 1973年10月の第四次中東戦争では、アラブ石油輸出国機構(OAPEC)の親イスラエル国に対する石油禁輸措置と、それに伴う石油輸出国機構(OPEC)の石油価格引き上げは、第1次オイルショック(第1次石油危機)を引き起こしました。
 「イラン領事館爆破事件に対するイランの対応」がこのときと同様に、“親イスラエル国に対する石油禁輸措置”となる可能性は見ておく必要があるでしょう。そうなった時、日本政府はパニックになると思うのですが、今の岸田政権は裏金問題をいかに乗り切るかしか考えていないように思えます。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【中東危機】世界が恐れる”イランの報復”第三次世界大戦と聖書エゼキエル38章の足音(マックス×石田和靖)
配信元)
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イラン人歌手がパレスチナ人のために作った3 か国語のミュージックビデオ「良き日々はすぐそこに」【動画あり】
転載元)
イラン人歌手エフサーン・ヤースィーン氏
画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え

イラン人歌手エフサーン・ヤースィーン氏が、3か国語を用いたミュージックビデオで、パレスチナ国民への同情を示しました。

あるテレビ番組で歌声を披露したことで有名になったヤースィーン氏はこのほど、パレスチナの人々を擁護する、「ハビーベ・ガルビー」というタイトルの曲を、ペルシャ語、アラビア語、英語の3か国語を用いたミュージックビデオで公開しました。

ヤースィーン氏は歌詞の中で、パレスチナの人々の痛みは言葉では表現できない、としています。

さらに、占領者たるシオニスト政権イスラエルがパレスチナの人々に投下する爆弾を雨に喩えながら、彼らの抵抗はこの歴史ある地域に住む人々の信仰心がもとになっていると歌っています。

そして、パレスチナの人々との連帯を示すとともに、良き日々と明るい未来の到来という吉報が間もなくもたらされるとしています。



この曲の歌詞は以下の通りです:

どのような言葉でも、あなたの痛みは言い表せない

だが、あなたは再び立ち上がるだろう

ああ、あなたを私の心に隠すことができたのなら

爆弾が雨のように降りかかる時も

あなたが力を失わないのを、私は知っている

それは、あなたが信仰をずっと持ち続けているから 

神はいつでも全てを見ている、だから

神はいつでもあなたの力となるだろう

私の大事な、大事な人

あなたは1人ではない

私たちはあなたの傍に寄り添う

私の大事な、大事な人

私たちはともに朝日を見るだろう

良き日々は、すぐそこにある

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イランを挑発し、その報復攻撃を待ち望んでいるアメリカとイスラエル ~イランとイスラエルの戦争の可能性は低く、おそらく起こらない

竹下雅敏氏からの情報です。
 4月1日にイスラエル空軍がシリアの首都ダマスカスにあるイラン総領事館を攻撃し、シリアで軍事顧問を務めていたイラン革命防衛隊のモハマド・レザ・ザヘディ准将を含む7人の軍事顧問が死亡した事件で、イランの最高指導者ハーメネイー師は、“彼らがシリアでやったような必死の努力は当然、平手打ちを受ける”と演説し、冒頭のツイートでは「イスラエルを処罰するよう国軍に命令した。」とあります。
 ホワイトハウス国家安全保障広報担当補佐官のジョン・カービーは、“イランとイスラエルの状況が本格的な戦争に発展する可能性を懸念している”と述べています。
 ベイルート市に本拠を置くイラン系レバノンの汎アラブ主義衛星ニューステレビチャンネルのアル・マヤディーンは『米国、米国とイスラエルの資産に対するイランによる「避けられない」攻撃を予想:CNN』で、“米国が収集した情報によると、イランはシャヘド徘徊ドローンと巡航ミサイルを組み合わせた報復攻撃を計画している可能性がある。CNNがバイデン政権高官の話を引用して報じたところによると、米国は現在、厳戒態勢にあり、イランが来週中に行う可能性のある「重大な」攻撃に備えて積極的に準備している”と報じています。
 こうした状況でアジア記者クラブ(APC)さんのツイートによれば、「米国とイランは合意に達した。イランは米国に対し、米国の施設を標的にしないと保証し、米国はイランがイスラエルに報復しても関与しないと表明した」というのですが、どう見てもアメリカによる罠としか思えません。
 アメリカもイスラエルもイランからの報復攻撃を待ち望んでいるのです。第三次世界大戦を引き起こすには、イランに最初の一撃を行わせる必要があります。そのために執拗にガザを攻撃しイランを挑発してきたのです。
 この件に関して、「イランが最も望んでいないのは、イランとの直接紛争だ。私はイランがイラン本土からミサイルを発射するだろうかと真剣に疑っている。彼らは代理人を使用しているため、攻撃はレバノン、イエメン、シリアから行われる可能性が高い」「偽旗作戦の匂いがかなり強い。しかし、CIA は ISIS 派遣部隊を時間通りにイスラエルに送り込むことができるだろうか?」という優れたツイートがありました。
 私はイランとイスラエルの戦争の可能性は低く、おそらく起こらないと思っています。イランはアメリカやイスラエルよりもずっと賢明な国だと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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4月5日はイスラエルに対する自由なる諸国民の雄たけびの日;イラン最高指導者の演説の抜粋
転載元)
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師
画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え
(中略)
ハーメネイー師は、「ガザという重要な問題が国際世論の優先事項から外れることを許してはならない」と強調し、「大量虐殺や大量殺人、女性や子供、医療患者や病院への攻撃といったシオニスト政権の犯罪は最近の歴史上例がない」とし、次のように付け加えました。

 「この犯罪が極めて甚大であることから、西洋文化圏や欧米諸国で教育された人々でさえも抗議の声を上げている」

また、これまで半年間にわたる戦争をある意味で総括し、イスラエルが2つの側面で失敗したとの見解を示すとともに、次のように述べました。

 「彼らの最初の失敗は昨年10月7日、即ちアクサーの嵐作戦の開始日であった。これにより情報・軍事面での自らの優位性を主張するシオニスト政権は限られた便宜しか持たない抵抗組織により情報面での大規模な敗北を喫した。シオニスト政権のこの敗北と屈辱はこれまで補填されておらず、また今後も埋め合わせられることはないだろう」

また、「シオニストの二つ目の失敗はガザ攻撃で発表された目標を達成しえなかったことだ」とし、シオニストが国連決議案への拒否権や最近の決議案を法的拘束力なしとする完全な虚偽を含め、アメリカの全面的な軍事・財政・政治的支援を享受していることを指摘し、次のように述べました。

 「これだけの支援を受けておきながら、シオニストは宣言した目標を何一つ達成できなかった」
(中略)
さらに、「無辜の女性や子供に刃を剥けることや殺戮は、抵抗軍戦士の前でのシオニストの無力さによるものだ」とし、次のように指摘しました。

 「シオニストは今後も確実に敗北し続けるだろう。また、彼らがシリアでやったような必死の努力は当然、平手打ちを受けるとともに、彼らの問題を解決することはない」

加えて、「自ら引っかかった罠からシオニストを救済する可能性はない」とし、次のように語りました。

 「シオニスト政権は日々弱体化し、崩壊と破壊に近づいていくだろう。我々は、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムがイスラム教徒の手に渡り、イスラム教徒がそこで祈り、イスラム世界がシオニスト簒奪政権イスラエルの崩壊を祝う日が来ることを切望している」
(以下略)
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配信元)


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イスラエル軍がシリアのイラン大使館を空爆、イスラム革命防衛隊の准将ほか、7人の軍事顧問が死亡 〜 国際社会では完全に孤立し、中東での紛争拡大が思うように進まず、焦っているイスラエル

竹下雅敏氏からの情報です。
 シリアの首都ダマスカスのイラン大使館がイスラエル軍の空爆を受け、イスラム革命防衛隊(IRGC)のモハマド・レザ・ザヘディ准将を含め、7人の軍事顧問が死亡したとのことです。
 ANNニュースによれば、「ニューヨークタイムズはイスラエル当局者4人が匿名を条件に取材に応じ、イスラエルが攻撃したことを認めたと報じています。」とのことです。
 ShortShort Newsさんの動画でロイターは、「イスラエルは長年、シリア国内のイランの軍事施設や代理勢力を標的にした攻撃を繰り返してきた。だがイラン大使館の施設そのものが攻撃を受けたのは、今回が始めて。」と報じています。
 ロシア国営のタス通信は、「我々は、イスラエルのこのような攻撃的な行動は絶対に容認できず、止めなければならないという事実から話を進める。我々は、国際社会のすべての責任あるメンバーが、これらの行動に対して明確な立場と適切な法的評価を与えることが必要であると考えている。」とのロシア外務省の声明を報じています。
 イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相は、「(イスラエルの)ネタニヤフ首相は、パレスチナ・ガザ地区での敗北により自ら精神的なバランスを喪失した」と語っています。 
 イスラエルは国際社会で完全に孤立しており、中東での紛争の拡大が思うように進まないために焦っているようです。イスラエルにしてみれば、ガザ攻撃はもちろん、様々な挑発を行ってイランからの報復攻撃を待っているわけですが、イランが決して乗ってこないので、ついにシリアのイラン大使館まで攻撃したということでしょう。
 冷静に対処するだけで、イスラエルは自滅するところまで追い詰められていると言えそうです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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イスラエル、イラン軍最高司令官を殺害
転載元)

革命防衛隊のモハマド・レザ・ザヘディ准将がダマスカスの空爆で死亡した。

イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)のモハマド・レザ・ザヘディ准将が、シリアのダマスカスに対するイスラエルの空爆で死亡した。

シリア・アラブ通信(SANA)によると、月曜日の攻撃ではダマスカスのイラン大使館に隣接する建物が破壊され、少なくとも6人が死亡した。イランのメディアは、この建物がイラン領事館と大使公邸であると伝えた。イランのタスニム通信は、死者の中に革命防衛隊コッズ部隊の上級司令官ザヘディ氏も含まれていることを確認した。彼の副官も殺害されたと伝えられている。

ダマスカスにいるロイターの特派員によれば、「イスラエルとイランおよびその同盟国を対立させる中東紛争の驚くべき明白なエスカレーション」と表現されるように、領事館は「平らにされた」という。


イスラエルはこの空爆についてコメントしていない。西エルサレムは、ダマスカスが主権侵害として繰り返し非難しているシリアに対する空爆をほとんど認めていない。

イランのメディアによると、イランのホセイン・アミール=アブドラヒアン外相はシリア側との電話会談で、領事館への攻撃は「すべての国際条約に違反する」と述べた。また、テヘランはイスラエルの責任を追及すると付け加えた。ロイター通信によると、イランの駐シリア大使は、「厳しい」対応になると述べた。

コッズ部隊は革命防衛隊の軍事情報・非通常作戦部門である。ザヘディ氏はシリアとレバノンでの作戦を担当していたとされる。最も有名な司令官であるカセム・ソレイマニ将軍は、2020年1月、イラクのバグダッドを訪問中にアメリカの無人偵察機によって暗殺された。

もう一人のコッズ部隊司令官、ラジ・ムサビ将軍も昨年12月にダマスカスで殺害されたが、これもイスラエルの空爆によるもので、公式には認められていない。


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実質アメリカのイランへの宣戦布告とも言えるような空爆 ~これはEUがウクライナに対する500億ユーロ(約8兆円)の追加支援に合意したタイミングであり、ゼレンスキー大統領がザルジニー将軍を解任したタイミングでもあった

竹下雅敏氏からの情報です。
 アメリカは1月28日に、ヨルダンとシリアの国境付近にある米軍基地でドローン(無人機)による攻撃があり、米兵3人が殺害され、数十人がけがを負ったと発表していました。
 イランは攻撃への関与を否定していますが、アメリカ中央軍は現地時間の2月2日夜(日本時間3日朝)、イラクとシリアの領内で活動するイラン革命防衛隊の「コッズ部隊」や関係する武装組織に対し空爆を行ったと発表しました。
 石田和靖氏は動画の4分12秒~5分26秒で、“こちら2月2日の中東メディア、アルモニターのニュース記事です。…アメリカB1爆撃機は金曜日の夜、シリアとイラクの全土で、イランのイスラム革命防衛隊IRGCとイラン軍が支援する民兵組織の拠点85か所を空爆した。米軍の戦闘機はこれらの標的に125発以上の精密爆弾を投下して、それらの標的の中にヒズボラなどの指揮統制センター、諜報センター、ロケット弾ミサイル保管庫、無人航空機保管庫、軍需品サプライチェーン施設が含まれているとアメリカ中央軍は発表している。イスラム革命防衛隊の支援勢力に対するアメリカの前例のない報復となっている”と話しています。
 この報復攻撃について石田和靖氏は、“これはね、実質アメリカのイランへの宣戦布告とも言えるような、そんな感じにも見受けられる訳ですよね(7分55秒)。…このような戦争が始まると、次に何が考えられるか? 日本にとって1番重要なのはエネルギーですね。…イランが支配しているホルムズ海峡、ここが封鎖されるということは、なかなか考えにくいんですけれども…日本は本来ならエネルギー安全保障の多様化、原油輸入ルートの多様化であったり、石油以外の他の代替燃料に関するエネルギー供給の多様化であったり、そういうところを一刻も早く進めていかなければならないんですけれども…岸田政権はそれどころではないと。…裏金問題をね、どうやって封じ込めるかっていうことが、彼らの今一番の課題でしょうから、なかなかエネルギー安全保障の方まで目が回らないという、そんなちょっと悲惨な状況になってる訳です(8分27秒)”と言っています。
 “続きはこちらから”の記事でイランのニュースサイト「ParsToday」は、報復攻撃を非難しながらも冷静な態度で「この攻撃は、軍国主義や力の行使に頼り問題解決を目指すという、成果を生まない誤ったアプローチを米政府が続けていることから行われた」とするアミールアブドッラーヒヤーン外相の言葉を伝えています。今のところイランがアメリカの挑発に乗る様子は見られません。
 注目すべきは、EUが2月1日にウクライナに対する4年間で500億ユーロ(約8兆円)の追加支援に合意したタイミングで、米軍による報復攻撃が始まったことです。
 そして、Kim Dotcom氏が指摘しているように、これはゼレンスキー大統領がウクライナ軍最高司令官のヴァレリー・ザルジニー将軍を解任したタイミングでもあります。
 「彼は月曜日に解雇され、ノーと言った。ソフトクーデターが起こっている。あの将軍はウクライナの人々から85%の支持率と好感度を得ている。ゼレンスキーはこの決断のために倒れるだろう。」というツイートは参考になります。すらいと氏は「クーデター秒読み」とツイートしています。
 「キエフでは、ウラジーミル・ゼレンスキー大統領の退任に向けた準備が進められている。これはキエフの政治学者アンドレイ・ゾロタレフ氏の発言である。彼は、そのような結果は数ヶ月の問題であると考えている。」という情報もあります。
 こうした楽観的な見通しとは異なり、ビクトリア・ヌーランド国務次官がキエフを訪問し、「プーチン氏は戦場で素晴らしいサプライズをもらうだろう」と発言していることから、次のKim Dotcom氏のツイートに注意が必要です。
 「ザルジニーが解任され、CIAお気に入りのキリロ・ブダノフがウクライナ軍を引き継ぐとキエフからささやかれている。もしそれが本当なら、理由はこうだ:ウクライナの真の大統領であるビクトリア・ヌーランドは、原子力発電所を爆破できるほどクレイジーな人物を必要としており、ブダノフはその人物だ。彼女は、NATO軍が緊急にウクライナに進駐する口実を必要としている。ロシアはアメリカの代理戦争に勝利しており、ヌーランドにはもう選択肢がない。
 彼女の錯乱した頭の中では、NATOを巻き込む最善の方法は、ロシアが破壊したとされる原子力発電所の放射能雲でヨーロッパ人を傷つけることだ。プロパガンダ・メディアは、戦争中ずっとそうしてきたように、そのストーリーを売り込み、真実を隠蔽するだろう。
 もしブダノフがヌーランドの汚い計画を実行すれば、彼は次のゼレンスキーになるだろう。それが彼女の約束であり、彼の野望だ。
 ザルジニーは空白を残すだろう。ウクライナの兵士たちは燃え尽きている。西側からの援助は一時的に途絶えた。プーチンがロシアの条件でこの戦争を終わらせる窓は今だ。大々的な後押しを期待したい。」
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【中東情勢】米軍がシリアイラクを大規模攻撃開始! イランに核を使わせたい?! バイデン政権vsイラン
配信元)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝77 ― イラン-イスラム革命

 世界有数の産油国であるイラン共和国、イランはその中央銀行がロスチャイルド支配ではないごく希少な国家の一つとされます。国家が中央銀行の金融支配下にない真の独立国といえるでしょう。それでは、イランは昔から独立国家であり続けていたのか?というとそうではないのです。イランが独立国として現在に至っているのは、やはり1979年の「イラン-イスラム革命」からの影響が大だということになるのでしょう。革命前のイランの王朝はパフラヴィー朝でしたが、この王朝は英米欧州の傀儡王朝ともいうべきものだったのです。
 イランの地域、イラン高原の歴史は、紀元前3000年頃には言語を有するエラム文明が成立しているように非常に古くからのもので、長くペルシャとも呼び習わされてきました。そのイランもやがて欧州列強の攻撃にさらされ、1900年代はイランにてイギリスとロシア(ソ連)の勢力争いが続き、概ねイランはイギリス支配が強かったようです。1908年のイランにとっての最重要の資源である石油の発見も英国によるものでした。革命前のパフラヴィー朝2代目皇帝モハンマド・レザー・シャーの時代もイランに豊富に湧き出る石油、その利権はメジャーズ(国際石油資本)に独占されていたのです。この当時のイランの中央銀行がどうだったかは分かりませんが、国家王朝自体が傀儡状態だったので推して知るべしでしょう。
 このイランが、イラン革命後には石油は国有化され、中央銀行も欧米の支配を逃れているのです。イラン革命は民衆によるものとされ、こうなれば世界権力をはねのけた画期的なものといえるでしょう。しかし、これまで革命で民衆から、つまり下から起こされた革命はほぼ見たことがありません。革命は上から、つまり世界権力の都合によって起こされています。イラン革命は例外だったのか?どうも疑問です。しかしイラン革命より大事なのは、イランの民衆が様々な干渉の連続の中でも独立を維持してきた事実でしょう。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝77 ― イラン-イスラム革命

第2次オイルショックを招いたイラン革命


Author:TomTheHand [CC BY-SA] より抜粋

1973年の第1次オイルショックに続き、1979年に第2次オイルショックが起きました。『世界史の窓』の「第2次石油危機」には以下のようにある通りです。

 1979年のイラン革命の混乱によって、産油国イランの原油生産が激減したために起こった原油不足、価格上昇のこと。イランは当時、サウジアラビアに次ぐ世界2位の産油量があり、その利権はいわゆるメジャーズ(国際石油資本)に独占されていたが、78年から活発化したパフレヴィー国王の王政に反発する民衆蜂起により、79年1月に国王が亡命すると、その保護のもとにあったメジャーズは撤退を余儀なくされ、革命政権は石油国有化を実現させた。
(中略)
 イラン革命によって成立したイラン=イスラーム共和国で実権を握るホメイニは、資源保護を目的に原油生産額を大幅に減らしたため、輸出は一時的に停止するまでになった。またOPECもイランに同調して増産に慎重な姿勢を取ったため、世界的な原油不足となり、1973年の第4次中東戦争の時の第1次石油危機(オイル=ショック)に次ぐ、第2次石油危機といわれることとなった。

上にある通り、国王が亡命し、革命が成功することで成立したイラン=イスラーム共和国。そのイランの指導者であるホメイニは原油生産を大幅に減らし、一時的に原油輸出停止、これにOPECも歩調を合わしたために世界的に原油が不足し、第2次オイルショックが生じたということになります。

このように第2次オイルショックを招いたのがイラン革命とされますが、その「イラン革命」とはどのようなものであったのか?イラン革命」のウィキペディア記事の冒頭では次のようにあります。

イランのパフラヴィー朝において1978年1月に始まった革命である。亡命中であったルーホッラー・ホメイニーを精神的指導者とするイスラム教十二イマーム派(シーア派)の法学者たちを支柱とするイスラム教勢力が、パフラヴィー朝イランの第2代皇帝モハンマド・レザー・シャーの親欧米専制に反対して、政権を奪取した事件を中心とする政治的・社会的変動を指す。イスラム共和主義革命であると同時に、イスラム化を求める反動的回帰でもあった。

イランに帰国したホメイニ師
Wikimedia Commons [Public Domain]


一般的にごく簡単には、「イラン革命」とは次のような構図になりそうです。

  • 西洋かぶれで専制政治をひき、イスラムの伝統と文化を破壊していったイラン国王。
  • このイラン国王は第1次オイルショックにて手にしたオイルマネーも民衆に回すこともなく、ほとんど思い通りに利益を独占。
  • こういったイラン国王の悪王ぶりにイランの民衆の不満と怒りは溜まっていた。そこでホメイニ師を指導者とするイスラム勢力と一体になって革命を起こして、イラン国王をイランから追い出した。
  • 革命にて成立したイラン=イスラーム共和国は再びイスラム教中心の国家となり、石油も国有化された。

モハンマド・レザー・シャー
ホメイニ師
Wikimedia Commons
[Public Domain]

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