泥棒戦争のイラク戦争
日本人がイラク戦争の具体を知るには、『長周新聞』の記事がやはり優れています。同紙
2003年12月16日記事の
アメリカのイラク戦争の目的が世界第二位の埋蔵量を誇るイラクの豊富な石油資源を強奪し、軍事力で市場を開放させる泥棒戦争
との
この一文が、イラク戦争の要旨になります。
イラク戦争という名の米国のイラクへの泥棒侵攻は、「ペトロダラー・システム保持」が主目的でしたが、長期的な意味では「石油資源強奪のため」となります。主に英米に巣食うパワー(グローバル)・エリートたちとイラクとの関係は長期に渡っています。ジョン・コールマン博士の『
石油の戦争とパレスチナの闇』の本文の出だしは、それについて以下の指摘となります。
イラクに潤沢な油田が見つかって、93年に及ぶイラクとの“戦い”は始まった。
(中略)
石油という高価な宝を狙うひとつの国イギリスが、共犯の国々(アメリカなど)の賛助を得て、胸の悪くなるような悪行と虚偽の限りを尽くした、イラクに対するあからさまな侵略
(中略)
アメリカは、石油を資源として持つすべての国々に対して、つねに攻撃的政策をとってきた
(中略)...その外交政策は石油産業によって決定され、それによってアメリカ国民は莫大な額のツケを回されてきた。
(p22〜23)
イラク地方に油田が発見されて以来、石油資源強奪を狙う英米に巣食うパワー・エリートたちは、絶え間ない卑劣な作戦を展開。この中には
第1次世界大戦のオスマン帝国解体と中東の意図的に切り刻んだ国境地図や湾岸戦争などがあります。
こうした卑劣な工作の集大成が、2003年3月20日開始のイラク戦争だったわけです。
前出の『長周新聞』の記事「
戦争で破壊し復興需要つくる イラク占領の狙い 石油略奪し米企業が復興」には、米大統領命令布告で合法的にイラクの石油資源を米国企業が盗み放題に盗め、しかもそれにより出てくる被害は一切免除されるとの強奪の具体が記され、「イラクの石油が米独占企業に支配されるのは必至である。」と締めています。
まさにアーロン・ルッソ監督インタビュー動画で、911テロの11ヶ月前にニック・ロックフェラーが語った「
イラクを侵略して油田を確保する。」が実現したわけです。
パワー・エリートたちの強奪は石油資源だけではありません。記事には
米軍需大手はイラク攻撃によって大儲けした上に、その自分たちが起した破壊の復興事業でも大儲けする具体も記されており、
イラク復興事業で最も利益を上げたのはハリバートン社であるとしています。
ハリバートン社は、チェイニー副大統領がCEOを勤めていた軍需産業部門も抱える企業です。
ブッシュ大統領の両脇に並んでいるイラク戦争の主な立案者
ラムズフェルド国防長官とチェイニー副大統領
また記事には出ていませんが、
イラク復興事業で大いに利益を上げたのが米大手ゼネコンのベクテル社です。ベクテル社はロックフェラー系の企業であり、ブッシュ親子の政権とは非常に緊密な関係にあります。
でっち上げの虚偽で始めたイラク戦争という大量虐殺と強奪破壊は、パワー・エリートたちが「
濡れ手で粟」の利益を確保するための要素が非常に強いものだったのです。
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アメリカの「原爆によって100万人の米兵の命が救われた」「本土決戦をすれば50万人の米兵が死亡した。50万人の命を救うため、原爆を投下する必要があったのだ」などという「神話」は全く根拠のない嘘だとkakuyokusyugiさんが解説されていました。追い詰められていたわけでもないアメリカが女・子供・老人の民間人を大虐殺したのは、「当時、欧米人の有色人種に対する差別意識は凄まじく、米国は、日本人を人間の扱いをしなかった。 日本人にだけは何をしてもよいという空気があった。」という選民思想が原爆の根底にありました。同じ人間と思われていない日本人、そして犠牲となった広島が今、軍拡の手段に利用され、しかもそれを大成功と思わされている。
歴史を正しく知らなければ、今を正しく判断できない。今回の屈辱的な広島サミットは、アメリカに隷属している日本の姿を世界に晒しました。そしてそこには国と国との対立関係というよりも、国家をも駒にして戦争を生み出してきた者たちがいることも晒しました。日本人がそれに気づき、日本の中の売国奴を追い出すことが平和の鍵だと思います。