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グーグルは異を唱えたら即クビ! <その4>
なんだか世の中変だ。
その1からその3で事件を見て来ましたが、こういった狭量な社風に対して、オルタナ右翼だけでなく様々な人々が批判しています。
こちらのシリコンバレーで働く女性エンジニアは、グーグル幹部がメモに対して次々批判し、既に辞めた社員たちやメディアまでが同調する様から、イデオロギー的エコー・チェンバーがグーグルの外まで広がっているではないかと指摘。
シリコンバレーは多様性について非常に独特の定義を持っている。全ての性別と人種が比例代表することを要求しながらも、その全員が全く同じように思考しなければならないというのだ。10年近くもの努力の結果、グーグルがこの理想を達成するのに失敗した点を踏まえ、違う針路を試してみてはどうかとデモアが言うのも正しいのかもしれない。
かつて金融業界でサーバーやワークステーションを組み立てていた女性テクノロジー・コンサルタントも、デモア氏が指摘した女性の気質が正に自分が転職した理由だと説明して、彼を擁護しています。
金融&テクノロジーのコンボとくれば、職場はほぼ完全に男性ばっかり。週末明けに出社して、同僚から週末をどう過ごしたのか訊かれたそうです。失恋の痛みに耐えながらコンサートに行ったことを話したらきょとんとされたそう。
他の同僚が「ファイバーチャンネルのネットワークを地下室で組み立ててたよ」と言うや否や、皆がその話で持ち切り。その時に彼女は思いました。私、この仕事は嫌いじゃないけれど、週末にタダでやってのけるほどは愛せないわって。
正に「物」と「人間関係」の興味の差がくっきりと(笑)
なんと老舗のアトランティックですらこの件でジャーナリズム業界を戒めています。
私にとっては、グーグルメモの件は異常である——これほど沢山のメディアや第三者によって、誰もが入手している文章のこれほどまで多くの側面を間違って特徴付けられるなぞ、前代未聞だ。
メモを読むことなく『反多様性』という見出しの群に何気なく目を通してしまえば、グーグルの一社員が性的な多様性に否定的な価値を付与したのだ、と読者を誤った方向へ導きかねない。実際には彼は性的な多様性に対して肯定的な価値を付与したのだ。ただそれを追及しようとする手法や、それを最大化するために他者が払わねばならない代償について異議を唱えたに過ぎない。
メモを読むことなく『反多様性』という見出しの群に何気なく目を通してしまえば、グーグルの一社員が性的な多様性に否定的な価値を付与したのだ、と読者を誤った方向へ導きかねない。実際には彼は性的な多様性に対して肯定的な価値を付与したのだ。ただそれを追及しようとする手法や、それを最大化するために他者が払わねばならない代償について異議を唱えたに過ぎない。
Styxhexenhammer666氏もデモア氏のメモは「反多様性」などでは全くないと動画で擁護しています。性別や人種という括りではなく、企業にとってのメリットになるかどうかで考えるべきだと論じているだけだと。但しメリット主義を突き詰めれば、将来的には「じゃあ人間よりも能力の高いロボットを雇おう」ってことにならないか、とも鋭く指摘していましたけれど。
氏のもう一つの動画でも、このメモは性別や人種の多様性で自分たちが多様だと思い込むのではなく、意見の多様性を許容することも企業にとっては必要だと訴えている、と結論付けています。左派・右派というレッテル貼りに敏感なStyxhexenhammer666氏、デモア氏はメモで判断する限りは左派でも右派でもなく、単なる反アファーマティブ・アクション派だとのことです。
そして実際にデモア氏をクビにすることで、グーグルは意見の多様性なんぞ許さない姿勢を自ら証明してしまった訣で。いわゆる“左派”の人たちって声高に多様性と寛容を訴える割にはこういうことを平気でするよね、だったら“リベラル”なんて自称するなよ、と苦言を呈しておりました。
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アメリカに巣食うアファーマティブ・アクションの功罪が浮き彫りになったとも言えます。でも更に問題なのは、アメリカ有数の、いえ世界規模の企業が社員の思想の多様性を抱え込む余裕を失っていることです。
これも一つの炙り出しなのかもしれません。