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[街の弁護士日記]20年この長き賃下げ 日本人は耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのか

竹下雅敏氏からの情報です。
 とってもわかりやすい記事です。マチベンさんによると、現在の日本の賃金水準は1990年頃のもので、その後、“ほとんど30年にわたって賃下げを求められ続けている”とのことです。これは、実感として非常によくわかります。この間、小泉改革を通して雇用形態が劇的に変化し、非正規雇用が増加の一途を辿っています。要するに、小泉政権以降、日本はアメリカ型の格差社会を目指してきた訳です。こうした社会の構造改革の黒幕は日銀です。リチャード・ヴェルナー氏の「円の支配者」を読めば、これらの事は一目瞭然です。
 日本も、トランプ政権が誕生したように、いずれ社会の変革が起こり新政権が誕生するはずです。その時には、意図的にこのように日本を破壊した悪人どもを、刑務所に放り込まなければならないでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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20年この長き賃下げ 日本人は耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶのか
転載元)
失われた20年。
1990年代後半一人あたりGDPで世界3位だった日本の面影は、2015年、26位と見る影もない。

賃金が上がらないのが当たり前のように思い込まされてきた20年、日本を除く国々の賃金は着実に上がっている。
そう、既成権力に対する反発からトランプ大統領を選び、サンダースを押し上げたアメリカでも、賃金は20年間で80%上がっているのだ。
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このグラフは、首相官邸の経済の好循環に向けた政労使会議の提出資料にある。
同じ文書には、現金給与総額の推移のグラフもある。

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現金給与総額では1997年に賞与込みで手取り37万2000円だった月額平均賃金が2012年には31万4000円にまで減少している。
継続的で着実な賃下げを日本人は堪え忍んでいる。
驚異的ではないか。
1995年から切り下げられ続けている日本の賃金。
1995年といえば、阪神淡路大震災の年。
まだインターネットになじみのある人がほとんどいなかった年。
1996年に僕はホームページを作ってみたが、まだ愛知県内に40程度のサイトしかなかった年。
それ以来、賃金が下がり続けている。

現在の日本の賃金水準は、1990年頃にまでさかのぼる水準。
ほとんど30年にわたって賃下げを求められ続けている。

どこの国の労働者が、30年にわたって賃金が上がらないことを堪え忍ぶだろう。

流行の『日本人はすごい!』にたとえて言えば、日本人ほど堪え忍ぶ民族は他にいない。
あたかも自然災害を耐え忍ぶかのようである。

この賃金低下と、正規雇用の減少の間には相関関係があるだろう。
正規雇用の人数は1997年頃を頂点として継続して低下している。
正規雇用の減少を上回る速度で非正規雇用が増えている。

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当然のことながら、非正規雇用率は増加の一途をたどっている。

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(二つのグラフは『しゅんしゅんのぶろぐ』2011年6月14日から)

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2016年:グローバリストによる「リアリティとの戦い」が崩壊し始めた年

 2016年がいかに激動の年だったかよく分かる記事です。グローバル・エリートらにとって、3重の打撃となった出来事が取り上げられています。1つ目がブレグジット、2つ目がヒラリーの敗北とトランプ氏の当選、3つ目がアレッポの解放です。
 冒頭のジョージ・W・ブッシュ大統領の上級顧問兼次席補佐官の言葉に象徴されるグローバリストの傲慢さが、もはや通用しなくなってきたことがはっきりしたのが2016年だったと思います。2017年は、さらに加速させたいものです。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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2016年:グローバリストによる「リアリティとの戦い」が崩壊し始めた年
https://sott.net/en338095

ロブ・スレーン
ブログマイア
2016年12月29日
 

よく引用される21世紀の発言の中でも私のお気に入りの1つは、ジョージ・W・ブッシュ大統領の上級顧問兼次席補佐官だったカール・ローヴの残した傑作だ:

アメリカは帝国なんだから,われわれが何か行動を起こせば,現実はそこで変化していく。そうやって出来上がった現実を,君のような現実コミュニティの住人は,一生懸命研究するだろう。だが,君が何の結論も出せない間に,われわれはまた行動を起こし,さらに現実を変えていく。それを君はまた研究することだろう。そういうものさ。われわれは歴史の主体であり,君たちジャーナリストや学者は,われわれの行動を研究するだけなのだ

※徳川家広訳『ソロスは警告する』からの引用のようです:
http://blog.livedoor.jp/shabaizumi/archives/cat_206991.html


お気に入りとは言っても、決して支持している訳ではない。全く逆だ。私がこれを気に入っているのはこの言葉が、グローバリストの傲慢さや、この20年ほどの間に彼らが企んできたことを見事に要約しているからなのだ。確かに彼らは自分達の現実を「創造し」(変化させ)てきたのであるし、企図したことを実現させるやり方たるや、普通の人々にはまず不可能なものだったのである。私たちがそれを受け入れ始めた頃には、彼らは既に基地外じみた論法でもって、先へと進んでいて、次の新たな現実を創造することに余念がないのである。

もちろん、このような現実とは単なる嘘である。

(中略) 

2016年は、こうした全てが顕在化し始めた年だった。グローバリストやエリート主義者、新トロツキー主義者の一味が創造したパラレル・ユニバースが、3つの大問題によって、かつてなかったほどに暴かれた年だったのである。

1つ目はもちろん、ブレグジットである。これを「グローバリスト・エリートたちの異常な執政に反対する第一声」と呼ぶとしよう。連中はこれの起こる気配を感じなかった。そんなことは起こり得ないので、備えを怠ったのだ。予測できただろうか?

「異常な執政に反対する第二声」はもちろんのこと、アメリカ史上最も堕落した大統領候補が敗れたことである。ブレグジットが嵐だとすれば、これは台風だった。

第三声は、最近起きた、東アレッポでの「穏健な」聖戦狂信者たちの敗北である。彼らはサウジアラビアの王室を含む「穏健な」イスラム教徒の一味から武器と資金を供与され、アメリカ、フランス、イギリスの支援を受けていた。これらの国々の唯一の目的は、さらに1つ主権国家を滅ぼすことだった。

グローバル・エリ-トたちには3重の打撃だった。(中略)… 

(中略)…つい先日、国会議員と思しきベン・ブラッドショーという人物が、イギリスの庶民院(下院)で立ち上がり、ブレグジットの投票はおそらく、ロシアのハッカーによって妨害されたのだろうと主張した。彼を笑う者は居なかった。「分かったか?偏屈で忌まわしいEU離脱支持投票者たち。諸君はソ連の継承国家であるEUが嫌いでEU離脱に投票した訳じゃないんだ。ロシアの大統領にそうするよう仕向けられたんだ」

もちろん、ブラッドショー氏とその仲間たちが住んで居る狂った宇宙から戻るとしよう。現実はどうかと言えば、ロシアの大統領はたまたま、選挙に干渉などしない、世界でも数少ない素晴らしい政治家の1人だったのだ。メルケル氏はやった。あいつ(編注オバマ)もそうだ。大西洋を渡って来て、エリートに刃向うような投票は考え直すよう私たちに説教し(※この記事の著者は英国在住である由)、行儀の悪い学童のように「英国は列の後ろに並ぶことになる」と脅した奴だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201605/CK2016050202000137.html

彼の介入は疑いなく、意図とは反対の効果をもたらした。結局彼はロシアのエージェントだったに違いない。

ドナルド・トランプがアメリカ大統領に選ばれると、一息入れて、クレヨンと工作粘土で小休止した後、連中はヒートアップして騒ぎだし、今では巧みにみんなのおはじきを失くすという挙に出ている。

「ここにも、そこにも、至る所、ロシアのハッカーだらけだ。奴らが大統領選を妨害した。証拠はある。CIAがそう言ってるじゃないか。過去においても政府は、私たちに嘘をついて戦争を行ったことなどなく、制度化された拷問プログラムなど実施しておらず、1950年代以降に、他国の選挙や独立を妨害/干渉していないのだから、政府を信じるべきなのだ」

プリンの味は食べてみれば分かるという人は別として、いわゆる「証拠」というものを未だに待っている人も居る。確かに古風な考え方だが、中には未だにそれを好む人も居るのだ。熱弁や風説ではその代わりにならないし、FBIと国家情報長官事務局が、CIAの主張を支持するのを拒否したのだから、おそらくこれらの機関も、証拠がなければ疑わしきは罰せずという考え方に同意見なのだろう。そうかも知れない。というのも、元CIAのアナリスト英国のクレイグ・マレー前駐ウズベキスタン大使が説得力のある主張を行っているように、それはハッキングではなく、内部犯行ではないだろうか?

しかしいずれにしても、賽は投げられた=新たな現実は創造されたのであり、MSMの流す風説を真実だと信じる人々は、今や文字通り何百万と居る。この人々はどうした訳か、民主党全国委員会(DNC)へのハッキングによって公開されたメールによってDNCが選挙プロセスを目茶目茶にしたことが判明したという事実を忘れてしまったのだ。

そういう訳だから、この激動の1年が終わろうとしている今、グローバリストによるプロジェクトを脅かす全てが、フェイクニュースのレッテルを貼られているのである。皆さん、用心されたい。シリアの体制変革派である新トロツキー主義者の動機やCIAの信用性を疑ってみれば、アレクサンドル・ソルジェニーツィンの名を思い出す間もなく、あなたは自分がロシアのエージェントだというレッテルを貼られていることに気付くかも知れない。

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早期解散は?「ないない」安倍総理が新年初ゴルフ↔︎山本太郎議員=炊き出し参加で屋外で皿洗い / 世界支配層が熱烈待望している「小沢一郎政権樹立」

 冬休みに炊き出しに参加する山本太郎議員とゴルフに興じるあべぴょんのどちらに首相をやってもらった方が日本のためになるか明らかではないでしょうか。安倍首相は、新年初ゴルフの場で「早期解散は?」という質問に対して「ないない」と答えていますが、小沢一郎氏は「過去においても選挙はしないと言って突然解散した例もたくさんある」と新年会の場で述べ「政権交代」への決意を新たにしています。板垣英憲氏の記事を見ると世界支配層は「小沢一郎政権樹立」を熱烈待望しており、それは、日本のためにも世界のためにも喫緊の課題であることが分かります。
 田中龍作氏の記事では、ホームレスに至る過程が分かりやすく書かれています。
 "非正規労働者が病気になり、働けなくなる→収入が途絶える→家賃が払えなくなる→役所はあの手この手で生活保護を受けさせまいとする→路上に弾き出される"
 多くの人にとってこれは他人事ではないと思います。安倍政権が長引くほど、こうしたホームレス状態に陥ってしまう人々が増え続けると思います。1日も早い政権交代を望みます。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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安倍総理が新年初ゴルフ 早期解散は?「ないない」(17/01/02)
配信元)

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配信元)




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野宿者の命つなぐ宮下公園が商業ビルに 夏にも着工
引用元)
(前略) 

野宿(ホームレス状態)は、特別な世界ではない ―

 非正規労働者が病気になり、働けなくなる→収入が途絶える→家賃が払えなくなる→役所はあの手この手で生活保護を受けさせまいとする→路上に弾き出される・・・過程と結果はいたって単純だ。

 誰もが野宿者となる可能性をはらんでいるのである。

(以下略) 

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[創造デザイン学会]泰然たる柔道家プーチンが“レームダック”オバマに格の違いを見せつける

竹下雅敏氏からの情報です。
 タイトルが、全てを物語ってます。翻訳者の方は、“アメリカ帝国が、恐らく自国民にも愛想をつかされて沈んでいく光景が、誰の目にも見えてくる”とし、今回のオバマに対するプーチン大統領の行動が、“歴史を動かす事は確実であろう”と言ってます。そして最後の漫画を、“画像の見られない方は、是非、創造デザイン学会の方へリンクして見ていただきたい”とのことです。
 その漫画を見ると、やはり以前指摘した通り、勝負は神業の空気投げでついたようです。やはり、皆感じる事は同じだと思いました。
 蛇足ですが、オバマの場合は空気投げとは言え、まだプーチン大統領に相手にしてもらっています。ですが、我らのあべぴょんは、誰からも相手にすらされていません。うぅ…なんて可哀想なあべぴょん。わるい事は言わないから、早く消えた方がいいよ。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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泰然たる柔道家プーチンが“レームダック”オバマに格の違いを見せつける
転載元)
(前略) 

Moon of Alabama
December 30, 2016, Information Clearing House

オバマ政権が、いかにも彼らしい、卑小な復讐心をむき出しにして、昨日、35 人のロシア 外交官を国外追放し、ニューヨークとメリーランドにある 2 つのロシア資産を封鎖した。 オバマはまた、ロシアの外部情報局 FSB と軍事情報局 GRU、そのリーダーの一部に、彼ら の仕事への制裁を下した。

この動きはに、全く証明されていない、ロシアの、米選挙に影響を与えたという“ハ ッキング”をめぐるものであった。しかし、本当の理由は、シリアの新しい停戦交渉の成功 に、オバマが除け者にされて、面子を失ったことにあるようだ。

型通りにロシア政府は、ハイクラスの皮肉と寛大さによってそれに応えた。

最初の動きは、イギリスのロシア大使館からのもので、オバマ政権のあり方を、このように ツイートした――

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オバマ大統領が、冷戦時の再現のように、35 人のロシア外交官を追放――米国民を含む すべての人々が、この不幸な政府が早く消えてほしいと思っている時に。

このツイートは、1 万 7,000 の再ツイートと、1 万 9,000+の「いいね」を獲得し、「ベス ト・オブ・ザ・イヤー」候補は確実と思われる。

応答として、リークやいろんな空想記事が、オバマの行動への不届きなロシアの反応につい て、アメリカ寄りのメディアに現れた。

CNN は、ロシアが、モスクワのアメリカン・スクールを閉鎖するだろうと言った―― http://www.politico.com/story/2016/12/russia-american-school-sanctions-233048

    幼稚園児から 12 年生までの、国際的な生徒を入学させている非営利の日間学校が、モ スクワ郊外 Serebryany Bor にある米大使館の別荘とともに、閉鎖されるだろうと、 CNN は報じた。
 

続いて BBC などが、ロシアは 35 人の米外交官とスパイを追放するだろうと言った。 https://www.yahoo.com/news/russia-moves-expel-35-us-diplomats-foreign-minister-105423748.html?ref=gs

しかし本当の偉大さを示すのは、類をもって仕返しすることではない。ロシア大統領プーチ ンは、(またもや)その応答において、オバマとの格の違いを見せた――

    プーチン、米外交官をロシアから追放しないことを決定 
    http://tass.com/politics/923478

    モスクワ発、12/30/ タス/ ロシア大統領ウラジミール・プーチンは、ワシントンの最 近のモスクワに対する制裁への報復として、一人の米外交官をも、ロシアから追放しな い決定をした。

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[長周新聞 ほか]米国一極支配終焉後の新時代拓く運動の展望
年頭にあたってのご挨拶

 上の動画では、「大学を卒業するけどやりたいことがはっきりしない」という学生に対して、「お金が目的でないなら何をしたいか?」と問いかけています。そして、「あなたが本当に何かやりたいという結論に達した時、それをやろう、そしてお金のことは忘れろ」とアドバイスしています。動画のアップ主(翻訳者)の方は、"まずは自分の生活の上でお金がらみの不安と恐怖を精神世界から取り払うという戦略は有意義"と述べています。
 下の長周新聞の記事は、「年頭にあたってのご挨拶」ですが、世界情勢を的確に捉え、広い視野に立って、私たちがどう生きれば、まともな社会になっていくのか解説してくれています。以下の2点は心に留めておきたいものです。
 "小さな個人が何かを努力して自分だけが報われたり、あるいは個別の経済利害だけを追い求めるのではなく、社会全体がよくなる方向を見据え、下から大衆的な力を束ねなければ支配構造を突き動かすことなどできない"
 "真に人民に奉仕する思想に徹した新しい政治勢力を台頭させること"
 記事中の最後の1行は、長周新聞の高い志を感じます。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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お金が目的でなければ Alan Watts
配信元)

「インチキ金融制度による私達に対する奴隷支配」という形で考えてきたのですが、もう一歩進めて、私達を不安と恐怖で支配するために(インチキ)金融制度そのものが導入されたと捕えてみます。

そうすると、まずは自分の生活の上でお金がらみの不安と恐怖を精神世界から取り払うという戦略は有意義かもしれません。


ほら、失業したらどうする、老後はどうする、年金はどうすると、お金がらみで不安と恐怖をあおってくるわけです。

(中略) 

もちろん、貨幣制度に依存しないとなかなか生きていけない部分はありますが、「精神的」に、「不安と恐怖」で追い込まれている現実があるとしたら、それこそ、既存の現実のマトリックスの中でどっぷりとつかって、奴隷ゲームを演じ続けなくてはなりません。そんなゲームから、一抜けた!と宣言するだけでも、現実が変化します。

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米国一極支配終焉後の新時代拓く運動の展望 年頭にあたってのご挨拶
転載元)
2017年1月1日付
 
 2017年の新年を迎え、読者・支持者のみなさんに謹んでご挨拶を申し上げます。

 1917年のロシア革命から100年を迎えた世界は、その後の資本主義体制や屈折した社会主義体制のなかを各国人民が2代、3代にわたって生きてきたもとで、歴史的な転換期を迎えています。社会は誰のために存在するのかが、どの国でも階級矛盾の激化のなかで鋭く問われ、「まともな社会にせよ」と大衆的基盤を持った反撃が始まっています。資本主義が滅びゆく激動の時代にあって、破壊や戦争の道ではなく、より平和で豊かな社会の展望を切り開いていくことが差し迫った課題となっています。

 資本主義世界はリーマンショック以後、その抜け道を求めて各国で中央銀行による量的緩和や金融資本救済を実施してきましたが、それは各国の人民にとって何ら生活を上向かせるものではなく、もっぱら一握りの金融資本や富裕層に富を集中させ、彼らが支配的な力を振るう体制を死守するものに他なりませんでした。人人の暮らしや社会全体の利益を優先させるのでなく、どこまでも資本を有する者が被支配の側から富をはぎとって強欲に利潤を貪っていく、そのために国家を従え、政治や統治機構が機能するというむき出しの支配構造をさらしてきました。

 社会の上澄みには資本があり余るほどあふれ、タックス・ヘイブン(租税回避地)に隠匿されたり、あるいは実体経済をはるかに上回るほどの資金がマネーゲームに注がれ、グローバル化と相まって世界中を徘徊して焼け太りしてきました。これらの企業及び金融資本がもうける源泉は各国の労働者を徹底的に搾取する以外にはありません。こうして一方が空前の利益を懐にしまい込んでいくのとは裏腹に、世界各国で人民の側には失業と貧困が押しつけられてきました。この富の私物化こそが資本主義の本質であり、それ自体ますます熾烈な競争をくり広げながら保護主義に傾斜したり、覇権争いやその代理戦争を激化させ、アメリカ一極支配が崩壊しつつあるなかで混沌とした世界情勢をつくり出しています。

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