注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
安倍政府が解散総選挙を発表した直後から株価が異常な上昇を見せている。27日には2万2000円をこえる最高値を更新し、1996年以来の高値をつけた。シャープの身売り、東芝の破綻につづいて、日産がCM通りに「やっちゃえ、日産」をやってしまい、神戸製鋼はデータ改ざんが明るみになるなどマイナス要因が飛び交うなかで、株価だけが根拠なき熱狂を演じているのである。消費増税で個人消費も落ち込み、景気回復の見通しはないにもかかわらず、なぜ株価は実態とかけ離れた動きを見せているのか疑問が広がっている。一連の株高のメインプレイヤーは「異次元の金融緩和」を続ける黒田日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)であり、原資は国民の資産である。この出口戦略なき日銀の量的緩和によって、市場に垂れ流されたマネーに投機集団が群がり、官製相場に守られて束の間のバブルに興じている。しかし、はじけ飛ぶのは時間の問題で、いずれリーマン・ショックどころでない金融崩壊をもたらすことが危惧されている。
(中略)
今年6月、金融機関からの大量の国債や株式、J―REIT(不動産投資信託)の買い入れによって、日銀の資産総額が500兆8008億円に達して物議を醸した。GDP(国内総生産)に匹敵する規模であり、このうち国債(国の借金の肩代わり)が427兆2495億円(全体の85%)を占めている。
(中略)
日銀の介入によって0・1%に抑えられている金利も、今後、日銀が購入する国債を減らした場合には、国債価格が暴落し、急上昇へと転じるリスクをはらんでいる。目前の株価維持のために「後は野となれ」の市場介入をやりまくった結果、進むも地獄、引くも地獄の袋小路に追い込まれている。出口戦略は立たず、バブルが弾けるまで膨大な借金を丸抱えし続ける道を猛進している。
(中略)
実体経済とかけ離れた金融バブルを肥大化させる一方、実体経済では賃金も上がらず、消費も低迷し、企業の設備投資も進まない。目標としていた「2%の物価上昇」が実現するメドはなく、ひたすら株高を演出するためだけに公的マネーが注がれている。
株式市場を支えるもう一つの主役は、130兆円に及ぶ国民の公的年金を預かるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で、安倍政府のもとで3年前から年金基金の株式運用比率を大幅に引き上げて大量の株式購入を進めた。その結果、保有する国内上場株式の時価総額は34兆5900億円にもなり、三井住友、みずほ、三菱UFJの3大メガバンクをはじめ、少なくと120社の筆頭株主となった。また、トヨタの発行済み株式数の5・5%(第2位)を保有するなど、上場企業の半数に及ぶ2000社以上で上位10位に入る大株主でもある。自由競争といいながら国家資金によってこれらの大企業が支えられ、なおかつ法人税も減税され、利潤だけは経営者や株主が抱え込むという行為が横行している。GPIFや日銀が買い支えるということは、売り浴びせて利確(利益確定)していった投機集団もいることを示している。日本の金融市場がカモにされている関係にほかならない。
(中略)
この巨大な公的マネーに群がっているのは海外ヘッジファンドで、日銀、GPIFに次いで、アメリカの投資運用会社ブラック・ロックが大量の株式を買い入れていることが指摘されている。金融緩和による円安は、海外投資家にとっては株安を意味する。ブラック・ロックは、バンク・オブ・アメリカが主要株主の世界最大の投資会社で、日本法人の会長には井澤吉幸(元三井物産代表取締役、元ゆうちょ銀行社長)が就き、日銀、年金、郵政資産に群がる外資の代理人を務めている。6月時点で26兆円(約200社で5%以上)の日本株を保有しており、マイナス金利で運用先がない国内の金融機関から資金を大量に注入させながら、日本株の買い上げを進めているといわれる。解散総選挙の直前に訪米した安倍首相が、この投資会社のCEOと朝食をともにしたことが報じられている。
アベノミクスの実態は、金融緩和による公的マネーに群がった海外投資家が売りを仕掛けるたびに日銀がそれを吸収して株価を維持する--のくり返しであり、それは日本市場を吸い尽くすまで海外投資家に貢ぎ続ける構図に他ならない。だが官製相場である以上、「出口」に走ったとたん総崩れすることは避けられず、雪だるま式に膨らんだ官製バブル崩壊のツケを日銀が背負わされるというシナリオが待っている。
(中略)
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株価を支えているのは、日銀の「異次元の金融緩和」と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の「大量の株式購入」です。日銀の金融緩和は、実体経済とかけ離れた金融バブルを肥大化させ、GPIFの株式購入は名だたる大企業の事実上の国有化という異常事態です。
自由競争を装いながら、国家に守られた大企業は法人税を減税され、その分を消費税で補うため、消費税増税に積極的です。利潤は経営者や株主のものになり、大企業は内部留保を増やすばかりで、社員には還元されません。それどころか、有り余ったお金は、タックスヘイブン(租税回避地)に隠匿され、何に使われているのか全くわからなくなっています。
記事では、アベノミクスの実態を、“日本の市場を吸い尽くすまで海外投資家に貢ぎ続ける構図”として、公的マネーに群がる海外ヘッジファンドと、その日本の代理人とあべぴょんの関係が描かれています。
記事を読むと、あべぴょんとその仲間たちによって、日本が滅びるのは確実だと思えます。“ハイパーインフレや国債暴落の危機は刻一刻と迫っている”わけです。ツケはいつも国民に回されます。
今回のツケは、“極めて甚大なもの”になると予想され、フルフォードレポートの中で、ミスターK と呼ばれる人物が、“新時代が始まる前に、世界人口が大きく減るだろうと語っている”とありましたが、経済崩壊が起こり、ハイパーインフレになると、日本でも食料備蓄などの準備をしていない人々は、相当数命を落とすのではないかと危惧されます。
“続きはこちらから”以降をご覧になると、“金融・経済崩壊の5日前にしておくべきこと”として、いくつかの事柄が列挙されています。是非引用元で、全項目をご覧ください。
世界的な金融崩壊はいつ来るかわかりませんが、確実に来ることだけはわかっています。準備の整いつつあるロシア、中国とは異なり、何の準備もない日本は、大変なことになるかも知れません。まさか、あべぴょんが“この国を守り抜く”などと思っている人は、居ないでしょうね。