注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
フランスのル・モンド紙は、今月20日の電子版に「安倍晋三、受け継がれし歴史修正主義」(Shinzo Abe, le révisionnisme en heritage)と題した特集記事を掲載。(中略)... 安倍の歴史修正主義の危うさを鋭く指摘するというものだ。(中略)...
(中略)
(中略)...彼の礼賛する憲法改正は、日本の帝国主義の復興を目指し、1930年代初頭から第二次世界大戦終戦までの日本軍が犯した残虐行為の数々を過小評価ないしは否定しようとする広大な企てのなかの一つだ〉
(中略)
(中略)...逆説的だが、明仁天皇は、天皇という立場に課された制約上可能な範囲で、こうした歴史修正の動きに抗っている〉
(中略)
愛国を謳いながら対米従属という右派の矛盾を体現する安倍政治
記事の最後の章では、安倍政権の国際政治が、ナショナリストでかつ対米従属派であるという「右派の両義性」の象徴であると断じ、安倍の歴史修正主義も相まって、東アジア情勢にも悪影響を与えているとする。
(以下略)
この選挙で自民党が使ったキャッチフレーズは「この国を、守り抜く」。(中略)...
本ブログでは繰り返し書いてきたが、1991年12月にソ連が消滅した直後の92年2月、アメリカ国防総省ではDPG草案という形で世界制覇計画を書き上げた。(中略)...この計画は「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」とも呼ばれ、その危険性から有力メディアへリークされている。
(中略)
(中略)...91年には細川護熙政権の諮問会議「防衛問題懇談会」が「日本の安全保障と防衛力のあり方」、いわゆる樋口レポートを発表するが、その内容にいネオコンは怒る。国連を中心としたものだったからだ。1994年には武村正義官房長官が解任されたが、これはアメリカの命令だとされている。
日本の国連中心主義を問題にしたのはマイケル・グリーンとパトリック・クローニン。ふたりはカート・キャンベル国防次官補を介してジョセフ・ナイ国防次官補やエズラ・ボーゲルに接触、「日本が自立の道を歩き出そうとしている」と主張、1995年の「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」につながる。
(中略)
9/11後の2002年に小泉純一郎政権は「武力攻撃事態法案」を、03年にはイラク特別措置法案を国会に提出した。2004年にアーミテージは自民党の中川秀直らに対して「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と言明している。(中略)...
(中略)
アメリカは東アジアの軍事的な緊張を高めるため、朝鮮を利用してきた。中国に対する恫喝だと言える。(中略)...
「この国を、守り抜く」と宣伝しているが、安倍政権は日本をアメリカの核戦争に巻き込みかねない好戦的な政策を推進してきた。その政策を後押ししてきたのがマスコミにほかならない。
現実問題として、あべぴょんとその仲間たちが手に入れたいのは、緊急事態条項だと思います。彼らは劣化版ナチスなので、ファシズムを目指しているのだと思います。もちろん、中国と戦争をするためです。
こうした動きに、憲法上可能な範囲で抗っているのが、天皇陛下だとしています。
今回の選挙で、小沢一郎氏を総理にしようとしたゴールドマン・ファミリーズ・グループ(300人委員会)と、希望の党を自民党に取り込んで憲法改正に持ち込もうとしたネオコン陣営の対立の構造が、これに重なります。
板垣英憲氏の情報によれば、ゴールドマン・ファミリーズ・グループは、天皇陛下を頂点にいただいていると言っており、天皇陛下の平和主義の意向に沿って、まず朝鮮半島の平和を外交的に解決しようと奮闘しているのが、キッシンジャー博士だと思われます。
アメリカでもトランプ大統領を政権の座から引きずり下ろそうとするネオコン陣営と、トランプ大統領の後ろ盾である軍部が、激しく対立しています。日本でも、このような対立の構造が起きているわけです。
事の経緯は、櫻井ジャーナルが大変見事にまとめてくれており、引用元で全文をご覧になると、アメリカの世界制覇計画「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に沿って、日本の政治が歪められてきた実情がわかると思います。
ただ現在は、キッシンジャー博士がプーチン大統領側についた関係で、ジャパン・ハンドラーの中のアーミテージとマイケル・グリーンが、キッシンジャー博士側についています。なので、ジャパン・ハンドラーも古い計画に基づいて、北朝鮮を導火線とする第三次大戦を始めようとするグループと、平和的な解決をしようとするグループに分かれていることになります。
アーミテージはおそらく、麻薬利権の頂点に立っている人物で、大悪人の1人だと思いますが、過去に自分たちがやってきたことと真逆のこと、すなわち世界の恒久平和のために、キッシンジャー博士と共に働くという選択をしたようです。
今回の選挙は、2つの陣営が描いたシナリオがぶつかり合い、潰し合うことで、両方のシナリオにない、民意が立憲民主党の躍進となって現れた、不思議な結果になりました。
この2つの陣営の争いはこれからますますヒートアップすると思いますが、私が望んでいるのは、今回の枝野氏を中心とする動きが、将来、山本太郎氏を中心とする動きになって欲しいということです。2つの陣営の争いは、距離を置いて見ていた方が良いでしょう。