かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(23)愛情という栄養

かんなままさんの執筆記事第23弾です。 
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愛情という栄養
 子どもが愛情を要求するのは、食べ物を要求するのと同じくらい当たり前です。皆さんは子どもが「おなかすいた」と言ったら、必ず食べ物を食べさせるでしょう。おなかがすいたらかわいそうだからと思って。
ところが愛情の要求をしている時にはあげないのです。私は愛情の要求の方が食べ物を与えることより大事だと言っています。
親は、たくさん愛情を与えないといけません。いい子に育つ、いい人格に育つには、たくさんの愛情が必要です

出典:「ぴ・よ・こ・と」竹下雅敏(著)



子供の”食事"に多大な関心を寄せるママたち


母親セミナーで、いつもテーマになるのが子どもの食事の事。子どもが食べてくれない、子どもが好き嫌いをする、料理を手際よく作るにはどうしたらいいのか?などで真剣に話し合っています。どうしてそのことが気になるの?と聞くと、「食事は子どもの健康と成長にとって大切なものだから」と言うのです。

そして、作る時間の確保が大変で、朝から作れる時に作っていますとか、夕方、テレビを見せたり、泣いていても構わず作りますと、健気です。毎日の事ですし、みんなよく頑張っていると思います。でも、もっと突っ込んで「泣かせてまで作るのはなぜ?」と聞いてみました。

「だって、決まった時間に食べないと、お風呂に入って、歯を磨いて、8時には寝かせつけられない。生活リズムをつけて、保育園や小学校に行く時に困らないようにしたい。自分を保つために私の時間も欲しい・・・だから絶対、食事の時間を守りたいのです」と、目標を決めて努力しているのです。


ママの悩み、子供の悩み


確かに保健師さんも保育園の先生も、生活リズムの大切さを指導されます。まじめなママほど、計画通りに行くことを目標にしてしまいます。そのために泣かせてまでも食事の支度をして、食べないことを叱り、どうしたら素直にお風呂に入るのか、歯を磨かせてくれるのかを悩み、結果的に追い立てて、怒って泣き寝入り・・・。寝顔を見ながらこれでよかったのか?と悩みが増えていくのです。

子どもの立場で考えてみたら・・・黄昏時は疲れて眠たくなったり、エネルギーが上手く発散できなくて鬱滞しがちです。これは体の事情です。でも、ママは構ってくれないどころか怖い顔して怒ります。そして、早くご飯を食べなさい!お風呂、寝なさい!・・・。どうしてママは受け止めてくれないのだろう。こっちを向いてほしいだけなのに。朝も「早く早く」と急かされて、怒られて保育園。ママは本当に私の事好きなの?

pixabay[CC0]



保育園にお迎えに行っても帰ろうとしない子どもの本当の気持ち


さて、3人の子どもがいるママの話です。職場復帰をする時にそうなるのがわかっていたから「子どもを第一優先にして、1人ひとりに向き合う時間を大切にしよう」と固く自分に誓いました。
それで3人と交換日記をつけることにしました。一番下の子はまだ字が書けません。だからママが代筆してあげます。毎日かわいい言葉で「ママ、大好き。愛してる。信じてる」というのだそうです(笑)。それを書いて、読んであげると嬉しそうに抱きついてくるとか。ママにとっても幸せなひとときです。

ところが、1つだけ困っていることがあるというのです。子どもが待っているからと職場から急いで保育園に迎えに行くのですが、子どもは一旦喜ぶのに帰りたがらず、遊び始めるとのこと。今まで保育園で遊んでいたのにもかかわらず、滑り台、ブランコ、積み木・・・。帰ろうと言ってもなかなか帰ってくれなくて、しまいには怒ってしまうので子どもも泣き出すというのです。そんなに保育園が好きなら、焦って迎えに行くのを辞めようかとさえ思います。

pixabay[CC0]



その話を聞いて、うちの愛犬ルナの事を思い出しました。
ルナは甘えん坊で私や夫が大好きです。いつもうたた寝ばかりしているのですが、私達が出かけようと思ったとたん、ハッと起きて、行かないで!と、後をついてまわり、離れません。「すぐ帰ってくるからね」と言い聞かせて出かけます。餌も、水も、大好きなおもちゃも置いています。

帰って来た時は、ピョンピョン跳ねて呼吸困難になるほど喜んで歓迎してくれます。そして、早く座れと催促します。ソファに座ったら・・・お水の所に行き、一気に飲み、私達の所に来て座っていることを確かめて、次は餌。一粒ずつ食べては又私達の所に来て・・・と焦りまくります。それが一通り終わったら、やっと、お気に入りの、ぐいぬるみをくわえて膝に座り、至福の時間になるのです。

変な子やなあと思っていたのですが、ある時ハッと気がつきました。ルナは私達が帰ってくるまで水も飲まず、餌も食べず、おもちゃとも遊ばないで、ただひたすら待っているのです!その証拠に餌も、おもちゃもそのままの場所にあるのです。そんな風に躾したわけではありません。私達がいるから安心して好きな事が出来るのです。その健気さと私達を思う気持ちに心打たれました。

それと同じなのです。子どもはママが大好き。愛してるし、信じているのです。そして、保育園では、このおもちゃでママと遊びたい。あの遊びをママに見せたい・・・と一日中ママの事を思って待っているのです。だからママが来て初めて、思い通りに遊べるのです。大好きなママと一緒に。

きっと、一日中ママの事を考えて待っているのよ。その時間はママと過ごす大事な時間。一緒に居てあげて。そして、満たしてあげて」と言いました。ママもハッと気がついて、「ごはんを作る時間はどうにかして確保します。パパにもお願いしてみます」と言ってくれました。

pixabay[CC0]



多くのママは今しかない幸せな時間に気がついていません。一日単位で見たら大人の都合でかき消されていく見えない時間だけど、長い一生の目で見ると、子ども時代にしか与えられていない、愛着形成、生きる力の基になる、とてつもなく重要な時間なのです。

そんな子が傍にいるママ達!どうか、心の栄養を満たしてあげてください。見えないから気がついていないかもしれないけど、あなたが思っているよりずっとあなたの事を思い、あなたの愛さえあれば、自らいい子に育つ、いい人格に育っていける存在がすぐ傍にいるんですよ!

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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