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まみむのメモ(48)〈食べられる野草図鑑・夏(2)〉
スベリヒユ(滑覓)
時期 | 気温が上がらなければ発芽せず、夏から初秋にかけて株を広げ花をつける。 |
場所・環境 | 起源はインドとペルシャにあるとされているが、現在は世界中に広がって、熱帯から温帯にかけて広く分布し、日本全土の日当たりのよいところに多い。乾燥耐性があり、畑や路傍、空き地などに生える。 |
花 | 花は晴天の日の午前中だけ開花するという。5弁の小さな黄色い花を数個、枝の先に集まった葉の中心につき、無柄。花径は5〜7mmほどで、日が当たると花が開く。散りやすく、花弁はふつう5個、倒卵形で先はへこみ、萼の外にわずかに出る。雄しべに触れると動く。萼片は2個、緑色で、背部に稜がある。雄しべは7〜12個、柱頭は5〜6裂する。 |
葉 | 名前の由来の一説とされる葉っぱや茎にツルツル滑るような光沢がある。葉は長さ1.5〜2.5cmのへら状で基部はくさび形で長楕円形。茎は円柱形で平滑、帯褐紅色を呈し、長さ15〜30cm、散開して分枝し、下部は倒れ伏し、上部は斜上する。葉は十字対生(上から見ると十字に90度ずれて対につく)する。 |
実 | 果実は、熟すと上半分が帽子状に取れるカプセル状の蓋果で、中から極小の黒色の種子が多数落ちて散布される。種子はゆがんだ円形で、黒色、縁はざらつく。多くの種をつけることが知られており、大きな株で24万個という記録もある。 |
根 | 白いひげ根が浅く広がる。 |
見分けるポイント | 茎は丸く紫赤色を帯びていて、地面を這うように四方に伸びて生長する。茎葉ともに肉質で、葉は、へら形で厚く、少し紫赤色を帯びる。 |
間違えやすい毒草 | ニシキソウ・オオニシキソウ・コニシキソウ、通常葉に赤い斑紋があり、茎から白い乳液を出す。トウダイクサ科でマクラトール、ベータヒトステロールと呼ばれる毒成分が含まれる。これらの成分は危険性自体は低いが全草に含まれており、茎や葉を傷つけると出てくる白い乳液が直接皮膚に触れると皮膚炎のような症状が現れることがある。スベリヒユと同じように地面を這うように生長するが、葉質が薄く対生(茎に向かって対)につく。花は白い。 |
生え方 | 一年生の草本 |
学名 | Portulaca oleracea |
科名・属名 | スベリヒユ科・スベリヒユ属 |
採取方法 | 茎葉の元気の良い夏場に全草を採取(薬用)。 調理用にはなるべく開花期の柔らかい茎先を摘む。 |
あく抜き | たっぷりの湯にひとつまみ塩を加えてさっと茹でて冷水にとる。 |
調理法 | 生のままサラダに。蒸すまたは茹でて、お浸し・和え物(醤油味、酢味噌和えなど)、スープ、スムージー、炒め物、細かく叩いてとろろなどに。山形県では「ひょう」と呼び、茹でて芥子醤油で食べる一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされた。(そのままでは数週間しても完全には乾燥しないが、一度沸騰水につけて吊り下げるときれいに乾燥しやすい。) また沖縄県では「ニンブトゥカー(念仏鉦)」と呼ばれ、葉物野菜の不足する夏季に重宝される。ヨーロッパではバースレインというハーブとして食用にされ、トルコやギリシャでは、生または炒めてサラダにする。 |
他の利用方法 | 薬用、スーパーフード、ダイエット食として。 |
効能 | 利尿、膀胱炎、肝臓病、肺結核、百日せき、浄血、悪性のできもの、便秘、痔、睾丸炎、尿道炎、淋病、心臓病、肝臓病、胃潰瘍、解熱、解毒、血便、産後の腰痛などには、茎葉を天日干し乾燥したもの1日量5~10グラム、水0.4リットルを約半量まで煎じて、1日3回に分けて服用。 尿の出が悪く体がむくむときにも良い。 毒虫などの虫刺され、かゆみや乳房腫痛、腫物などには、生の葉を洗い、つぶして、汁を塗布。細かいいぼ、にきび、唇荒れに全草を濃く煎じた液、または青葉汁で洗う。 生葉汁を外用し同時に煎液を内服で、いぼ、にきび、そばかす、たむし、疥癬、いんきん、しらくも、毒虫刺され、痔、乳腫に効果。さらに塩を加えると効果的。生葉汁の内服で淋病、こしけ、痔、膀胱炎、下痢の時の出血、食物の諸毒に効果がある。 スベリヒユはオメガ3脂肪酸を多く含み、オメガ3脂肪酸の効能として ・中性脂肪を下げる ・コレステロールを下げる(体内のコレステロールを下げ、血液の循環を高める)
・ガンの予防・動脈硬化、心筋梗塞、高血圧などに起因する血流の改善
・アレルギー予防・記憶力アップ(脳神経細胞の活動を促進するため、認知症予防につながる)
・発達障害と言われている自閉症、ADHD、小児発達障害の予防につながる。
その他の豊富な栄養素として、繊維・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・銅・ベタレイン色素・カノテロイドなどと、鉄・マグネシウム・マンガン・カリウム・カルシウムが骨を丈夫にし骨粗鬆症予防に。鉄とコッペルが血行促進。 伝統的な漢方薬であるスベリヒユは下痢から赤痢までの胃腸問題の解決策として使用される。その理由は、スベリヒユにはリンゴ酸、クエン酸、アラニン、グルコースを含むため。抗酸化物質であるグルタチオンを含んでいるので、肝臓を強くする。サンアントニオのテキサス大学の研究者らは、他の果物や野菜よりも、ガンの成長を阻害する抗酸化物質のメラトニンを20倍以上を持っていることを発見。 |
その他 | 光合成に必要な二酸化炭素を夜間に気孔を開いて取り込む性質があり、昼間は気孔を開かずに取り込んだ二酸化炭素で光合成をするため、乾燥した土地でも水分の蒸散を極力少なくできると考えられている。このため、液胞に蓄積されたリンゴ酸に由来する酸味があり、ぬめりのある独特の食感を持つ。 スベリヒユは抜き取っても放置するとすぐに根づき、葉は一枚落ちていても発根する。 同属の園芸種にハナスベリヒユ(ポーチュラカ)やマツバボタンがある。 |
参照サイト・文献 |
イー薬草・ドット・コム ウィキペディア 松江の花図鑑 アイネコ 食と身体を考える 大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会 |
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種を播いた後、薄く土をかけ、上から手で押さえて乾燥しにくく(鎮圧)する好光性種子にはニンジン、キャベツ類、レタス、春菊、ゴボウ、シソなどがあります。ですが失敗しやすいのが、芽が出た後の乾燥です。そのための鎮圧と細目の刈り草をかけるのですが、乾燥や、周りの草の陰になると姿を消してしまったりします。それで最近は卵の殻で苗を育てています。水が抜けるように底をヒビ割っておいて、植える時は全体をくしゃっとして殻ごと植えます。水やりが必要ですが、育苗中の土中の通気性があり長雨でも根腐りしないで、芽が出たばかりの小さな苗でもそのまま植えれます。ただし根菜類は畑に直接種を播きます(直播きする)が 、苗立てした場合のメリットのお話しの中でかぶは苗立てするとありました。(動画10:30〜)
以前大根の苗立てを卵の殻でして、大根が変な形になりました。かぶだと大丈夫かも・・・。人参が直播でよく失敗するので、卵の殻に蒔こうと思っています。水やりと発芽確認が容易ですので、多少の変形は自家用ですのでがまんしようと思います。
・草管理が楽になる
・幼苗期に虫から守る
・育苗培土によって初期生育のための養分が確保できる
・間引きの手間が無くなる
・表土を削ることによるダメージがない
機械を使わず手作業だけでできる範囲でしていますが、家から離れた畑では動物が食べないものを植えるようにしています。ニンニク、生姜、ラッキョウ、ヤーコン、キクイモ、ニラ、里芋、シソ、トマト、イチゴも食べられませんでした。キクイモは以前はイノシシに食べられていましたが、イノシシと遭遇した昨年は食べませんでした。高いところになる花豆やハヤトウリ。ハヤトウリは昨年は実ったのですがウリを丸ごと種に植えますので、種ウリの段階で食べられてしまったようです。
結局、野菜作りをあまり頑張らなくても勝手に生えてくる野草に大いに助けられます。なかでもモロヘイヤ的に収穫できて、モロヘイヤよりも食べやすいと感じているのは、シロザ(アカザ)です。ほうれん草と同じ仲間で、ほうれん草は栽培しませんが、シロザが勝手に育ってくれます。スベリヒユなども野菜に負けない美味しさです。
よく見かけていたこれらの草を最近はあまり見かけなくなりました。草の種が貴重に感じるこの頃です。冬の鳥たちのためにも草刈りは最小限にして種を実らせます。
記事末に野菜作りの参考情報をまとめてみました。