注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
今回の報告書には、NISA(少額投資非課税制度)など金融市場に誘導していきたい金融庁の意図が含まれているのだという。しかし、いかなる意図があろうと、その行為は政府が年金財政を管理運用する能力を持ち合わせていないとみずから暴露し、年金制度の解体宣言をしているようなものである。
(中略)
貯蓄ゼロ世帯(100万円以下)が2~3割ともいわれるなかで、麻生太郎なり金融庁の官僚たちは2000万円もの金額を蓄えられる国民がどれほどいると思っているのだろうか。この「老後2000万円」報告は、まず現実からの乖離が甚だしいことに特徴がある。月収にして30万円未満の労働者が全体の6割を占め、30~50万円未満が3割、50万円以上は1割もいないのが現実である。もっとも多いのが16~28万円未満の層だ。そして、現在でも貯蓄が2000万円ある層は全人口の1割にも満たない。還暦過ぎた世代のおよそ7割が貯蓄2000万円以下である。つまり、自助努力に委ねられた場合は半数以上の国民が大変な思いをしなければならないことになる。「老後に2000万円」を持ち合わせていない人人は生活保護として国が抱えることにもなりかねない。高齢者の生活保護受給者が現状でも大半を占めているが、その割合がさらに増し、国家財政でまかなうことになるのだ。貧困社会の反動は結局のところブーメランとなって国家に跳ね返る。そこにあるのは、みなが豊かに稼いで豊かに生きていける社会ではなく、超少子高齢化社会で大勢が介護や老後の生活苦に喘ぎ、社会不安や憎悪の渦巻く衰退国家としての未来像である。
(中略)
財界が目先の利潤に汲汲として搾取をやりまくり、政治が国民のために機能しないことに年金財政破綻の根本問題がある。国民の老後のためではなく、その資金を別目的に使い果たしてきた者がいることを忘れてはならないと思う。
吉田充春
モーニングショー
— 胡蝶蘭 (@3SC5vunUPhy5Env) June 10, 2019
「老後資金2000万円必要」
玉川徹氏「年金はだけでは足りないと今になって言う。100年安心といったのは2004年。正直に言ったら選挙に落ちてしまうから。
自己責任政権ここに極まれり。投資で失敗したらあなたのせい。運用は慎重に積立金は無駄には使いませんというのが誠実な政府」 pic.twitter.com/wdjHVsYYYW
65歳時点で「2000万」貯めるために
— 名もなき投資家 (@value_investors) June 10, 2019
毎月必要な積立額(運用なしの純粋貯蓄)
20歳 3万7000円
25歳 4万1700円
30歳 4万7700円
35歳 5万5600円
40歳 6万6700円
45歳 8万3400円
50歳 11万1200円
55歳 16万7000円
難易度高すぎます
年金を株に投資して15兆円損したという話は、まだ始まったばかりの悪夢です。年金機構(GPIF)とは別に日銀が株を大量に買っていて、年金も日銀も日経平均が17500円を割り込むと累積で赤字になるそうです。それが分かっていても売却できないし(株が暴落)、買い続けるしかないという無限地獄です。
— Dr.ナイフ (@knife9000) June 9, 2019
一気に年金政局へ
— こたつぬこ『「社会を変えよう」といわれたら』4/17発売 (@sangituyama) June 10, 2019
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問題なのは、記事の太字にした部分。バブルの時代には、年金資金を使って大型リゾート施設グリンピアを全国に設立し、その後経営破たん。近年では、株式に投じて15兆円も溶かしてしまいました。
投資が成功した場合の利益は自分たちのもので、失敗した場合は国民負担。こんな経営なら、誰でもできます。無能としか言いようがない。
“運用側の責任は無罪放免にした上での「財源がありません」宣言”で、これで文句を言わないとすれば、もはや日本国民は「悟り」を得ているとしか言いようがない。
労働者の6割が月収30万円未満とのことで、これでどうやって、老後の資金2,000万円を貯蓄できるというのか。名もなき投資家さんが、2,000万円を貯める為に毎月必要な積立額を出してくれていますが、これは無理でしょう。
記事では、“これまで集めてきた資金は全額国民に返さなければならない”とありますが、その通りです。今後は消費税をゼロにし、個人だけではなく企業にも累進課税を適用するか、あるいは最高賃金を設定しなければならないと思います。その上で、ベーシックインカムを導入するという道筋になるかと思います。
現状のままでベーシックインカムを導入すると、せいぜい月々 4~7万円の一律支給で、生活保護などの様々な援助は全て打ち切りになると思われます。これは、働くことができない人にとっては、死ねと言われているに等しいことで、大問題ですが、NWO(新世界秩序)を目指している人たちは、喜んでこの方向に誘導したがるでしょう。なので、累進課税、あるいは最高賃金の設定は、譲れないところなのです。