◆昨年7月の“強盗”事件◆
まず背景説明を。
27歳のセス・リッチ氏は、民主党全国委員会のデータ分析スタッフでした。使いっパシリではありませんよ、なかなか深層部に喰い込んでいます。大学卒業後、まずは世論調査会社に勤務、その後民主党全国委員会に転職しました。
投票人が自分の名前を打ち込むと投票場所を教えてくれるプログラムの開発に携わっていたようです。全国の投票人として登録されたデータベースと繋がったプログラムだとか。彼は票操作の情報も得られる立場だったのではないかとも言われています。
そういえば2008年には共和党の“ITグル”、マイケル・コネルが不審な飛行機事故を遂げています。2004年、ブッシュがジョン・ケリーにオハイオ州で辛うじて勝利したのは電子投票での得票数のお蔭でした。その票操作を疑われ、裁判所から召喚状が出されていた最中のことでした。スノーデン氏といい、昨今はデータ管理のお仕事って命懸けですな。
そして2016年7月10日深夜四時、セス・リッチはワシントンD.C.の自宅近くで背後から2発撃たれて死亡。身に着けていた高級腕時計も携帯も財布も一切奪われていないのですが、警察は強盗未遂事件として処理しました。……目撃者ゼロの完全犯罪なら、普通は金目の物を奪ってから逃げませんか。
◆同じ月のその他の事件◆
その前後にも民主党全国委員会、いえもっとはっきり言うとクリントン家にとって不利な人間が次々に不審死を遂げています。例えば22日には、元国連総会議長ジョン・アッシュがバーベルを落下させて喉を潰すという、器用な“心臓発作による死亡”を披露。筋トレも命懸けなんですね。クリントン陣営に長年不正な金を大量密輸して提供していた中国人実業家と共に召喚されていたところ、大変都合良くお亡くなりになられました。
同じく22日、ウィキリークスは民主党全国委員会のシステムから得た機密情報を公開しました。幹部連中がサンダースを蹴落とす相談をメールでやり取りしていたのです。民主党はハッキング犯としてロシアを非難しました。ここら辺の顛末は「その1」でご説明した通りです。
要するに、ウィキリークスに協力する不逞の輩は、愚民を扇動したい外部のハッカー不良集団でなければいけません。本物の内部告発者だったら、ウィキリークスの開示した情報まで本物だと愚民が“勘違い”しちゃうじゃありませんか。そしておそロシアはトランプを大統領にするためには手段を問いません。犯人はプーチン閣下でなければならないのです。同月後半にはFBIが真に受けて(?)捜査を開始しました。
翌月上旬、ジュリアン・アサンジがセス・リッチからの情報提供をオランダのインタビューの中で匂わせ(※ウィキリークスの方針として提供者の氏名は非公開なのです)、翌日には何を訴えたいのかウィキリークスが過去のアサンジに対するヒラリーとオバマのお仲間からの殺害予告コメントをリツイートし、更に殺害事件の重要情報提供に2万ドルの賞金を提示しましたが、そんなの関係ありません。
FBIの捜査は、最終的には民主党全国委員会が何故かサーバーへのアクセスを拒絶して、ちっとも調査させてくれないのでお蔵入りした、と今年の1月には明らかになりました。ですが、印象操作のためには7月のホットな時点で「ロシアのハッキング行為をFBIが捜査開始」のニュースさえ流せたらいいんです。相手はシープルなんですから。
そしてその7月に戻りましょう。26日、民主党全国委員会の思惑通り、ヒラリーは無事サンダースを押し退けて民主党の指名を獲得します。FBIから私用メール問題で彼女が事情聴取受けていたの、同じ月の2日ですぜ? そりゃFBIのコーミー長官(当時)は「起訴しない」って5日の時点で早々に宣言してたけどさ!
……ね? 昨年7月はとっても平和な月でございました。セス・リッチの死に疑わしい点なんて一切ありません。頭のおかしな陰謀論者くらいですよ、ヒラリーの周囲で何十年も前から死体が量産されているなんて言い出すのは。その翌月の8月にも何人か殺されてますけど、それが何か?
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