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まみむのメモ(54)〈食べられる野草図鑑〉(番外編)バラ類・バラ科植物(2)

九尾の雲?

 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
 昨年11月1日この空を見た時、九尾のあの方を連想しました。今年、日本が幸せな国家として大きく舵をきる年になりますようお祈りいたします。

 2021/7/7の記事2021/7/8の記事2021/10/23の記事で、竹下先生がアミグダリンを紹介してくださったのが衝撃的でしたが、2021/9/16の記事にあるようにアミグダリンの素晴らしい薬効を隠そうと、嘘を発信されているのが、ビワの情報を調べていてもわかりました。
 ビワの種を食べるなと書かれている情報は、採用しませんでした。逆に、「アミグダリンつまりビタミンB17を化学分析してみると、その中に微量のシアン化合物(青酸配糖体)とベンツアルデヒドという猛毒物質が含まれています。このベンツアルデヒドはガン細胞の周辺で拡散して酸化し、無害な安息香酸に変化します。安息香酸は鎮痛効果があり、末期ガンに伴う激痛を抑制する効果がある。このように、ビタミンB17は、ガン細胞を破壊する作用に加えて、私たちの体の健康な細胞に対しても強い抵抗力を与え、活性化する作用がある。」という説明がありました。
 また、ビワ温灸が有効なのは「ビタミンB17は、体温と共に暖められると浸透して、細胞の中にまで入っていき、炎症やガン細胞も治してしまうほどの力を発揮する」そうです。ビワの葉を靴の中に敷いてみたいと知り合いが話していたのが、的を射ている使い方なのがわかります。
 実際にソックスの中に入れて外出しました。すると3時間もすると妙に足が暖かく、足裏が汗ばんだのかビワの葉がぴったりとくっついていました。約7時間後、ビワの葉を取り出すと、カラカラになっていて養分を足の裏から吸い取ったようでした。足の裏から頭のてっぺんまで体の芯が心地良く感じられ、これは癖になりそうと思いました。
 もっとすごいのが、2020/3/10の記事で竹下先生が紹介してくださった「びわの葉エキス」の不思議な使い方です。

「びわの葉エキス」の小瓶を、胸かズボンのポケットに入れておくだけで良いのです。これだけで「免疫力」と「ホメオスタシス」の両方が整うのです。小瓶に「びわの葉エキス」を10ml入れておけば良いでしょう。(中略)...まるで、身体のまわりにプラズマのバリアが張られて守られているように感じるでしょう。
(竹下雅敏)

 私たちが自然に即して暮らせば、おどろくほど簡単に健康になるのかもしれませんね。
(まみむ)
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まみむのメモ(54)〈食べられる野草図鑑〉(番外編)バラ類・バラ科植物(2)

ビワ(枇杷)


Wikimedia_Commons[Public Domain]
時期 枝葉は春・夏・秋と年に3度伸長する。花期は晩秋から冬(11 - 2月)。果実ははじめ緑色で、初夏(5 - 6月)に黄橙色に熟す。
場所・環境 中国南西部の原産で、日本には古代に持ち込まれたと考えられており、中国から渡来したといわれているが、野生も確認されている。原産説についてはいろいろ議論があるが、奈良時代に記述があり古くから日本にあったのは間違いない。暖地で果樹として栽培されている。主に本州の関東地方・東海地方の沿岸、石川県以西の日本海側、四国、九州北部に自然分布する。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広まった。トルコやレバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。
花芽は主に春枝の先端に着く。花芽は純正花芽。長さ10〜20cmの円錐花序に芳香のある小さな花が100個前後つく。


花は直径約1cm、花弁は白色で5個ある。花弁の内側の下部、萼、花序には褐色の綿毛が密生する。開花のときは花弁を外側に出す。葯(おしべの花粉がつまる袋状の部分)には毛が密に生えている。長期の花期に多量の花密を蓄え、甘い芳香を放って昆虫または小鳥が来るのを待ち、花粉の媒介が行なわれる。自家受粉が可能。

葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は、長さ15 - 20センチメートル (cm) 前後の広倒披針形・長楕円形・狭倒卵形で先端は尖り、基部は次第に狭くなって葉柄に続いていく。葉身は厚くて堅く、表面が凸凹しており葉脈ごとに波打つ。葉縁には波状の鋸歯がある。葉の表面は初めは毛があるが、生育するにつれて毛はなくなり光沢が出てくる。葉の裏面は、淡褐色の綿毛に覆われたままである。

果実は花托が肥厚した偽果で、直径3 - 4 cm、長さは6 cm前後の球形から卵形、広楕円形になり、全体が薄い産毛に覆われている。果実の中には大きな赤褐色の種子が数個あり、可食できる甘い果肉部分は全体の約3割ほどである。果実の頂部には内側に曲がった萼片が残る。種子は長さ2〜3cm。なかには白い肉質の子葉が入っている。

長崎県、千葉県、鹿児島県などの温暖な地域での栽培が多いものの若干の耐寒性を持ち、寒冷地でも冬期の最低気温-10℃程度であれば生育・結実可能である。

和名ビワの語源は、実の形が楽器の琵琶に似ているからとされる。

土壌は砂壌土がよく、根は深く張る。
見分けるポイント 若枝は、淡褐色の細かい毛に覆われている。 葉の裏面にも褐色の綿毛が密生する。樹皮は灰褐色。横じわがある。
間違えやすい毒草 なし
生え方 常緑広葉樹の小高木で、高さは5〜10メートル (m) ほどになる。
学名 Eriobotrya japonica
科名・属名 バラ科ビワ属
採取方法 びわの葉の焼酎漬けは、冬の一番寒い「大寒」の日に摘んだ葉が生命力旺盛で良いとされている。葉の表や裏の柔毛をタワシでよく洗い取り除いて、水洗いして生のまま用いる。新芽より古い葉の方が良いとされる。
その葉を、2~3センチ幅に切って適量の水を入れて煎じる。
ビワの葉の乾燥したものを、生薬名で枇杷葉(びわよう)という。
初夏に黄橙色に熟した実を採取し生食、他に。その種子を薬用にする。
あく抜き なし
調理法 果実は甘く、生食や缶詰にされる。ゼリーなどの菓子、ジャム等にも加工される。茶色い種子は、生薬の杏仁の代用として利用される。葉は薬用として重宝されてきており、ビワ茶にしたり浴湯料にする。

果実酒は、 氷砂糖とホワイトリカーだけでも作れるが、ビワは酸味が非常に少ないので、果実のほかに皮むきレモンの輪切りを加えて漬け込むとよい。また、果肉を用いずにビワの種子のみを使ったビワ種酒は、杏仁に共通する芳香を持ち、通の間で好まれる。
他の利用方法 薬用、浴湯用。
効能 ビワの葉の成分は、ブドウ糖、ショ糖、果糖、マルトース、でんぷん、デキストリン、酒石鹸、クエン酸、リンゴ酸、アミグダリン(ビタミンB17)、タンニン酸、サポニンなど。これらの成分の中で特に有効なものは、アミグダリンをはじめとするクエン酸、リンゴ酸、酒石鹸などの有機酸。有機酸はタンパク質を消化するために欠かせない成分。ビワの種には、アミグダリンという成分が葉の1300倍も含まれていると言われている。

アミグダリンは、正常細胞にとっては有益に作用するが、ガン細胞の周囲ではベータグルコシターゼ酵素の作用で、青酸とベンツアルデヒドとに分解され、強烈な複合毒素となってガン細胞だけを選んで攻撃して撲滅させてしまう。それと、ベンツアルデヒドが無害物質に中和するとき、モルヒネ以上にガンの痛みを和らげる力も持っている。

アメリカの生化学博士エルネスト・T・クレブスⅡ世は、「ガンの原因はビタミンB17の欠乏症にある。腫瘍はその防御反応があらわれるためである」として、ビタミンB17を用いたガン治療を提唱した。また、アメリカのガン治療の専門医ジョン・A・リチャードソン博士は、「ビタミンB17はすべてのガンに100%近い制御率を示した」として、250例中、248例に効果があった臨床報告を発表、医学界だけでなく一般の人達にも大きな衝撃を与えた。

びわの種はガンだけでなくぜんそく、肝硬変、糖尿病など慢性の難病にも薬効がある。摂取の仕方としてはそのまま食すが、乾燥種だとかなり堅いので、保温ポットなどで一昼夜蒸して柔らかくしたものを1日に3~10個を目安に食べる。また、砕いて粉末にして飲んでもよい。

3000年の歴史をもち古来から伝承されている仏教医学のビワの葉療法とは、緑の濃い厚手のビワの葉の光沢のある面を焦げない程度に火にあぶり、2枚合わせて10回ほどすり合わせて、1枚ずつ両手にもって熱いうちに皮膚を直接なでる。腹部やへそ下を6~7分丹念にマッサージする。これは、ビワ葉には、アミグダリンとエムルシンとが含有されていて、葉の表面を火であぶることにより、相反応して微量の青酸が発生して、それが皮膚を通して吸収されて、甚大な効果を発揮すると考えられている。アミグダリン(ビタミンB17)は、体温と共に暖められると浸透して、細胞の中にまで入っていき、炎症やガン細胞も治してしまうほどの力を発揮する。

びわ種焼酎漬けの効用
■胃のもたれ・口内炎・歯痛・歯茎の腫れ・歯槽膿漏等
2~3倍に薄めて口に含みお口くちゅくちゅします。最後に飲み込んでOK。
■のどの痛み・せき等
2~3倍に薄めてちびりちびり飲む。お酒に強い人はストレートでもOK。
■内臓の痛みや炎症等
2~3倍に薄めてちびりちびり飲む。お酒に強い人はストレートでもOK。
■水虫・切傷・やけど等
原液ではかぶれることがありますので2~3倍に薄めてガーゼに浸し湿布。
■他慢性疾患
外からの手当(患部に直接塗る)と中からの手当(飲む)で多くの方々が実行しておられるようだ。

あせもには、葉を3枚ほどちぎり、水0.5リットルで煮出し、冷めた汁で患部を洗うようにする。

打撲、捻挫には、ビワの葉約30枚を水洗いして、1センチほどに刻み、水気をとってから広口びんに入れ、ホワイトリカーを葉が浸るまで注ぎ、2~3週間おいてからこれをこし、脱脂綿に浸して患部にあてる。

咳止め、暑気あたり、胃腸病には、葉2枚をちぎり、水0.4リットルを加えて煎じ、約2分の1の量まで煮詰め、適当なときに飲む。

ビワ酒:疲労回復や食欲増進には、果実1キログラムを水洗いして、よく水気を切ってから、ホワイトリカー1.8リットルにグラニュー糖150グラムを加えて漬け込み、3~6ヶ月後に、こしてビワ酒にします。ビワ酒は、1日3回20ミリリットル程度を飲む。

ビワの葉、花は、風邪にハチミツとビワ花を適量いれて15分くらい蒸してから食べると咳がとまり、咽が痛いときには、ビワ茶に塩を入れてうがいを。

皮膚炎、火傷、水虫、捻挫、アトピーには、ビワの葉を水半量に煮詰めて、薬用アルコールに溶かして、直接性皮膚炎に効果があるとされる。ビワの葉には殺菌力があり、この煎じ液を風呂にいれたビワ湯は現代病のアトピーに悩む人にも効果があるとされる。
その他 3千年も昔から、涅槃経(ねはんきょう)などインドの古い仏典の中に、びわは大変優れた薬効を持ち生きとし生けるものの万病を治す植物として登場する。びわの樹は「大薬王樹」、びわの葉は全ての憂いを取り除く「無優扇」と名付けられていたことからも、その癒しの力の絶大さが、すでにこの頃からあまねく知られていたことがうかがわれる。

日本でも古くは奈良時代、天平2年に光明皇后がつくられた「施薬院」、これは貧しい人々や病気の人々の救済施設だが、そこでびわの葉の療法がもう行われていた。

江戸時代には「枇杷葉湯(びわようとう)」として、庶民の夏の暑気払に盛んに飲まれていた。枇杷葉湯は、ビワの葉に肉桂(にっけい)、霍香(かっこう)、莪述(がじゅつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、木香(もっこう)、甘草(かんぞう)の7品目を同量混ぜ合わせて、煎じて作ったもの。てんびん棒を肩に「ご存知本家天満難波(てんまんなには)橋朝田枇杷葉湯(びわようとう)・・・」と売り歩くさまは、浪花や江戸の風物詩だったようだ。

江戸時代の川柳には「枇杷と桃 葉ばかりなながら 暑気払い」という川柳があり、ビワもモモも、葉には薬効があり、実には薬効が無いことを謡っている。
参照サイト・文献 松江の花図鑑
イー薬草・ドット・コム
ウィキペディア
サプリメントハウス
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まみむのメモ(52)〈食べられる野草図鑑〉(番外編)バラ類・バラ科植物

 10月28日の時事ブログの、「ブラッシュウッドツリー(フォンテニア・ピクロスペルマ)の実の種が、癌細胞を急速に死滅させる ~ほとんどの場合、1 回の注射で4〜5時間後には癌が死滅する 」を読んで感動して、すぐに似た植物が日本にもないものかと、さがしてみました。
 すると、同じバラ類・トウダイグサ科という植物にアカメガシワがありました。しかも薬効が素晴らしく、癌腫などにも効果があるようなのです。元々は南方系の植物で、落葉性を身につけることで生き残ってきたといいます。我が家の庭や畑などにも鳥が盛んに種を食べて糞をするようで、あちらこちらに芽を出していて、成長がとても早く、生命力の強さを感じます。その分やっかいもの扱いされてきたかもしれませんが、何となく抜かずに放置していて、4〜5年もすると4〜5m近くまで成長しています。
 竹下先生がバラ科植物の種子に含まれるアミグダリンが癌やコロナウィルス、コロナワクチンの副作用にも有効と紹介してくださって以来、バラ科植物に注目するようになりました。(もちろんそれまで捨てていたリンゴの種も食べるようになりました。ビワの種は以前から焼酎漬けにしていましたが、残った種もいただくようにしています。)
 バラ科植物そのものの野ばら(ノイバラ)が今年とても沢山実をつけています。食べると少し甘みがあります。いわゆるローズヒップの仲間ですが、生でいただくと意外と大きな種がつまっています。こちらは食べ過ぎると緩下作用が強いです。毎日5〜10粒いただいて、5日目に強烈に効いてきました。それで食べるのを止めると、すぐに治まって、腸の掃除ができたのか、その後ちょうしがいいようです。そういえば初めて1粒食べた瞬間に気が通った感じがして、5粒食べて元気が出たと感じたのですが、気のせいかもですが・・・?
 食べられる野草図鑑(49)キンミズヒキもバラ科で、キンミズヒキのエキスががん細胞だけを死滅させ、正常細胞は異常がなかったという記述が印象に残っていましたので、ブラッシュウッドツリー(フォンテニア・ピクロスペルマ)の実の種で癌が死滅するという記事を読んですぐに思い出しました。アカメガシワは樹木ですが、キンミズヒキのような野草にもバラ科の植物があり、調べると、ヘビイチゴ、野いちご系がバラ科でした。ヘビイチゴは毒ではなく、おいしくないだけで食べることができて、薬効もあります。
 ということでバラ類・バラ科植物に注目してみました。
(まみむ)
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まみむのメモ(52)〈食べられる野草図鑑〉(番外編)バラ類・バラ科植物

アカメガシワ(赤芽柏)


時期 春〜初夏に新芽を出し、花期は夏〜秋頃。結実は9〜11月頃。

場所・環境 日本の本州の岩手・秋田県以南、四国、九州、沖縄、国外のアジアでは台湾、中国の南部に分布する。日本では二次林に多く、山野、平地、川の土手に自生し、山野の林縁など明るいところによく生えている、典型的なパイオニア植物である。暖帯から亜熱帯産の植物であるため寒さに弱く、日当たりを好み生長が早い。古来は熱帯性植物であり、落葉性を身につけることで温帯への進出を果たしたものと見られる。
雌雄異株。枝先に長さ7〜20cmの円錐花序をだす。花には花弁はない。雄花は苞(芽や蕾を包み保護する小葉)のわきに数個ずつつき、萼は淡黄色で3〜4裂する。雄しべは多数あり、花糸は長さ約3mm。雌花は苞のわきに1個ずつつき、萼は2〜3裂する。子房は刺状の突起があり、紅色の星状毛と白い腺点に覆われる。花柱は3〜4個で、乳頭状突起が密生する。乳頭状突起ははじめ紅色で、成熟すると黄色になる。
春先の新葉は赤く美しいが、成葉になると赤みはとれてくる。
葉は互生。葉身は長さ7〜20cm、幅5〜14cmの卵形または広卵形。ふちは全縁または波打ち、ときに浅く3裂する。両面に星状毛があり、裏面には黄褐色の小さな腺点が密にある。葉身の基部には腺体が2個ある。葉柄は長さ5〜20cm、紅色を帯びる。新葉は紅色で、星状毛に覆われているが、しだいに落ちて少なくなる。

果実はさく果。直径約8mmの扁球形で、刺状突起が密生し、9〜11月に褐色に熟す。熟すと3〜4裂し、3〜4個の種子をだす。種子は直径約4mmの扁球形で黒色。種子は高温にさらされると発芽しやすくなり、伐採や森林火災により森林が破壊されると一気に繁殖する。

木の根は生命力が強く、シュート(維管束植物の地上部)を生じて繁殖する。
見分けるポイント 春に出る若葉は、鮮やかな紅色をしており美しい。
間違えやすい毒草 なし
生え方 雌雄異株の落葉高木で、樹高は5 - 10メートル (m) に達する。
学名 Mallotus japonicus
科名・属名 (バラ類)・トウダイグサ科・アカメガシワ属
採取方法 春の若葉。夏に葉または樹皮を採取して、日干しに。樹皮は6月~7月に採取しやすく日干しにして乾燥する。
冬季の採取は、アレルギー症状を起こすことがあるので注意が必要。
あく抜き 和え物などには下茹でする。
調理法 若葉の天ぷら。新芽をさっと茹でて細かく刻み、酒、醤油、みりんなどを混ぜ込んで炊き込みご飯に。夏の葉や樹皮をお茶に。
他の利用方法 材は軟らかく、床柱・下駄・薪炭に用いる。浴用、染料、洗髪用。
効能 赤い芽や新葉を乾燥させて煎じた汁を飲むと胃ガンや胃潰瘍によく効くといわれ、生薬としても用いられている。葉にはゲラニイン、マロツシン酸、マロチン酸、種子には強心配糖体のコロトキシゲニン、マロゲニン、コログラウシゲニン、およびパノゲニンなどの配糖体を含む。そのため、昔からアカメガシワの葉は主に腫れ物や痔などの治療薬として広く利用されていた。

また、アカメガシワの樹皮には、ポリフェノールの一種であるベルゲニン、ルチン、タンニンが含まれており、胃酸過多、そして胃潰瘍の改善、胃液分泌の抑制、肝臓保護作用などが示され、すぐれた整腸作用、また近年患者数が増加している過敏性腸症候群に対しても有効であると注目されている。さらに果皮には抗発ガンプロモーター(抗発ガン促進)作用、抗ウイルス作用、そして抗マクロファージ(白血球)を持つ成分が含まれている。

アカメガシワに含まれるベルゲニンは腸の筋肉に直接作用し、ぜん動運動を正常な運動状態に近づけることで、腸の異常な運動による軟便や便秘などの便通異常を整える。さらに、アカメガシワには、ぜん動運動を整える作用に加え便秘傾向にある成人女性だけでなく下痢または便秘下痢交替症のある人の排便回数や排便量を整える作用がみとめられている。この便秘や下痢、または便秘下痢交替症のそれぞれを改善する作用は非常に注目すべき効果。またアカメガシワ樹皮から抽出されたエキスには腸のぜん動運動を促す作用以外に胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸疾患などにも効果的であるといわれている。

アカメガシワには、ベルゲニンやタンニン、フラボノイドなどの成分が含まれているため、胃腸の過度の緊張を抑えて胃粘膜を保護し、胃の炎症を鎮める働きがあるといわれている。樹皮に含まれるベルゲニンには抗腫瘍作用をはじめ、プロスタグランジン(細菌進入時につくられるホルモン様物質)産生の増加により胃粘膜を保護する効果がある。ベルゲニンは、胃液分泌抑制作用が認められ、胃内酸度を正常にして消化機能を活性化する作用や、胃粘膜の抵抗力を高めることで胃潰瘍を予防する作用があるといわれている。

痔、腫れ物の特効薬として、葉(多量が良い)を煎じて服用、または葉、樹皮の黒焼き粉末2〜3gを酒または水で服用するとともに、患部に葉の粉末を塗布(濃煎液で湿布してもよい)すれば、痔、るいれき(頸部リンパ腺炎)、腫れ物に効果がある。非常によく効く。

葉をつき砕いて貼ると種々の腫物、乳腺炎、痔、湿疹、あせも、かぶれ、かゆみ止めに効果がある。また乾燥葉を煎じて服用するか、煎液で患部を洗うか、浴湯料としてもよい。自然塩を少々加えるとさらに効果が増加する。煎液で髪を洗うことで頭部の各種疾患を治し、髪のつやもとりもどせる。

胃潰瘍、胆石、肝炎などに、樹皮3〜10g、または茎葉を多量に煎じて服用すれば胃酸過多症、胃カタル、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腸炎、胆石、肝炎、神経痛、リウマチに効果がある。各種の癌腫にもよいといわれている。ただし、ストレス潰瘍やストレスによって起こる各種疾患には効果がないことが判明した。
その他 名前の由来は、見た目には、柏の葉に似ていないが、その昔この葉に食物をのせて神前に供えたり、だんごを包んで蒸したりしたところから、その利用法が柏の葉に似ているということで、赤芽柏(アカメガシワ)の名がついた。別名ゴサイバ、サイモリバ、アカベアメコサイバ、ショウグンボク等で呼ばれれることがある。
参照サイト・文献 ウィキペディア
イー薬草・ドット・コム
松江の花図鑑
わかさの秘密
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まみむのメモ(51)〈食べられる野草図鑑・秋(2)〉

 最近改めて野草の力を確認することができました。家ネコが1週間帰って来ず、断食状態と地面に接していれば体調がもしかしたら良くなって帰ってくるのでは?と淡い期待をしつつ祈っていました。以前から昔の喧嘩の時の傷が原因で左目の上が赤らんで炎症気味でした。最近は膿のような目やにを出すようになっていて、気が付いた時にはヨモギの青汁を飲ませていたのですが、もっと本格的に飲ませていれば良かったと思いました。するとやせこけて帰って来たのです。やはり血の混じった黄色い目やにを出していて、腐敗臭に近い匂いもしています。食欲もなくわずかしか食べません。
 その日から朝夕にヨモギとドクダミキンミズヒキなど2〜3種類の葉をすり鉢でトントン潰して水を少し足し、青汁をスポイドや針のない注射器で吸い取って、口の横の歯のない隙間から喉に流して飲ませました。目の上の炎症が見られる部分にも潰した葉っぱで青汁を刷り込んで、目やにを拭き取るようにしました。
 すると徐々に元気を取り戻し、匂いが減り、食欲も体力も回復してきました。これはここ2〜3週間の話です。今やっと安心できるくらいになりました。心配な時、3度ほど除霊と浄化の祈りも一緒にさせていただきました。
 こうして今回改めて草の薬効を実感したのです。身近に生えてくる植物は必要があるから生えて来てくれることが多いように感じます。

追伸
 今朝、口から血をポタポタと落とし、見ると血の塊のようなものが口端についていました。かなりティッシュで血を拭き取って後は出血は止まりました。内臓が痛んでいるようです。まだまだ予断は許されない状態なのがわかりました。早速、キンミズヒキ・ヨモギ・ヒメジョオンなどの青汁を飲ませました。動物病院へ連れて行こうか迷うところですが、ストレスが大きくかかるのと、病院の抗生物質治療はこれまでの経験で予想できます。膝の上に来たがって離れませんので、このまま様子をみようと思います。
 そんなに老猫というわけではなく、今年の夏は元気でした。毎朝出かけていて、早朝道路に落ちているセミなどを見つけては食べていたようです。1度だけ昼間に目の前でセミをぺろっと食べたことがあり、食べ慣れている様子でした。昆虫食の有害性についての記事が紹介されていましたので、気になっていました。この頃毎日草の中にいるのが好きなのも、たくさんいるバッタを食べているのかもしれません。1歳年下のもう1匹の方は元気に走り回っています。こちらの家猫は毎朝出かけてはいませんでしたし、草むらに入ってバッタを獲っている様子もありませんので、昆虫を食べていないと思います。もしかしたら、「哺乳動物には昆虫食は有害だよ」と身をもって教えてくれている?
(まみむ)
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まみむのメモ(51)〈食べられる野草図鑑・秋(2)〉

ゲンノショウコ(現の証拠)


時期 早春に新芽を出し、花期は7〜10月。秋に種から芽を出してそのまま越冬するものもある。
場所・環境 日本では北海道の草地や本州から九州の山野に分布する。また国外では、朝鮮半島、中国大陸などに分布する。日当たりの良い野原や道ばた、山野、原野、水田のあぜなどに自生する。
夏から秋にかけて、枝先および葉の脇より長い花軸を出して2~3個つける。紅紫色または淡紅色、白色で直径1〜1.5cm。東日本は白い花、西日本には紅紫色の花が多い。花弁と萼片は5個、雄しべは10。花柱は5裂する。

茎は分岐して先端は約30〜50センチメートル(cm)に立ち上がって伸びるが、下部は地表を這うようにして横に伸び広がり、茎葉に毛があり、節の下部は下向きの毛が生えている。葉は長柄を持ち対生、形状は掌型に下部の葉は5深裂、上部の葉は3深裂し、巾は5〜3cm位。裂片は先でさらに3つに分裂し、倒卵形である。葉の縁は鋸歯型で、柔らかな葉質である。若葉には暗紅色の斑点がある。茎や葉には毛があり、茎の上部、葉柄、花柄、萼には腺毛(分泌液を出す毛)がまじる。

若葉の紅斑

花が咲き終わったあとにできる果実は、鳥のくちばしのように細長い形をした蒴果(さくか/乾燥裂開する)を結び、長さは15〜20 mmほどの線形で毛が密生する。熟すと皮が下から5つに裂開して反り返り、反動で中から5個の種子を1つずつ弾き飛ばす。5裂片は蒴果の先端だけについていて、下方は外側に巻き上がる。種子で繁殖する。

浅く横に広がる。

見分けるポイント 採取は花の咲いている時期にすると間違わない。近い仲間にアメリカフウロ、老鸛草(中国語版)などがある。薬効を示す主な成分は、タンニンでゲンノショウコの仲間のイチゲフウロ、タチフウロ、コフウロ、シコクフウロ、アメリカフウロ、ヒメフウロなどは、ほとんどゲンノショウコと同じ目的で用いる。
中国のゲンノショウコの仲間である老鶴草(ろうかくそう)は、全草を筋骨増強、リューマチ、解熱、はれものに煎じて用いている。

アメリカフウロ

間違えやすい毒草 幼時は茎が横に張っていないので、ゲンノショウコの若葉は、キンポウゲ類やトリカブトの有毒植物に非常によく似ているので要注意。夏の開花期に採取すると花で確認ができる。

キンポウゲ属キツネノボタン

キンポウゲ属ウマノアシガタ

生え方 多年草
学名 Geranium thunbergii
科名・属名 フウロソウ科・フウロソウ属
採取方法 一般に開花期である7〜8月頃に根を除いて刈り取り、洗って十分水気を除いて、天日で乾燥させたものが生薬になり、ゲンノショウコと呼んでいる。日本薬局方では茎・葉をゲンノショウコ、その粉末をゲンノショウコ末という。
あく抜き 塩をひとつまみ入れた熱湯で7~8分茹で、冷水に15分さらす。
調理法 天ぷら・・・若葉を生のまま薄く衣をつけて低温で揚げる。強い香りと苦みが感じられる。
炒め物・・・したごしらえをし、ニンジンや豚肉などと炒める。
少し濃いめの味つけ。
お茶・・・土用のころ、花の盛りに全草を採取し陰干し。
他の利用方法 薬用
効能 ゲンノショウコは、飲みすぎても便秘・下痢などの副作用がなく、優れた健胃整腸剤といえる。食中り、下痢、慢性の胃腸病、便秘に効き目があり、煎じる場合は、時間をかけて十分煎じる必要がある。

下痢止めに1日量20グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、温かくし、適宜2回に分けて服用。胃腸の弱い人は、お茶代わりに飲んでもよく、利尿の目的で使用するときは、10~15グラムを1日量として、0.5リットルの水を加えて、5~10分煎じ、3回に分けて食間に服用。高血圧予防には、ゲンノショウコ10グラム、ドクダミ10グラム、決明子(けつめいし)を少し炒ったもの5グラムを土瓶などで煎じて、お茶代わりに飲むとよく効くとされる。しぶり腹、冷え性、婦人の血の道には、ゲンノショウコ風呂(ゲンノショウコ100グラムとヨモギ100グラム)を用いる。

全体、特に開花時の茎葉に、フィロバロールタンニンを約20%、その他に没食子酸(もつしょくしさん)、クルセチオン、コハク酸などを含んでいる。タンニンとは渋のことで、たんぱく質などと結合して細胞組織を引き締める収斂作用、消炎作用、止血作用があるといわれる。根・茎・葉・花などを干し煎じて下痢止めや胃薬とし、また茶としても飲用する。飲み過ぎても便秘を引き起こしたりせず、薬効が強くて優秀な整腸生薬であることから、地方によりイシャイラズ(医者いらず)、さらにはイシャゴロシ(医者殺し)、「現の証拠」すなわち「ただちに効く」の意からタチマチグサ(たちまち草)、テキメンソウ(覿面草)などの異名も持つ。
その他 ゲンノショウコはドクダミ、センブリなどと共に、日本では古くからの三大民間薬の一つに数えられ、下痢止めの薬草として知られている。江戸時代から民間薬として用いられるようになり、『本草綱目啓蒙』(1803年)にも取り上げられ、「根苗ともに粉末にして一味用いて痢疾(りしつ)を療するに効あり、故にゲンノショウコと言う」との記載が見られる。現代の日本薬局方にも「ゲンノショウコ」として見える。ただし、伝統的な漢方方剤(漢方薬)では用いない。

別名として、果実の形をろうそくに見立ててロウソクソウや、種子を飛散させた後の果実の形が、神輿の屋根のように見えることから、ミコシグサ(神輿草)、フウロソウとミコシグサを合わせてフウロソウミコシグサ(風露草神輿草)とも呼ばれる。また、葉の形にちなんでネコアシ(猫足)、ウメに似た花形と茎が細く伸びる姿からウメズル(梅蔓)ともよばれることもある。
参照サイト・文献 ウィキペディア イー薬草・ドット・コム
松江の花図鑑
クラシリカ。
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まみむのメモ(49)〈食べられる野草図鑑・秋(1)〉

 今年も新米の季節になりました。晴れた日が少ない中、さっと稲刈りを済ませた田んぼを見かけるようになりました。機械化ならではの早業です。
 手作業だけの自然農のお米作りを何年も挑戦してきましたが、ついに自給自足できるまでには至りませんでした。それでも諦めきれずに、種籾だけでもとバケツ稲作をしています。このバケツ稲作の簡単さに比べて、実際の稲作の大変な事!!全部手作業でとなると、昔のようにみんなで集まって、楽しみながらやるのがいいのかなぁと思います。
 田んぼで苗を育てて、苗取りをして、田植えをして、草取りして、稲刈りをして、ハゼ干しして収穫しても、食べれるようになるまでには、まだその後があります。足踏み脱穀機で稲ワラから籾をはずし、唐箕で屑米や稲クズを飛ばします。さらに玄米にするには籾すりが必要で、さすがに手作業ではできません。幸い田舎では精米だけでなく、籾すりもしてくれるコイン精米所が時折あります。何とかして自給できる体制を整えなければと、食料危機の問題以前に、最低限度自立した暮らしを目指す身としてはまだあきらめていません。
 これから自給自足を目指し、お米作りにも挑戦される方がおられるかもしれませんので、これまでの数々の失敗体験談を参考にしていただけたらと、後日別記事にてご紹介させていただきたいと思っています。
 さて、今回のクズとキンミズヒキ、繁殖力旺盛だったり、服にくっついてきたりと嫌われがちですが、本当はすごく助けてくれる強力な助っ人野草!!
 他にも最近美味しくいただいているのはヨモギの花です。以前はお茶にするだけでしたが、油炒めや佃煮風など意外と美味しく、元気になる気がします。とはいえ、ヨモギの花を咲かせているのは我が家くらいかも・・・。ヨモギからもらえる元気、すごいんですけどね〜。もちろんキンミズヒキも育っています。
(まみむ)
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まみむのメモ(49)〈食べられる野草図鑑・秋(1)〉

クズ(葛)


時期 5月頃から新芽を出して、花期は8〜9月、10月頃種を付け、地上部は枯れていく。
場所・環境 温帯、暖帯に分布し、中国からフィリピン、インド、インドネシア、ニューギニアに分布。北海道〜九州の日本各地の林縁や川土手など普通に見られる。
葉腋から総状花序が上向きに立ち上がり、濃紅紫色の甘い芳香を発する蝶形花を房状に密集してつけ、下から順に咲かせる。形は蝶形で旗弁、翼弁、竜骨弁からなっている。花色には変異がみられ、白いものをシロバナクズ、淡桃色のものをトキイロクズと呼ぶ。


地面を這うつるは、他のものに巻きついて10m以上に伸び、全体に褐色の細かい毛が生えている。葉は大型の三出複葉で、長い葉柄で互生し。小葉は直径15cm超の菱形状の円形でさらに中裂することがあり、受ける日光の強さで角度を変え、草質で幅広く大きい。葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びている。
花後に褐色の剛毛に被われた枝豆に似た、長さ6〜15cmほどある扁平な莢(さや)果を結ぶ。種子は長さ4mmほどの楕円形の豆果。

基部は木質、上部は草質となり、長さ10mに達する。根は長大で肥大した長芋状の塊根となり、多量の澱粉を蓄え、主根は長さ1.5m、径約20cmに達する。

見分けるポイント つる、葉ともに有毛で、花には甘い香りがある。
間違えやすい毒草 なし
生え方 大型の多年草。つる性半低木。
学名 Pueraria montana var. lobata
科名・属名 マメ科・クズ属
採取方法 クズの根を秋から春にかけて、地上部に残った茎をつたって、掘り採り、十分に水洗いして、乾燥しやすいように、外側の皮を取り除き、板状あるいはサイコロ状に切ってから天日で乾燥させる。

葛粉(くずこ)は、掘りとった根を水で洗い、外皮を取り除いた根をすりおろして粥状にし、綿布でこして繊維質を除き、少し放置してうわ澄み液を捨てて、数回同じことを繰り返すと、底に白泥が残る。これを乾燥したもので、でんぷん質だけを集めたもの。(または、たたき潰して出る汁を水にさらす。白いデンプンが沈殿するので、水洗いして集めて乾燥する。)病後や風邪をひいたときなどに、薬用にする葛湯(くずゆ)は、あまり水にさらさないので灰色にならない。

クズの花(葛花・かっか)は、9月の開花の始まる頃、穂状の総状花序ごと採取し、風通しのよい場所で速やかに乾燥させる。
柔らかいつる先や若葉を食用に。
あく抜き 地上部はほとんどアクはない。根には甘みと少し苦味があり、葛粉にするには数回水にさらす。
調理法 新芽、若葉をそのままで天ぷら、油炒めに。塩茹でして、あえもの、炒め物、煮付け、つるの硬いものは皮を剥いてサラダに。花や蕾は、熱湯にくぐらせ、甘酢、三杯酢、辛子和え、かき揚げ、塩漬けなど。塩茹でした新芽や若葉を刻んで暖かいご飯に混ぜ、30秒茹でて梅酢に漬けた花を散らしてクズの花ご飯に。

塊根を蒸して裏ごしして繊維を取り除ききんとんに。それを広げて揚げてクズチップや棒状にしてチョココーティング等してお菓子に。

また、葛粉で葛湯(水で溶いて鍋に入れ木べらで混ぜながらとろみがついてふつふつするまで加熱)のほかに、くず餅、和菓子などに利用。葛湯と花でハーブティーに、葉っぱを煮出して葛湯と混ぜても。

クズからとれるクズデンプンは和菓子の材料として利用されていて、はるさめに似た葛切(くずきり)は、クズデンプンを水でといて煮たものを冷ましてから、うどんのように細く切ったもの。

花を砂糖と水で発酵させたクズ酵母液に少しイースト菌を足してパンを焼く。酵母液はしだいに綺麗な色のお酒になり、花酒ゼリーなどにも。花酒をさらに発酵させると花酢になり、クズの香りがする寿司に。

豆を煮豆に。
他の利用方法 昔は、クズのつるを材料にして葛布(くずふ)に織って着物にした。葛布は今も各地に残る民芸織物に利用され、特に掛川(静岡)の葛布の織物は有名。

葉を家畜の飼料にしていて、ウサギや馬などが好んで食べる。つるを農作業に利用。

2008年、石油の代替エネルギーとして注目されるバイオエタノールをクズの根から製造する技術が、宮崎大学によって開発された。
効能 解熱、鎮徑(ちんけい)、脳冠状血管血流増加作用や血糖降下、女性ホルモン様作用があり、発汗解熱効果がすぐれている。

二日酔いその他の酒毒、諸毒の解毒に、花を1日に15g(乾燥花3〜5g)煎じて(沸騰したら火を止め冷めるまで放置)、または粉末にして服用する。血便や下痢便にも効果。花の乾燥粉末を蜂蜜で5mm大の丸薬にして常時服用すると黄疸、肝炎、肝硬変の改善薬に。(枯れた花や中国産の花には効果がない。)クズの花と小豆の花を同量粉末として飲めば酒に酔わない。

乾燥した根を1日3〜10g煎じて服用で、発汗、解熱、鎮痛、筋肉の緩和(肩こりなど)、清涼剤として口渇、嘔吐、頭痛、風邪、項背強痛(項から肩、背中へかけての痛み)、血の道に効果。生根汁を飲めば、食中毒、薬の中毒や飲酒による吐血に効果。

葛根(かっこん)は主に漢方処方の葛根湯の主薬となり、葛粉からつくる葛湯は、風邪などの時に用いるとよく効き目があり、寒気や熱をとり、のどの渇きや下痢をとめるという。

健康飲料には、水洗いした生の根を約100グラム小さく刻んでミキサーに入れて、水を加えて砕いた後に、繊維質が沈殿したら、うわ澄み液を別の容器に移して、これを1週間分として冷蔵庫に保存して、朝夕2回食前に飲む。

青葉汁を切り傷などの外用に、また盃1杯ずつの服用で血糖値を下げ、尿糖を減少させ、糖尿病に効果。

クズの新芽(つる先)約10cmを両手の人差し指と親指でできる輪の大きさ程度採集し、水から煮て1時間くらい煮詰めてお茶にして服用を続けると黒髪に、育毛剤に。

葉を乾燥して粉末にしたものに油を混ぜて外傷の出血に。

クズの葉にはビタミンC、カルシウム、鉄分、イソフラボンなど豊富な栄養素が含まれている。イソフラボノイド、ダイジン、プエラニン、ブテノリド、トリテルペノイドサポニン。ダイズイン、プエラリンなどの「イソフラボン誘導体」があり、これらは風邪の諸症状に効く作用を持っている。最近の研究では、「イソフラボン」には骨粗鬆症予防や更年期障害の軽減、高コレステロールの抑制効果などがあるそう。

内分泌系の補助、血管拡張、神経の安定に有効な数多くのフラボノイド類、肝機能の向上や血圧の安定、動脈硬化予防に良いとされる10種類以上のサポニン、皮膚粘膜の強化となるアラントイン、コレステロールの調整に役立つβ-シトステロールなど。他の有効成分は、多量のデンプン他。
その他 クズは「つる性植物」であり、茎を他の植物に巻き付けながら日光の当たる場所に進出していき成長が早く、河川敷や斜面などの日当たりの良い場所では、"クズが広い面積をびっしりと覆っている様子"が見られる。実は、特に森林などでクズが一定面積を覆うことは、悪いことばかりではなく、人間は家を建てて日差しや雨風を凌ぐが、同様に森に暮らす植物たちにとってもこれらの刺激は厳しいもの。ところが、クズが森林と外界の間を覆うことによって、森林内への直射日光や風の吹き込みを防ぎ、マイルドな環境を作っている。

このように森林の斜面などを覆う植物群を「マント群落」と言い、クズはマント群落を構成する代表的な植物。食用として救荒植物になり得る。

秋の7草の一つでクズの他には、フジバカマ、桔梗、ナデシコ、萩、オミナエシ、尾花(ススキ)。
参照サイト・文献 ウィキペディア
松江の花図鑑
イー薬草・ドット・コム
大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会
ブーさんとキリンの生活
ハーブティー初心者ブログ効能口コミ
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まみむのメモ(48)〈食べられる野草図鑑・夏(2)〉

 15年近くも自然農を試行錯誤しながら続けて来て最近やっと理解したのは、土のPHと種子の好光・嫌光性です。黒土、真砂土などの酸性土を好むジャガイモ、中性〜弱アルカリの腐葉土、堆肥などの入った土を好むほうれん草は特にPHの影響を感じます。
 種を播いた後、薄く土をかけ、上から手で押さえて乾燥しにくく(鎮圧)する好光性種子にはニンジン、キャベツ類、レタス、春菊、ゴボウ、シソなどがあります。ですが失敗しやすいのが、芽が出た後の乾燥です。そのための鎮圧と細目の刈り草をかけるのですが、乾燥や、周りの草の陰になると姿を消してしまったりします。それで最近は卵の殻で苗を育てています。水が抜けるように底をヒビ割っておいて、植える時は全体をくしゃっとして殻ごと植えます。水やりが必要ですが、育苗中の土中の通気性があり長雨でも根腐りしないで、芽が出たばかりの小さな苗でもそのまま植えれます。ただし根菜類は畑に直接種を播きます(直播きする)が 、苗立てした場合のメリットのお話しの中でかぶは苗立てするとありました。(動画10:30〜
 以前大根の苗立てを卵の殻でして、大根が変な形になりました。かぶだと大丈夫かも・・・。人参が直播でよく失敗するので、卵の殻に蒔こうと思っています。水やりと発芽確認が容易ですので、多少の変形は自家用ですのでがまんしようと思います。

苗立てのメリット
・草管理が楽になる
・幼苗期に虫から守る
・育苗培土によって初期生育のための養分が確保できる
・間引きの手間が無くなる
・表土を削ることによるダメージがない

 機械を使わず手作業だけでできる範囲でしていますが、家から離れた畑では動物が食べないものを植えるようにしています。ニンニク、生姜、ラッキョウ、ヤーコン、キクイモ、ニラ、里芋、シソ、トマト、イチゴも食べられませんでした。キクイモは以前はイノシシに食べられていましたが、イノシシと遭遇した昨年は食べませんでした。高いところになる花豆やハヤトウリ。ハヤトウリは昨年は実ったのですがウリを丸ごと種に植えますので、種ウリの段階で食べられてしまったようです。
 結局、野菜作りをあまり頑張らなくても勝手に生えてくる野草に大いに助けられます。なかでもモロヘイヤ的に収穫できて、モロヘイヤよりも食べやすいと感じているのは、シロザ(アカザ)です。ほうれん草と同じ仲間で、ほうれん草は栽培しませんが、シロザが勝手に育ってくれます。スベリヒユなども野菜に負けない美味しさです。
 よく見かけていたこれらの草を最近はあまり見かけなくなりました。草の種が貴重に感じるこの頃です。冬の鳥たちのためにも草刈りは最小限にして種を実らせます。

 記事末に野菜作りの参考情報をまとめてみました。
(まみむ)
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まみむのメモ(48)〈食べられる野草図鑑・夏(2)〉

スベリヒユ(滑覓)


時期 気温が上がらなければ発芽せず、夏から初秋にかけて株を広げ花をつける。
場所・環境 起源はインドとペルシャにあるとされているが、現在は世界中に広がって、熱帯から温帯にかけて広く分布し、日本全土の日当たりのよいところに多い。乾燥耐性があり、畑や路傍、空き地などに生える。
花は晴天の日の午前中だけ開花するという。5弁の小さな黄色い花を数個、枝の先に集まった葉の中心につき、無柄。花径は5〜7mmほどで、日が当たると花が開く。散りやすく、花弁はふつう5個、倒卵形で先はへこみ、萼の外にわずかに出る。雄しべに触れると動く。萼片は2個、緑色で、背部に稜がある。雄しべは7〜12個、柱頭は5〜6裂する。

スベリヒユの花蕾

名前の由来の一説とされる葉っぱや茎にツルツル滑るような光沢がある。葉は長さ1.5〜2.5cmのへら状で基部はくさび形で長楕円形。茎は円柱形で平滑、帯褐紅色を呈し、長さ15〜30cm、散開して分枝し、下部は倒れ伏し、上部は斜上する。葉は十字対生(上から見ると十字に90度ずれて対につく)する。
果実は、熟すと上半分が帽子状に取れるカプセル状の蓋果で、中から極小の黒色の種子が多数落ちて散布される。種子はゆがんだ円形で、黒色、縁はざらつく。多くの種をつけることが知られており、大きな株で24万個という記録もある。

白いひげ根が浅く広がる。

見分けるポイント 茎は丸く紫赤色を帯びていて、地面を這うように四方に伸びて生長する。茎葉ともに肉質で、葉は、へら形で厚く、少し紫赤色を帯びる。
間違えやすい毒草 ニシキソウ・オオニシキソウ・コニシキソウ、通常葉に赤い斑紋があり、茎から白い乳液を出す。トウダイクサ科でマクラトール、ベータヒトステロールと呼ばれる毒成分が含まれる。これらの成分は危険性自体は低いが全草に含まれており、茎や葉を傷つけると出てくる白い乳液が直接皮膚に触れると皮膚炎のような症状が現れることがある。スベリヒユと同じように地面を這うように生長するが、葉質が薄く対生(茎に向かって対)につく。花は白い。

コニシキソウ

生え方 一年生の草本
学名 Portulaca oleracea
科名・属名 スベリヒユ科・スベリヒユ属
採取方法 茎葉の元気の良い夏場に全草を採取(薬用)。
調理用にはなるべく開花期の柔らかい茎先を摘む。
あく抜き たっぷりの湯にひとつまみ塩を加えてさっと茹でて冷水にとる。
調理法 生のままサラダに。蒸すまたは茹でて、お浸し・和え物(醤油味、酢味噌和えなど)、スープ、スムージー、炒め物、細かく叩いてとろろなどに。山形県では「ひょう」と呼び、茹でて芥子醤油で食べる一種の山菜として扱われており、干して保存食にもされた。(そのままでは数週間しても完全には乾燥しないが、一度沸騰水につけて吊り下げるときれいに乾燥しやすい。)

また沖縄県では「ニンブトゥカー(念仏鉦)」と呼ばれ、葉物野菜の不足する夏季に重宝される。ヨーロッパではバースレインというハーブとして食用にされ、トルコやギリシャでは、生または炒めてサラダにする。
他の利用方法 薬用、スーパーフード、ダイエット食として。
効能 利尿、膀胱炎、肝臓病、肺結核、百日せき、浄血、悪性のできもの、便秘、痔、睾丸炎、尿道炎、淋病、心臓病、肝臓病、胃潰瘍、解熱、解毒、血便、産後の腰痛などには、茎葉を天日干し乾燥したもの1日量5~10グラム、水0.4リットルを約半量まで煎じて、1日3回に分けて服用。 尿の出が悪く体がむくむときにも良い。

毒虫などの虫刺され、かゆみや乳房腫痛、腫物などには、生の葉を洗い、つぶして、汁を塗布。細かいいぼ、にきび、唇荒れに全草を濃く煎じた液、または青葉汁で洗う。

生葉汁を外用し同時に煎液を内服で、いぼ、にきび、そばかす、たむし、疥癬、いんきん、しらくも、毒虫刺され、痔、乳腫に効果。さらに塩を加えると効果的。生葉汁の内服で淋病、こしけ、痔、膀胱炎、下痢の時の出血、食物の諸毒に効果がある。

スベリヒユはオメガ3脂肪酸を多く含み、オメガ3脂肪酸の効能として
・中性脂肪を下げる
・コレステロールを下げる(体内のコレステロールを下げ、血液の循環を高める)
・ガンの予防
・動脈硬化、心筋梗塞、高血圧などに起因する血流の改善
・アレルギー予防
・記憶力アップ(脳神経細胞の活動を促進するため、認知症予防につながる)
・発達障害と言われている自閉症、ADHD、小児発達障害の予防につながる。

その他の豊富な栄養素として、繊維・ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・銅・ベタレイン色素・カノテロイドなどと、鉄・マグネシウム・マンガン・カリウム・カルシウムが骨を丈夫にし骨粗鬆症予防に。鉄とコッペルが血行促進。

伝統的な漢方薬であるスベリヒユは下痢から赤痢までの胃腸問題の解決策として使用される。その理由は、スベリヒユにはリンゴ酸、クエン酸、アラニン、グルコースを含むため。抗酸化物質であるグルタチオンを含んでいるので、肝臓を強くする。サンアントニオのテキサス大学の研究者らは、他の果物や野菜よりも、ガンの成長を阻害する抗酸化物質のメラトニンを20倍以上を持っていることを発見。
その他 光合成に必要な二酸化炭素を夜間に気孔を開いて取り込む性質があり、昼間は気孔を開かずに取り込んだ二酸化炭素で光合成をするため、乾燥した土地でも水分の蒸散を極力少なくできると考えられている。このため、液胞に蓄積されたリンゴ酸に由来する酸味があり、ぬめりのある独特の食感を持つ。

スベリヒユは抜き取っても放置するとすぐに根づき、葉は一枚落ちていても発根する。

同属の園芸種にハナスベリヒユ(ポーチュラカ)やマツバボタンがある。

マツバボタン(ひでりそう)

参照サイト・文献 イー薬草・ドット・コム
ウィキペディア
松江の花図鑑
アイネコ
食と身体を考える
大地の薬箱 食べる薬草事典 村上光太郎著 / 農山魚村文化協会
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