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ヒトへの感染症を防ぐための「蚊の撲滅」プロジェクトが失敗していた 〜 人為的な遺伝子組換えすらも改変して生き延びようとする生物、その反動を予測できない人類

竹下雅敏氏からの情報です。
 InDeepさんは、これまで「蚊の撲滅計画」に関する記事を継続して追っておられました。
蚊による感染症を防ぐ目的で、成虫になる前に死ぬように遺伝子を組み換えた蚊を大量にブラジルで放出したところ、なぜかその後、その地域で小頭症の赤ちゃんが生まれるジカ熱が大流行したという記事、蚊が成虫になる前に死んでしまう遺伝子操作を加えたり、蚊を故意にバクテリアに感染させるといった「蚊の滅亡プロジェクト」は本当に人類への恩恵なのかという記事などで、ヒトのためには「絶滅してもいい生物がいる」という考え方に疑問を呈し、浅はかな人為的操作によって取り返しのつかない環境の変化を生む危険性を示唆されていました。
 そして今回は、そのブラジルで行われた遺伝子組み換え蚊のプロジェクトが失敗していたという記事です。
WHOも後押しした事業として、昆虫の駆除やコントロールをおこなうイギリスの企業オキシテック社は、遺伝子組み換えした蚊の最初の世代(F1)が死滅する設計をしました。実験当初は予想通り個体数が激減したものの、1年半後には元の個体数に戻り、しかも、操作した遺伝的改変は子孫の蚊に受け継がれていたそうです。InDeepさん曰く「ジュラシックパークみたい」とはまさに。人間の予想を超え、数世代のうちに自ら生存に向けて変化したのだそうです。しかも人為的な改変の反動で、蚊が以前とは違う強力な性質を持つ可能性があるとも警告されています。「蚊の撲滅プロジェクト」はさらに、一つの種を滅亡させる生物兵器「遺伝子ドライブ」技術へと進むようです。
反対や批判を押し切って進められるプロジェクトですが、ヒトへの感染症予防というのは表向き、実は陰惨な目的があってのことではないかと勘ぐりたくなります。
 書いていてもおぞましい実験の数々ですが、はるか昔から「ウイルスと生物の仲介をし続け、血液の交換をしてきた」蚊の役割を尊重し、地球上に不要な生物が存在するという考え方自体がおかしいのでは?と結ばれたInDeepさんの見解にホッと息をついたのでした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「蚊の撲滅」を目的としたブラジルでの「成虫になる前に死ぬ遺伝子操作」を施された蚊の放出実験が大失敗していたことがネイチャーの論文で発覚。遺伝子を操作された蚊たちは数世代で元通りに
転載元)
ロシアの報道で、「ブラジルで行われていた、遺伝子操作により蚊を撲滅させるプロジェクトが失敗した」という内容の冒頭の報道を見つけました。

(中略)

当時、ジカ熱とデング熱、そして黄熱病やマラリアなどの、それぞれ蚊が媒介する感染症が流行していました。

特にブラジルでは、妊娠した女性が感染すると、お腹の赤ちゃんに障害が出る可能性が高いジカ熱と、高熱と痛みに苦しめられるデング熱が大変に流行していまして、これらの感染症の拡大を防ぐために

「遺伝子操作を用いて、蚊を根絶する計画」
を実施することにしたのです。

オキシテック社(OXITEC)というイギリスにある昆虫の駆除やコントロールをおこなう企業が、遺伝子操作により、ジカやデング熱を媒介するネッタイシマカだけを撲滅させるプロジェクトをブラジルで行う実験を開始しました

この遺伝子操作は、

次の世代の幼虫が成虫になる前に死ぬように遺伝子を組み替えた

もので、その蚊たちをブラジルに一斉に放出したのでした。

このような遺伝子操作ですので、計画通りなら、この蚊の子孫たちは死に絶えることになります。

(中略)

このやり方は、WHO も、世界中の企業に呼びかけていました(中略)
(中略)

いくつかの組織が、この試みを開始し、中でも英オキシテック社は、ブラジルで大規模な「蚊撲滅実験」を実施したのでした。

実験が成功していれば、ブラジルに放出された蚊と、その子孫は、今はすべて死んでいる「はず」で、その遺伝の繰り返しの中で、ブラジルの蚊は、大幅に減少していた「はず」でした。

ところが、現実には、

「放出された蚊たちは、大繁殖を再開していた」


ことが米イェール大学の調査でわかり、その結果が、9月10日の科学誌ネイチャーに掲載された論文に記されていたのでした。

つまり、実験は失敗したわけで、それどころか、予想外の悪影響の可能性だけを残したということになりました。

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ぴょんぴょんの「〈八ッ場ダム〉はヒーローか?」

 今回の台風19号で、あちこちに「八ッ場ダム、ありがとう」というツイートを見かけた。「へえ、ダムがあって良かったな」と思いつつ、「ホントかい?」と真相を調べていったら、辻村ちひろ氏につながりました。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「〈八ッ場ダム〉はヒーローか?」


〈八ッ場ダム〉は氾濫を防いだヒーロー?


台風19号、大変な被害だったなあ。

ツイッターでは、〈ヤツバダム〉がヒーローになってたよ。


おめえ、〈ヤツバダム〉・・・じゃねえ。
〈八ッ場ダム〉と書いて、〈ヤンバダム〉って読むんだ。

ヤンバルクイナ?

沖縄じゃねえの、群馬県にあるの!

でもさあ、自然保護団体はダムを自然破壊って言うけど、こんなふうに役立つこともあるんだよ。

ほお! おめえは〈八ッ場ダム〉が上流で水をせき止めたおかげで、利根川が氾濫しなかったと言うんか?

ちがうの? だって、


ほら!〈八ッ場ダム〉はりっぱなヒーローだよ。

「八ッ場ダムは無敵だの 八ッ場ダムに感謝しろだの、しまいには八ッ場ダムはガンダムだとまで言いつのる始末」。こうゆうのを、デマゴーグという。(Harbor Business Online)
しろうと、だますのはこうも簡単なことか・・。

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小・中・高校生の自殺者数が、統計上、最多の332人 ~いじめや虐待、経済的困難といったマイナス要因を抱えやすく、自己肯定感や将来の夢、信頼できる人間関係といったプラス要因を得づらい状況

竹下雅敏氏からの情報です。
 小・中・高校生の自殺者数が、今の方法で統計を取り始めて以降、最も多くなったとのことです。自殺の理由は、6割が「不明」らしく、世の中全体の「生きづらさ」が背景にあるように見えます。2つ目の記事の引用元で、“いじめや虐待、経済的困難といったマイナス要因を抱えやすく、自己肯定感や将来の夢、信頼できる人間関係といったプラス要因を得づらい状況になっている”と言っています。
 マイナス要因は、グローバリズムの必然的な結果で、貧富の格差が拡がっていることから来ていると思います。プラス要因の減少は、格差の拡大によって、母親が仕事に出なければ子どもを育てられない状況にあることが大きいのではないでしょうか。子供が幼い時に母親が子供の傍に居なければ、プラス要因は育ちません。
 さらに引用元では、“とりわけSNSの影響が大きい”として、SNSが児童生徒間の「同調圧力」を高める方向に機能しているとしています。
 一説によると、大人でもFacebookを利用すると不幸になると言われており、他人と比較して自己嫌悪に陥ったり、「他者から評価されている自分」を演出することに疲れ切ってしまったりするようです。
 SNS上で、あまりにも多様な価値観が氾濫しています。大人でも正しい価値観を持っている人は少ないのだから、そうした混乱情報が子供に与える影響は、とんでもなく大きいと思います。
 まず大人が正しく生きること。正しく生きているかどうかは、簡単な方法でわかります。余命3ヶ月を宣告されたとして、今の生き方、生活が全く変わらない人が正しく生きているのです。余命を宣告されて、慌てて何か別のことをやり出すとすれば、その人は偽りの人生を生きているわけです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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自殺した児童生徒 最多の332人 昭和63年度以降で
引用元)
昨年度1年間に自殺した小中学生と高校生は332人で、昭和63年度以降、最も多かったことが文部科学省の調査で明らかになりました。
(中略)
文部科学省は、全国の小・中学校や高校から報告を受けた子どもたちの自殺の件数を毎年度、公表しています。その結果、昨年度、自殺した児童生徒の数は男子が193人、女子が139人の合わせて332人で、前の年度から82人、1.3倍の増加となりました。内訳は、小学生が5人、中学生が100人、高校生が227人です。(中略)… 子どもたちの自殺は昭和63年度に、今の方法で統計を取り始めて以降最も多くなりました。
(中略)
自殺の要因6割「不明」

自殺の要因をみると、家庭の問題が41人、親などの叱責が30人、進路の悩みが28人、いじめが9人などとなっていますが、最も多かったのは不明という回答で194人、全体の6割近くに上りました。
(以下略)
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10代前半の自殺、100年ぶりの高水準に。その要因は
引用元)

10代前半の自殺者率、縦軸は10万人あたりの自殺者数(人口動態統計より作者作図)


 人口動態統計の調査結果により、10代前半の自殺率が約100年ぶりの高水準になっていたことがわかりました。

 調査結果によると、10代前半の自殺率は1940年調査から1990年調査までのあいだは10万人あたりおおむね1人以下の水準が維持されていました。しかし、2000年ごろから増加を始め、最新の2018年の統計(月報年計・概数)では、10代前半の自殺率は1.9人。高水準だった100年前の水準を上回っていました。なお2018年だけが突出していたわけではなく、2017年の統計でも10代前半の自殺率は1.9人。
(以下略)
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配信元)
 
 

独逸の伯林で見た、聞いた、感じた社会問題、教育問題 ~第47楽章 一番がお好き? 高層ビルがお好き?

毎年、10月3日は、ドイツ統一の日の祝日です。
前年度の1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊して、
1990年10月3日に東西ドイツが統一したのです。
しかし、ドイツ人にとっては、実際にベルリンの壁が崩壊した
1989年の11月9日こそが、ドイツ統一の記念日だとしたいようですが、
11月9日といえば、歴史を振り返っても多くの事件がありますので、
無難な10月3日にしたようなのです。
11月9日についてはこちらに以前書きました。
11月9日か・・9月11日にも似てるしね・・
あれ、3月11日にも関係がありそう・・
数字へのこだわりがお好きなようで・・。
9月11日は航空券も安いとか???
(アイ、ヤイ、ヤイ、ヤイ・・ドイツ人風に・・こちらの言葉は、日本語でいうと、あらま・・、あら大変!のニュアンスで使われます)

第47楽章は、一番がお好き? 高層ビルがお好き? です。
(ユリシス)
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日本もドイツも一番がお好き


日本や日本人もよく、なんでも日本が一番!と特にバブル時代は、
『Japan as NO1』などもありましたし、思っている方も多いですが、
ドイツ語の先生によると、ドイツやドイツ人も、ドイツがなんでも
一番と言っていることが多い
ようです。
グーテンベルクが世界で一番最初に印刷を発明した・・とか、ツェッペリン
世界で一番最初に飛行船を作ったとよく言われています。

しかしながら、世界で最初に印刷、文字を作成したのは、中国ですし、
世界で初めて飛行船を飛ばしたのは、フランスやハンガリー帝国時代の技術者らしく・・。

Wikimedia_Commons[Public Domain]

世界中でよくある歴史の内容が結構違うこともわかりますし、
なんでも一番になりたいと思う心や価値観が問題ですね。

野心をもってはいけない・・
竹下先生がいろいろなところで言われています。

『なぜ人間が注意深くないのかと言えば、自分の世界に埋没してしまって、ずっと考え事をしているからです。
なぜいつも考え事をしているかというと、欲があるからです。男性ならば、経営や営業のことばかり考えています。風呂に入っても仕事のことを考えています。四六時中、さまざまなことを考え、ずっと白昼夢を描いている状態で、周りのものに注意深くあれ、というのは無理なのです。』
ぴ・よ・こ・と3 132ページより

上記の内容を普通の日本人の男性に説明しても
理解してもらえないような気がしています。
我が家の主人に言っても、たぶん意味がわからない・・
仕事のことを四六時中考えることが良いことであると
その価値観から外れることができない・・
その後に続く、ぴ・よ・こ・と3の猫のことを
言ったとしても、忙しい仕事生活の人に言っても
理解してもらえない内容のような気がしています。

『猫を見ていてごらんなさい。彼らは考え事をしていません。それが注意深いということなのです。
なぜ考え事をしていないのか。なぜ世界に正しく向きあえるのか。それは、欲望がないからなのです。』
ぴ・よ・こ・と3 132ページより


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「学校の当たり前」をやめた東京千代田区麹町中学校の変革・工藤勇一氏と「みんなの学校」の木村泰子氏

読者からの情報です。
宿題、中間・期末試験、固定担任制、クラス対抗体育祭の廃止を始めとした学校改革に取り組む、麹町中学校の校長先生工藤勇一氏の著書の抜粋記事です。工藤さんは、本来あるべき教育の本質、人間のあり方をしっかり捉えている真の教育者だと感じました。
工藤さんが不登校の生徒に「別に学校に来なくたって大丈夫だよ。進路のことも、高校に行きたいなら、今からでも全然問題なく行けるし、心配することなんて何もない」と言葉をかけたそうですが、ここまで言える先生、ましてや校長先生はなかなかいないのではないでしょうか。
制度が変わらなくても、人の意識が変わることで、公立の学校でもここまでの改革が可能なことに、驚き、希望が持てました。
(ヒカリネコ)
 例によって不勉強まのじ、初めて知ったのですが、工藤勇一氏はメディアでも取り上げられる大変有名な方でした。書かれていることはどれも真っ当で、その理念を麹町中学校での驚異的な取り組みで実現されました。これまでの教育の歴史の中で同様の志を持って教壇に立った方は多かったろうと思います。しかし、そうやすやすと変わらない現実に打ちのめされて来たのではないかと思っていました。
かんなまま様にも少しご意見を伺うと「教員を経験され、教育委員会にもいた方が、学校を変えた行動力は凄いものがあります。特に、必要のない校則を止め、テストを止め、宿題も止め、先生の負担も軽減して、学ぶ本質に迫ろうとしている改革は、目を見張るものがあります。文科省、教育委員会、現場の先生の壁は厚く、まるでラグビーの防御の壁のように厚いのですが、あっけなく変えたという印象です。
でも、本気で変えようとしているのか?この目で確かめたいと思っていたところ、先日テレビで放映された時の生徒たちの顔、先生の顔がよくて安心しました。
この改革が次の校長先生にも引き継がれていくといいのですが。
保護者にも支持されて他の公立学校にも広がっているようなので、日本中で広がってほしい思います。」と、ヒカリネコ様とともに今後に期待を寄せられていました。

 かんなまま様からは補足情報として、大阪市立大空小学校 初代校長、木村泰子氏を紹介していただきました。
工藤氏が「かなわないな」と尊敬されるという、やはり現場を大きく動かしてきた先生です。
 これまで蓄積されて来た教育界の歪みを根底から揺るがすような地殻変動が起ころうとしているのかもしれません。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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[連載]すべての組織改革のヒントになる「千代田区麹町中学校」の変革
(前略)

第1回】 麹町中学校の校長が「宿題全廃」を決めた理由とは? 
第2回中間・期末試験をやめたら、麹町中学校の生徒はどう変わった? 
第3回】 保護者間でアタリ、ハズレと噂も?中学校「固定担任制」の弊害 

(中略)

第10回】 「生徒同士のトラブル」に教師はどのように関与すべきか? 
第11回】 全国の学校で「意味不明なルール」が残り続ける理由とは? 
第12回】 麹町中学校長が語る…生徒の問題行動は、大人の「幻想」かも

[本連載の著者紹介] 工藤 勇一 千代田区立麹町中学校長 

1960年山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長等を経て、2014年から千代田区立麹町中学校長。教育再生実行会議委員、経済産業省「ed-tech 委員」等、公職を歴任。本書が初の著作となる。


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人の心なんて教育できるものではない 公立中学が挑む教育改革(10)【特別対談】木村泰子氏(大阪市立大空小学校 初代校長)×工藤勇一氏(千代田区立麹町中学校 校長)
引用元)
「お会いするたびに『この人にはかなわないな』と思うんです」――。工藤勇一氏が、深い尊敬の念を込めてそう評する人がいる。大阪市立大空小学校の初代校長を務めた木村泰子氏だ。「すべての子どもの学習権を保障する」という理念を掲げ、教職員や地域の人々とともに新たな学校づくりのあり方を示した木村氏。その取り組みは『みんなの学校』として映画化され、教育関係者を中心に数多くのフォロワーを生み出している。

(中略)

▼映画『みんなの学校』

(以下略)