ギリシャのツィプラス首相は、ギリシャ中央銀行が国内の銀行各行の活動を停止し、現金の引き落としを制限するよう勧告を出したことを事実であると認めた。
首相は次のように述べた。「ユーログループの決定により、今日、
欧州中央銀行は、ギリシャ中央銀行に対し、諸銀行の活動を停止するよう強制した」。
首相によれば、
ユーログループの決定は7月5日の国民投票を妨害するべくギリシャ国民を恐喝することを目的としたものでしかない。
「
これからの数日間に必要なのは、落ち着きと、我慢だけだ。ギリシャの銀行各行にある国民の預金は完全に保証されている。また、給料や年金の支払いも保証されている。
あらゆる困難に対し、落ち着きをもって、決然と対処しなければならない」とギリシャ首相。
ギリシャ債務危機に関しては、債権者の提案を受け入れるか否かを問う住民投票の実施よりも、ギリシャが財政支援プログラムを拒否し、同プログラムが火曜に期限切れを迎えることのほうが重大なニュースだ。フィナンシャル・タイムズ紙のウェブ版で、ヴォルフガング・ミュンハウ評論員が述べた。
ギリシャは水曜以降、財政支援を失い、債券市場にアクセスすることが出来なくなる。
ミュンハウ評論員は次のように述べている。
ギリシャ政府としては、プログラムを拒否することが、唯一確実かつ合理的な決定である。計画を受け入れた場合、ギリシャはさらに数年、不況に見舞われることになる。
ギリシャのユーロ圏離脱は短期的にはマイナスの影響のほうが大きいだろう。
しかしそれによってギリシャの復興への望みは残る。
債権者らとの合意がなければ、住民投票も意味を失う。もし国民が最後通告を受け入れたとしても、プログラムを元に戻すことは出来ない。
欧州中央銀行は「緊急流動性支援(ELA)」の枠内で
ギリシャの各銀行の融資額を削減し、資本の動きを管理する構えだ。続いて並行通貨が発行され、それによりギリシャは、EUおよび欧州中央銀がギリシャの銀行システムの処理方法を確立するまでの間、
賃金や年金を払うことが出来るようになる。
もし住民投票が支援プログラムの期限が切れる前に行われたなら、このプロセスを阻むことも出来ただろう。ギリシャ政府の決定はギリシャのユーロ圏離脱の可能性を高めるだけである。
実施が発表されている住民投票は、既に期限の切れたプログラムに関する、既に存在しない提案について社会と協議をする、一種の茶番に終わってしまう。
問題は、いつ欧州中央銀が引き金を引くのか、ということに尽きる。なぜなら欧州各国の財務当局に「ユーロ圏内のデフォルト」に備えた計画があろうはずがないからである。
「どうやら我々は破局に向かっているようだ。これは最悪の結果である。しかしユーロ圏のほかの参加者にとっては、悪夢はほんの序の口に過ぎない」。
以上のようにフィナンシャル・タイムズ紙のミュンハウ評論員は述べた。
今頃EUは、思ったように国民の不満と怒りがチプラス政権に向かわないことに、苛立っているでしょう。“続きはこちらから”の櫻井ジャーナルは、クーデターの危険性さえ指摘しており、私もその可能性があると見ています。しかし、おそらくこうした陰謀は成功しないと思います。
民衆の自由を求める戦いの最前線が、いまやギリシャなのですが、状況を理解していない日本人は、この“チプラス首相を支持する集会”の記事の書き込みで、的外れで恥ずかしくなるような暴言を吐いている者も居ます。彼らのギリシャ国民に対する呪いの言葉は、そのまま近いうちにブーメランのように返ってくるはずです。
ギリシャを他人事だと思っている愚かな人たちは、現在の日本がどういう状況にあるのか、全く理解していないようです。