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防衛費増額、緊急事態条項案、そして今度は防衛装備移転三原則を改定して殺傷能力を持つ兵器輸出を解禁するつもりの「確信犯」岸田政権

 防衛費を勝手に爆増することを決め、憲法審査会に緊急事態条項を本格的に持ち出し、そして今度は防衛装備移転三原則を改定して殺傷能力を持つ兵器輸出の解禁するつもりの岸田政権です。「防衛力の抜本的強化」を狙うとありますが、そもそも統一教会が軍事力を高めろと命じているのですから、破れかぶれで推し進める気でしょうか。防衛装備移転三原則は、日本がそれまで原則認めてこなかった武器輸出や国際共同開発を基本的に認めるものとして2014年に制定されました。現行では殺傷能力がある武器については「事実上、国際共同開発・生産に限定」とされていましたが、これから検討されるのは「相手国の抑止力が強化され、日本の安保環境に貢献する場合」「国際法違反の侵略を受けている国」「武力による威嚇などを受けている国」の追加です。前文で武器輸出などが「外交・防衛上の重要な政策ツール」と明記するともあり、平和外交の前提をかなぐり捨てるものとなっています。共同通信の記事では「自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け自衛隊法の改正も視野に入れる。」と、止まるところなし。
 日本が今年3月にウクライナに供与した防弾チョッキなどの防衛装備品は、現行の三原則の元では運用指針に反するものでしたが「異例の運用指針変更を行い、例外規定を設けてウクライナに供与」という横車を押したようです。
 今回のさらなる三原則の改定が実現すると、ウクライナに供与どころか、大手を振って日本が戦争に間接参加することもありうることをスプートニクが指摘しています。日本のメディアこそがこうした解説をすべきですが。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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日本、殺傷能力もつ兵器の輸出解禁へ検討
転載元)
日本政府は防衛装備移転三原則を改定し、殺傷能力を持つ兵器輸出の解禁に向け検討に入った。17日、政府筋の話として共同通信が伝えている。日本をめぐる安全保障環境が厳しくなるなか、防衛力の抜本的強化とともに、同盟国・パートナー国との連携を高める狙いがありそうだ。

共同通信によると、兵器供給先の国の抑止力が強化され、日本の安全保障環境に貢献する場合を条件とする案が出ているという。
防衛装備移転三原則は2014年、武器輸出三原則に代わる新たな政府方針として制定された。それまでは武器の輸出や国際共同開発をほぼ認めず、必要な際は例外規定を設けて運用していたのに対し、防衛装備移転三原則は武器の輸出入を基本的には認め、そのうえで禁止事項や厳格な審査を定めたものとなっている

日本は今年3月、ウクライナへ防弾チョッキやヘルメットを送っている。NHKなどによると、防衛装備移転三原則では「紛争当事国」への輸出は禁止されているが、ここでいう「紛争当事国」は「国連安保理の措置を受けている国」だといい、今回のウクライナは当てはまらない。

ただ、非同盟国であり、防衛装備品の相互協力を結んでいないウクライナに防弾チョッキなどの防衛装備品を供与することには、目的が「救難、輸送、警戒、監視、掃海」に限るとする運用指針の壁があった。そこで異例の運用指針変更を行い、例外規定を設けてウクライナに供与。一方、政府内にも慎重論は根強く、防弾チョッキが「日本が供与できるギリギリの防衛装備品」だという。

その時点では殺傷能力のある兵器の支援については実現しなかったものの、今回の防衛装備移転三原則を改定が実現すれば、同様の事例で間接的に日本が戦争に参加することにもなりかねない
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政府、殺傷力持つ武器輸出検討 自衛隊法改正を視野
引用元)
(前略)
提供により相手国の抑止力が強化され、日本の安全保障環境に貢献する場合を条件とする案が浮上。ロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、侵略や武力による威嚇などを受けている国を対象にすることも検討する。自衛隊が保有する武器・弾薬の提供に向け自衛隊法の改正も視野に入れる。政府筋が17日、明らかにした。

 移転三原則の前文も変更し、武器輸出などは「外交・防衛上の重要な政策ツール」と明記する方向

岸田首相がバイデン大統領と会談し防衛費爆増を約束、早速に自民与党内で増税へ 〜 統一教会の軍備増強路線に符合

 13日カンボジアで行われた日米首脳会談で岸田首相は、バイデン大統領に対し「防衛費の相当な増額を確保する決意」を示し、「バイデン大統領から強い支持をいただいた」と大きく尻尾を振っていました。来年度からの5年間で防衛費の総額43〜45兆円程度と軽く決めてきたそうですが、政府与党内ではその財源を増税で賄おうとこれまた軽く決めたようです。66%もの国民が増税に反対していてもおかまいなし。なんと言っても「統一教会/KCIA日本支部」が自民党の正体ですから「日本は生活水準を3分の1に減らし、税金を4倍、5倍にしてでも、軍事力を増強してゆかねばならない。」と常々お考えの教祖様が「防衛費増額」と言えば武器を買い、「お金が必要」と言えば日本政府はどんな理由をつけてでも送金します。そのための壺政権、壺自民党。これまでの対外有償軍事援助のようにポンコツ兵器の口約束だけで45兆円を繰り出すかもしれません。
 ここまで分かりやすく売国奴ぶりを見せてくれているのですから、私たちがキッチリお払い箱にしなければならない。これでもなお自民党を支持するのは、つぼ、、、以下略。
(まのじ)
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ロシアをめぐる動き 〜 ポーランドへのミサイル着弾はロシアの仕業か?/ 国連のロシアへの嫌がらせ決議には過半数が反意 / ガルーシン駐日大使の建設的置き土産

 11/16、ポーランドにミサイルが着弾し、メディアやネット上では一斉に「ロシアが!」と報じました。そういう時は必ず後から覆りますが、案の定、ネット上の賢者たちが着弾したのはウクライナ軍の「S-300」と確認し、ロシアの可能性をあっさり否定。それどころかウクライナの防空ミスだったと種明かしされていました。
 それより前、11/14の国連総会では悪質な決議がなされていました。オランダが提出した「軍事侵攻による損害の賠償をロシアに求めるとする決議案」で、「ロシアはウクライナへの軍事侵攻で国際法違反の責任を負わなければならないとしたうえで、不法行為によって引き起こされた損害の賠償をロシアに求めています。」という驚愕の内容です。ここでロシアの非をあげつらうならば、これまでのアメリカの「ユーゴ空爆、イラク戦争、リビア戦争、シリア戦争、イエメン戦争」などの大義なき大量殺戮をこそ問わなければならない。この嫌がらせ決議案に賛成したのは94カ国、棄権や不参加を含め反対の立場に立ったのは99カ国で、西側、そして国連への反意を示しました。メドベージェフ氏は、米国、NATOにも完全な補償を求める勧告を受け入れさせることができなければ、国連が機能しなくなると述べ、さらに「アングロサクソンは明らかに、不法に押収したロシアの資産を盗み出すために、法的根拠をかき集めようとしている。」と指摘しました。まさにこの決議がなされた頃、ポーランド領内に敷設されたロシアのガスプロム社のパイプラインを、ポーランドが国有化すると発表しました。有り体に言えば「窃盗」です。
 11/15は、離任が決まったミハイル・ガルーシン駐日大使が、今後の日露のエネルギー分野について「日本のガス輸入に占めるロシア産液化天然ガスの割合は増加する可能性がある」と指摘し、「ロシアがエネルギーを武器として利用しているという主張が虚偽であることを証明している。」「ロシアは自国の義務を果たしており、エネルギーやその他の分野で人為的な関係断絶を主導することは決してない。」と述べました。
 日本から受けたいわれのない抗議や非難にもかかわらず、建設的な関係を置き土産にされました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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国連 ロシアに損害賠償求める決議採択 ウクライナ侵攻めぐり
引用元)
ウクライナ情勢をめぐり国連総会では、軍事侵攻による損害の賠償をロシアに求めるとする決議案の採決が行われ、94か国の賛成で採択されました。一方で、73か国が採決を棄権し、ウクライナ情勢をめぐる国際社会の分断や対立が改めて浮き彫りになりました

決議案はオランダなどが提出したもので、ロシアはウクライナへの軍事侵攻で国際法違反の責任を負わなければならないとしたうえで、不法行為によって引き起こされた損害の賠償をロシアに求めています。
(以下略)
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日本との協力は、ロシアがエネルギーを武器として利用していないことを証明している=ガルージン大使
転載元)
ロシアのミハイル・ガルージン駐日大使は記者団との懇談で、ロシアと日本のエネルギー分野における協力は、ロシアがエネルギーを武器として利用しているという主張が虚偽であることを証明していると述べた

ガルージン氏は、日本のガス輸入に占めるロシア産液化天然ガス(LNG)の割合は増加する可能性があると指摘し、ロシア北極圏の「アークティックLNG2」プロジェクトからさらに200万トンのLNGが2023年に日本へ送られる予定だと強調した。大使は、日本は現在、ロシア産LNGを500万~550万トン購入しており、日本が輸入するLNGの約8%をロシア産が占めていると言及した。

「同プロジェクトは順調に進展しており、すでに『サハリン2』プロジェクトから送られているLNGに加えて、すでに来年にも日本へロシア産LNGが追加で送られることに期待している。LNGは、日本がエネルギー資源を確保したり、エネルギー安全保障の分野で日本の戦略的利益を確保する上で重要な要素だ。『アークティックLNG2』プロジェクトの順調な進展や、日本が『サハリン2』プロジェクトの権益維持を決定したことなどはすべて、ロシアがエネルギーを政治的な武器として利用しているという西側の誇張された虚偽の主張が全く根拠がないことを証明している

ガルージン氏は、ロシアは自国の義務を果たしており、エネルギーやその他の分野で人為的な関係断絶を主導することは決してないと強調した。大使は「エネルギー分野における日本との協力は、まさにそれを裏付ける非常に説得力のある証拠」だと考えている。
ガルージン氏はまた、2013年から2021年に露日関係は徐々に発展したとし、日本がエネルギー資源を確保する上で戦略的に重要なエネルギー分野における両国の協力は新たな水準に入ったと指摘した。

「アークティックLNG2」は、ロシア天然ガス大手ノバテクが主導する大規模LNGプロジェクト。同プロジェクトには、ノバテク(60%)、フランスのトタル(10%)、中国の中国海洋石油団(10%)、中国石油天然気集団の子会社の中国石油天然ガス勘探開発公司(10%)、日本の三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構による共同出資会社ジャパン・アルクティクLNG(10%)が参加している。

東アジアサミットで中国にケンカを売った日本・岸田首相 / アジア各国から熱烈歓迎のラブロフ外相は、NATOの中国封じ込めに日本が利用されていることを指摘

 東アジアサミット、G20と国際会議が続きます。当然ロシアが注目されますが、今回はプーチン大統領が欠席し、存在感を増すラブロフ外相が登場でした。ウクライナ紛争では当事者でもない日本がNATOのメンバーのように振舞ってロシアの不興を買っていますが、今回の東アジアサミットの舞台でも、わざわざ中国にケンカを売るような発言をしました。「東シナ海で中国による日本の主権を侵害する活動が継続、強化されている」と名指しで批判したと報じられています。中国と協調しているロシア、そしてロシアとアメリカの間ですでに水面下での和平交渉が行われている状況でこの発言、むざむざと自らハシゴを外されに行っています。ラブロフ外相はきっちり「NATOは中国を封じ込めるためにアジア太平洋地域を軍事化しようとしている」「豪英米の『AUKUS(オーカス)』ブロックは現在、中国に対抗するために日本、ニュージーランド、カナダを引き入れようとしている」との認識を表明しました。サミットでは主催国のカンボジアはもとより、インドネシア、ベトナムがBRICSへの参加を「熱望」し、シンガポールとも良好な関係を見せました。またプノンペンに到着したラブロフ外相のタラップにはレッドカーペットが敷かれ熱烈歓迎ムードでしたが、バイデン大統領には無し。西側メディアは悔しかったのか、バリに到着したラブロフが入院したと速報を打ちました。しかし直後、ラブロフ外相は余裕シャクシャクの姿を見せ、メディアのフェイクと劣化のみが判明しました。西側は同盟国に、ロシアとラブロフをボイコットするよう働きかけているそうですが、サミットの様子を見る限り、孤立するのは西側になりそうです。
(まのじ)
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ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第57話 ― ニクソン・ショックとオイルショック

 日本の食料やエネルギーなどの価格高騰の深刻さから明らかなように、日本の円の信任が崩れています。バカで出口のないアベノミクスを10年以上続けている当然の結果ですが、それも含めてドルの支配者に富を奪われているというのが現在日本の現実でしょう。ただし、奪っているドルの支配者たちのその肝心のドル自体も崩壊しつつあるのは明白です。しかしだからこそ、自分たちの生き残りをかけてドルの支配者たちは、日本から世界から奪えるものは全て奪ってしまえと必死のあがきをつづけているように映ります。
 ドルの支配者とは、米国の中央銀行である連邦準備銀行FRBの所有者たちです。FRBは完全な私有銀行で、その私有銀行が基軸通貨のドルを発行していて、1913年のFRB設立によって、米国は完全に彼らに金融支配を受けるようになったことは、幾度も言及してきたとおりです。米ドルの発行の仕組みは米国政府債とセットです。外伝48で見たように、FRB設立以前の段階で、「米政府はドル発行のたび同額の債務を負い、利子に追われること」になっていたのです。1863年にアブラハム・リンカーンが署名した「国立銀行法」の制定によるものです。
セリフは「反ロスチャイルド同盟」より
Wikimedia Commons [Public Domain]

 米国を食い物にしてFRBの所有者に莫大な利益をもたらすドルを発行、しかしそのドルは、通貨としては約50年前に本来としては破綻しています。通貨には信用がなければ通貨として通用しないので、価値を裏付ける担保を要します。ドルの担保は黄金であり、長らく金本位制がとられていました。ところが、FRBは金本位制を維持できなくなってそれを放棄したのです。その宣言がニクソン(ドル)・ショックです。担保を放棄したのですから、通貨としては破綻のはずです。しかし嘘と隠蔽の闇の中にあるFRBはその責任は無しに、逆に金本位制の放棄を利用していきます。彼らは際限なく通貨を発行して肥え太っていくのです。全く価値の裏付けのない通貨です。その結果が現在なのです。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第57話 ― ニクソン・ショックとオイルショック

ニクソン(ドル)・ショック発動


1971(昭和46)年8月15日(日本時間8月16日 月曜日午前)、日本をそして世界を震撼させる宣言が、当時の米国大統領ニクソンから発せられました。突然の一方的なドルの金兌換停止宣言、ニクソン(ドル)・ショックです。これで世界基軸通貨のドルは、それまでの金への兌換が停止され、金兌換紙幣から不換紙幣となり、ブレトンウッズ体制は終了となりました。

✅ 0:45〜:1945年、ブレトンウッズ合意により、世界の準備通貨になったドル。1オンス35ドルの一貫した比率で金(Gold)に換えられるという条件で成立。
✅ 1:15〜:1970年に至る数年間、ベトナム戦争の支出により、所有している金より遥かに多くの紙幣を印刷した米国。
✅ 1:23〜:米国に金を戻すように頼み始めた多くの国々、金を取り戻そうとしたフランス、それを拒否したニクソン。
✅ 1:39〜:1971年8月15日、ニクソン「金・ドル交換停止」発表の様子。

第2次世界大戦終了間近1944年、それだけではないのですが米国に黄金が大量に集まっていたことから、米ドルを世界基軸通貨とするブレトンウッズ体制がとられ、ブレトンウッズ体制は、米国がドルを公定価格でいつでも金と交換すると約束することによって支えられていたのです。

ニクソン(ドル)・ショックが宣言されたのは、米国中央銀行FRBがドルをどんどんと刷り、それに比して米国内の金保有量が減少していったことが原因です。ここまで紙幣の発行は金本位制、つまり黄金をその担保として紙幣が信用創造で発行されてきたのです。

その比率は金保有量に対して約十倍の紙幣発行です。つまり、10億円の現物の黄金をもとに約100億円の紙幣が発行されるというものです。この10倍の紙幣が現物の黄金と交換できるギリギリのラインであり、10倍を超えての発行紙幣では黄金の担保が成立(取り付け対応)できないのです。


Wikimedia_Commons [Public Domain]

端的な言い方をすれば、ニクソン・ショックで基軸通貨ドルは、金の交換の担保を失った紙くず紙幣となったとも言えるでしょう。それまで日本円と米ドルのレートは360円=1ドルで固定していましたが、それも当然崩れていき円高となります。

外伝47の冒頭で記したことですが、このニクソン・ショックによるFRBのドル金本位制の放棄を、当時のテレビニュースの解説では次のようにアナウンスしていたと記憶しています。

アメリカ政府は、これまで世界の基軸通貨ドルを金(ゴールド)に基づいて発行してきました。しかしこれからアメリカは、金という物ではなく、政府に対する世界の人々の信用によってドルを発行することになったのです。アメリカ政府は世界の人々の信用を揺るがさず深めるため、より政府をオープンに透明にしていくことになります。

もともとが信用創造の仕組み自体が「借金で無から通貨を作ったことにする詐欺」です。そして上のアナウンスは、ドルを米国政府が発行しているのなら筋は通りますが、実際にドルを発行しているのは米国中央銀行FRBなのです。


ただ、ニクソン(ドル)・ショックまでは銀行にも、信用創造による紙幣発行には金の担保という縛りがありました。しかし、ニクソン(ドル)・ショックは信用創造の金の縛りをもなくし、無制限に銀行はお金を発行できるようにしてしまったのです。おまけにFRBのドルの発行は、米国政府の債務による仕組みです。それでこの後現在に至るまで、米国政府は天文学的借金を積み重ねてきたのです。

それと上のアナウンスとは全く異なり、米国政府は秘密主義を深めていったのは周知の事実です。


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