安倍政府は24日から始まった臨時国会に、外国人労働者の受け入れを拡大する
出入国管理・難民認定法(入管難民法)改定案など13本の法案を提出すると表明した。
さらに先の国会で審議先送りに追い込まれた水道法改悪案や改憲手続きを定める国民投票法改定案なども焦点になる。国の将来を左右する重要法案を多数審議案件に盛り込んでおきながら、その内容を隠したまま問答無用で成立させようとしている。
今臨時国会で提出される主な法案は、
入国管理法改定案、日欧EPA関連法案、原子力損害賠償法改正案、海洋再生可能エネルギー利用促進法案、漁業法改定法案、デジタル化促進法案など13法案とされる。
だが個別の法案名を見るだけでは何を意図した法律なのかがよく分からない。しかも
臨時国会提出法案全文を衆議院がホームページなどで公表するのは国会召集日の翌日で、国民は事前に審議内容を知ることすらできない。そして公表する内容も「“第四十条”を“第三十九条の二”に…改める」「第一条中“を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成する”を“の基盤を強化する”に改める」(水道法改定の例)といった細切れ状態の条文の羅列で、
ここから意味をくみとるのは至難の業だ。
同時進行で大手メディアは「閣僚の資質が焦点」などと煙幕を張り、
法案審議から国民の関心をそらす動きを強めている。
入管法改定案
提出法案で最大の焦点と目されているのは入管法改定案である。同法は外国人労働者の受け入れを、単純労働に拡大する新在留資格創設が柱だ。
(中略)
先の国会で「働き方改革関連法」が成立し
無制限の無賃残業を認める「高プロ」導入も決めた。このうえに外国人の単純労働者受け入れを認めれば、劣悪な外国人労働がまん延し、それが国内の労働・安全基準や給与水準を大幅に押し下げる危険性をはらんでいる。
日欧EPA関連法案
日欧EPA関連法案は日欧EPAの来年発効を目指す承認案など国内手続きを進めることが中身だ。
日欧EPAでは、日本の農林水産品についてTPP並みの82%に及ぶ関税撤廃をとり決めたが、それを実行に移せば牛乳・乳製品を出荷する畜産農家をはじめ国内産業には大打撃となる。
(中略)
国民世論を無視して安倍政府が合意をとりつけた日欧EPAだが、
これを本当に発効させるのか正念場を迎えている。
漁業法改定案
漁業法改定案も提出する方向である。その伏線は
規制改革会議が猛烈な圧力をかけ、水産庁が今年5月に発表した改革案である。これは
全国の自治体にも漁業関係者にも知らせず秘密裏に作成され、6月には政府の「農林水産業・地域の活力創造プラン」として正式な政府方針にしている。その内容は
自治体が地元の漁業協同組合に優先的に漁業権を与えるルールを廃止することが柱だ。養殖用の漁業権については、営利企業が漁協を通さず直接、自治体から買えるようにする(区画漁業権の民間企業への開放)方向だ。さらに水揚げ漁港の集約、沖合・遠洋漁業(許可漁業)漁船のトン数制限撤廃、
生産性が低い漁業者への許可とり消し、などが主な内容となっている。
洋上風力推進法も
農漁業破壊策とセットで動くのが洋上風力建設を推進する「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法案」である。
(中略)
政府がいくらでも「命令」を後付けできる身勝手な内容も加えている。
(中略)
「重要広範議案」ゼロ 首相の出席必須なくす
そして
今国会における特徴は与党側が「国会会期が窮屈なので入管難民法改定に万全を期す」と主張し、今国会提出議案のなかで
「重要広範議案」をゼロにする動きを見せていることだ。
「重要広範議案」とは与野党がとくに重視する法案で、所管大臣や首相が本会議の趣旨説明や質疑、委員会の基本的質疑に出席しなければならない。これまで通常国会では四法案、臨時国会では最低一法案指定するのが通例だった。だが
今回は「安倍首相の外交日程が立て込んでいる」との理由で、入管難民法改定も含めてどの法案も「重要広範議案」に指定しなかった。
(中略)
だが
安倍首相は臨時国会召集日に衆参両院の本会議で所信表明演説を終えると、翌日から中国、シンガポール、アルゼンチンなど外国を飛び回り、あまり日本に帰って来ないスケジュールを組んでいる。
(中略)
会議に向けた移動時間も含めれば、
国会審議に参加しない日はさらに増えることになる。
(中略)
そして重要法案でありながら、こっそりと成立手続きを加速している法律が、継続審議案件の水道法改悪案と国民投票法改定案である。
» 続きはこちらから
一時的にウソで逃げ切り、解決したごとく終わらせていますが、うやむや感は、どんどん増すばかりの安倍政権。
あべぴょん・ウソ語録のフルコースをご堪能ください。