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【第4回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性②皮膚・口腔・胃への効果

 2018年もスローペースでお届けします。どうぞよろしくお願い致します。今回は、皮膚、口腔、胃への乳酸菌の効果について書きました。
(地球に優しい方の微生物学者)
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性②皮膚・口腔・胃への効果

Bifidobacterium adolescentis
Author: Y-tambe


皮膚の保湿性改善効果

 皮膚の機能と腸内環境は密接に関わっています。例えば、腸内の悪玉菌が増えすぎると有害物質(フェノール類等)がたくさん腸内へ放出されます。それが腸管から吸収され表皮の細胞へ悪影響を与え、皮膚の保湿機能を低下させることが分かっています。

 あるオリゴ糖含有のビフィズス菌発酵乳(※)を摂取すると、腸内の悪玉菌増殖が抑えられ血中のフェノール濃度が減少することで、皮膚の保湿機能が向上することが報告されています。また、乾燥肌の40〜60歳の女性を対象とした試験では、ある乳酸菌で作った発酵乳の摂取により頬の水分量が増加傾向を示し、前腕の水分量が有意に増加したと報告されています。

(※)プロバイオティクス(第一回目:プロバイオティクスって何?)とプレバイオティクス(第三回目:ビフィズスフローラ)を同時に摂ることを「シンバイオティクス」と呼び、相乗効果が期待できます。ビフィズス菌とオリゴ糖が代表的なシンバイオティクスでよく商品等に使われています。


アトピー性皮膚炎の改善効果

 こちらはアレルギーの改善効果で詳しく書く予定ですが、アトピー性皮膚炎にも乳酸菌やビフィズス菌が効果を示すことが分かっています。腸内環境と免疫は密接な関わりがあるためです。簡単に言うと、乳酸菌やビフィズス菌には免疫調節作用があり、白血球のバランスを改善することによりアレルギー(アトピー性皮膚炎、花粉症、鼻炎等)に効果を発揮します。



虫歯菌や歯周病菌の抑制と口臭予防

 次に口の中での活躍を見てみましょう。虫歯菌で有名なミュータンス菌のように乳酸菌は酸やネバネバ物質(多糖類)を生産するためう蝕(虫歯)のリスクとなるという報告がありますが、逆に虫歯の原因菌をやっつけてくれる乳酸菌もいます。また、歯周病はう蝕と並ぶ代表的な口腔疾患で全身の疾患(動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病など)にも関与していることが分かっていますが、乳酸菌の中には歯周病の原因菌であるジンジバリス菌やインターメディア菌に対する強い殺菌効果を有し、かつ過剰な酸の産生を行わないものが存在しています。

 そのような乳酸菌を継続摂取すると、実際に歯周病菌を減少させる効果があることがヒト臨床試験でも明らかにされています。また、上記の歯周病菌は口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(硫化水素やメチルメルカプタン等)を生産するため、口臭原因菌でもありますが、その乳酸菌の服用により口臭を抑える効果があることも明らかにされています。
 現在、口腔内の微生物が全身の健康に影響を与えていることが明らかとなっています。また、各器官はお互いに情報交換をしていることが明らかとなってきており、現代医学(西洋医学)も段々東洋医学の思想に近づいてきているように思えます。健康はホリスティック(全体的)に考えないといけないのだと思います。


ピロリ菌の抑制

 口から中に入っていき、胃での活躍を見てみましょう。胃の中の菌で一番に思いつくのは、ピロリ菌だと思います。ピロリ菌は、胃がんや胃潰瘍の原因菌とされており、実際に除菌により胃がんや胃潰瘍のリスクが減少することが分かっています。現在、ピロリ菌の除菌には抗生物質が使用されていますが耐性菌の増加が懸念されていることから、抗生物質を補完あるいは代替するものとしてプロバイオティクスの利用が考えられています。
 「リスクと戦う乳酸菌」で有名なある乳酸菌は、低いpHでも増殖し、ヒト胃上皮細胞に高い付着性を示し、さらにピロリ菌の増殖抑制効果を持つ乳酸菌です。本菌では数多くの臨床試験が行われており、本菌を用いて作製されたヨーグルトの摂取後、プラセボヨーグルトと比較して有意な胃内ピロリ菌の減少、胃粘膜炎症の改善などが確認されています。また、除菌療法との併用試験も行われており、除菌療法単独群に比べ併用群(ヨーグルトを除菌療法開始3週間前から終了まで計4週間投与)で除菌率が有意に上昇することが明らかにされています。

 余談ですが、韓国ではピロリ菌対策として、ピロリ菌のウレアーゼに対する卵黄抗体(親鶏に抗原を注射すると卵に抗体が移行する)が食品素材としてヨーグルト等に添加され販売されています。日本でも販売されていた時があったようですが、今調べると取り扱い中止となっているので現在は販売されていないのかもしれません。
 ただ、こちらのような記事が2017年4月に出ていますので、今後ピロリ菌対策として卵黄抗体入りの商品が出てくるかもしれません。ウレアーゼは、胃粘液との接着に関与するタンパク質であり、抗体によりブロックすることにより胃内でのピロリ菌の定着を減らすことができることが確認されています。
 しかし、ピロリ菌除菌により逆流性食道炎や食道がんが増えるという報告こちらを参照もあるため、過剰な除菌には疑問符が打たれます。ヨーグルトなどで適度に大人しくしてもらうぐらいが良いのかもしれません。


あとがき

 今回、特定の菌名は伏せましたが調べればすぐ分かると思います。人でも個人個人能力が違うように菌も個菌個菌(こんな言い方はしません笑)能力が異なります。人で言う個人名に相当するものを菌株名と呼びます。ヨーグルト等は菌株名(の一部)を商品名にしている場合も多く見られます。大手企業は自社の膨大な保有菌から機能に応じて選び抜かれた優秀な菌株を使用しています。

 ヨーグルトは全て同じと思われている方も多いですが、実は使用している菌によって特徴が違うのです。用途や自分の腸内フローラに応じて、自分に合ったヨーグルトを探してみてください。免疫力アップなど機能が実感し辛いものは「快便」を指標にされると良いと思います。

Writer

地球に優しい方の微生物学者

主に自然科学関連の記事へのコメントと「きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜」という記事を寄稿しています(滞りがちでスミマセン)。大学で微生物(乳酸菌)の機能性研究を行っています。最新の知見もご紹介しながら、魅惑の菌ワールドに皆さんをお連れしたいと思います。

何故か「う○こ」担当みたいになっていますが、非常に不本意です(※)!!専門は乳酸菌ですので、汚くないスマートな記事をお届け致します。できるだけ専門用語は避け、解説をしながら分かりやすくお伝えできるように頑張ります。
※私は8種体癖です(笑)


柚木道義議員がついに安倍総理に「山口敬之氏レイプ揉み消し事件」を徹底追及! ~ひたすら逃げ回り続ける逮捕中止指示の張本人、中村格総括審議官~

竹下雅敏氏からの情報です。
 希望の党の柚木議員が、山口敬之のレイプもみ消し事件を追及したようです。今回も、中村格は国会に姿を現さなかったようです。
 危機管理の専門家が、自分自身の危機に対して、“逃げ回る”ことが最善だと判断したのでしょう。果たして逃げ切れるか否かは、野党の追及次第と言えるでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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【全力応援】希望・柚木道義議員がついに安倍総理に「山口敬之氏レイプ揉み消し事件」を徹底追及!伊藤詩織さんは国会を傍聴!総理「個別の案件には答えられない」
転載元)
どんなにゅーす?

・2018年1月30日、衆院予算委員会にて、希望の党・柚木道義議員が、ついに「安倍総理の代弁者」との異名を持つジャーナリスト山口敬之氏によるレイプ逮捕揉み消し事件を安倍総理本人に対して追及した。

・柚木議員は、山口氏が詐欺・脱税容疑で逮捕・起訴されているスパコン開発会社ペジーコンピューティングの顧問を務めていることや、山口氏がペジー社斉藤社長から高級レジデンスを提供されていた実態なども紹介。レイプ被害者である伊藤詩織さんも国会を傍聴し、その質疑の模様や安倍総理の答弁を静かに見守った。



(中略)

昨年の臨時国会でも、詩織さん事件を徹底追及したことで大きな話題になっていた希望の党の柚木道義議員が、ついに安倍総理本人に対して、この疑惑を直接的に問い質しました!
まさに、世界中のメディアが積極的に報道し、ワールドワイドで大きく注目されているくらいの大問題ですから、議場も今までなかったほどに緊張感が包み込み、見所が満載の国会追及となりました。

(中略)

安倍総理に向かって「この方(山口氏)が準強姦罪で捜査対象になっていたことを総理はご存じだったのか?」と軽くジャブを出したところ、いきなり総理はすっとぼけた様子で平静を装い「個別の案件には答えられない」と返答。

これを受けて、柚木議員は「個別の事案ではなく、これだけ世界から『日本は性犯罪後進国なのか?』との疑惑の目が向けられている。揉み消しもでっち上げも絶対にあってはならないし、詩織さんは自分のことではなく、社会のために自ら顔を出され、実名で会見を行なった。検察審査会もブラックボックスであることが取材を通じて分かってきた。”開かれた司法”を実現するためにも、安倍総理はせめてこの捜査が行なわれていたことを、知ってたか知らなかったかだけでも答えて欲しい」と詰め寄ったところ、なんと、全くお呼びでない小此木国家公安委員長が(安倍総理の助け船で)登場。

まさに、ここで安倍政権の姑息さと、核心から逃げようとする卑怯な姿勢が如実に表れたね。

(中略)

まさに時間稼ぎのごとく、小此木氏が延々と聞いてもないことを話し始め、議場が騒然になりましたね。

(中略)

逮捕中止指示の張本人、中村格総括審議官はまたしても今回も逃亡!


そして、詩織さんからの直接取材にも全力疾走で逃走し、今までも一度も国会に姿を現わさなかった中村格総括審議官(当時の刑事部長)は、またしても今回も出席を拒否しました。

(中略)

犯人を追いかけて捕まえるはずの警察のトップが、まるで必死に逃げ回る”犯人そのもの”みたいにすり替わっちゃっているし、何とも情けないこの国の”末期的な現状”だ。

(中略)

まあ、この中村格氏の姿がこの事件の本質と「闇の深さ」を物語っているといえるだろう。

(中略)

改めて、日本の大手マスメディアが揃ってタブー視しているこの案件を、ここまで本気で積極的に取り上げた柚木議員は大きな賞賛に値するし、今後も国民の多くの声を代弁してくれながら国会追及を続ける柚木議員を全力で応援していこうと思う。

(以下略)

[Walk in the Spirit] 岐路に立つマイナンバー?? 〜 安心するのはまだ早い

 監視社会の道具となるマイナンバー制度が始まって2年が過ぎました。カードの受け取りを拒否しても、社会生活上、マイナンバーの記載を求められることは度々あり、これからの様子をじっと窺うような状況です。ところが最近、マイナンバー見直しの報道を目にするようになりました。規則の一部ではありますが、企業へ送る従業員の個人住民税額通知書には、個人番号の記載を求めないことにしたそうな。理由は、誤送付による情報漏洩が相次ぎ、また、企業の事務負担が重いため、という笑えぬ事態です。しかも、マイナンバーカードの普及率は、わずかに1割とも。いいぞ、この流れで制度の見直し、中止となれば、痛い勉強代で済むことだと内心喜んでいたところ、、。
 「Walk in the Spirit」の記事によると、喜ぶのは早すぎるようです。
アメリカでは、マイナンバーよりももっとタチの悪い生体認証ID(身分証明)カード所持を義務付ける法案が作られ、メディアが一切沈黙する中、後は議会を通すだけという状況のようです。
管理人さんの懸念は、日本でも「国民の自主性に任せたらIDカードなど普及しない。総務省はアメリカにならって、強制普及の法案を多くの法案に紛れ込ませて議会を通過させ、ある日、適当な理由をつけて発令するのでは」というものです。今の政権なら、充分あり得るシナリオではありませんか。監視されるのは、あべぴょん一味の方ではなくって?
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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マイナンバー記載、不要に 企業への住民税通知書
引用元)
 地方自治体が企業へ送る従業員の個人住民税額通知書にマイナンバー制度の個人番号の記載を定めた規則を、政府が改正したことが16日、分かった。2018年度から番号記載が不要になる。誤送付による情報漏えいが相次いだほか、通知書を管理する企業側の事務負担が重く、経済界や自治体が不記載とするべきだと訴えていた。
(以下略)
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配信元)

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岐路に立つマイナンバー??
転載元)
こちら、

岐路に立つマイナンバー 活用策の浸透がカギに
2018/1/26付 日本経済新聞 夕刊

日本に住むすべての人に12桁の個人番号を付与するマイナンバー制度が始まって2年余り。(中略)任意で番号を預貯金口座とひも付ける「付番」も始まった。マイナンバーカードの普及率はまだ1割。政府はあの手この手で利用を進めようとしている。(以下略) 


臓器提供カード受取り
普及率10.4%、

マイナンバーは消滅するのだろうか?

大丈夫、すべては計画通り、


(中略)
USでは既に法案(HR-4760)が出来ていて、

(中略)
あとは議会を通すだけ、
内容はすべての米国人に、
生体認証ID(身分証明)カード所持を義務付けるもの、








これがないと、就職、口座開設、
パスポート、免許関係が取得できない、

表向きは、不法移民対策だが、
実質、国民個人の完全把握が可能になる、

(もちろん目的は後者、)

不思議なことに、メディア報道が一切なく、
法案自体は、400ページの他の法案に紛れている!?


そもそも、IDカードを、国民の自主性で選択させたら、
普及などするわけがない、

総務省は始めからそれ(普及しない)を知っていて、
次のステージ、即ち、
強制普及への口実にするつもりなのだろう!?

法案は、米国と同じく、
多くの法案の中に紛れ込ませ、通過させておいて、

ある日、(危機が強められて)都合のいい日に、
(北からの)不法移民対策!
トカナントカ言って、発令する、

ぴょんぴょんの「今なぜ、改憲?」

 手さぐりで調べてきた、憲法の改正。むずかしかったけど、挑戦してよかったと思います。
 何よりも自分から学べたのがよかった。時事ブログは、毎日アーンと口を開けるだけで、栄養のある食べ物が食べられる。モグモグと食べるけど、どのくらい自分の身になっているのかわからない。それが今回は、お腹をすかして食べたので、これまでスルーしていた内容が、とてもおいしく感じられ、はじめて自分の栄養になった感じがしました。
 今回のキーワードは「戦後70年」です。
(ぴょんぴょん)
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ぴょんぴょんの「今なぜ、改憲?」


日本国憲法は、占領軍の押しつけ?


ねえねえ、くろちゃん、憲法改正って、いつごろから騒がれてたの?

2年前、報道ステーションでスクープされた、「岸内閣時代の憲法調査会」の録音テープ、覚えてっか?


あれはたしか、昭和31年のテープだよね。
そんな以前から、憲法を改正しようとしてたんだ。

ま、あのとき、改正を声高に叫んでいたのは、おじいちゃま、そして今叫んでるのが安倍首相。
その頃から「現行の日本国憲法は、GHQの押し付け憲法」ってセリフの繰り返しだ。
「占領下にできた憲法をあらためて、日本にふさわしい自主憲法を作りたい」
と岸信介が言えば、孫は「占領時代に作られた憲法である。私たちの手で憲法を変えていくべきだ」と言う。

なんか、まったくおんなじこと言ってる。

安倍首相の頭ン中じゃ、録音された「おじいちゃま」の言葉が、こわれたレコードみたいにリピートしてるかもな。


でも、「日本国憲法は、占領軍の押しつけ」って、ホントなの?

当時の録音で、改正派は「外国の権力者が作った憲法ですから」とか、「みっともない前文」とか言ってる。これ、どっかで聞き覚えねえか?

安倍首相も、「みっともない」って言ってたような。

2012年の安倍首相の発言
「日本国憲法の前文には『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』と書いてある。つまり、自分たちの安全を世界に任せますよと言っている。・・・いじましいんですね。みっともない憲法ですよ、はっきり言って。それは、日本人が作ったんじゃないですからね。」

「いじましい」? 「いじましい」ってどういう意味?

「見苦しい」って意味だよ。おのれも今の憲法の恩恵にあずかってきたくせに、なんていいぐさだって思うな。

でも、「日本人が作ったんじゃない」って言ってるよ。

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[お役立ち情報の杜(もり)] 自民党にとって最も耳障りな演説はこれだ!志位委員長の代表質問書き起こし。

 1月25日に衆議院本会議で行われた、日本共産党志位委員長の代表質問の書き起こしを「お役立ち情報の杜」さんが掲載されています。
 今の日本の国民にとって、どれも外せない極めて深刻な現状と課題を、無駄なく明快に追求する質問ですが、安倍政権の急所を突く質問であるだけに、管理人さんの書かれている通り「忖度メディアは無視」することでしょう。代表質問の時間は、わずか20分足らず。全文転載させていただきました。
 限りなく黒い「モリ・カケ」問題から始まり、安倍政権下で国民が貧困化したこと、その上さらに、セイフティネットである生活保護まで削減すること、国民を奴隷化するような「働き方改革」のこと、原発再稼働のこと、国民すべてに関わる沖縄の米軍基地問題のこと、そして憲法9条改定のこと。
 ふつうの人間ならば、聞かれたことに答えるものですが、あべぴょんのことですから何を聞かれても原稿に書かれたことしか言えないでしょう。壊れたゼンマイ仕掛けのような答弁はもうよろし、誰がどのような質問をするか、どれだけ追い詰めるかを見極めようと思います。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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自民党にとって最も耳障りな演説はこれだ!志位委員長の代表質問書き起こし。
転載元)
(前略)




 雇用のヨーコさんがツイッターで書き起こしてくださった文章を、以下に転載いたします。

 書き起こし
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【森友・加計疑惑】


 昨年の特別国会での質疑を通じ疑惑はいよいよ深まった。財務省の側から森友学園に値引き売却を提案し、口裏合わせを図ったことを示す音声データの存在を政府も認めざるを得なくなった。売る側の財務省が値引き売却を提案するというのはあまりに異常ではないか。

 その背景に安倍昭恵氏の関与があるのではないか。疑惑はいよいよ深刻です。加計疑惑では、2015年6月の国家戦略特区諮問会議のワーキンググループの会合に、加計関係者が出席・発言していたことが隠され続け、速記録まで破棄されていたことが明らかになりました。

 加計学園の獣医学部新設が決定される1年半も前から、加計関係者が政府の会合に出席していた――これは「加計ありき」としか言いようのない異常な事態だと考えませんか。この問題でも疑惑はきわめて深刻であります。

 ここまで深刻になった国政私物化疑惑を、このまま幕引きにするなど絶対に許されません。真相解明のためには、安倍昭恵氏と加計孝太郎氏の国会招致は絶対不可欠です。文書開示を求めます。総理の見解を問うものです。


【暮らしと経済】


 安倍政権の5年間、「世界で一番企業が活躍しやすい国」の掛け声のもと、大企業は史上最大の利益をあげ、400兆円を超える内部留保を積み増し、一握りの超富裕層の資産は3倍に。一方働く人の実質賃金は年額で15万円減り、実質消費支出は20万円減りました。総理、安倍政権の5年間で、格差が拡大し、貧困が悪化した――この事実をお認めになりますか。


【生活保護】


 こうしたもとで重大なのは、政府が、生活保護を最大5%削減する方針を決めたことです。すでに生活保護は2013年見直しで最大10%削減。昨年末市民団体が行った緊急ホットラインでは「食費が削られている」「入浴回数が月1回に」「耐久消費財の買い替えができない」「サイズの合わない昔の服を着続けている」「真冬に灯油が買えず肺炎に」などの深刻な実態が。さらなる削減の方針に対して、「もう削るところがない」「死んでくれといわれているようだ」との痛切な訴えが出されています。

以下、総理に端的にうかがいます。

 第一。政府は削減理由を「生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったから」と。総理は「安倍政権になって貧困は改善」と宣伝してきたが、「低所得世帯の生活水準が下がった」なら「貧困は改善」は嘘で、アベノミクスは失敗と自ら認めることになるではありませんか。

 第二。「低所得世帯の生活水準が下がった」なら、生活保護を削るのでなく低所得世帯の生活を支援することこそ政治の責務。生活保護の捕捉率(利用の要件がある人のうち実際に利用できている人の割合)は2~3割と言われる。こうした欠陥にこそメスを入れるべきではないか。生活保護削減は広範な国民の暮らしに重大な影響。住民税、保育料、介護保険料、国保料、就学援助、最低賃金など低所得世帯の生活悪化に連動します。「低所得世帯の生活水準が下がった」ことを理由に生活保護を削れば、際限のない「貧困の悪循環」をもたらすことになる。

 第三。今回の生活保護削減では子どもの多い世帯ほど削減幅が大きくなる。都市部に暮らす「夫婦と子ども2人世帯」の場合、生活保護費は年11万円の減額になり、2013年の削減と合わせると年37万円もの大幅な減額になります。

 総理は施政方針演説で「生活保護世帯の子どもたちへの支援を拡充します」と述べたが、やろうとしていることは全く逆。生活保護は憲法25条に明記された国民の生存権を保障する最後のセーフティネット。生活保護削減方針を撤回し、2013年削減前の水準に戻すよう強く要求。

 今回の生活保護削減予算は160億円。米軍への「思いやり予算」の来年度の増加分195億円をあてれば「おつり」がきます。政府がまず「思いやる」べきはどちらなのか。その答えはあまりにも明瞭ではありませんか。答弁を求めます。

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