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連邦準備制度理事会(FRB)によるインフレを抑え込むための利上げによって債券の価値が下がり、シリコンバレー銀行の破綻に端を発する金融危機が発生 ~クレディ・スイスのようないくつかのヨーロッパの銀行がすでに危機に瀕している

竹下雅敏氏からの情報です。
 ポール・クレイグ・ロバーツ氏は、ロナルド・レーガン大統領の下で経済政策担当の財務次官補を務めた人物です。2008年9月に金融大手のリーマンブラザーズが破綻。その後、「連邦準備制度理事会は金利を非常に低く抑えていたため、銀行がバランスシート上に持つ金融資産の利息は低いままだった」わけですが、Covid-19のパンデミックが始まるとお金をばら撒いたのでインフレになりました。
 このあたりのことは、2022年9月9日の記事で紹介した「サンクトペテルブルク国際経済フォーラムでのプーチン大統領の演説(2022年6月17日)」を見ればよく分かります。
 プーチン大統領は、“欧米の主要経済国の政府は…ただただ紙幣の印刷を加速させた。…過去2年間でアメリカの通貨供給量は38%以上増加した…欧州の通貨供給量もこの間に劇的に増えている。…今日のインフレの加速、食料・燃料不足、エネルギー問題などは現米国政権と欧州官僚の経済政策の失敗の結果である”と指摘していました。
 連邦準備制度理事会(FRB)はインフレを抑え込むために利上げを行ないましたが、BBCが“利上げは今年(2022年)に入って7度目となる”と報じたような「クレイジーな利上げ」でした。
 利上げによって債券の価値が下がり、シリコンバレー銀行の破綻に端を発する金融危機が発生しました。ポール・クレイグ・ロバーツ氏は、「FRB の高金利政策が、銀行を債務超過に追い込む。そしてこれが問題の原因だ」と指摘しています。
 “クレディ・スイスのようないくつかのヨーロッパの銀行がすでに危機に瀕している”のですが、Alzhackerさんのツイートによれば、“クレディ・スイスはスイスで2番目に大きな銀行だ。世界中で1兆6千億ドル(214兆円)の資産を運用している。…クレディ・スイスほど大きな銀行を救済するお金を誰が持っているだろうか?…米ドルは何にも支えられていない。単なる幻想だ。本物の通貨は、現物の金と銀だけだ”とあります。
 J Sato氏は「クレディ・スイスの財務悪化の要因の一つに、永世中立国のスイスが対露制裁に参加したことがあるもよう。ロシアだけでなく、中国、サウジ等の企業・富裕層の資金移動・引き出しが大きいもよう」とツイートしています。
 クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)のアンマル・フダリ会長は、「規制や法定という最も単純な理由以外の多くの理由から、(財務支援・増資に応じることは)絶対にありません」と発言、“この発言後に、クレディ・スイス株価がさらに2割超急落”したということですが、この後、“クレディ・スイスは16日、中央銀行である「スイス国立銀行」から最大で500億スイスフラン、日本円でおよそ7兆1000億円を調達する用意があると発表した”ということです。
 シリコンバレー銀行の破綻で、多くの投資家が「米国債はリスク資産」だと認識したわけですから、この問題は収まらないでしょう。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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米国の銀行危機は世界的な脅威となる、元財務官僚がRTに語る
転載元)
伝染病はヨーロッパだけでなく世界中に広がる可能性がある、とポール・クレイグ・ロバーツ氏が警告
 
ポール・クレイグ・ロバーツ政治経済研究所会長は、米国連邦準備制度理事会(FRB)の政策が銀行危機の原因であり、銀行セクターのさらなる破綻につながる可能性があるとみている。
 
1980年代に米国財務省に勤務した同氏は、米国の金融システムを揺るがした最近の有名な銀行破綻と、それらの出来事がもたらす潜在的な影響について、RTに語った。
 
「長年、連邦準備制度理事会は金利を非常に低く抑えていたため、銀行がバランスシート上に持つ金融資産の利息は低いままだった。金利が上昇し始めると、銀行のポートフォリオの価値は下がるが、負債は下がらない」とロバーツ氏は説明します。
 
「FRBの高金利政策が、銀行を債務超過に追い込む。そしてこれが問題の原因だ」と述べ、「FRBが金利を上げ続ければ、さらに破綻が増えるだろう」と警告した。
 
エコノミストは、米国の5大銀行(3大ニューヨーク銀行と2大カリフォルニア銀行)が現在保有しているデリバティブは数兆ドルにのぼると指摘した。しかし、彼らの資本基盤は数十億ドルに過ぎない。「つまり、彼らは何兆ドルものリスクにさらされているのに、そのリスクを支える資本基盤がないのです。だから、今世紀初めの大危機と同じように、デリバティブで再び何かが起これば、これらの銀行は危機にさらされることになる」。
 
ロバーツ氏は、これらの銀行がデリバティブで問題を起こせば、それがヨーロッパに波及すると警告を続けた。ロバーツ氏は、これらの銀行は単に規模が大きすぎるだけでなく、相互の関連性が高いことを指摘した。
 
「バイデンや彼の政権の誰か、あるいは連邦準備制度理事会さえも、そのリスクの大きさを理解しているかどうか疑問だ。非常に(明確に)言うと、米国の5大銀行はデリバティブを保有しており、その価値は全世界のGDPの2倍の規模になります。彼らは188兆ドルものデリバティブを保有しているのです。では、そのリスクは何なのか? 誰も知らないのです。」
 
ロバーツ氏によると、このトラブルの発端は、米国当局が銀行規制を大幅に変更した1999年に遡るという。それ以前は、商業銀行は投資銀行業務に携わることができず、投資銀行は自分たちのお金でリスクを取っていたと説明する。しかし、商業銀行が参入すると、預金者の貯蓄を使ったギャンブルができるようになった。そのため、以前はシステムの一部ではなかった途方もないリスクテイクが可能になったと専門家は述べた。
 
彼は、いわゆるグラス・スティーガル法が、1999年に大部分が廃止されるまでの66年間、パニック買いや買い占め危機を防いできたと指摘しました。「それを取り上げたとき、彼らは危機につながる行動パターンを開始した。」
 
元ホワイトハウス高官は、アメリカの銀行セクターにおける現在の危機が、世界の他の地域にも影響を与える可能性があることを示唆し、クレディ・スイスのようないくつかのヨーロッパの銀行がすでに危機に瀕していることを指摘しました。
 
「2007年から2008年にかけてデリバティブが爆発し、銀行を失い、ウォール街の企業を失ったのと同じことだ」とロバーツ氏は語り、その後12年間、超低金利が続き、現在の危機を招いたことを強調しました。
 
 
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「あの人は今」の二人 〜 ドイツ保健省カール・ラウターバッハ大臣とウクライナの美しすぎる元検事長ナタリア・ポクロンスカヤさん

 いろんな情報を見ていると、「あれ?この人、、」と目が止まることがあります。今日は「あの人は今」というテーマになりそうな二人を取り上げました。
 ユリシス様の記事によく登場したドイツのカール・ラウターバッハ保健大臣という人がいます。ワクチンの注射針を両手に持って金歯を光らせて笑う写真は衝撃でした。この「金歯の妖精」大臣は予防接種キャンペーンを推進する一方で、ドイツで盛んなホメオパシーを攻撃していたと記事にありました。
 ところが先日、手のひらを返したかのような発言をしていました。ワクチン接種後の副作用に苦しむ人々の救済プログラムを発表し、障害を受けた人たちに「申し訳ない」と述べたようです。2021年に「副作用が全くない」と発言していたことについては「誇張だった」そうです。どこが誇張だよ!とファクトチェックできる動画を編集された方が、最後に「○○○!」とぶつけていました。日本のデマ太郎は「申し訳ない」とも言いません。
 もう一人は、かつて時事ブログに登場したウクライナの美しすぎる検事長ナタリア・ポクロンスカヤさんです。「ぺりどっと通信」にも取り上げられた人気者です。2016年、ナタリアさんがロシア下院議員となりモスクワに赴任する頃の動画がありました。ナタリアさんはウクライナ東部ルガンスクで生まれ、クリミアで育った方だそうです。「クリミアは私の人生です。」「クリミアは第二の祖国なんです。」「ロシアは大きな国ですから運命がどう変わるかわかりません。私はどんな立場になってもロシアのために奉仕するつもりです。」と述べていました。2014年のマイダン革命については、アメリカがウクライナの内政干渉のリーダーだと指摘しています。
(まのじ)
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配信元)



「世界で最も安全な資産」ということになっている米国債が、実は新たな「有害な証券」となっていた! ~シリコンバレー銀行が破たんしたのは、米国債を大量に保有していたため

竹下雅敏氏からの情報です。
 「世界で最も安全な資産」ということになっている米国債が、実は新たな「有害な証券」となっているという話です。「金利が上昇すると債券の価値は下がる」ということが分かっていれば、現在の多くの銀行が米国債という「スーパー爆弾」を抱えていることが分かるはずです。
 “米国の国債は、世界で最も安全で「リスクのない」資産であると考えられている。しかし…それはまったく真実ではない”と記事に書かれていますが、シリコンバレー銀行が破たんしたのは、米国債を大量に保有していたためです。
 本当に安全な資産というなら、ゴールドを持っておいた方が良いのは当たり前の話なので、ロシアなどのまともな国は、早くから米国債を売り払ってゴールドに換えています。
 記事に書かれているように、2008年9月に金融大手のリーマンブラザーズが破綻したことで、「大恐慌以来最悪の経済的および財政的荒廃」が起こりました。その後、景気を刺激するために低金利が続きました。この間、金融機関は低金利でお金を借りて、国債を買って利ザヤを稼ぐという「驚くほど保守的」な方法で利益を出すことに慣れてしまったように見えます。
 パンデミックが起こり、多くの国がヘリコプターマネーでお金をばら撒いたのでインフレになりました。「ところが、去年から始まったFRBのクレイジーな利上げによって現在3年物アメリカ国債の利率は4.71%。これによって、利率が悪い国債は誰も買いたくない…国債の価値が一気に落ちた。」ことで、現在の危機が生まれたわけです。
 記事では「この悲しいサーカスの首謀者である連邦準備制度も、何も理解していないようだ。実際、FRB の指導部は先週ずっと、利上げを続けると主張していた。」と書かれていますが、これは違うと思います。
 FRB の指導部は、こうした初歩的なことは当然分かっています。彼らは金融の破壊を意図的に引き起こすために、ワザと株価と実体経済の乖離が拡がるように誘導してきたはずです。
 今後、連邦準備制度理事会(FRB)が金融システムを救うためにインフレ政策をとれば、人々はハイパーインフレに苦しむことになり、インフレを抑え込むために金利を上げれば銀行は潰れていくことになります。
 “小さい地方銀行への信用をなくして破綻させ、連邦準備制度理事会(FRB)を保有しているグローバリストの6大銀行に集約して、中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入し、キャッシュを殺す計画”だと思われることから、エドワード・ダウド氏は「時間が経てば経つほど、これは悪化の一途をたどるでしょう。私は、リスク資産が再下落し、茹で蛙になるシナリオを支持します。」と予測しているわけです。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「崩壊は一瞬で起こり得る」:迫るメルトダウンのメカニズムがようやく理解できました。そこには驚くべき事実が存在します
転載元)
米国債というスーパー爆弾

金融関係の記事が続きますが、知りたいと思っていることは、純粋に以下の点だけなんですが、今ひとつ納得できていない部分があります。

・同じような破綻が起きるメカニズムは明確に存在するのか
・何かが起きるとすると、どの程度の規模とスピードで起きるのか
(中略)  
今朝あるグラフを見て、「結局、これなのか…」ということに気づきました。
 
アメリ/カの投資家のバーラージーさんという人が、以下のような投稿をツイッターにしていたのです。こちらに訳しています。

バーラージーさんの投稿
銀行は米国債を購入したために破綻している。完全な停止だ。「世界で最も安全な資産」は、世界で最も危険な資産になっている。
Baraji

そして、添付されていたグラフが以下です。
 
投資有価証券の含み益(含み損)

nofia.net
 
■ 満期証券保有
■ 売却可能有価証券

ソースは、FDIC (連邦預金保険公社)で、過去14年と比較して、2022年から、
「/保有する国債に莫大な損失が出ている」ことがわかります。
(中略)


シリコンバレー銀行が破綻したのなら、他も同じだ
If SVB is insolvent, so is everyone else
Simon Black 2023/03/13
 
2008年9月14日の日曜日の午後、金融大手のリーマンブラザーズの数百人の従業員が、ニューヨーク市の 7番街 745番地にある銀行の本社に足を踏み入れ、オフィスとデスクを片付けた。
 
リーマンが破綻を宣言するまであと数時間のときだった。そして、その翌日からの崩壊は、大恐慌以来最悪の経済的および財政的荒廃を引き起こした。

S&P500は約50%下落した。
 
失業者が急増した。そして、その後の1か月で100以上の銀行が倒産した。完全な災害だった。
 
これらの銀行は、預金者のお金を使って特別なモーゲージ債を購入していたことが判明している。しかし、これらの債券は非常にリスクが高かったために、最終的に「有害な証券」または「有害な資産」として知られるようになった。
 
これらの有害な資産は、サブプライムの「忍者」、つまり、収入も仕事も資産もなく、過去に請求に対して支払わなかったような歴史を持つ借り手に与えられていた、リスクの高いマネーダウンのない住宅ローンの束だった。
 
経済が好調だった 2006年と 2007年には、銀行はこの有害な資産から記録的な利益を上げた。
 
しかし、2008年に経済状況が悪化し始めたとき、これらの有害な資産の価値は急落し、数十の銀行が一掃された。
(中略)
米国で2つの大手銀行、シグネチャー銀行とシリコンバレー銀行(SVB)が崩壊するのを目の当たりにした。
 
現在でも、銀行は時々破綻する。しかし、これらの状況は不気味なほど 2008年と似ているが、現実はもっと悪いのだ。説明しよう。

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IR・カジノ予定地の不動産鑑定評価に大阪市が不当な介入をした疑惑 〜 大阪府知事候補のたつみコータロー氏らが松井市長の虚偽答弁を糾弾


 IR・カジノ予定地「夢洲」地区の不動産鑑定評価に大阪市が不当な介入をし、また松井市長が虚偽の答弁をしていた疑惑が発覚しました。大阪府知事候補のたつみコータロー氏が緊急記者会見を行い経緯を説明しました。
 松井市長は、これまで一貫して「IRというのは日本にないということで鑑定事務所からIRを基本とした鑑定額は出せないという話がありましたので考慮外とした」と述べていました。IRを「考慮外」にすると(土地の鑑定価格にIR施設の価値を反映させないと)大阪市所有の夢洲の評価が下り、IR業者への賃貸価格が安くなります。松井市長は大阪市民に向けては「この土地を一円でも高く売るために頑張ってきた」と説明していたようです。しかし4社の不動産鑑定業者から出された「考慮外」の安い価格を大阪市が(仕方なく)受け入れた、という形でした。
 ところが情報公開請求によって入手できた公文書によると、大阪市が鑑定業者からの説明を受けたとされる時期より以前に、大阪市の方から鑑定業者に対して「考慮外」とするよう求める確認書が出てきました。鑑定業者からの要望ではなく、当初から大阪市は土地価格が下がることを知っていながら「考慮外」の条件で進めていたことになります。土地の評価額が下がるとIR業者は喜びますが、大阪市民にとっては損害です。松井市長の説明は時系列的にも内容的にも虚偽であることが判明しました。
 これまですでに指摘されていた土地価格の談合疑惑と土地価格が不正に引き下げられている疑惑について吉村知事は、専門家の鑑定評価を受けているので適正だという見解でした。しかしその鑑定評価そのものが不当である可能性が出てきたわけです。そもそも松井市長の説明にあった「鑑定業者からIRの前例がないため鑑定評価が難しいという提起があった」という文書すら「不存在」だったようです。初めから嘘を圧力で押し切った鑑定結果でした。圧力のない形での鑑定のやり直しが必要です。
 なによりこのような事実はネット上で公開されても、メディアが取り上げなければ問題が表面化しません。記者会見に来ていたメディアは是非とも大阪市、そして松井市長に厳しい追求をしてほしい。
(まのじ)
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中国の仲介でイランとサウジアラビアが関係修復、いずれもBRICSへ / イランとベラルーシが包括的相互協力を協定 / 世界のGDPはBRICSがG7を抜く

 日本がアメリカの鉄砲玉となって「ロシア悪」の洗脳状態にある間に、世界は大きく動いています。これまでは全く考えられなかった国々が結びつく姿を見せています。
 3月11日にイスラム2大勢力、スンナ派のサウジアラビアとシーア派のイランが国交を修復したという驚きの報道がありました。しかもその仲介をしたのが中国であったという点がさらに注目を集めました。サウジとイランの断絶はスンナ派とシーア派の対立というよりも、ロックフェラー家と深く結びついたカルト集団ワッハーブ派のサウジvsそれ以外のイスラムという対立構図があったことは、seiryuu氏の「ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 第18話 ― サウード・ワハビ家」に詳しいです。アメリカによって常に分断されてきた両国の関係修復が北京で成し遂げられたことの意味は大きく、サウジとイランはいずれBRICS陣営に加わる見通しとなりました。「ロシアにとって大きな援軍を得た」とのツイートもありました。さらに12日にはメキシコがBRICSへの加盟を正式に申請しました。経済が好調なメキシコが加わり、世界のGDPで、BRICSはG7を上回ることになりました。13日にはイランとベラルーシが「政治、経済、領事、科学技術、教育、文化、芸術、メディア、観光の各分野における包括的な協力」を協定しました。アメリカの傲慢な覇権主義と異なるこれらの親露の相互協定は、新たな世界像を見るようです。
 日本は本来、イランともサウジとも良好な関係があり、仲介役になりうる立場でした。没落のG7に追従するあまり、世界の主流に乗り遅れています。
(まのじ)
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